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スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

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上級者向け 受験マニアックス

2022年11月号 2023年度中学入試の併願作戦

この記事は2022年度の情報です。最新の情報は2023年12月号をご覧ください。

中学受験をする方は、そろそろ本格的に併願校を決める時期です。今回の受験マニアックスでは、併願校選びのポイントと、過去2年分(2021・2022年度)の先輩たちの併願データを紹介します。

併願校選びのポイントとアドバイス

首都圏の中学受験は1月入試と2月入試に分かれます。1月入試を行うのは、千葉県・埼玉県・地方の学校、2月入試を行うのは、主に東京都・神奈川県の学校です。中学受験においては、高い志望順位の学校の前に抑えとなる併願校の入試を受け、最低1校は合格を確保して自信をつけてから、大切な勝負に挑むことをおすすめします。

千葉県の受験生の場合は埼玉県の1月入試や茨城県の12月入試を、埼玉県の受験生の場合は11月から始まる茨城県や栃木県の入試を事前に受けてウォーミングアップをした上で、本命校の入試に挑めるようにすると良いでしょう。千葉県や埼玉県の学校と東京都・神奈川県の学校を併せて受ける受験生の場合は、1月中に1校は合格を決めることを考えましょう。東京都や神奈川県の受験生の場合は、早い時期に受けられる千葉県・埼玉県・地方の入試を活用して合格の経験を得た上で、本命校の入試を受けるようにしましょう。

お住まいの地域によっては、交通アクセスの観点から併願校の選択肢が少なくなってしまうこともありますが、塾の先生などと相談して視野を広く持ち、できるだけ本命校の入試の前に併願校で合格を確保するように心がけていただきたいと思います。

併願校の組み合わせの点では、フレキシブルに選択肢を考えていただきたいと思います。第一志望校、第二志望校は固定となりますが、併願校については最初から「この学校とこの学校だけ」などと決めつけずに、あらかじめ何通りかの受験計画を用意した上で、状況に応じて臨機応変に選んでいくことが大切です。例えば「2月1日午前の入試が受かったら、2月2日午前はA校。2月1日午前の入試がうまくいかなかったら、2月2日午前はB校」あるいは「体調が良ければA校、悪かったらB校」というように、複数のパターンを用意しておいて、スケジュールを組んでいただければと思います。

中学受験生はまだ小学生で、プレッシャーには慣れていません。そこで大切になるのが、保護者の皆さんのサポートです。中学受験の長い戦いに挑むお子さんの様子をしっかり見守っていただき、本命の学校以外は、状況に合わせて柔軟に併願校を選んでいただければと思います。最近はインターネット出願によって入試の直前まで出願できるケースが増えていますので、臨機応変に実際の受験校を選び、お子さんにとってベストな展開をつくっていきましょう。

周りに流されず、自分に合う学校を冷静に選ぶことが大切

毎年この時期になると、雑誌やインターネットなどさまざまな媒体に入試予測情報が掲載されます。「人気が上がりそうな学校」の情報が出ると、「難しくなりそうだから避けよう」という動きや、あるいは「避ける人が増えそうだから、あえて志望校は変えない」という動きが出てきます。中学受験の情勢は、入試の直前まで流動しますので、入試予測情報に振り回されず、あくまで途中経過の参考意見と捉え、ご家庭でじっくりと受験する学校を考えていくことが大切です。

それから、これは特に女の子に多いのですが、同じ本命校を目指す友達と同じ併願校を安易に選ぶ傾向が見られます。本人の性格やご家庭の方針によって合う学校は異なりますので、周りに流されず、自身が行きたいと思う併願校を探すようにしてください。

また、コロナ禍が続く状況のため、気軽に学校見学に行けず、併願校選びで苦労されている方も多くいらっしゃると思われます。最近は学校側もコロナ対策や、感染防止に十分配慮したうえで学校説明会を開催していますので、併願の候補校にはぜひ足を運び、雰囲気を感じていただければと思います。実際に学校見学に行くのが難しい場合も、オンラインの学校見学に参加する、学校説明の動画を見るなどして、積極的に情報を収集するようにしましょう。

