Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット高校受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット高校受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

上級者向け 受験マニアックス

2023年4月号 2023年首都圏入試を振り返る(私立編)

2023年の高校入試が終了しました。今回の受験マニアックスでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の私立高校の入試状況を振り返ります。
各校の詳しい応募者数や受験者数、応募倍率等については、添付のPDFをご覧ください。なお、公立高校の入試状況の振り返りは、前号(2023年3月号)で紹介しております。

東京都・私立高校

1. 全体の状況

以下の表は、編集部の速報アンケート集計による、この3年間の私立高校応募者数の推移です。

東京都私立高校の応募者数(2021年〜2023年)

地域 23区 多摩 合計
区分 入試 23年 22年応 21年応 23年 22年応 21年応 23年 22年応 21年応
速報値 募者数 募者数 速報値 募者数 募者数 速報値 募者数 募者数
男子校 推薦 1,346 1,376 1,651 - - - 1,346 1,376 1,651
一般 6,398 6,537 6,050 217 240 215 6,615 6,777 6,265
合計 7,744 7,913 7,701 217 240 215 7,961 8,153 7,916
女子校 推薦 3,207 3,404 3,356 1,000 1,062 1,024 4,207 4,466 4,380
一般 3,595 3,878 3,821 1,677 1,825 1,797 5,272 5,703 5,618
合計 6,802 7,282 7,177 2,677 2,887 2,821 9,479 10,169 9,998
男女校 推薦 14,907 14,735 15,401 3,575 3,448 3,556 18,482 18,183 18,957
一般 47,271 45,456 41,941 19,794 19,082 19,077 67,065 64,538 61,018
合計 62,178 60,191 57,342 23,369 22,530 22,633 85,547 82,721 79,975
合計 推薦 19,460 19,515 20,408 4,575 4,510 4,580 24,035 24,025 24,988
一般 57,264 55,871 51,812 21,688 21,147 21,089 78,952 77,018 72,901
合計 76,724 75,386 72,220 26,263 25,657 25,669 102,987 101,043 97,889
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 2022年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。
  • 多摩地区の男子校は桐朋だけで、同校が推薦を実施していないため、多摩地区男子校の推薦欄には数字が入りません。

推薦入試・一般入試を合計した都内私立高校の応募総数は、昨年より約1,900件増加した103,000件弱でした。地区別では23区が約1,300件の増加、多摩地区は約600件の増加です。未公表校の結果や追加入試結果が公表されると、これらの結果に上乗せされます。今年の公立中卒業予定者数は1,290名増加していて、私立高校の応募総数は卒業予定者数の増加よりも大きく増えていますが、この応募総数は都内だけでなく隣接各県から集まる受験生も含めた数字です。23区、多摩地区を合計した全体の応募総数は、昨年ほどの増加数ではないものの今年も増加が続いた結果でした。

男子校と女子校は、昨年は応募者が増加したものの、今年は減少しています。男女校は共学だけでなく男子部・女子部の構成の別学校も含みますが、昨年、今年とも増えています。男子校や女子校が減って男女校が増えるのは、男子校1校(自由ヶ丘学園)、女子校2校(東京女子学園→芝国際、日本音楽→品川学藝)が共学化した影響もありますが、男子校や女子校の人気は今ひとつで、基本的に応募者の減少傾向が続いています。それでも男子校には開成をはじめ、城北、巣鴨、桐朋など難関大学進学実績を誇る人気校がありますので、全体の応募総数が減っても、こうした学校の人気は続くでしょう。一方の女子校は、豊島岡女子が高校募集を停止したため、難関大学進学実績で選ばれる学校はなくなり、人気が確実に続いているのは附属校人気の慶應女子くらいになっています。同校は共学も併せて候補にする受験生が多く、女子校にこだわる応募者数は今後も漸減していくと思われます。

