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上級者向け 受験マニアックス

2019年4月号 合同相談会・説明会に行こう

中学受験を考え始めたら、どのように志望校を選んでいけば良いのでしょう。
今回の受験マニアックスでは、志望校選びのファーストステップとして役立てたい合同相談会・説明会について、内容や活用法をご紹介します。

合同相談会・説明会とは

合同相談会・説明会では、多くの学校が一同に会してブースを出し、学校の説明や質問対応を行います。最近は体験イベント、生徒によるプレゼンテーション、ステージ発表などが組み合わされるものも増えてきました。多くの学校の情報を一度に得られる機会ですので、志望校選びの第一歩として参加するご家庭が多くなっています。

中学受験生向けの合同相談会・説明会は、春から夏にかけて多く開催され、神奈川県の全私立中学が集結する大規模なもの、埼玉西部の私立中学が集まるもの、都内の女子校が集まるものなど、さまざまなタイプがあります。

開催情報は、「スクールポット中学版」の「合同相談会情報」でご紹介しています。ぜひご活用ください。

「在校生参加型」は学校を深く知るチャンス

合同相談会・説明会の中には、各校の在校生が参加するものもあります。生徒自身が前に立って学校説明を行ったり、プレゼンテーションをしたり、体験イベントを主導したり、来訪者の質問に答えたりしています。「自分が好きな学校のことをアピールしたい」と立候補して参加する生徒さんが多く、皆さん一生懸命対応しています。

いろいろな学校の在校生の姿を同時に見られる機会は貴重ですから、「生徒参加型」の会には、ぜひお子さんと一緒に積極的に参加しましょう。そして、親子で現役生徒と触れ合ってみてください。「学校生活はどうですか?」「勉強は大変ですか?」など色々聞いてみると、その学校の実際の様子がわかってくるでしょう。また、在校生の様子を見て、「この学校に入ったら数年後はこんな感じになるのかな? うちの子の雰囲気に似合うかな?」と考えてみることも大切です。

生徒自身が学校紹介をすると聞くと、中には、「先生が考えたことを言わされているのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。もちろん大部分の学校で先生のアドバイスは入ります。しかし、何から何まで先生がチェックするようなことはありません。生徒の言葉は生徒自身の学校生活に対する考えや感想であり、生徒の様子はその学校の普段の教育のあり方を体現していると考えていただければと思います。

また、当然ですが、特に中学生の発表や説明は、大人と比べると荒削りでたどたどしいものです。説明が分かりにくかったり、質問してもスムーズに答えが返ってこないこともあるでしょう。ですが、在校生の声には、先生方の話にはないリアルさがあり、学校の雰囲気が自然に醸し出されます。アラを探すようなことはせず、温かい目で見守っていただければと思います。

積極的な姿勢で参加・質問を

最近の合同相談会・説明会では、多彩な体験イベントが行われることが多くなっています。例えば3月31日に開催された「私立女子中学校フェスタ」(都内の私立女子校18校が参加)では、「在校生主導の体験授業」として、「ウニの体のつくりを学びながらウニランプをつくる」「スピーカーから音が出る仕組みを調べる」「ブタの目を解剖する」「さいころカレンダーをつくる」など、好奇心を刺激するような内容が並びました。

お子さんがこういった体験イベントに「参加したい」と言ったら、ぜひ気軽に参加させてあげてください(事前予約が必要な場合もあります)。体験イベントですので、うまくできなくても全く気にすることはありません。積極的に参加することで、その学校の先生や授業の様子が感じ取れることでしょう。また、一緒に体験を楽しんだ小学生同士、もしかしたら数年後にクラスメートになるかもしれません。

