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上級者向け 受験マニアックス

2022年2月号 中学受験の基礎知識Q&A

これから中学受験をお考えのご家庭も、また、お子さんと中学受験を目指しているご家庭でも、意外と中学受験の詳細について知らないことがあるのではないでしょうか。
今回の受験マニアックスでは「これだけは押さえておきたい! 中学受験の基礎知識」を、Q&A方式で紹介します。

1.中学入試について

Q. 中学入試はいつ行われるのですか?

A. 一般の受験生を対象にした入試は都県ごとに開始日が協定で決まっています。例年、東京都・神奈川県は2月1日、千葉県は1月20日(ただし一部の私立中学校で実施されている推薦・第一志望入試は12月1日、公立一貫校は1次を12月に実施)、埼玉県は1月10日からそれぞれ始まります。また、海外帰国生のみ対象の入試はこの開始日にこだわらずに日程を設定できるため、東京都内の学校でも11月や12月などに日程を設定している例があります。茨城県や栃木県はさらに早く、11月に行われる学校もあります。地方の寮制の学校の入試は、各都県の協定に参加していないため、東京都内で実施されても12月や1月早々、といったケースもあります。

Q. 入学試験は1回だけですか?

A. 国立や、私立難関校、公立中高一貫校では1回だけの学校も多いのですが、私立上位校・中堅校では2回・3回と行われる学校が多くあります。第一志望ならば2回・3回と出願し、合格するまで何度でも挑戦する受験生もいます。また、2回・3回と複数回挑戦する受験生に対して、合格判定時に有利に取り計らう学校もあります。以前は2回目・3回目は1回目より厳しい入試になるケースが多かったのですが、都県・学校によっては難度にあまり差がない学校も少なくありません。

2.入試問題について

Q. 中学入試の科目は?

A. 学校によって異なりますが、私国立中では国算社理の4科目か、国算の2科目が一般的です。難関・上位校はほとんど4科目、中堅校は4科目か2科目を選んで受験する選択入試が一般的です。国算2科目のみの入試は一時期減りましたが、午後入試を中心に再び増えています。例外的には国語または算数のみの1科目入試や、算数・理科といった変則2科目入試、総合問題による思考力型やプレゼンテーションを行ったり口頭試問に答える入試もあります。公立中高一貫校では「適性検査」と呼ばれる教科横断型(科目ミックス)の問題が中心ですが、長い作文が出題される学校もあります。私立中でも公立一貫校の併願受験生対応で、適性検査を出題している学校があります。一方、グローバル化の広がりもあって、英語が出題される学校もありますが、その内容は、現在公立小学校で実施されているコミュニケーション力中心の出題の学校もあれば、海外帰国生などを対象とした高度な英語力を求める出題もあります。ただ、公立小学校レベルを超える英語は、必修ではなく科目選択になります。

Q. 入試はどこで実施されるのですか?

A. ほとんどは受験する学校で実施されますが、中高で校舎が別の場合に高校校舎が試験会場になるケースもあります。また、受験生が多く、校内だけでは実施が難しい場合や、駅からかなり離れている学校の場合は、受験生の交通の便を図り、ホテルやホールなどで実施される入試もあります。

Q. 入試問題は学校によって違うのですか?

A. 多くは、各学校が工夫をこらして、学校の教育方針に合わせて、独自の問題を出題します。公立一貫校では、一部に共通問題が実施されています。

Q. 入試問題が解けるようになるためには塾へ行かなければならないのですか?

A. 塾に通っているお子さんは多いです。受験を考えている場合、入試に関する勉強面だけではなく、受験に関するさまざまなアドバイスももらえるので、精神的な面でも安心感があります。難関校・上位校の入試問題は、科目の名前こそ小学校と同じ国語・理科などですが、内容的にはむしろ別のものと考えた方がよいと思います。学校で教わる内容と違うものになりますから、どこかでそれを学習しないと、優秀なお子さんでも入試問題が解けないことになります。そういった小学校で習わない内容を学習する場が進学塾です。もちろん、家庭教師をつけて勉強している方もいますし、市販の入試問題集などを使って自宅学習で入試に臨む受験生もいます。公立中高一貫校の適性検査は出題スタイルが国私立中に多い教科別とはかなり違うこともあって、公立一貫校向け対策コースを設置する塾も増えています。

Q. 難しい入試問題を解くのは大変ではないですか?

A. 確かに大変です。しかし、満点をとらなければ合格しない、というわけでもありません。私立中学入試の合格最低点は50~60%程度、場合によってはもっと低いこともありますから、「できる問題」を確実に解いて、不注意のミスをしないようにすれば合格可能性は上がります。国立や公立中高一貫校では合格最低点が公表されていないケースが多いのですが、中には8割程度正解しないと合格しない学校もあるようです。繰り返しになりますが、パーフェクトではないと受からないわけではありません。基本問題をしっかりと得点し、不注意なミスで点数を落とさないことが大切です。