推薦入試は、昨年は応募者が増えたものの今年は減っています。一般入試は昨年、今年と増加が続いています。この背景には、推薦には出願しないものの、私立第一志望で一般入試を受ける受験生が増えていることがあります。一般入試第一志望扱いを行っている学校の多くは、推薦の出願基準が一般入試第一志望よりも高いため、一般入試を受けた方が合格しやすいと考えられているのでしょう。安全志向が強くなった面はありますが、その中でも、少しでも条件的に有利な学校を選びたいという受験生の考えが、こうした応募状況に表れています。

以下のグラフは、応募総数を公立中3生徒数で割った1人あたりの都内私立高校応募数です。

公立中3生1人あたり都内私立応募数

一昨年までは1.35~1.38程度だったものが、昨年、今年は1.32程度に下がっています。このように減少した背景の一つには、近年安全志向が強くなっているため、私立高校で複数校に応募して第一志望校や少しでも高い志望順位の高校の合格をめざす受験生が減少し、推薦・単願や公立第一志望でも併願優遇で1校だけに出願した受験生が増えたことがあります。もう一つの背景は、通信制高校に受験生が流れたことです。1月に東京都から公表された進路希望調査の結果では、全日制高校全体、全日制都立、全日制都立以外の希望率がいずれも低下していて、このことが実際の出願にも反映しています。「1.32」という水準自体は、神奈川県、千葉県、埼玉県よりも高いのですが、複数の私立高校を併願する受験生は以前より確実に減っています。

2. 23区で応募者が多かった学校

以下のグラフは、東京23区における今年度入試の応募者数上位20校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

応募総数上位20校
  • 【1位】関東第一
    昨年は3位でした。昨年、今年と人気が上がって応募者が増えています。
  • 【2位】國學院
    昨年も2位でした。昨年は応募者が大きく増え、今年も少し増えています。
  • 【3位】朋優学院
    昨年はトップでした。昨年は5教科・推薦入試なしの国公立TGコースを新設して人気が上がり応募者が大きく増えましたが、難化傾向が進んだためか、今年は大きく減りました。
  • 【4位】早大高等学院
    昨年も4位でした。応募者が少し減っていますが、もともと隔年現象が見られる学校ですから、順番通りに減少したのでしょう。
  • 【5位】明治学院
    昨年の10位から上がりました。昨年も少し応募者が増えていましたが、今年はまとまって増えています。
  • 【6位】自由ヶ丘学園
    昨年はランク外でしたが、共学化して約4倍に応募者が増えました。同校によると女子が過半数のようで、共学化初年度から女子の人気が目立ちました。
  • 【7位】中央大学杉並
    昨年は8位でした。応募者数は昨年並みです。
  • 【8位】安田学園
    昨年の9位から上がっていますが、やや応募者が減っています。
  • 【9位】青山学院
    昨年は5位でした。応募者が減っていますが、プロテスタント校で日曜日の入試を避け、日程を動かした影響です。
  • 【10位】岩倉
    昨年、今年と連続して応募者が増えていて、昨年の16位から上がっています。
  • 【11位】駒場学園
    昨年も11位でした。今年は応募者が減っています。
  • 【12位】淑徳巣鴨
    応募者が減り、昨年の6位から下がりました。昨年まで連続して応募者が増えていたことを受けて今年は入りやすかった特進私文コースの募集を停止したため、応募者が減るのは当然の結果ですが、学校もそれを狙っての施策でしょう。
  • 【13位】豊南
    昨年は登場していません。グラフのように昨年、今年と応募者の増加が続いています。
  • 【14位】東洋
    昨年は登場していません。難化で昨年は応募者が大きく減りましたが、今年は特進コースの併願推薦B(埼玉・千葉)・併願優遇(東京・神奈川)を復活して増えました。
  • 【15位】青稜
    昨年も15位でした。応募者数は昨年並みです。一昨年が例外で、コロナ対応で神奈川型の書類選考を実施して激増しました。昨年は学科試験実施に戻して応募者数が落ち着きました。
  • 【16位】目黒学院
    昨年は登場しませんでした。今年は共学部スタンダードコースと男子部スポーツサイエンスコースを統合、共学のスタンダードキャリアコースに改編して応募者が増えました。
  • 【17位】日本大学櫻丘
    昨年の20位から上がり、応募者が少し増えています。
  • 【18位】杉並学院
    昨年の17位から下がっていますが、応募者数は昨年並みです。
  • 【19位】明大付属中野
    昨年は登場していません。昨年まで推薦はスポーツのみでしたが、今年は一般推薦も新設して応募者の増加につながりました。この推薦は、適性検査の結果次第で不合格になることもある推薦です。
  • 【20位】東洋大京北
    昨年は登場していません。適性検査や学力テスト得点重視の推薦B、併願優遇Bの出願基準を緩和したことが大幅な増加につながりました。