筆者はよく合同相談会で中立の立場の相談員をしていますが、偏差値、日程、立地といった条件のみで、よく知らないし行ったこともない学校を併願校に決めようとするご家庭が多いと感じています。また、コロナ禍もあって学校研究が不十分なためか、2022年の入試で人気だった学校を、「まあ信頼できそうだから」といった理由で併願校として選ぶご家庭も多くなったと感じます。ですが、併願校は、実際に入学するかもしれない学校です。ぜひとも校風や内容にも目を向けて、選んでいただきたいと思います。迷ってしまう場合は、お子さんの通っている塾の先生にアドバイスを求めると、お子さんの個性や学力に沿った提案をいただけるでしょう。

最後まで粘り強く挑戦を続ける

最近の中学受験の模様を見ていると、挑戦志向よりも安全志向が強まっていると感じます。また、コロナ禍で不安定な情勢が続いていることもあり、受験回数をなるべく減らしたり、なるべく早く受験を終わらせようとする傾向も強くなっています。しかし、中学受験は一生に一度のこと。後悔を残さないように、体調などに配慮しながら、粘り強く、希望をもって挑戦していただければと思います。

特に、志望順位の高い学校で複数回入試を実施している場合、1回目がうまくいかなかったとしても、意気消沈せずに2回目、3回目と挑戦していくと、合格をつかみ取るケースが多くあります。早い日程で受けた第一志望校が不合格で、そのあと受けた第二志望、第三志望の学校に合格した場合でも、受験を終わらせずに第一志望校の2回目、3回目の入試を受け、妥協せずに最後まで努力を続けることが大切です。受験勉強の日々は親子ともに大変ですが、悔いが残らないように最後までお子さんをサポートしていただければと思います。

2021・2022年度の中学入試併願校・併願入試の集計結果

私国立難関進学校、早慶・GMARCHレベルの大学附属校、進学校や大学附属であっても進学校カラーが強い学校などのカテゴリ別に、併願の傾向を紹介します。また、9月に行われた大手公開模試において人気上昇が目立った学校についても、併願校選びについてのコメントをしております。
あわせて、2021・2022年度の中学入試併願校・併願入試データをPDFにて紹介しています(データは、塾内模試「アタックテスト」の合否追跡調査の結果をもとに、独自に集計したものです)。

なお、ここで紹介するデータは、あくまでも昨年と一昨年の先輩たちの併願校選びの傾向です。一つの参考資料としてご覧いただき、実際に併願校を選ぶときには、お子さんの希望を聞いたり、塾の先生と相談をしながら、決めていただきたいと思います。

1.私立・国立難関進学校が第一志望

入試を複数回行う学校では、同校の別の回次を併願する傾向が強いです。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の順に、併願の傾向を紹介します。