Q. 昨年や一昨年の入試問題を見ることができますか?

A. ほとんどの学校の入試問題は、過去5年間分くらいがセットになって、大きな書店の学習参考書コーナーで市販されています。また、学校でも販売しているところが多いのでぜひ購入してください。

Q. 競争倍率は高いのでしょうか?

A. 人気校になると5倍や10倍という倍率も珍しくはありませんが、特に私立中学では「歩留まり」といって、合格しても他の学校に手続して入学しない受験生の分を見越して、募集定員より多めに合格発表を行いますので、実質的には2~3倍程度までの学校が多いようです。国立や公立中高一貫校では多めに合格を発表しておくのではなく、合格者の辞退が出た場合、不合格者から繰り上げることが多くなっています。

3.受験のための手続きやその他について

Q. 中学入試を受験するにはどうやって申し込むのですか?

A. 近年はWEB出願が多数派で、郵送出願の学校もあります。以前は学校の窓口で手続きをするのが一般的でしたが、かなり減りました。受験料は国立で5,000円、公立中高一貫校で2,200円、私立中学の場合は2万円~3万円程度が標準です。私立中学では、2回以上同時に出願すると受験料割引や、何回受験しても同一金額といった例もあります。受験票はWEB出願であれば、出力可能日以降、自宅パソコンなどで出力できますが、こうした環境がない場合はコンビニなどでも出力できます。郵送出願の場合は、出願書類が受理されると学校から返送される場合もあります。

Q. 「入学願書」のほかに必要な書類はありますか?

A. 国立や公立中高一貫校では、小学校長の公印のある調査書が必要です。私立中学でも必要な学校はありますが、最近は減ってきました。調査書の用紙は入学願書にセットされているので、余裕をもって小学校の担任の先生に依頼して、記入してもらってください。出願の少なくとも2週間以上前には担任の先生にお願いしてください。調査書の代わりに通知表のコピーが必要な学校もあります。三学期制の小学校では、冬休み前までに出願する場合は1学期の、冬休み明けに出願する場合は2学期の通知表コピー、二学期制の場合には10月ごろに発行される前期の通知表コピーになります。通知表が小学校から発行されたら、必ず両面ともコピーしておいてください。海外帰国子女の場合は保護者の海外赴任証明や、海外の小学校の在籍証明が必要です。こうした提出書類は、受験する学校に持参または簡易書留などの郵送で提出します。提出〆切日が決まっていますので、遅れないように提出してください。

Q. 遠い学校でも受験できますか?

A. 国立では各校とも通学区域を指定していますので、地域外に住んでいると出願できません。公立中高一貫校は市(区)内や都(県)内在住が出願資格になっているため、やはり地域外では出願できません(千代田区立九段は区民枠と都民枠があります)。私立中学では通学区域が設定されていませんが、遠距離と判断される場合には特別に事前面接が行われるケースがあります。遠距離を気にしない学校もあれば、気にする学校もあります。一般的には難関校・有名校ほど平均通学時間が長くなる傾向があり、また同じ電車に長時間乗るよりも乗り換え回数が多いと通学の負担感は重くなります。良い学校なら遠くても通う価値がありますが、バランスの問題です。

Q. 私立中学に通うにはどのくらいの費用がかかるのですか?

A. 学校によって違いますし、正式な金額は各都県などからの私学助成金が決定しないと学費が決まらないため、冬にならないとはっきりした数字は出ません(各都県議会で予算が決まらないと確定しないためです)。初年度納入金(中学1年生の1年間にかかる学費や積立金、教材費などの合計)は多くの学校が70万円~140万円程度になります。中2・中3では初年度納入金の5~7割程度を納入する学校が多いようです。また、通学定期代はご家庭の負担です。
近年では、中学段階から国や各県、あるいは学校独自で実施されている支援制度があります。詳細については受験マニアックスの2021年8月号で紹介していますので、ぜひご確認ください。

Q. ウチの子に合う学校はどこでしょうか?

A. これは保護者の方とお子さんが考えて選ぶことです。基本的には6年間通うことになりますし、大学の進路にも大きく影響しますから、慎重に選んでください。選ぶポイントは教育方針・カリキュラム・卒業後の進路・校風・環境・施設・部活動・通学時間・学費などです。 どの項目が第一かはご家庭の考え方によりますが、判断に迷うことも多いので、上に挙げたような項目に優先順位をつけておきましょう。考えや希望、優先する項目などがまとまったら、説明会や学園祭見学などの場で説明を聞き、雰囲気を感じてください。世間の評判や偏差値も大切ですが、一番大切なのは中身ですので、先生方の熱意も大きなポイントになります。
また、見学の際、在校生をよく観察して「数年後のわが子が、いま見ているような生徒になったら似合うだろうか?」を想像してみてください。イメージできたのなら、おそらくお子さんにとって「いい学校」なのだと思います。多くの学校を訪問して「学校を見る眼」を養ってください。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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