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上級者向け 受験マニアックス

2022年1月号 2022年度入試直前の過ごし方

この記事は2021年度の情報です。最新の情報は2024年1月号をご覧ください。

2022年度入試の本番が近づいてきました。受験生だけではなく、保護者の皆さんも不安や焦りを抱いているかもしれません。今回のマニアックスでは、少しでも落ち着いて入試当日を迎えられるように、入試本番に向けた対策・過ごし方についてお話します。

WEB出願の注意点

コロナ対策もあり大多数の学校でWEB出願を実施しています。その際に、顔写真のアップロードが求められますが、保護者の皆さんの中には写真撮影やパソコン、スマホなどの操作に不慣れな方もいらっしゃるかと思います。写真撮影や写真データについては、WEB出願に対応した写真データ作成サービスを提供している写真館などもあります。そのようなサービスを探してみるというのもひとつの方法です。撮影に関しては、かしこまったフォーマルな服装をする必要はありません。普段の服装で構いませんので、保護者の方の判断で、募集要項に従った写真を準備してください。

WEB出願での注意点としては、WEBでの入力・入金だけではなく、簡易書留で報告書等を別送するケースが、特に伝統校や女子校を中心に見られます。その場合には受験の可能性のある学校の報告書等を担任の先生に用意してもらわなければなりません。1クラスの中で中学受験をするのが1人とは限らないので、いつまでに必要なのかということも含めて、あらかじめ担任の先生に依頼をしてください。

また、出願に際して、志望理由等を記入する場合もあります。学校の気に入った点や入学したいと思った動機、そして受験生本人の良いところ、さらに伸ばしたいところを書きましょう。謙遜して、お子さんのネガティブなことを書く必要はありません。素直に受験生本人の良いところを伝えてください。少数ですが保護者同伴面接を実施する学校で、志望理由について尋ねられることもあります。その場合も出願書類のケースと同様に、謙虚になりすぎないことが大切です。「子どもの良い面を、こちらの学校でもっと伸ばしていきたい」といった視点で志願理由を伝えていただきたいと思います。

入試本番に向けて

現在、新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株が各国で流行の兆しをみせ、国内でも確認され始めました。現時点では重症化率は高くないという意見が見られますが、感染リスクは常にあります。そのため、当然ではありますが健康管理は非常に大切です。適度に暖かく、乾燥しすぎないような室内環境を心がけましょう。食事については、特に本番2週間前頃からはなるべく食べ慣れた消化に良いものをとりましょう。また、入試本番に向けて、朝型生活をおすすめします。学校へ行く前に計算や漢字などのトレーニングをすることをルーティンとして取り組みましょう。家のお手伝いなどを含む日頃のお子さんへの接し方については過度な配慮をする必要はありません。ご家庭の判断ですが、入試直前の小学校への登校も含め、生活習慣をあまり変えず、普段通りに接することが、お子さんのプレッシャーの軽減にもつながります。

入試当日

コロナ対策のため頻繁に窓開け、換気を実施する学校が多くなります。教室に暖房は設置されているものの、休憩時間に窓を開けて換気していると、室温は下がっていきます。入試当日は、しっかり防寒対策をしましょう。注意点としては、着込みすぎてしまうと暑くなり、集中力が欠けてしまう場合があります。暑いと思ったときに簡単に脱げるような脱ぎ着しやすい服を選ぶのがポイントです。また、指先などがかじかんでしまうこともあるため、指先だけを温められるようなポケットカイロを用意することもおすすめです。

入試当日に向けて持ち物のチェックリストをつくり、当日、家を出る前に、忘れ物がないか確認するとよいでしょう。以下のような項目をリストにしてみてはいかがでしょうか。

受験生
  • 受験票(クリアファイルに入れておく)
  • 時計
  • 筆記用具(鉛筆、消しゴム、三角定規など)
  • ICカード
  • 現金
  • マスクの予備
  • 携帯用消毒液
  • ハンカチ
  • ティッシュ
  • 上履き
保護者
  • 財布
  • 時計
  • ICカード
  • スマートフォン
  • 筆記用具
  • メモ帳
  • マスクの予備
  • 携帯用消毒液
  • ハンカチ
  • ティッシュ