東京都
  • 男子御三家(開成、武蔵、麻布)、駒場東邦、筑波大駒場:前哨戦の1月入試では、埼玉の栄東が圧倒的に多く選ばれています。千葉の渋谷教育学園幕張を選ぶケースもあります。特に開成は模試の希望者が増加していて、例年同様の併願校の他、午後入試を活用してきちんと抑えの学校を確保する動きは大きくなると思われます。
  • 女子御三家(桜蔭、女子学院、雙葉):併願先としては男子同様に、1月入試の栄東が選ばれることが多くなっています。その他、埼玉の浦和明の星や東京の豊島岡女子を選ぶケースも多いです。また、特に雙葉は、模試での人気が上がっています。小規模な学校なので、入試の難度は上がりそうな気がしています。例年の併願校である浦和明の星、淑徳与野、豊島岡女子などの他に、富士見や普連土学園も検討していただくと良いかと思います。
  • 渋谷教育渋谷、筑波大附属:男女校の最難関校です。男子校や女子校と同様に、1月入試では栄東が選ばれることが多いです。男女校に固執せず、男子校や女子校の難関校を併願先として選ぶ受験生も多くなっています。
神奈川県
  • 栄光学園、聖光学院、浅野:神奈川県の男子校の最難関校です。併願先として、1月入試では栄東が多く選ばれています。栄光学園と聖光学院では、2月3日の浅野を選ぶケースも見られます。また、東京都市大付属も選ばれています。栄光学園と聖光学院はともに模試での人気が上がっていますが、実際にはどちらか一方に絞って受験することになっていくと思われます。状況を見て少数派の方を選ぶと、合格の可能性は上がるでしょう。
  • フェリス、横浜雙葉、横浜共立:神奈川県の女子校の最難関校です。併願先としては鎌倉女学院が選ばれるケースが多いです。特にフェリスは少し入りやすくなったせいか、中堅の学力層からの人気が上がっています。抑えの学校をしっかり確保して、悔いのない挑戦をしていただきたいと思います。
  • 洗足学園:同校の別回次を選ぶケースが多いです。また、女子校にこだわらず、男女校を併願先に選ぶ受験生も増えてきています。人気に目立った変化は見られませんが、2教科選択の入試がなくなるので、入試の難度が少し上がる可能性があります。併願校の組み合わせが例年と大きく変わることはなさそうですが、慎重に選んでいただければと思います。
千葉県
  • 市川、渋谷教育学園幕張、東邦大東邦:千葉県の最難関校です。併願先として多いのは栄東です。渋谷教育学園幕張は特に人気が上がっていますが、都内校との併願も多いでしょう。併願校選びの傾向は2023年度に向けても変わらないと思いますので、市川あたりを組み込んで計画していただければと思います。
  • 昭和学院秀英:同校の別回次や東邦大東邦が多く選ばれています。また、千葉県内の学校で合格を勝ち取ってから、2月1日から始まる都内の難関校を目指す受験生も多くなっています。
埼玉県
  • 栄東:毎年、受験生の数が日本一の学校です。これは、東京、神奈川、千葉の難関・上位校を目指すような受験生たちの主な併願先となっているためです。栄東を第一志望にする場合には、埼玉栄の医学クラスや難関大クラス、開智などを抑えにするとよいかと思います。
  • 開智:併願校には同校の別の回次が圧倒的に多く、大宮開成や栄東も見られます。栄東と異なり、県内の受験生が比較的多いのが特徴です。
  • 浦和明の星:埼玉県最難関の女子校です。併願先には、東京の難関校・豊島岡女子が見られ、埼玉県内では栄東や淑徳与野があります。
2.早慶・GMARCHレベルの大学附属校が第一志望 

入試を複数回行う学校では、同校の別の回次の併願が多くなっています。それ以外で多いのは1月入試の栄東、獨協埼玉、立教新座、淑徳与野、西武文理、市川などです。また、別の大学附属校を併願に選ぶケースも見られます。私立・国立難関進学校を志望する場合よりも、幅広い学力レベルの学校が選ばれています。

  • 青山学院、慶應湘南藤沢、早大学院:これらの入試を1回しか行わない学校では、系列校を併願しようとする動きが見られます。例えば慶應系列だと、男子の場合は慶應義塾中等部、慶應義塾普通部、慶應湘南藤沢の組み合わせ、女子の場合は慶應義塾中等部と慶應湘南藤沢という組み合わせになります。
  • 慶應義塾中等部:男子の募集定員が20名削減されるため、男子は厳しい入試になりそうです。立教新座あたりを併願校にして、しっかりと合格を確保していただければと思います。
  • 中央大学附属:模試では、学力中堅層からも学力上位層からも人気が上がっています。同校の志望者は附属校志向が強いので、例えば多摩地区の明治学院などを併願校に選ぶか、あるいは大学でGMARCHレベルを狙う前提で受験校を選んでいくとよいかと思います。
  • 明大付属中野八王子:模試では、学力中堅層の女子からの人気が上がっています。同校の別回次や他の附属校なども併願しつつ、受験校カラーが強い学校にも視野を広げ、八王子学園や工学院大附属なども考えていくとよいかと思います。
  • 日本学園:2026年度から共学化して明治大学の系列校となる学校で、2023年度の中学入学生から明治大学への内部推薦の対象になるということで、一気に人気が上がっています。受験生の学力層は一気に上がり、2021・2022年度の併願校選びの傾向はガラリと変わると予想されます。
3.進学校、附属大学があっても進学校カラーが強い学校〈上位校〉

