Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

上級者向け 受験マニアックス

2023年1月号 2023年度入試直前の過ごし方

この記事は2022年度の情報です。最新の情報は2024年1月号をご覧ください。

いよいよ2023年度入試です。受験生だけではなく、保護者の皆さんも不安や焦りを抱いているかもしれません。今回のマニアックスでは、少しでも落ち着いて入試当日を迎えられるように、入試本番に向けた対策・過ごし方についてお話しします。

WEB出願の注意点

中学受験においては、大多数の学校がWEB出願を実施しています。WEB出願により、受験する学校に出向くことなく、自宅にいながらインターネット上で願書の提出を完了させることができます。

WEB出願の際は、受験生本人の顔写真のアップロードが求められます。写真撮影やデジタルデータの扱いが得意な保護者の方は自分で撮って用意すればよいのですが、そうではない場合は、WEB出願に適した写真を撮影してくれる写真館を利用すると安心です。撮影前には、募集要項に書かれている顔写真撮影の注意点(データサイズ、撮影日、顔の向き、等)をしっかり確認しましょう。服装については、かしこまったフォーマルな服装をする必要はなく、普段の服装で大丈夫です。

また、中にはWEB上での入力や入金だけで完結せず、報告書等を簡易書留で別送する必要がある学校もあります。これは特に、伝統校や女子校で多くみられます。報告書等の書類作成は小学校の担任の先生にお願いしますが、クラスの中に報告書作成が必要な児童が多数いると、出来上がるまでに結構な日数がかかる場合もあります。日数に余裕を持って担任の先生に渡し、いつまでに欲しいかもしっかり伝えるようにしましょう。

それから、一部の学校ではWEB出願に際して、保護者が志願理由等を記入することがあります。その場合は、学校を気に入った点や入学したいと思った動機、受験生本人の良いところ、入学後に伸ばしたい長所をしっかり書いてアピールしましょう。日本人はどうしても「謙虚は美徳」と考えがちで、「(お子さんの欠点を書いたうえで)こうした点を貴校での生活の中で、直してほしいと思い、志願しました。」などと書きがちですが、学校は、「成長過程だから欠点があるのは当たり前、むしろ入学後にどんな活躍ができそうか」に関心があります。謙遜よりもポジティブ志向で書いてください。

なお、紙の願書を中学校に持っていっていた頃は、願書を提出に行くことが入試当日の下見になっていた面がありましたが、WEB出願ではその機会がありません。そこで保護者の方には、入試日の1週間くらい前に、実際に自宅から受験会場まで行ってみることをお願いしたいと思います。ルートの下見は、入試が土曜なら土曜、平日なら平日にして、当日と同じ時間帯で行います。午前入試の会場から午後入試の会場に移動する予定がある場合は、その時間帯に合わせた下見も行ってください。特に、電車やバスといった公共交通機関を利用する場合は、乗り換えのルート、乗り換えにかかる時間、遅延の可能性なども確認してください。ネット検索やアプリでもある程度確認はできますが、人の多さ、安全に歩きやすいルート、工事していて通れない場所などは、実際に目で見て確認することが大切です。当日は緊張からお子さんがトイレに行きたくなることも考えられますので、駅や街中のトイレの場所も把握しておいてください。ルートの下見はお子さんと一緒に行くことができればベストですが、お子さんが行けない場合は、保護者の方が見てきたことをお子さんに伝えてあげましょう。試験会場に着く時間は、余裕を持って、試験開始時間の1時間ほど前を目安にします。ただし、開門前の到着は避けてください。開門を待つ間に風邪をひいたら何にもなりません。また、非常時に備えて、保護者の方も受験生本人も、受験校の当日の連絡先を携帯電話や手帳に控えておくようにしてください。

入試本番に向けて

新型コロナウイルス感染症は未だ収束せず、2023年度中学入試もコロナ禍の中で行われることとなります。さらに、コロナと同時にインフルエンザが流行する恐れもあります。受験生本人はもちろんご家族の方も感染症予防をしっかり心がけ、健康管理に気を配るようにしてください。まず、室内環境は適度に暖かくして、乾燥しすぎないように湿度を保ってください。食事については1日3食きちんと食べ、特に本番2週間前くらいからは食べ慣れた消化に良いものを摂るようにしてください。大事な勝負の前だからと言って、普段食べないような豪華な食事を用意したり、高級レストランに外食に行ったりする必要はありません。ご馳走は合格後のお祝いにとっておきましょう。

入試日が近づいてきたら朝型生活を心がけて、試験本番の時間帯に頭が働くようにしていきましょう。起床時間の目安は試験開始時間の3時間ほど前。試験が9時開始なら6時くらいに起きると良いでしょう。朝は余裕を持って過ごし、学校に行く前に計算や漢字などのトレーニングをすることをルーティンにしましょう。

入試直前になると受験生本人もご家族も落ち着かなくなりがちですが、お子さんへの接し方や生活習慣をあまり変えずにいることが、本人のプレッシャー軽減や心の安定につながります。家のお手伝いを含めて過度な配慮はせず、普段通りに過ごすようにしてください。