グラフに登場した各校のほかに、応募総数200名以上で、昨年より応募者が10%以上増えたのは、東京成徳大、日本工大駒場、目黒日大、芝国際、武蔵野、専修大附属、関東国際、日体大荏原、保善、二松学舎大附属、東京立正、品川翔英、郁文館、錦城学園、駿台学園、帝京大帝京、巣鴨、国学院久我山、広尾学園、日本学園、東洋女子、足立学園、神田女学園、東京都市大等々力、安部学院、品川学藝、成城学園、武蔵野大千代田、新渡戸文化、芝浦工大附属です。このうち芝国際は東京女子学園が共学化した学校で、昨年は2ケタだった応募総数が800名を超えました。日本音楽が共学化した品川学藝も、昨年は2ケタの応募者数でしたが、今年は200名を超えています。なお、広尾学園小石川は、2024年度からは中学からの内部進学生が出るため、募集停止の予定です。

2. 多摩地区で応募者が多かった学校

以下のグラフは、多摩地区における今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

応募総数上位10校
  • 【1位】昭和第一学園
    一昨年、昨年に続いて今年もトップです。一昨年まで隔年現象での増減が見られましたが、昨年から工学科の募集を停止して進学カラーが強くなったことで、受験生の人気が上がっています。
  • 【2位】八王子実践
    昨年の3位から上がりました。隔年現象で応募者が増減していて、今年は増えています。
  • 【3位】拓殖大第一
    昨年は2位でした。昨年も応募者が少し減っていましたが、今年はまとまって減っています。
  • 【4位】八王子学園
    昨年と順位は変わっていませんが、昨年に続いて今年も応募者が増えました。今年は文理コース特選クラスを新設、文理コース選抜クラスの募集を停止するなどの改編を行っていて、この改編が受験生に支持されたのでしょう。
  • 【5位】錦城
    昨年も5位でした。今年は応募者が増えています。
  • 【6位】中央大学附属
    昨年も6位でしたが、昨年に続いて今年も応募者が増えて人気が上がっています。
  • 【7位】大成
    昨年と同じ順位ですが、昨年、今年と、少しずつ応募者が減っています。
  • 【8位】桜美林
    少し応募者が増えて、昨年の10位から上がりました。一昨年の人気が過熱気味だった面はありますが、神奈川県の桐蔭学園に受験生が流れている面も見られます。
  • 【9位】明大付属明治
    昨年は登場していません。応募者が増えて今年は登場しました。
  • 【10位】早稲田実業
    応募者が少し減って昨年の8位から下がっています。昨年、募集定員を見直して難化傾向になりましたが、今年はそれが敬遠されたのかもしれません。

グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは聖徳学園、工学院大附属、武蔵野大、成蹊、東京電機大、フェリシア(鶴川が改称)、藤村女子でした。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。

神奈川県・私立高校

1. 全体の状況

以下の表は、編集部の速報アンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

神奈川県私立高校の応募者数(2019年〜2023年)

