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上級者向け 受験マニアックス

2021年12月号 10月の大手公開模試の受験状況

この記事は2021年度の情報です。最新の情報は2023年11月号をご覧ください。

10月の首都圏中学受験大手公開模試(首都圏模試、日能研模試、四谷大塚合不合判定テスト、サピックスオープン)の受験者数データがまとまりました(10月は首都圏模試の公立中高一貫校模試は実施されていません)。その結果から見えてきた来年度の受験動向について、筆者の見解を紹介します。

2022年度首都圏中学入試の変更点追加

7月号10月号で、首都圏中学入試の変更点について紹介しました。今回、新たに千代田国際、明法、西武台新座、川口市立、市立浦和、市立大宮国際の6校が要項を発表し、変更点が確定したので、10月号末尾添付のPDFを追加しました。ご参照ください。

大手公開模試の受験者数

下のグラフは、この10年間の大手公開模試の受験者数の推移を表したものです。

10年間の大手公開模試の受験者数推移10年間の大手公開模試の受験者数推移

10月の大手公開模試では、10年前を上回る約4万7千人の受験者数となっています。2022年度入試に向けて、中学受験志向はさらに強まる見込みです。11月後半からからは北関東で入試がすでに始まり、12月には千葉県で推薦・第一志望入試や公立一貫校の適性検査が始まります。受験生の志望動向が注目されます。

学校選択の傾向は、前年以上に安全・確実志向が強い状況です。特に第一希望の学校選択に関しては、可能性が3割程度見込めるなら挑戦はするものの、それより低い可能性なら挑戦を避けて、「安全かつ確実に」と考える層が多い傾向となっています。もちろんトップレベル校を目指す受験生はいますが、自分にとってのワンランク、あるいは2ランク上の学校を連続して受験するような挑戦志向の強い受験生は少ない印象です。

併願の抑えの学校選択では、「第一希望が◯◯なら、併願は××」といったようにパターン化した選び方をしている受験生が多くみられます。したがって、第一希望校によって併願校が特定の学校に集中する可能性もあります。コロナ禍により情報収集が不十分な状態になっていることも、パターン化が進んだ要因の一つと推測されます。

どんな学校の人気が上がっているか

2022年度入試に向けて、受験生の人気が上がっているのはどの学校でしょうか。
以下に、大手公開模試の前年同月の結果を比較して、全体的に希望者の増加が目立つ学校を男女別に挙げていきます。

【男子】
  • 幅広い学力層から人気を集めている学校
    暁星、東京農大第一、日大豊山

  • 学力中堅層から人気を集めている学校
    郁文館、開智日本橋、関東学院、関東学院六浦、京華、光英VERITAS、工学院大附属、佼成学園、駒込、埼玉栄、桜丘、品川翔英、淑徳巣鴨、順天、城西川越、城西大城西、聖徳学園、昭和学院、西武文理、多摩大聖ヶ丘、多摩大目黒、帝京大帝京、東京成徳大、東京電機大、東京農大第一、ドルトン東京学園、日本工大駒場、日大第一、日出学園、文化学園大杉並、宝仙学園理数、三田国際学園、武蔵野大学、目黒日大、八雲学園、安田学園、横浜創英、立正大立正

  • 学力上位層から人気を集めている学校
    大宮開成、開智、神奈川大附属、関東学院、慶應普通部、攻玉社、国学院久我山、栄東、芝、昭和学院秀英、成城、聖光学院、青稜、世田谷学園、千葉日大第一、中大附属横浜、帝京大学、東海大浦安、東京都市大付属、桐光学園、獨協、獨協埼玉、日大第二、広尾学園小石川、法政大第二、明大中野、明大中野八王子、明大明治、早稲田実業

【女子】
  • 幅広い学力層から人気を集めている学校
    大妻中野、開智日本橋、神奈川大附属、国学院久我山、三輪田学園、山脇学園

  • 学力上位層から人気を集めている学校
    大妻、大宮開成、学習院女子、鎌倉女学院、吉祥女子、恵泉女学園、栄東、渋谷教育渋谷、成蹊、成城学園、洗足学園、田園調布学園、東京女学館、東京農大第一、広尾学園、広尾学園小石川、フェリス、富士見、法政大第二、明治学院、早稲田実業

  • 学力中堅層から人気を集めている学校
    浦和実業、大妻嵐山、かえつ有明、カリタス女子、関東学院、光英VERITAS、晃華学園、駒込、桜丘、実践女子、品川翔英、芝浦工大柏、淑徳巣鴨、順天、頌栄女子、湘南白百合、昭和学院、清泉女学院、専修大松戸、捜真、玉川学園、多摩大聖ヶ丘、多摩大目黒、千葉日大第一、東海大浦安、東海大高輪台、東京電機大、桐朋女子、トキワ松、獨協埼玉、中村、日本大学、日大第一、日大第三、日大藤沢、日出学園、富士見丘、普連土学園、文教大付属、宝仙学園理数、三田国際学園、目黒日大、八雲学園、横浜女学院、麗澤、和洋国府台

