LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

上級者向け 受験マニアックス

2018年10月号 2019年度首都圏中学入試の変更点(第2弾:2018年6月~9月発表分)

受験マニアックスの7月号では、2018年4月〜6月に発表された首都圏中学入試の変更点をご紹介しました。今号では、6月以降に発表された変更点や模試の動向をご紹介します。ぜひ、7月号とあわせてご確認ください。各校の変更点の一覧については、末尾添付のPDFをご参照ください。

注目のトピックス

新たに発表された注目のトピックスをご紹介します。
【浦和ルーテル学院、青山学院大学と系属校協定を締結】

さいたま市の浦和ルーテル学院が、青山学院大学と系属校協定を締結しました。2019年度からは青山学院大学の系属校となり、校名も「青山学院大学系属浦和ルーテル学院」となります。これは、プロテスタント校同士で教育連携を図ろうという動きです。

系属校化により、同校には青山学院大学への系属校推薦枠ができます。推薦枠の人数は現段階で未定です。対象者は「進学基準の成績を満たす者」で、小学校から入学した生徒だけでなく、中学や高校から入学した生徒も対象になるとのことです。同校は1学年の定員が70名と小規模な学校ですから、仮に青山学院大学の各学部学科に1名ずつ推薦枠が設けられたとしても、学年の3割程度が推薦で進学できる計算になります。

同校は小学校からの入学生がメインとなっており、中学入試は小規模です。また、系属校化がまだ浸透していないこともあり、9月時点での公開模試ではあまり希望者が増えていません。2019年度の中学入試で一気に受験生の注目を集めることはないかもしれませんが、2020年以降、系属校推薦の詳細が明らかになり実際に青山学院大学への進学者が出ると、注目が集まり始めるのではないでしょうか。

【穎明館が午後入試を新設】

東京都八王子市にある進学校・穎明館が、2月2日に午後入試を行うことを発表しました。同校は難関大学への確かな進学実績と熱心で面倒見の良い教師陣をあわせ持ち、根強い人気があった学校です。このレベルの学校が午後入試を行うというニュースには、正直驚きました。自然が多くのどかな環境である反面アクセスの面では「遠い」と感じる受験生も多いと思われますので、敬遠する受験生が少し増えているのかもしれません。

レベルアップを図ったコース改編

学校全体のレベルアップを図ったコースの改編を行う学校をご紹介します。

大宮開成 特別進学と英数特科の2コース制だったが、特別進学の募集をやめて英数特科のみに。実質的にレベルアップするため、要注意。
開智日本橋 国際バカロレア教育や探究型の授業に力を入れ、非常に人気が上がっている学校。アドバンストクラス(AC)、リーディングクラス(LC)、デュアルランゲージクラス(DLC)、グローバル・リーディングクラス(GLC)の4コース制だったが、最も入りやすいACクラスの募集を停止。実質的にレベルアップするため、要注意。
東京都市大等々力 特別進学コース、特別選抜コース、S特選コースの3コース制だったが、最も入りやすい特別進学コースの募集を停止。実質的にレベルアップするため、要注意。
東京家政大付属 コース制を実施。一般の位置づけのiクラスと特進の位置づけのEクラスを設置する。進学体制の強化を図る動き。

新しいタイプの入試を取り入れる動き

2018年度に続き、プレゼンテーション型、思考力型、英語入試など、新しいタイプの入試を取り入れる動きは活発です。東京都から始まったこのムーブメントが、神奈川県、千葉県、埼玉県にも広がってきています。その一例をご紹介します。

共立女子第二 「サイエンス入試」を新設。実際に理科実験を行い、わかったこと・考えたことなどをレポートにまとめる形式。
埼玉平成 「プラクティカル入試」を新設。英語か科学実験・観察のどちらかを選ぶ形式。
桜丘 「英検&インタビュー入試」を新設。英検取得級、英語インタビュー、算数により評価する。
湘南学園 「ESD入試」を新設。記述論述とプレゼン動画提出による評価。ESD(Education Sustainable Development)とは「持続可能な開発のための教育」のことで、ESDの観点に基づいたテーマについてのプレゼン動画をつくることになりそう。
昭和学院 「一般マイプレゼンテーション・イングリッシュ入試」を新設。英語でプレゼンを行うといった内容。
昭和女子大 「思考力総合適性検査型入試」を新設。
文京学院 「コース別思考力チャレンジ入試」を、思考力A(従来タイプ)、思考力B(新設)、思考力C(新設)に分ける。ネイティブスピーカーと英語活動を行う「インタラクティブ入試」も新設。
武蔵野 「アクティブ入試」を新設。受験生同士何人かで話し合いながら、アクティブチャレンジシートを作成する内容になる見込み。
武蔵野東 「未来探究型1回」を新設。「イングリッシュエキスパート入試2回」を新設。他にも入試内容を細かく変更。
横浜隼人 「自己アピール入試」を新設。試験科目は、基礎計算+自己アピール作文とグループ面接。