区分 推薦入試 一般入試(学科や面接)
年度 23年速報 22年 21年 20年 19年 23年速報 22年 21年 20年 19年
男子校 356 378 362 302 501 2,287 2,305 2,059 2,436 2,661
女子校 774 766 782 699 700 642 292 805 1,240 1,503
男女校 4,563 4,820 4,303 4,414 4,078 16,048 14,530 13,247 31,194 33,458
合計 5,693 5,964 5,447 5,415 5,279 18,977 17,127 16,111 34,870 37,622
区分 書類選考入試 オープン入試(フリー受験)
年度 23年速報 22年 21年 20年 19年 23年速報 22年 21年 20年 19年
男子校 679 599 613 650 1089 114 142 117 183 240
女子校 1,151 1,697 1,212 599 475 126 119 137 145 117
男女校 24,490 26,557 26,491 9,808 8,829 2,658 2,415 1,653 1,860 1,831
合計 26,320 28,853 28,316 11,057 10,393 2,898 2,676 1,907 2,188 2,188
区分 合計 オープン入試は、オープンやフリーと銘打った入試をカウントしていて、以前はオープンと銘打たなかったのに現在はオープンと銘打つようになった場合は、その時点からオープンに含めており、慶應義塾のように、オープン型でもオープンと銘打たない学校は一般入試として集計しています。
年度 23年速報 22年 21年 20年 19年
男子校 3,436 3,424 3,151 3,571 4,491
女子校 2,693 2,874 2,936 2,683 2,795
男女校 47,759 48,322 45,694 47,276 48,196
合計 53,888 54,620 51,781 53,530 55,482
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 2022年度の数値は、前年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。
  • 各校からのアンケートの回答には一般入試の書類選考と学科や面接を合算した回答が、一昨年は3校、昨年は4校、今年は6校あり、表では全部が書類選考だとして集計しています。

推薦・一般・書類選考・オープンを合計した県内私立高校の応募者数は、昨年は約54,600件でしたが、今年は53,900件弱で、約700件減っています。今年の公立中卒業予定者数は昨年より903名増えた67,984名で、率では1.3%増えていますが、全日制私立高校の応募総数は減少しています。まだ入試結果未公表の学校があり、中には募集規模が大きい学校も含まれるので、これらの学校が公表されれば応募件数はもっと増えることになりますが、昨年最終の応募総数を上回るかどうかは微妙なところでしょう。

昨年10月の進路希望調査では、全日制高校希望率、全日制公立高校希望率が下がり、県内私立高校希望率、県外私立高校希望率は少し上がっていました。一方で、通信制高校希望率は上昇して、県外私立高校希望率にかなり近づいた結果でした。前号(2023年3月号)でお伝えした公立高校の入試結果では、全日制公立高校の受検者数は631名増えていましたが、進路希望調査以降、全日制私立高校の希望者が増えることはあまりなかったようです。かつては、進路希望調査以降、12月の段階で思ったほどの評定(内申)がとれなかった公立高校志望者が全日制私立高校に希望先を変更するケースも多かったのですが、通信制高校の台頭とともに、以前の高校受験の「当たり前のパターン」が変わってきたのかもしれません。

入試種別の応募状況は、一昨年にコロナ禍対応で大幅に増えた書類選考が昨年より少し減ったもののやはり最多で、一昨年激減した一般入試(学科や面接)は増えたものの、書類選考の4分の3程度の応募者数です。推薦入試はやや減って、オープン入試は少し増えていますが、書類選考の応募件数とは1ケタ違う規模です。書類選考は神奈川県独特の制度で、事前提出の作文などもありますが、出願すれば学科試験や面接もなく、あとは合格発表を待つだけで、合格後の入学手続きまで学校に行く必要はありません。出願基準をクリアする必要はありますが、12月に公立中学校と出願予定先の私立高校との間で行われる入試相談で確認が行われるため、ここで問題がなければ「出願=合格」となるものです。また、神奈川県の入試のルールでは、推薦入試も学科試験を課さないことになっていて、一部の難関校以外、まず不合格者は出ません。この書類選考と推薦入試を合計すると、全県の応募総数の約6割が学科試験なしで受験しています。こうした入試では、古くからイメージされる、「入試の直前まで必死になって勉強する」といった「受験勉強」の必要はありません。応募総数の約6割が学科試験なしで受験している県は、コロナ禍であっても他にはありません。「受験勉強」を必要としない入試で合格した受験生が、高校の学習に遅れずにしっかり取り組むことを願うばかりです。