また最近は、学校の説明資料として動画を見せてくれる学校も増えてきました。当然ですがこれは、特にアピールしたい部分、絵になる部分をピックアップして編集したものですので、一通り見て大体の雰囲気は伝わっても、細かい部分まではわからないものです。動画中に気になる行事や授業が出てきたら、「生徒さんはこの行事の準備にどう取り組んでいますか?」「どういう目的を持った授業ですか?」など、掘り下げた質問をしてみてください。特に、「この学校ってこんなこともやっているの!?」と思うようなユニークな場面が出てきたら、その背景を聞いてみると、生徒指導への姿勢が伝わってくると思います。

写真:女子校フェスタ(山脇学園中学校)

昨年の私立女子中学校フェスタの様子(山脇学園中学校)

写真:女子校フェスタ(十文字中学校)

昨年の私立女子中学校フェスタの様子(十文字中学校)

独特な「校風」をどう捉えるか

私立中学校の中には、宗教活動に熱心だったり、礼儀作法に厳しかったりと、その学校独自の校風を持っているところがあります。男子校・女子校というのも、言うなれば独特な校風の一つでしょう。

一方、公立の中学には、それほど独特な校風はありません。また、公立中学から高校受験をする場合は、あまり個性が強くない校風の学校が選ばれやすくなっています。特に、上のお子さんが公立中学に進学したご家庭の場合、保護者の方には「学校はそれほど強いカラーがないもの」という先入観が生まれるかと思います。

独特な校風を持つ学校にあまり接してこなかった方が、合同相談会・説明会で特殊性のある私立中学校の生徒発表などを聞くと、「えっ」と戸惑いを覚えることもあるでしょう。特に宗教絡みの内容だと、その傾向は強いと思います。「この学校に行ったら、感化された考え方を持つようにならないか?」と、不安になるかもしれません。

しかし、子どもたちの世界は学校の中だけで完結するわけではありません。メディアやインターネットから日々さまざまな情報を得たり、ご家庭はもちろん、他校の友人や習い事仲間、地域の人などと触れ合い、考えの幅を広げていきます。

私立中学校側にも、「世間知らずで偏った考え方の人間を育てよう」という考えは毛頭ありません。その学校が大切にしている伝統や概念を、プラスアルファのポイントとして伝えている、と考えると良いかと思います。具体的な例を挙げましょう。「毎朝校門に入る前に一礼する、帰りは校門を出たら振り返って一礼をする」という指導を徹底している学校の場合。社会人になった時に、訪問先で自然とお辞儀ができて礼儀正しく振る舞えることでしょう。

合同相談会・説明会で、独特な校風を持つ学校の在校生に質問できる機会があったら、「こういう決まり事ってどう思いますか?」「堅苦しいと思ったことはないですが?」などと聞いてみるのも良いでしょう。「最初は戸惑ったけどすぐに慣れました」「やってみると面白い」など、子どもたちが柔軟に捉え対応していることがわかる返事が返ってくるかと思います。

まとめ

中学受験の志望校を考える際、「うちの子の学力はこれくらいだから、この偏差値帯の学校で」「男女別学ではなく絶対に共学」「キリスト教系の学校は避けよう」など、最初から条件を狭めると、せっかくの「良い学校」と出会うチャンスを減らすことになります。早い段階では「ちょっと、とっつきにくい学校かもしれない」と、敬遠したくなるように感じても、いろいろと学校の情報を集め、説明会を聞き、在校生に出会ううちに考えが変わるご家庭も少なくありません。まずは広い視野を持って、いろいろな学校について知ろうとしてください。

合同相談会・説明会は、たくさんの学校について情報を集めるとても良いチャンスです。それまであまり考えていなかった学校について、「うちの子の雰囲気にぴったりだな」「この取り組みはすごく良いな」といったうれしい発見をしたり、お子さん自身が「先輩が素敵だったからこの学校に絶対行きたい!」と憧れの気持ちを抱き、受験勉強に前向きに取り組むきっかけになることもあるでしょう。

これからの時期、たくさんの合同相談会・説明会に、ぜひ親子そろって出かけてみてください。そして、「いいな」と思う学校を見つけたら、次はその学校に出かけて、説明会や公開行事に参加してみましょう。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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