1教科入試の動向

2018年度は品川女子学院や大妻中野が算数1教科入試を取り入れましたが、2019年度も算数をはじめとする1教科入試を取り入れる学校があります。その一例をご紹介します。
得意を生かす反面、他教科の学力不足がつきまといがちで、なかなか定着が難しい1教科入試ですが、今後各校がどのような動きを見せるのか、観察を続けたいところです。

大妻嵐山 1/11PMに「みらい力1教科型」を新設。英語か算数を選択。
開智日本橋 2/1PMの特待入試に「算数1科目入試」を新設(4科との選択制)。
神田女学園 2/3AMに「得意科目入試」を新設。国語・算数・英語から1科目を選択。
佼成学園女子 2/3AMに「グローバル入試」を新設。英語・算数・プレゼンから一つを選択。
巣鴨 2/1PMに「算数選抜」を新設。
西武文理 1/12PMに「算数1教科入試」を新設。2/5PMに「総合選択入試」を新設、2科・算数・英語から選択。
東京都市大等々力 2/1PMのS特1回に「算数1科目入試」を新設(4科との選択制)。
目黒日大 2/1PMに「算数入試」を新設。
横浜富士見丘学園 2/1PMの2回に「算数1科目入試」を新設(国算英から2科との選択制)。

新しいタイプの入試の今後

首都圏中学入試では、従来型の2教科・4教科型以外の新しいタイプの入試が増えています。プレゼンテーション型、思考力型、実験型、英語入試、1科目入試などです。

筆者は、新しいタイプの入試を行うのであれば、学校側に今後の見通しをしっかりと持って欲しいと考えています。「ある分野に長けた生徒を積極的に入学させ、周りの生徒に良い刺激を与えてもらう」「入試で問わなかった科目や分野については、入学後にしっかりとフォローアップする」といった前向きな姿勢であるならば、良いと思います。しかし、明確な目的や入学後の指導体制がなく、単に「受験しやすい入試に」といった考え方だと、入学後の総合的な学力を担保することができません。そして、「ある教科や分野に関する学力が不足していて周りについていけない」という事態をひきおこしてしまいます。これは、生徒にとっても学校にとっても幸せなこととは言えません。

実際、こういう事態になっているケースもあると聞きますし、受験生集めが主眼となって次から次へと新しいタイプの入試を打ち出している学校もあります。学校側には、新しい入試を行った後の未来予想図をしっかりと持ち、実施していただければと思います。また、受験する側の皆さんも、「苦手を避けたり受験勉強が楽な方を選んだ結果、新しいタイプの入試を受ける」のではなく、「得意なことを生かして入試を選び、入学後もそれを生かして活躍する」という前向きな気持ちでいていただければと考えます。

三大模試の受験者数が増加

7月の三大模試(日能研模試、四谷大塚、首都圏模試)の受験者数が判明しました(※日能研は曜日の関係で実際は6月末に実施)。三大模試合計の受験者数は38,229名と昨年より1,452名増加、割合では3.9%増加となりました。これは、ここ5年ほどで最大の増加率です。また、昨年までの受験者数は首都圏模試が増加基調、四谷大塚が微増、日能研模試が横ばいもしくは微減でしたが、今年は三大模試全てにおいて受験者数が増加しました。

7月の三大模試受験者数推移
図1 小学6年生の児童数と中学受験者数の推移(首都圏1都5県〈群馬除く〉)

上のグラフは、2008年から2018年の三大模試受験者数の推移です。2008年以降減少傾向が続き、2014年に最小となったのち緩やかに増加し、2018年は大幅に増えたことがわかります。2008年と比べるとまだまだ及ばないように見えますが、今は10年前にはなかったSAPIX模試(6月実施)があり、関係者の話では6,000人以上が受験したとのことです(公式には発表なし)。つまり、今年の三大模試の受験者数にSAPIX模試の受験者数を足すと、トータルの首都圏中学模試受験者数は2008年を上回ることになるのです。2008年よりも児童数は減少していますから、中学受験を考える割合が増えているわけです。中学受験が明らかに増加・拡張傾向であり、盛り上がりを見せていることがわかります。

また、中学受験を希望する総数は増えているものの、10年前と比べると受験生が集まる学校は限定されてきています。つまり、人気校にはよりたくさんの受験生が集まって競争が激しくなり、そうでない学校は中学受験の盛り上がりに関係なく、やはり募集に苦労しているというわけです。

2019年度首都圏中学入試の変更点一覧

 

受験マニアックス7月号でご紹介した内容と6月以降に発表された内容を合わせた、2019年度首都圏中学入試の変更点一覧をご紹介します。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

一覧に戻る

ページトップ