以下のグラフは、県内全日制私立高校の応募総数を県内公立中3卒業予定者数で割った、1人あたりの県内私立高校応募数です。

公立中3生1人あたりの県内私立応募数

昨年は0.8を超えましたが、今年は0.8に達していません。他都県のグラフでは1を超えていますが、神奈川県では最も高かった昨年でも0.814で、受験生1人あたり1校も応募していません。もともと神奈川県では難関上位校を除くと、推薦入試は単願のみ、一般入試でも第一志望、公立併願にかかわらず原則として私立高校は1校のみ、複数受験はオープン入試(フリー受験)に限るというルールがあって、私立高校を複数校挑戦で受験するのは、こうした制限がない難関上位校の受験生だけです。その上、川崎市や横浜市の東部、北部、相模原市などでは伝統的に東京都内の私立高校を受験するケースも多く、県内公立中3生1人あたりの県内私立高校の応募数は、1人1校にも達しない結果になっています。

2. 応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

応募総数上位10校
  • 【1位】桐蔭学園
    トップの常連校です。グラフのように昨年に続いて今年も大幅に増加、4,634名と、目盛りをはみ出しました。応募総数の表から計算すると、全県の応募総数の8.6%が桐蔭学園1校で占められていることになります。他校との受験生の流動や、出願基準の調整など、いろいろな要素が理由ですが、昔の男女別学時代のイメージがなくなり、「今どきの進学校」として受験生に支持されているのでしょう。
  • 【2位】横浜
    昨年は10位でした。3年前の共学化で大人気になり、一昨年は出願基準の引き上げで大きく減りましたが、昨年は新たな基準で応募者数が増加、今年はさらに大きく増えました。
  • 【3位】向上
    昨年は2位でした。今年は応募者が減りました。
  • 【4位】相洋
    昨年は3位でした。今年は応募者が少し減っています。
  • 【5位】柏木学園
    昨年は4位でした。昨年並みの応募者数です。
  • 【6位】湘南工科大
    昨年は7位でした。今年は応募者が増えました。グラフのように隔年的な増減ですが、今年は最上位に進学特化コースを新設したのをはじめ、他のコースも名称変更などを行っていて、人気が上がったのも応募者増加の理由でしょう。
  • 【7位】光明相模原
    昨年は6位でした。少しですが応募者が減っています。
  • 【8位】横浜隼人
    昨年は5位でした。今年は応募者が減りました。
  • 【9位】湘南学院
    昨年はランク外でした。応募者が少し増えて今年は登場しました。
  • 【10位】横須賀学院
    応募者が減って昨年の9位から下がっていますが、キャパシティの関係で出願基準を調整したようで、学校としては予定通りの結果だったようです。

このほか、グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは立花学園、三浦学苑、横浜学園、アレセイア湘南、横浜翠陵、鶴見大附属、北鎌倉女子学園でした。また、聖ヨゼフ学園は女子校から共学化しました。もともと高校募集の規模が小さいため、応募総数200名といった規模にはなりませんが、応募者数は倍増しています。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。

千葉県・私立高校

1. 全体の状況

以下の表は、編集部の速報アンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

千葉県私立高校の応募者数(2019年〜2023年)

区分 共学校 女子校 合計
2023年度速報値 52,690 1,357 54,047
2022年度 53,857 1,486 55,343
2021年度 54,414 1,726 56,140
2020年度 50,962 1,763 52,725
2019年度 53,240 1,703 54,943
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 2022年度の数値は、前年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

千葉県では公立中(中高一貫校を除き、義務教育学校を含む)卒業予定者数、隣接県協定で千葉県公立高校に出願できる茨城・埼玉県内からの出願予定者の合計は若干増えていて、進路希望調査時点では昨年より23名増加した49,803名でした。今年の私立高校の応募総数の速報値は54,047名で、表のように昨年最終より減っています。一昨年は公立高校入試の前後期を一本化し、不安になった受験生によって私立高校単願が増えたり、併願出願校数を増やすなどの現象が起きて、卒業予定者数が減っている中でも応募総数が増えていました。昨年は卒業予定者が増加し、それに対応して私立高校の応募者が増えました。今年は卒業予定者数が昨年度並みと言ってよい水準ですから、私立高校の人気が変わらなければ応募者が大きく減ることありません。速報値であることを踏まえても、全日制私立高校人気は少し低下したことになります。学校種別では共学校・女子校とも減っています。なお、県内には男子校はありません。