当日の持ち物の中でも、特に注意が必要なのは受験票です。昨今はWEB出願が主流となりつつあり、各学校の受験票のフォーマットが似ています。学校名を間違えないように、あらかじめ確認しておきましょう。また、万が一の場合に備えて、お子さんに持たせる交通系ICカードは、余裕をもって多めにチャージしておくのがおすすめです。あわせて現金も用意しておくとより安心です。

当日のチェックリストについては、現在発売中の「私立中高進学通信2022年 1月号」にも掲載しています。Amazonなどのネット書店からのご購入はもちろん、書店からバックナンバーをご注文いただければ数日で届きますので、ぜひチェックしてみてください。

各校のコロナ禍対応について

昨年に引き続き、コロナ対策により保護者控え室を設置しない学校も出てくることが見込まれます。特に都心部の学校ほど校内のキャパシティに余裕がないため、保護者控え室を用意しないケースが多くなりそうです。あらかじめ、学校付近で待機できる喫茶店などを調べておくことをおすすめします。

入試会場への送迎について、コロナ対策や電車等の混雑を回避するため、マイカー・タクシーで送迎しようという動きが見られますが、都心部を中心にマイカー・タクシーは遠慮してほしいという学校は少なくありません。基本的には電車やバスなどの公共交通機関を利用することが原則となっています。

保護者の皆さんの中には満員電車の感染リスクが気になる方も多いと思われます。報道では、オミクロン株は今までよりも感染力が強いかもしれないと言われていますから、なおさらでしょう。理化学研究所のシミュレーションでは、満員電車での感染リスクは低いとされています。一定時間ごとのドアの開閉により換気されること、車両にも換気システムが稼働していることの他に、朝の満員電車では、もともと車内ではほとんどの乗客が話さないことも理由でしょう。もちろん感染リスクはゼロではありませんが、過度に心配しなくてもよいかもしれません。ただ、受験生は大人よりも背が低いことから、できれば座席に座らずに、開閉による換気が十分なドア近くに積極的に立つことをおすすめします。また、手すりなどにつかまりますから、携帯用アルコールを持参し、下車時など、こまめに手を消毒することも大切です。

なお、原則として電車やバスなどの公共交通機関を利用することになっていますが、当日の体調、特に感染症の罹患の疑いがある場合はこの限りではありません。37.5度以上の発熱がある場合はほとんどの学校が当日の受験を控えるように求めていますが、37.5度未満の場合は判断が難しいケースでもあるため、マイカーでの送迎も選択肢の一つです。ただし、渋滞に巻き込まれて遅刻してしまう可能性もあります。その場合、学校側の責任ではないため、十分に注意してください。また、仮に濃厚接触者に認定されても、発熱していなければ、マイカー送迎を前提として別室で受験することができる学校もあります。学校ごとにキャパシティが違うため、受験を考えている学校がどのような対応をするのか事前に確認しておきましょう。

文部科学省の動きとPCR検査

●文部科学省の方針変更

感染力が強いと言われているオミクロン株の「濃厚接触者」をめぐって、文部科学省の姿勢が急遽方針を変更する事態になりました。大学入試での対応は、中学や高校の受験でも参考にされ、ほぼ同様の対応を行う学校が少なくないため、文部科学省の方針は大きな影響を与えます。

新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者については、「無症状」「PCR検査陰性」「試験場へは公共交通機関を使わない」の条件を満たせば、入試を別室で受験できることになっていますが、文部科学省は12月24日、オミクロン株に限っては、こうした条件を満たしていても濃厚接触者の受験は認めず、追試で対応するよう通知しました。オミクロン株の感染力の強さを意識したものです。しかし、受験生から批判の声が上がり、首相が26日に見直しを指示、文部科学省は27日この方針を撤回するとともに、他の新型コロナウイルス濃厚接触者と同様の扱いとすることや、中学入試や高校入試でも同様の扱いをするよう要請することになりました。