なお、ご家庭の考え方や事情によっては、感染予防策として入試の直前に何日か小学校を休ませることがあるかもしれません。その場合に注意したいのが、生活習慣の乱れです。学校に行かないとしても決まった時間に起き、通学時間帯に外を散歩したり、朝の公園で意識して体を動かしたりして、学校がある日と同じようにメリハリのある生活をするようにしてください。

入試直前期の勉強

入試直前になったら、新しいことに手をつけるのはやめましょう。「勉強が足りていないのでは」と不安になって新しい問題集を買ってきたりするケースも見受けられますが、そんな必要は全くありません。使い慣れた問題集を解き直したり過去問演習をもう一度やったりして身につけた力をしっかり維持し、できる問題は着実に正解できるようにしていきましょう。問題集や過去問演習を解いていると中にはできない問題もあるかと思いますが、あせらなくて大丈夫です。中学受験の合格ラインは5〜7割程度ですから、全ての問題を解けるようになる必要はないのです。理想は、手をつけた問題が全て合っていること。わかる部分を取りこぼさないことです。

入試直前期に力を注ぐべきなのは、少しやればカバーできそうなところ。例えば、計算問題、漢字や語句など、時間をかけずにパッと解答できる部分や、1〜2行で終わる小問です。どんな勉強をすれば良いのか迷ったら塾の先生に相談すると、得点アップにつながるポイントのアドバイスをもらえるでしょう。

入試当日

多くの学校の試験会場ではコロナ対策のために頻繁に窓を開けて換気をしますので、暖房していても寒く感じることもあります。しっかりと防寒対策をして、暖かい服装をしていきましょう。ただ、着込みすぎて暑くなると集中力が欠けてしまいますので、部屋の暑さ・寒さに応じて、自分で簡単に脱ぎ着して調整できる服装にするのがポイントです。また、指先が冷たいとスムーズに答えが書けなくなってしまうので、指先だけを温められるようなポケットカイロを用意することもおすすめです。

入試当日の持ち物はチェックリストにまとめておき、当日、家を出る前に最終確認をするとよいでしょう。以下に、チェックリストの例をご紹介します。当日のチェックリストについては、現在発売中の「私立中高進学通信2023年 1月号」にも掲載しています。AmazonなどのWEBサイトからのご購入はもちろん、書店からバックナンバーをご注文いただければ数日で届きますので、ぜひチェックしてみてください。

受験生
  • 受験票(クリアファイルに入れておく)
  • 時計
  • 筆記用具(鉛筆、消しゴム、三角定規など)
  • ICカード
  • 現金
  • マスクの予備
  • 携帯用消毒液
  • ハンカチ
  • ティッシュ
  • 上履き
  • ポケットカイロ
保護者
  • 財布
  • 時計
  • ICカード
  • スマートフォン
  • 筆記用具
  • メモ帳
  • マスクの予備
  • 携帯用消毒液
  • ハンカチ
  • ティッシュ
  • スリッパ

当日の持ち物の中で、特に注意が必要なのが受験票です。近頃はWEB出願が主流となっており、各校の受験票の見た目が似ています。違う学校のものを持っていかないように、親子でしっかり確認するようにしてください。また、万が一の場合に備えて、受験生・保護者ともに交通系ICカードは余裕をもって多めにチャージしておくのがおすすめです。キャッシュレスが進み普段は現金をあまり使わない方もいるかと思いますが、通信障害等の恐れもありますので、必ず現金もあわせて用意してください。

例年、受験会場に参考書や問題集、過去問集などをたくさん持っていくお子さんもいますが、試験開始までにじっくり取り組む時間はありませんし、重たい荷物を抱えて移動すると疲れてしまいます。何か勉強できるものがないと不安だという場合は、暗記事項や知識事項のまとめなど、パッと確認できるものを1〜2冊だけ持っていくことをおすすめします。

試験が終わると大抵の受験生は、「あそこ間違えた」「できない問題が出た」など、がっくりと肩を落として出てきます。ですが、初めて対面する問題ですからそれは当たり前ですし、周りの受験生も皆同じなのです。受験シーズンはしばらく続きますので、終わったことは引きずらず、気持ちをしっかり切り替えて次の試験に望むようにしてほしいと思います。

各校のコロナ禍対応や入試会場へのアクセスについて

コロナ禍の影響が続く中で行われる2023年度中学入試。今後、入試の形式が変更になる可能性もあります。実際、昨年度も何校かが入試の2週間前くらいに入試の変更点を発表しました。特に注意が必要なのが、面接が取りやめになったり面接に変わって筆記による人物考査が実施されたりするケースで、この場合、午後入試に向けての行動予定が変わる可能性もあります。入試本番に向けては、受験する学校のホームページを数日に1回はチェックして、入試の変更点がないかどうかを確認するようにしてください。