以下のグラフは、応募総数を公立中3生徒数(義務教育学校を含み、中高一貫校と隣接県協定の茨城・埼玉県は含まない)で割った1人あたりの県内私立高校の応募数です。

公立中3生1人あたりの県内私立応募数

1人あたりの応募数は、グラフに出ていない2015年から2017年にかけて下がり続け、2018年には一時上昇したものの、2019年、2020年と再び下がりました。2021年は一気に上がっていて、昨年はさらに若干上がりましたが、今年は下がっています。2021年に急増したのは、公立前後期一本化で公立高校の受験チャンスが2回から1回に減り、挑戦志向の受験生が私立出願を2020年以前より増やした結果でしょう。また、公立高校の倍率が下がり続けている木更津や銚子といった地域では、公立高校に落ちる可能性をあまり考えず、私立高校は一つも受験しない生徒も多かったのですが、公立前後期一本化によって私立を受けるようになったという側面もあります。今年は下がっていますが、公立高校が前期選抜・後期選抜を行っていた頃よりは高い水準で、入試状況が落ち着いてきたからでしょう。

2. 応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

応募総数上位10校
  • 【1位】専修大松戸
    トップの常連校です。応募者数は6%減りました。昨年までは増加が続いていましたが、ピークに達したのかもしれません。
  • 【2位】芝浦工大柏
    昨年の4位からランクアップしました。応募者数は4%増えています。
  • 【3位】八千代松陰
    昨年は2位でした。昨年も応募者が少し減りましたが、今年は13%とまとまって減っています。
  • 【4位】木更津総合
    昨年は5位でした。昨年は応募者が増えていましたが、今年は昨年とほぼ同じです。
  • 【5位】秀明八千代
    昨年は7位でした。昨年、今年と応募者が増えています。
  • 【6位】千葉敬愛
    昨年も6位でした。昨年、今年と少し応募者が減っています。
  • 【7位】日大習志野
    昨年は8位でした。少しずつですが応募者が減っています。
  • 【8位】千葉英和
    昨年の3位から下がりました。一昨年、昨年と応募者が大きく増えていましたが、ピークに達したのかもしれません。
  • 【9位】東京学館
    昨年も9位でした。昨年、今年と少しずつ応募者が増えています。
  • 【10位】日体大柏
    昨年は登場していません。グラフのように昨年、今年と増加して、今年は登場しました。

グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは東葉、千葉明徳、植草学園大附属、光英VERITAS、千葉学芸の5校です。昨年は日体大柏、千葉商科大付属、市川、西武台千葉、昭和学院、渋谷幕張、千葉日大第一、麗澤、東海大付市原望洋、光英VERITAS、千葉学芸での11校で、光英VERITASや千葉学芸のように連続して増加している学校は人気が上がっています。昨年は11校あったのが今年は5校に減っているのは、受験生の関心がグラフに登場するような募集規模が大きい学校に集まっているためかもしれません。つまり、第一志望でも併願でも、志望校選びがパターン化されていて、「みんなが選んでいる学校を私も受験しよう」と考える傾向が出てきているのではないでしょうか。しかし本来の出願校とは、自身が魅力を感じ「入学したい」と思える学校であるべきです。周りに流されずに進路を見つめる大切さを、いま一度考えていただければと思います。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。

埼玉県・私立高校

1. 全体の状況

以下の表は、編集部の速報アンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

埼玉県私立高校の応募者数(2019年〜2023年)

応募総数 男子校 女子校 共学校 合計
2023年度速報値 5,657 2,032 55,529 63,218
2022年度 5,864 2,077 55,071 63,012
2021年度 5,794 2,563 54,647 63,004
2020年度 5,935 2,711 55,672 64,318
2019年度 6,437 2,637 56,952 66,026
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 2022年度の数値は、前年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