このカテゴリはほとんどの学校が複数回入試を行っているため、同校の別の回次を併願する傾向が強くなっています。千葉と埼玉の学校は都内の学校を第一志望とする場合の前哨戦として併願されていることも多く、併願先データには都内のいろいろな学校の名前が見られます。学校の数が多いため、男子校、女子校、男女校に分けて併願の傾向を紹介します。

男子校
  • 海城、城北、巣鴨、早稲田:御三家など最難関校の抑えとして受験されるケースが多くなっています。1月入試の併願先としては栄東が選ばれています。また、これらの学校間で併願しあうケースも多く見られます。
  • 桐朋:注目度が上がっていて、学力中堅層からも学力上位層からも人気が上がっています。同校を第一志望とする受験生が併願校を選ぶときは国学院久我山なども候補に入れていただきたいと思います。
  • 芝:模試では、学力上位の希望者が少し増えている傾向が見られます。1回は受験生が分散するので例年とあまり変わらない入試になりそうですが、2回は厳しくなりそうです。例年の併願校である海城や成城のほか、視野を広くして高輪あたりも併願候補に入れると良いでしょう。
  • 本郷:模試では学力上位の希望者が増えている傾向が見られます。本郷を本命とする受験生は同校の別回次を併願するケースが多いですが、それ以外に安全圏の併願校を真剣に検討していただければと思います。
  • 攻玉社、世田谷学園、高輪、東京都市大付属、成城:御三家など最難関校の抑えとされていることも多いですが、この5校間で併願をしあうことが多くなっています。これは、このグループの中で確実に合格をしようという動きでしょう。1月入試では栄東も選ばれています。東京都市大付属はⅠ類、Ⅱ類のコースのうち、Ⅰ類を抑えにして受験パターンを決めていくことが多いようです。
  • 鎌倉学園・逗子開成:模試では両校とも人気が上がっています。鎌倉学園と逗子開成で併願しあうケースがよく見られ、栄光学園と聖光学院の併願先になることも多くなっています。両校のどちらかを本命校にしている受験生は、藤嶺藤沢なども併願校として組み込んで、確実に合格を確保していただきたいと思います。
  • サレジオ学院:併願先には、同校の別回次や栄東などが選ばれています。
女子校
  • 鴎友学園、大妻、富士見、共立女子、吉祥女子:同校の別の回次を併願するパターンが多くなっています。
  • 白百合学園:併願校には栄東や浦和明の星といった埼玉県の学校、市川といった千葉県の学校の他、雙葉の名前も見られます。
  • 恵泉女学園:模試での人気が上がっています。また、学力上位層の受験生が恵泉女学園を併願校にするケースも多くなりそうです。恵泉女学園を本命にする受験生は、同じくミッション系の女子校でゆとりを持って受験できそうなところ、例えば玉川聖学院などを併願校の候補に入れても良いかもしれません。
  • 品川女子学院:模試では中堅と上位の学力層の受験生からの人気が上がっています。同校の別回次を併願にするパターンが多いですが、少し視野を広く持ち、和洋九段あたりも併願校候補に入れてみてはどうでしょうか。
  • 東洋英和女学院:模試では学力上位層からの人気が上がっています。ミッション系の学校ですが、過去2年の併願校データを見ると、ミッション系にこだわらない選び方が見受けられます。東京女学館や共立女子などを組み合わせ、しっかり併願校で合格を決めていただきたいと思います。
  • 普連土学園、晃華学園:同校の別回次を併願するケースが見られます。また、進学色はやや弱くなっていて、校風で併願校を選ぶ受験生も多くなっています。最近の傾向として、「あまり入りやすい女子校は選びたくない」という受験生が増えてきて、一定のレベルから上の学校のみで併願校を選ぶケースが目立つようになっています。
  • 鎌倉女学院、清泉女学院:フェリス、横浜共立、横浜雙葉といった神奈川県内難関校の代表的な併願先でしたが、以前と比べるとこの典型的な組み合わせは減ってきています。