併願校出願スケジュールのパターン

併願校を選ぶ際は複数の学校への出願を計画して、その時の状況に応じて実際の受験校を選んでいきましょう。
以下に記載する図は併願校の組み方についてのパターン例です。

受験する学校をすべてレベルの高い学校で組み立てるのは、できるだけ避けたい組み方です。横一線に高難度の学校を次々と受験すると、1校も合格できない可能性が高くなります。理想としては、右肩上がりに徐々にレベルアップしていくことです。入試の本番では緊張感から、ケアレスミスも起こりやすくなります。緊張する初日は、少々失敗しても大丈夫なハードルの低い学校から入試をはじめることで、後半の入試で本来の実力を発揮しやすくなります。
しかし、現実的には右肩上がりにスケジュールを組むのは難しく、逆に理想校からスタートして右肩下がりとなる組み方をしてしまうケースも見受けられます。この場合はもし不合格だった場合、翌日沈んだ気持ちで受験に臨まなければならず、実力が発揮しづらくなってしまいますし、追い込まれるプレッシャーの中で受験しなくてはなりません。

実際に併願校出願スケジュールを組み立てる際には、なるべく合格可能性が高い学校からスタートして、ワンパターンにならずに、ジグザグと複数の学校を受験できるように計画していきましょう。理想形である右肩上がりにステップアップすることを基本として、連続した下り坂にならないように組んでいただきたいと思います。1日目に合格を確保した場合は、2日目は少しレベルの高い学校に出願を変更するなど柔軟に考えることも大切です。また、複数回入試などの制度も活用し、志望順位が高い学校ならば、万が一、1回目で失敗しても、2回目、3回目と挑戦を続けてほしいと思います。実力は入試の直前まで伸びます。しっかりと勉強を続け、最後まで諦めずに入試に挑むことで、道は拓けてくるでしょう。

過去問演習で入試問題に慣れておく

入試本番までには、必ず受験する学校の過去問を解いておきましょう。過去問演習の大きな役割には、「出題スタイルに対する慣れ」があります。第一希望校は4〜5年分、第二希望校は3年分、第三希望以下ならば少なくとも1〜2年分は事前に取り組んでいただきたいと思います。合格最低点は各学校およそ5割から6割で設定されています。入試本番の2~3ヶ月前の段階では合格最低点に至らないのは当然ですので、そこで自信をなくさずに週に一度は過去問に取り組む時間をつくりましょう。本番のおよそ1ヶ月前の段階で、合格最低点に対して、あと1割くらいというラインまで到達すれば十分に本番までに調整することができます。

また、合格最低点が約5割程度ということは、全問手をつけなくても合格することが可能です。実際にはなかなか難しいことですが、手をつけた問題が全問正解するのが理想形でしょう。そのため、過去問演習に取り組む際は、例えば時間制限50分の入試問題であれば、なるべく40分くらいで解けるようにして、残りの時間を見直しに当てられるようにするとよいでしょう。
このとき、課題となるのは「捨てる問題(初めから手をつけない問題)」の見極めです。一般に、国語であれば漢字や語句、算数なら計算問題や一行小問、社会や理科なら知識問題は、きちんと取り組み、それ以外の大問(応用問題)は、初めの方の(1)だけは基本的な問題だから解いてください、と言われますが、受験生本人の得意、不得意もありますから、日ごろ指導を受けている塾や家庭教師の先生にアドバイスをもらうのが良いでしょう。

見直しの際のポイントとなるのが、第一に手がつかなかった(正解か誤答かは別として、解答できなかった)問題が、時間があれば解けた問題なのか、時間があっても正解することが難しかったのかを把握することです。時間に余裕があれば解けたのなら、次回からこのような問題を優先的に解くようにしましょう。また、考え方の途中経過を見られる問題は、途中経過をしっかりと書くことで、正解にたどり着けなくても部分点をもらえることがあります。
第二のポイントは、手をつけたのに正解しなかった問題の誤答の理由です。ケアレスミスなのか、それとも単元の理解が十分でなかったり、長文や資料を読み取れていなかったための誤答なのかです。ケアレスミスは、習慣化していることが多く、なかなか厄介ですが、トレーニングで克服できます。理解不十分な単元は、冬期講習などで再度学びなおすことが大切ですが、この点も優先順位はあるので、塾や家庭教師の先生とよく相談してください。長文や資料等が読み取り切れていないものは、じっくり時間をとって復習することが大切です。実際の入試では時間がかけにくいこともありますが、(1)から最後までの小問全部が解答できなくても、(3)まで、など途中まで正解できるようになるだけで、確実に得点力は上がります。もう少し頑張れば解ける問題をしっかりと解き、点数を積み上げていくことで、合格最低点まで近づけることができます。
ここで注意しなければならないことは、知識問題や漢字のトメハネ、単純そうに見える計算ミスなどです。大人の目から見れば、不注意によるケアレスミスに映ることもあるかもしれませんが、実は深い部分に課題がある可能性もあります。やや複雑な漢字の部首や、割り算などで見られることがあります。このような場合は、塾の先生に相談し、本当にケアレスミスなのか、あるいは習慣的な課題なのかを判断してもらい、対応することが大切です。

来年度の入試問題においても、記述問題が増加するでしょう。特に社会科や理科でその傾向が強まりそうです。記述問題は、自信がなくても、しっかりと解答していただきたいと思います。例年一部の男子生徒で、字が汚かったり、小さかったりして解答が読めないというケースが見られます。自信がない場合でも意識的に大きめに字を書くことを心がけるとよいでしょう。また、地名や人名、物質名、天体名などの出題の際、漢字に自信がない場合は、ひらがなで読み仮名をつけてください。解答に自信がなくても、しっかりと読めるようにするだけで得点につながることもあります。このような細かなポイントも踏まえた上で、過去問演習に取り組んでください。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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