3月実施の入試の一部や未公表の入試が反映されていない速報値ですので、今後もう少し増えるでしょう。今年はここまでの集計で昨年度の最終を206名上回っていますが、昨年並みと言ってよい水準です。校種別では男子校がやや減っています。

以下のグラフは、応募総数を公立中3生徒数(義務教育学校を含み一貫校を除く)で割った1人あたりの県内私立高校の応募数です。

公立中3生1人あたりの県内私立応募数

グラフに出ていない2018年は私立志向の高まりで前年より上昇していましたが、2019年は減少、その後2021年まではあまり変わらない水準が続きました。そして昨年は目立って減少、今年は若干上がったものの、昨年並みと言ってよいでしょう。昨年12月の2回目の進路希望調査の結果では県内全日制私立高校の希望者が少し減っており、それが反映された結果でしょう。また、昨年、今年と単願が増えているようで、積極的に複数校に挑戦する受験生が以前よりも減っています。

私立高校の人気が頭打ちになった一方で存在感を増してきたのは、通信制高校です。新しい選択肢として、通信制を選ぶ生徒が徐々に増えてきています。

2. 応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

公立中3生1人あたりの県内私立応募数
  • 【1位】浦和実業
    埼玉県のトップの常連は浦和実業と浦和学院で、浦和実業は昨年2位、今年が1位でした。今年は応募者が大きく増えています。2019年や2020年は3,900名を上回る応募者があって、一昨年、昨年は減りましたが、今年は以前の水準に近づきました。公立高校の併願受験生を大きく集めています。
  • 【2位】浦和学院
    埼玉県のトップの常連は浦和学院と浦和実業で、浦和学院は昨年1位、今年は2位でした。昨年も今年も応募者が増えています。公立高校の併願受験生を大きく集めています。
  • 【3位】早大本庄
    3年連続の3位です。今年は昨年より応募者が3%減りました。県内に限らず東京などからも受験生を集める学校で、入試システムも標準的な県内私立とは異なっており、固定的な人気を確立しています。
  • 【4位】栄東
    昨年も4位でした。昨年は目立って応募者が増えましたが、今年も6%増えています。県外の難関校との併願受験生も多いのですが、難関校受験生の挑戦志向が復活してきたことで、応募者が増えたのでしょう。
  • 【5位】叡明
    昨年は7位でした。男子校の小松原が2015年に共学化し、同時に越谷レイクタウンに移転した学校です。共学化・移転当時の人気が一段落してきて、近年は隔年的な応募者の増減になっています。昨年減った応募者が今年は増加しました。
  • 【6位】埼玉栄
    昨年も6位でした。昨年は応募者が増えましたが、今年はやや減っています。
  • 【7位】花咲徳栄
    昨年は5位でした。昨年増えた応募者が今年は6%減っています。
  • 【8位】秀明英光
    昨年は9位でした。順位は上がりましたが、応募者はやや減っています。
  • 【9位】開智
    昨年は8位でした。昨年増えた応募者が今年は11%減っています。
  • 【10位】大宮開成
    2020年以来の登場です。難化が進んで敬遠されていた面がありましたが、今までより高い学力層の受験生がしっかりとこの学校を選ぶようになり、昨年、今年と応募者が増えています。

グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは秋草学園、自由の森学園の2校でした。昨年は西武台、大宮開成、栄北、立教新座、山村国際、本庄第一、西武文理、獨協埼玉、開智未来の9校で、今年は学校数が大きく減っています。グラフに登場するような募集規模が大きい学校以外の応募者が伸びなかったのは、進路希望調査で県内全日制私立高校希望率が頭打ちになったことを反映しているでしょう。特に、中堅レベルで突出した特徴がない学校は、生徒が集まりにくくなっています。併せて、千葉県と同様に、周囲を真似て志望校を選ぶケースも増えているのではないでしょうか。第一志望校でも併願校でも、自身が魅力を感じて実際に行きたいと思える学校をしっかり選んでいただければと思います。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。


[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

一覧に戻る

ページトップ