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上級者向け 受験マニアックス

2020年11月号 10月の大手公開模試の受験状況

この記事は2020年度の情報です。最新の情報は2023年11月号をご覧ください。

10月の首都圏中学受験大手公開模試(首都圏模試、日能研模試、四谷大塚合不合判定テスト、サピックスオープン)の受験者数データがまとまりました(10月は首都圏模試の公立中高一貫校模試は実施されていません)。その結果から見えてきた来年度の受験動向について、筆者の予測をご紹介します。

大手公開模試の受験者数

下の表は、今年と昨年の10月の大手公開模試の受験者数を集計した結果です。

10月の大手公開模試の受験者数(2019年・2020年)
模試名 首都圏模試 日能研模試 四谷大塚 サピックス 合計
年度 19年 20年 19年 20年 19年 20年 19年 20年 19年 20年
男子 4科 5,331 4,915 5,321 5,603 6,226 6,905 4,073 4,481 20,951 21,904
2科 828 800 802 839 492 496 - - 2,122 2,135
6,159 5,715 6,123 6,442 6,718 7,401 4,073 4,481 23,073 24,039
女子 4科 5,007 4,479 5,266 5,659 5,265 5,927 2,808 3,077 18,346 19,142
2科 1,333 1,309 639 688 439 515 - - 2,411 2,512
6,340 5,788 5,905 6,347 5,704 6,442 2,808 3,077 20,757 21,654
総計 12,499 11,503 12,026 12,789 12,422 13,843 6,881 7,558 43,828 45,693

受験者数の合計は昨年より1,865名増加して、45,693名となりました。今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、大手公開模試は延期や在宅受験などが広がったため、夏前は受験者が減少しましたが、9月は昨年並みに回復、10月は昨年対比4.2%増と、昨年を上回りました。

難関校・上位校が根強い人気

下のグラフは、前年と今年を比較した模試別受験者数増加率の推移を表したものです。
図1 模試別受験者数増加率の推移(2019年・2020年)

模試別受験者数増減率推移

グラフでの実施月は、本来は4月、7月、9月、10月ですが、今年は首都圏模試が5月に延期したため、「4・5月」、実施日の関係でサピックスと日能研模試は6月中に実施しているので「6・7月」と表示しています。

首都圏模試の受験者数は、4・5月、6・7月と大きく減少していましたが、9月には9.8%減と、昨年の受験者数にはまだ差があるものの、減少の幅はかなり小さくなり、10月は8.0%減と、昨年からの減少幅も1,000名を切るところまで回復しています。公立中高一貫模試は4・5月と10月は実施がありません。歴史が新しいこともあり、まだまだ受験者数が少ない模試ですが、9月では一番増加率が高くなっています。

日能研模試は6.3%増と昨年を上回りました。4・5月の模試は、緊急事態宣言発令直前ということもあり、他の模試に比べて小幅な減少となっていました。6・7月は2.2%減、9月は2.0%と昨年の受験者数に近づき、10月は大きく増加しています。今年は、首都圏模試と日能研模試の日程が重なったため、昨年とは受験生の動きが少し変わった面もあるかもしれませんので、昨年よりもやや増加したと考えるのがよいのかもしれません。

サピックスでは、4・5月は8.5%減でした。緊急事態宣言発令後の実施だったものの比較的小幅な減少に留まりました。6・7月は0.3%減と昨年並みに回復、9月は5.2%増、10月は9.8%増と、回が進むにつれて大きく増加するようになっています。

四谷大塚は、今年の4・5月の57.7%減は例外として、6・7月は0.9%増、9月は0.1%増と、昨年並みの水準で推移しています。10月が11.4%増と、大手公開模試の中で、首都圏模試の公立中高一貫模試を除くと最大の伸び率でした。ただし、昨年、四谷大塚は台風19号の直撃により受験者数が大きく減っていました。一昨年と比較すると2.9%の増加となるため、受験者数はやや増加した水準といえるでしょう。

大手公開模試は、それぞれ受験生の志望校に傾向が見られ、四谷大塚とサピックスは難関・上位校志向、首都圏模試は中堅校志向の受験生が多く、日能研はその中間と言われます。全体としてみると、受験者数はやや増加となっていますが、受験生の志向としては難関・上位校志向は手堅いと考えられます。

大手公開模試での受験生の希望状況を見ると、来年に向けては、上記のとおり、「難関・上位校」〜「中の上くらいの難度の学校」は根強い人気で、高倍率の学校も多いと思われます。中堅までの各校は、人気の面では比較的落ち着いている学校もあり、中堅校よりも入りやすい学校を中心に、あまり高倍率にはならない学校も出るでしょう。この秋の時点で受験生の皆さんはある程度、第一志望や第二志望の学校が決まっているかと思われます。一方で、併願校の選定においてはいろいろと悩むこともあるかもしれません。コロナ禍で経済状況が悪化していることもあり、中学受験生がという大きく減るのでは、という見方もありますが、大手公開模試の状況を見る限り、中学受験志向は堅調です。

