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上級者向け 受験マニアックス

2017年6月号 私立中学校に通うお子さまを持つ保護者の声(進学理由・学費など)

今回は、東京都のある私立中学校で実施されたアンケートをもとに、私立中学校にお子さまを通わせているご家庭がどのような理由で私立を選んだのか、学費の心配は実際どうなのかをご紹介します。ご協力いただいた私立中学校の結果ではありますが、私立中学校の多くに当てはまる内容です。

私立中学校への進学希望理由

グラフは、新中学1年生の保護者に、私立中学校への進学理由をたずねた結果です。私立を選んだ理由で最も多かったのは、「私立の方が教育方針や教育内容がよい」で40%を占めました。他の理由としては、「私立の方が生活指導がよい」「私立の方が大学進学の指導に有利」などが選ばれています。大学受験に向けた学習指導だけでなく、教育方針や生活指導なども含めた6年間の学びそのものが、私立の魅力と捉えられていることがわかります。

私立中学への進学希望理由

私立中学への進学希望理由

「第一志望制度があったので」も24%の回答がありました。この中学校では、第一志望であることを表明して受験すると、合格ラインぎりぎりの成績だった場合に、若干ですが優遇されることがあります。こうして受験できたから同校を選んだ、という回答ですが、教育内容や生活指導、大学進学指導などに賛同や期待ができなければ第一志望で受験するわけはありませんから、これも合わせるとほぼ全部が「6年間の学び」そのものが私立中学進学希望理由になっています。

入学前の学費の心配

入学前の学費の心配

私立入学にあたり学費で心配しましたか

グラフは、この学校の新入生(ただし、併設の高校からの入学生も含む)に、入学にあたって学費の心配があったかをたずねた結果です。「非常に心配した」「少し心配した」をあわせると91%になり、「心配しなかった」と答えた方はわずか9%でした。私立を選ぶご家庭には、学費の心配がつきものだということがわかります。

学費が家計に及ぼす影響

学費が家計に及ぼす影響

学費は家計を圧迫していますか

入学後、実際に学費が家計を圧迫しているかをたずねた結果が次のグラフです。「かなり圧迫」が最も多く5割弱、「少し圧迫」が4割程度で、「それほど圧迫していない」と答えたのは、1割程度でした。

それでも私立を選ぶご家庭には、「学費の負担は大きくても子どもの将来のために」という想いがあるのでしょう。以下に、経済的な不安がありながらもこの私立中学校進学を選んだ保護者の文章を紹介します。

今、思い起こせば子どもが中学の進路を決定する際、母子家庭という自身の経済的事情では、到底私学の入学は無理と公立の一貫校進学を目指し、子どもと共に学び、そして教え……、年月を重ねました。しかし、この学園との出会いで、我が子が入学を希望しました。何とか子ども自身が初めて選ぶ「道」を突き進めさせたい! という一念で、厳しい指導を重ねたのを思い出します。私のような親を持つ子どもにも、教育を受ける権利があり保護者には義務があるのです。なぜなら、子ども達は、生まれながらの事情を背負いながら将来を切り開き、前に進まなければならないと考えるからです。そういった将来ある子ども達に格差をつけることなくなく学ぶ意思がある者が、平等でなくてはならないのです。(以下略・原文では学校名が明示されていましたので、編集部で「この学園」に修正しました)

私立の学費負担を軽減するために

以上のように、私立の学費の負担は、ご家庭の大きな懸念事項となっています。「中学受験は裕福な家庭がすること」という見方がいまだにありますが、この学校のアンケート結果からは、経済的な不安がありつつも、私立中学校に魅力を感じてお子さまを通わせているご家庭が多いことがわかりました。こういったご家庭の中には、祖父母が学費の援助をしていたり、孫への非課税の教育資金贈与を利用しているところも多いようです。

マニアックス前号でもお伝えしたように、私立高校の授業料については、国の就学支援金があり、各都県も独自の補助制度を整えています。2017年度は、東京都の私立高校の授業料無償化(正式には保護者負担軽減)が大きく注目されました(詳しくは前号を参照)。中高合わせた6年間の授業料の出費は、抑えられる傾向になっています。

さらに私立小中学校に関しては、2017年度から「私立小中学校等就学支援実証事業」が始まりました(詳しくは前号を参照)。これは、2017年〜2022年までの5年間を調査期間として、年収400万円未満の家庭に一律10万円の授業料補助を行うものです。調査期間中には、私学選択理由や家庭の経済状況の把握を行うとのことです。私立を選ぶご家庭の経済負担を軽減するため、対象となる家庭や補助額の拡大が期待されます。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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