  • 湘南白百合:模試での人気が上がっています。清泉女学院との併願がよく見られますが、横浜女学院あたりも抑えとして考え、確実に合格を確保していただければと思います。
  • カリタス女子:模試では中堅の学力層からの人気が上がっています。併願校として、少し距離は遠いですが捜真女学校あたりを抑えにして、確実に合格を確保していただければと思います。
  • 国府台女子:同校の別の回次や近隣の女子校が多く選ばれています。
  • 淑徳与野:同校の別の回次や栄東、大宮開成などが選ばれています。
男女校
  • 広尾学園:同校の別回次や栄東の他、難関校の麻布や慶應義塾中等部や渋谷教育渋谷、中堅校の三田国際が見られます。元々人気が高い学校で、2023年度入試に向けては医進・サイエンスコースを目指す学力上位層の受験生がとても増えています。医進・サイエンスコースを目指す場合、同校の本科コースや広尾学園小石川を併願にした上で、挑戦をしていただければと思います。その他、医進・サイエンスコースに学びの内容が近い学校として、芝浦工大附属などに視野を広げてもよいかもしれません。
  • 国学院久我山:栄東、明治大学付属中野、日大第二などが選ばれています。女子部では吉祥女子も見られます。
  • 淑徳:同校の別回次や地理的に埼玉の学校との併願が多くなっています。男子校、女子校、男女校を特に意識せずに選ぶ傾向が見られます。
  • 東京都市大学等々力:模試では男子からの人気が高くなっています。同校の別回次を併願するケースが非常に多い学校です。例年併願先に選ばれている青稜の人気が上がっているので、併願校で確実に合格を決めるために、品川翔英や文教大付属あたりを候補に入れるとよいかと思います。
  • 東京農大第一:東京農大第一が本命という受験生が多い学校です。模試では、男子の学力上位層からの人気が高くなっています。例年併願先に選ばれている青稜の人気が上がっているので、品川翔英や芝国際、文教大付属あたりを候補に入れて、しっかりと抑えの学校を考えていただければと思います。
  • 広尾学園小石川:本家格の広尾学園との併願が多くなっています。
  • 帝京大学:多摩地区の中では進学実績が高い学校で、進学校志向の高い受験生が集まっています。同校の別回次を選んだり、同じく進学色が強い頴明館を併願する傾向が見られます。
  • 頴明館:模試では人気が高くなっています。同校の別回次を併願するケースが非常に多い学校ですが、八王子学園なども併願校として考えてもよいかと思います。
  • 学芸大世田谷:東京農大第一、東京都市大学等々力などが見られます。
  • 学芸大竹早:栄東の他、大宮開成、開智など、埼玉県の学校が多く選ばれています。
  • 学芸大小金井:国学院久我山が多く選ばれています。
  • 神奈川大附属:同校の別回次が多く選ばれています。
  • 関東学院:模試では、女子からの人気が高くなっています。系列校の関東学院六浦を併願候補に入れてみるなどで、併願作戦を組み立ていただければと思います。
  • 公文国際学園:模試では、中堅の学力層の女子からの人気が上がっています。帰国生の受け入れが多いという特徴を持つ学校ですので、同様に帰国生が多い学校、例えば日本大学(日吉)などを併願校にしてみるのも一手だと思います。
  • 山手学院:模試ではやや人気上昇が見られます。抑えの学校として、湘南学園あたりを考えてみてもよいかと思います。
  • 芝浦工大柏・専修大松戸:同校の別回次が多く選ばれています。また、お互いに併願しあうケースも多くなっています。1月入試校を併願する場合は、比較的距離が近い獨協埼玉が選ばれることが多いです。
  • 星野学園:同校の別回次が圧倒的に多く選ばれています。
4.進学校、附属大学があっても進学校カラーが強い学校〈中堅校〉 