●受験生の不安とPCR検査

マスコミ等で無料のPCR検査が報じられています。不安解消のために検査を希望する受験生もいるでしょう。特に早生まれの中学受験生は、まだ満12歳になっていませんから、そもそもワクチンの対象ではありません。マスコミ等で報じられている無料のPCR検査は、2つの制度がごっちゃになっているものも見られますので、ここで整理しておきます。

① ワクチン検査・パッケージ制度
対象は健康上の理由でワクチン接種ができない人、または満12歳未満の子どもで、目的は旅行、飲食、イベント等への参加時に陰性であることの証明が必要な場合です。首都圏の場合、2022年3月31日までの期間、関東1都6県すべてで実施されますが、受験生は対象になりません。

② 感染拡大傾向時の一般検査
ワクチン接種の有無などの対象は問わず、感染不安を感じているならだれでも受診できます。受験があるから、も理由になりますが、新型インフルエンザ等特別措置法に基づいて、都道府県知事が「やります」と言った場合に実施されます。首都圏ではオミクロン株の市中感染が確認された東京都だけが2022年1月31日までの期限で実施しています。

したがって、12月27日現在で受験生の不安解消を目的とした「無料のPCR検査」が受診できるのは首都圏では東京都だけで、他県では有料の検査しかできませんが、政府は27日、オミクロン株の市中感染が確認された隣接県でも②を実施することが可能と記者会見で公表、神奈川、千葉、埼玉県でも②の実施が検討されていると報道されています。

●受験生は情報に敏感に

オミクロン株はまだどのくらいの感染力があるか、重症化のリスクは、など不明なことも多く、今後対応が変わる可能性が考えられます。また、無料のPCR検査も、今後の感染状況次第で変更されますから、受験生はこうした情報に、ぜひ敏感になってください。また、SNS等の不確かな情報に左右されないこと、受験にあたって不明点があれば、受験予定校に問い合わせて確認することの励行をお願いします。

受験生の保護者の方へ

入試に向けて、事前にお子さんの受験スケジュールをしっかりとつくり、家族で情報共有・役割分担しておくことが重要です。特に2/1以降は午前・午後の合格発表の状況によって翌日の動きが変わっていきます。試験前日の夜、試験当日の朝と再確認も忘れず行ってください。また、繰り上げ合格の場合は、学校から電話連絡があるため、連絡を受ける担当をあらかじめ決めておくことも大切です。電話に出ることができなくても、その日1日は掛け直しがあるため、無理をせずに連絡を待ちましょう。

また、受験に関して迷うことがあれば、些細なことでも、普段お世話になっている塾の先生に相談してください。わからないままに判断するよりも、経験の多い塾の先生に聞いたほうがスムーズに解決することが多いです。

そして、何よりも大切なのは、お子さんの受験に入れ込みすぎず、冷静な部分を持ち続けることです。昨今、インターネットはじめ各メディア等で「中学受験ブームが過熱」など中学受験に関して危機意識を煽る記事などが散見されますが、現状では爆発的に受験者数が増えているわけではなく、堅調に拡大をしているというのが正しい見方です。コロナ禍により駆け込み受験組も減少しており、現状ではしっかりと準備をしているご家庭の方が多いです。周りを見て焦る必要はないので、お子さんと歩幅を合わせて、受験準備に取り組んでいただきたいと思います。受験に没頭するあまり途中で息切れしてしまい、お子さんよりも先に保護者の方がギブアップしてしまうケースも多く見られます。冷静さを保ちながら、適度な距離感でお子さんを支えてあげてください。

受験生のお子さんには、これまでの自分の努力を信じて、ポジティブな思考、姿勢を貫いてほしいと思います。たとえ不合格だったとしても、気持ちを切り替えて、落胆を長引かせないようにしましょう。受験生はみんな同じように不安です。「あなただけではない」と励まし、最後まで諦めずに続けていくことが合格へとつながります。また、合格にしても不合格にしても、中学受験の結果で、この先の人生が決まるわけではありません。お子さんにとって、人生の貴重な経験と捉えて受験に向き合っていただきたいと思います。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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