どんな学校の人気が上がっているか

来春に向けて、受験生の人気が上がっている学校はどのようなところなのでしょうか。
以下に、大手公開模試の希望者数を前年同月と比較、全体の受験者数の増減で補正して、全体的に人気が上がっている、あるいは人気が上がってきたと思われる学校名を挙げます。

【男子の人気が上がっていると考えられる学校】
9月・10月とも人気が目立っている学校です。このまま推移すると本番の入試でも高い人気になりそうです。

青学浦和ルーテル、学芸大竹早、京華、学習院、暁星、駒場東邦、桜丘、実践学園、昌平、城北埼玉、高輪、日大豊山、日大第二、藤嶺藤沢、明星、目黒日大、横浜創英

9月・10月とも非常に手堅い人気動向で推移していて、少なくとも2020年度入試並みの受験者数になりそうな学校です。

青学横浜英和、浅野、郁文館、海城、鎌倉学園、佼成学園、駒込、淑徳巣鴨、聖徳学園、昭和学院、東海大高輪台、獨協、日大豊山、日本大学(日吉)、法政大学、本郷、明治学院

10月になって人気が目立ち始めた学校です。受験校にするかどうか迷っている受験生も多く、これから受験校を絞っていくなかで、選ばれるケースも多くなるかもしれません。

麻布、江戸川取手、開成、開智、神奈川大附属、慶應湘南藤沢、県千葉、国学院久我山、サレジオ学院、品川翔英、芝浦工大柏、昭和学院秀英、巣鴨、逗子開成、成蹊、青稜、千葉日大第一、中大附属横浜、鶴見大附属、東邦大東邦、桐光学園、日大第一

【女子の人気が上がっていると考えられる学校】
9月・10月とも人気が目立っている学校です。このまま推移すると本番の入試でも高い人気になりそうです。

青学浦和ルーテル、青山学院、鷗友学園、大宮開成、慶應中等部、佼成学園女子、芝浦工大柏、湘南白百合、女子美大付属、青稜、玉川学園、東海大高輪台、日大第一、フェリス、富士見、明治学院、山脇学園

9月・10月とも非常に手堅い人気動向で推移していて、少なくとも2020年度入試並みの受験者数になりそうな学校です。

大妻、大妻嵐山、共立女子、京華女子、国府台女子、昭和学院秀英、専修大松戸、日大豊山女子、法政大学、明治学院、安田学園

10月になって人気が目立ち始めた学校です。受験校にするかどうか迷っている受験生も多く、これから受験校を絞っていくなかで、選ばれるケースも多くなるかもしれません。

跡見学園、穎明館、江戸川女子、桜蔭、公文国際、頌栄女子学院、相模女子大、品川女子学院、淑徳巣鴨、淑徳与野、聖セシリア、東海大相模、東京電機大、東洋英和、日大第二、八王子学園、普連土学園、法政大学、宝仙学園、明星、武蔵野大、山脇学園、横浜共立、立教女学院

全体的な傾向として、男子校の人気は非常に堅調です。高い人気がそのまま推移している学校が多いと考えることができます。一方、女子校の場合、学校数は多いものの男子校ほど人気が目立っている学校は多くはありません。女子校では、継続的な人気を保っている学校があるものの、全部の人気が上がるわけではなく、今まで選ばれてきた学校を中心として、特定の学校に人気が集まるのかもしれません。

共学の学校については、比較的に男子校・女子校が多い東京都や神奈川県のエリアでも共学校は手堅い人気となっています。また千葉県や埼玉県、あるいは北関東の学校ではほとんどが共学校のため、こちらも必然的に共学校の人気が高くなっています。その中でも目立つのは有名大学の附属校です。小規模な入試の学校ですが青学浦和ルーテルが登場しているのがその実例でしょう。慶應中等部や慶應湘南藤沢、青学横浜英和、法政大学など、すべてではありませんが、全体として高い人気が続いています。また、2021年度入試に向けては、表のように日大の系列校の人気も目立っています。人気に陰りが見られた年もありましたが、希望者も増加しており、人気は完全に回復したと捉えられます。

大学附属ではない共学校では、大宮開成、昭和学院秀英、青稜などの人気が目立ちますが、2020年度入試で都内共学校応募者数トップ3の広尾学園、三田国際学園、東京都市大等々力の名前が見られません。少し人気が上がりすぎたのかもしれません。特に広尾学園は姉妹校の広尾学園小石川が新設されますから希望者が分散したようです。しかし、これらの各校の人気は根強いものがあり、上記一覧に名前が出ていないといって、入りやすくなると考えるのは早計でしょう。一覧に挙がっていない学校についても、「先進的な取り組み」や「熱心な先生」などそれぞれ良い面を持つ学校はたくさんあります。志望順位が低いからといって、単純に人気がないということではありません。もちろん人気の集まる第一志望校に向けて頑張っていくことは大事ですが、それぞれの学校の特徴をしっかりと調べた上で、志望校を選択していただきたいと思います。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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