ほとんどの学校が複数回入試を行っていて、同校の別回次を併願することが多くなっています。東京都や神奈川県では、併願校をあまり遠くない地域から選ぶケースが多いです。千葉県、埼玉県の学校についても、前段(3.進学校、附属大学があっても進学校カラーが強い学校〈上位校〉)と比べて同じ県内の学校を併願する傾向が強くなっています。都内や神奈川県の学校の前哨戦として併願されることが多い学校では、併願校にバリエーション豊かな都内校が見られ、第一志望の受験生が多い学校では、併願校に都内校の名前はあまり見られなくなっています。1月入試の併願校としては、地方寮制の学校が選ばれるケースが多くなっています。また、地理的に千葉や埼玉に近い学校では、千葉や埼玉の1月入試と組み合わせるケースもよく見られます。

男子校
  • 藤嶺藤沢、城西川越、城北埼玉:いずれも同校の別回次の併願が多くなっています。この他、聖学院、日本大学豊山など中堅どころの男子校と併願するケースも多いです。城西川越と城北埼玉は都内校との併願も見られ、都内校の前哨戦として両校が選ばれていることが分かります。
女子校
  • 江戸川女子、大妻中野、大妻多摩:同校の別回次の併願が多くなっています、また、比較的幅広い学力層の学校から、同じような校風の女子校を選ぶケースも多くなっています。
  • 田園調布学園:模試では、中堅の学力層からの人気が上がっていて、難化の可能性が考えられます。神奈川県寄りだと横浜女学院、東京都寄りだとトキワ松なども併願校として考えてみると良いでしょう。
  • 三輪田学園:模試では、中堅の学力層からの人気が高くなっています。同校の別回次を併願にするケースが多い学校ですが、1月入試なら千葉県の和洋国府台などの他、都心に位置してアクセスのよい和洋九段なども併願校候補に入れるとよいかと思います。
  • 山脇学園:模試では学力上位層からの人気がとても上がっています。同校の別回次を併願にするケースが多い学校ですが、厳しい受験になることが予想されるので、しっかり抑えになる学校を併願する、という前提で受験作戦を考えていただければと思います。
  • 跡見学園:模試では中堅の学力層の受験生からの人気が上がっていて、合格ラインが上がることも考えられます。跡見学園の一般入試と特待入試を併願する受験生が多いですが、例えば千葉の和洋国府台などを併願校に入れ、1月入試できちんと抑えの学校の合格を決めていただきたいと思います。
  • 実践女子学園:模試での人気が上がっています。実践女子学園を本命とする受験生は同校の別回次を併願にするケースが多いですが、入試の回数が多くて1回あたりの合格者数が少ないため、合格最低点が上がる可能性も考えられます。おしゃれさや華やかさを感じる渋谷に立地する学校ですが、場所のこだわりをなくして、広い視野で併願校を探していただければと思います。
  • 桐朋女子:模試では人気が上がっています。独特な入試を行う学校なので併願校選びに苦労しがちですが、佼成学園女子や大妻多摩なども併願校として検討していただければと思います。
  • 神奈川学園、聖セシリア:同校の別回次を併願することが多くなっています。このグループの学校では、同じレベルかやや下のレベルの他の女子校を選ぶケースが多く見られます。1月入試の併願先としては、地方寮制の学校がよく選ばれています。
男女校
  • 開智日本橋、かえつ有明、三田国際:近年はグローバル教育が注目されているため、開智日本橋、かえつ有明、三田国際などグローバル色の強い学校同士を組み合わせて併願する動きも見られます。
  • 順天、青稜、桜美林、東京電機大:いずれも都内校です。同じ学校の他の回次の併願が多くなっています。
  • 安田学園:人気に目立った動きはありませんが、総合一般の入試がなくなり、先進特待の入試のみになります。その分、確実に難化することを考慮にいれ、しっかりと併願校を選んでいただければと思います。
  • 駒込:模試での人気が上がっています。同校の別回次を併願にするケースが非常に多い学校ですが、同校を第一志望校として挑戦する場合には、郁文館なども併願校として考えていただきたいと思います。