昨年、一昨年は、感染対策により保護者控え室を用意しない学校も見受けられました。2023年度中学入試においても、特に校内のキャパシティに余裕がない都心部の学校において、保護者控え室を設置しないケースが多くなりそうです。受験に同行する保護者の方は、学校付近で待機できる喫茶店などをあらかじめ調べておくことをおすすめします。

入試会場へのアクセスについては、電車やバスなどの公共交通機関を利用することが原則となっています。特に都心部の学校では、駐車スペースがないという理由で、マイカーやタクシーでの送迎は遠慮してほしいというところも少なくありません。事情があってどうしても車で行く場合は学校に駐車しようとは考えず、自力で他に止められる場所を探すようにしてください。また、車での送迎は渋滞に巻き込まれて遅刻してしまう恐れもありますが、その場合は自己責任となりますので、時間には余裕を持って行動してください。

平日の午前入試に向かう時間帯は通勤と重なるので、保護者の皆さんの中には満員電車の感染リスクが気になる方もいらっしゃるかと思います。理科学研究所のシミュレーションでは、一定時間ごとにドアが開閉され車両の換気システムも稼働している満員電車は感染リスクは低いとされていますので、過度に心配する必要はないかと思います。ただ、万全を期すために、できれば座席に座らず、換気が十分なドアや空いた窓の近くに立つことをおすすめします。手すりなどにつかまりますから、携帯用消毒液を持参し、下車時などこまめに手を消毒することも大切です。

なお、37.5度以上の発熱がある場合はほとんどの学校が当日の受験を控えるように求めていますが、37.5度未満の微熱の場合は判断が難しくなります。濃厚接触者に認定されている場合は、発熱していなければマイカー送迎を条件として別室で受験できる学校もあります。コロナ関連の対応は学校によって異なりますので、事前にきちんと確認しておきましょう。

受験生の保護者の方へ

入試に向けて、事前にお子さんの受験スケジュールをしっかりつくり、家族で情報を共有して、当日の送迎・付き添い役などを決めておいてください。受験マニアックスの11月号12月号でもお伝えしましたが、特に2月1日以降は各入試の合否の結果によってその後のスケジュールを柔軟に変えていくことが想定されます。今の状況がどうなっているのか、今後の受験スケジュールがどうなっていくのか、毎日家族で確認するように心がけてください。また、繰り上げ合格の場合は学校から電話で連絡があるため、連絡を受ける担当はあらかじめ決めておきましょう。電話に出られなくても、その日一日はかけ直しがあるため、落ち着いて次の電話を待つようにしましょう。

それから、合格発表後の入学手続き書類の受け取り、入学金の振り込みなどの締め切りスケジュールについても、見落としがないように気をつけてください。せっかく合格したのに親御さんがその後の手続きのスケジュールを把握しておらず、申し込みの期限に遅れてしまうケースも発生しています。WEBで手軽に出願できるようになったことで、合格後の手続きについて気を抜いてしまう面があるのかもしれません。合格が決まったら、合格後の手続きスケジュールをきちんとつくり、漏れがないように行動しましょう。

保護者にとってもお子さんにとっても中学入試は初めてのことで、戸惑うことも多いかと思います。そんな時はどんな些細なことでもわからないままにはせず、何度も中学入試を経験しているプロである塾の先生に相談して、解決してください。

保護者の方の中学受験に臨む姿勢としては、お子さんの受験に入れ込みすぎず、冷静な部分を持ち続けることが大切です。インターネット記事やYouTubeを見ると中学受験に関する情報が溢れていて、中にはいたずらに不安を煽るようなものや、中学受験自体を批判するもの、各校について偏った見方を発信しているものなどもあります。入試直前期には不安になってあれこれとリサーチしたくなってしまうかもしれませんが、不確かな情報からは一歩引いて過ごすよう、心がけていただければと思います。中学受験に関する情報は、確かな発信源から出されているものを参考にするようにしてください。保護者の方が受験に没頭しすぎると途中で息切れしてしまい、お子さんよりも先にギブアップしてしまうケースも毎年見受けられますが、これは非常にもったいないことです。周囲に惑わされずに冷静に自分たちのペースで受験に取り組み、最後まであきらめずに志望校合格を目指すようにしましょう。

中学受験生はまだ幼い部分も残る子どもで、メンタル面は不安定です。不安の中で頑張っているお子さんに対してはあまりプレッシャーをかけすぎず、「これまで努力してきたんだから大丈夫」「自分を信じよう」「大変で不安なのはみんな同じだよ」ということを伝え、親としてポジティブな姿勢を貫いてください。そして「あなたの味方だよ」と寄り添い、生活面をしっかりサポートしてコンディションを整えてあげてください。たとえ不合格になったとしても、気持ちを切り替えて落胆を長引かせないように、導いてあげてください。

中学受験は長い人生の中のほんの一部で、合格不合格がこの先の人生を決めるわけではありません。お子さんが目標に向かって一生懸命頑張る貴重な経験なのだと捉えて、前向きに受験に向き合っていただければと思います。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

一覧に戻る

ページトップ