  • 桜丘:模試での人気が上がっていて、合格ラインが上がるかもしれません。成立学園などとの併願も検討してみましょう。
  • 淑徳巣鴨:模試では中堅の学力層からの人気が非常に上がっています。同校を併願校に考えている受験生が多いようです。同校を高い志望順位で考える場合には、東京成徳大などを併願校として検討してみてはいかがでしょう。
  • 芝国際:2023年度から女子校の東京女子学園が共学化し、校名を変更します。男女ともに人気が上昇し、模試の希望者も目立って増えています。併願校選びの傾向は従来の東京女子学園とは大きく変わると予想されます。
  • サレジアン国際世田谷:2023年度から女子校の目黒星美学園が共学化し、校名を変更します。共学校志向の女子の人気が高まっていて、併願校選びの傾向は従来の目黒星美学園とはかなり変わるかもしれません。
  • 湘南学園:模試での人気が上がっている学校です。難化の可能性がありますので、関東学院六浦や自修館などを併願候補校として組み立てるのも方法だと思います。
  • 桐蔭学園:模試での人気が上がっています。志望順位が高い受験生は、同校の他の回次を考えると思いますが、桜美林などを併願校にするか、あるいは男子校や女子校の進学校も含めて併願校を考えてみてはと思います。
  • 森村学園:模試での人気が高くなってきています。横浜翠陵や文教大付属など、居住地に合わせて併願校を選んでみてはいかがでしょう。
  • 横浜創英:教育改革を推進し、とても人気が上がってきた学校です。特に、2022年度に新設したサイエンスコースの人気が高くなっています。同校を第一志望とする場合は、ぜひサイエンス科と本科を併願し、サイエンス科が無理でも本科に入学することを考えてみるとよいかと思います。
  • 日出学園:模試での人気が上がっている学校です。強く志望する場合には、推薦入試を利用して入学するのも一つの手でしょう。都内の学校も同時に受験してみたいという場合には、安田学園や駒込などを含めて、併願作戦を組み立てるのもよいかと思います。
  • 麗澤:同校の他の回次を併願することが多く、1月入試を併願する場合は比較的距離が近い獨協埼玉を選ぶケースが多くなっています。
  • 大宮開成:2023年度に向け、学力上位層からも中堅層からも、非常に高い人気になっています。大宮開成を本命校とする場合、同校の別回次にも挑戦するとともに、抑えの学校として浦和実業や埼玉栄あたりを考えていただければと思います。
  • 春日部共栄、昌平、東京農大第三:同校の別の回次を併願するケースが多くなっています。また、都内校や県内の栄東を志望する場合の最後の抑えとして、これらの学校が選ばれていることも非常に多いです。
  • 埼玉栄:模試ではとても人気が高くなっています。ただ、栄東の受験生の併願先になっているケースが多いので、進学クラスはそれほど難易度が高くありません。医学クラスや難関大クラスを目指す場合は難易度が上がりますが、ぜひ進学クラスも併願して受験していただき、進学クラスに進むことになったら、そこで勉強をしっかり頑張っていただきたいと思います。
5.中堅大学の附属校で、内部進学率が比較的高い学校 
  • 昭和女子大、成城学園、日大第二、明治学院、日本大学(日吉)、日大藤沢、日大第一、日大第三、目黒日大:同じ学校の別の回次を併願するケースがとても多くなっています。これらの学校を第一志望とする場合は、それぞれの所在地と学力レベルにあわせた進学校が併願先として選択されています。また、GMARCHレベルの大学附属校の併願校として選ばれるケースも多くなっています。
  • 日本大学豊山:模試では、志望順位が高い受験生が多くなっています。日本大学豊山を本命とする受験生は同校の別回次を併願するケースが多いですが、その傾向は続くでしょう。問題自体はそれほど難しくありませんので、しっかりと基礎学力を磨き、入試に向かうようにしてください。
  • 成蹊:模試では中堅の学力層の女子からの人気が上がっています。同じ学校の別の回次を併願するケースがとても多い学校です。併願先として、成城学園や聖徳学園を候補に入れて、合格を確保していただければと思います。
6.公立中高一貫校

アタックテストは私国立中学校受験向きのテストなので、公立中高一貫校のデータは多くはありません。ここでは併願選びのおおむねの傾向を紹介します。
都内の場合は、1月入試で埼玉の学校を併願するケースが多くなっています。都内東部の都立白鴎高附、都立両国高附のような学校は、挑戦校としては栄東や広尾学園、安全校としては安田学園を選ぶケースが多くなっています。多摩地区など都内西部の学校では、八王子学園などが選ばれています。
公立中高一貫校の私立併願校選びは実に幅広いものになっています。主な学校の併願の傾向について以下に紹介します。

東京都
  • 区立九段:芝浦工大附属、東京農大第一、浦和実業、獨協埼玉など幅広い学校が選ばれている。
  • 都立白鴎高附:専修大松戸、淑徳与野、栄東などが選ばれている。
  • 都立両国高附:安田学園や江戸川女子、昭和学院が選ばれている。
  • 都立小石川:栄東や市川、麻布が選ばれている。
  • 都立桜修館:東京都市大学等々力、広尾学園、佐久長聖などが選ばれている。
  • 都立大泉高附:栄東、立教新座などが選ばれている。
  • 都立武蔵高附:城北、武蔵、宝仙学園理数インターなどが選ばれている。
  • 都立三鷹:東京農大第一、国学院久我山、吉祥女子などが選ばれている。
  • 都立立川国際:併願状況は多彩。吉祥女子、西武文理、大妻中野などが見られる。
  • 都立南多摩:帝京大学、穎明館、八王子学園といった多摩地区の進学校との併願が多い。
神奈川県
  • 市立南高附:中央大学附属横浜、神奈川大学附属、佐久長聖との併願が多い。
  • 市立サイエンスフロンティア高附:法政大学第二、鎌倉学園、山手学院などとの併願が多くなっている。
  • 県立相模原:鴎友学園、洗足学園、神奈川大学附属などが選ばれている。
  • 市立川崎高附:東京都市大学等々力などが選ばれている。
千葉県
  • 県立千葉:芝浦工大附属、芝浦工大柏、昭和学院との併願が目立つ。
  • 県立東葛飾:土浦日大、市川、昭和学院秀英、などが選ばれていて、地元志向の強さがうかがわれる。
  • 市立稲毛国際:昭和学院秀英、市川、千葉大学教育学部附属など地元の学校が多く選ばれている。
埼玉県
  • 県立伊奈学園:大宮開成、星野学園、市立大宮国際などが選ばれている。埼玉県は日程が重ならない限り公立一貫校の併願が可能なので、市立大宮国際が選ばれている。
  • 市立浦和:学習院、成城、城北埼玉などが選ばれている。
  • 市立大宮国際:大宮開成、星野学園との併願が目立つ。


[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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