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スクールポット高校受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット高校受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

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上級者向け 受験マニアックス

2022年3月号 2022年首都圏入試を振り返る(公立高校編)

この記事は2021年度の情報です。最新の情報は2024年3月号をご覧ください。

2022年の高校入試が終了しました。今回の受験マニアックスでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の公立高校の入試状況の振り返りを紹介します。
各校の詳しい応募者数や受験者数、応募倍率等については、添付のPDFをご覧ください。
なお、私立高校の入試状況の振り返りは、次号(2022年4月号)で行う予定です。

東京都・都立高校:全体の状況

今年1月に発表された公立中学3年生の進路希望調査によると、公立中卒業予定者数は76,402名で、前年よりも3,411名と大幅に増加しました。高専を含む全日制都立高校への進学希望者数は卒業予定者数ほどの増加はなく、昼間定時制や通信制といった全日制以外の高校の希望者が増えていました。このため高専を含む全日制都立高校の希望率も男子が0.1%、女子が1.1%の低下となりました。推薦入試の応募者数は23,282名で、前年の24,349名より1,067名減少です。

一方、一般入試では志願変更後の最終の応募者数は男子21,431名、女子20,058名でした。男子は6.2%、女子は2.3%増加しました。卒業予定者数の増加に対応して募集定員が前年の29,509名から30,506名に拡大されていますが、平均の応募倍率は前年の1.35倍から1.37倍に上がりました。

都立高校入試が厳しくなった印象がありますが、全日制の定員割れは412名増加していて、あらかじめ定められている分割後期と合わせた後期・2次定員は前年の1,877名から2,289名に増加しています。人気校は倍率が上がりましたが、不人気校は定員割れという格差が拡大した入試でした。

東京都・都立高校:推薦入試

1.概況

推薦の募集定員は9,175名で前年より407名増加、応募者数は23,282名で前年より1,067名減少でした。都立離れもあり、一昨年までは6年連続で減少を続けていましたが、前年は苦手にしている生徒が多い集団討論が、新型コロナウイルス感染防止対策で中止になったことで増加しました。しかし、今年は集団討論が前年に続いて中止になったにも関わらず減少しました。平均の応募倍率は2.54倍で、前年を下回ったのはもちろん、一昨年記録した過去最低倍率を更新しました。

2.学年制普通科の人気校

学年制普通科の男女別応募倍率上位10校を紹介します。推薦入試は一般入試と比べて志望校選びに妥協が少ないため、実際に受験生が行きたいと思う人気校を反映しているといえるでしょう。

推薦入試の応募倍率が高かった都立高校(学年制普通科、2020〜2022年)
22年男子 21年男子 20年男子 22年女子 21年女子 20年女子
順位 校名 応募倍率 校名 応募倍率 校名 応募倍率 校名 応募倍率 校名 応募倍率 校名 応募倍率
1 青山 5.93 青山 6.14 片倉 5.45 青山 9.62 青山 9.77 青山 7.08
2 広尾 5.00 城東 5.75 城東 4.78 鷺宮 5.65 三田 7.50 松原 5.56
3 4.92 足立西 5.05 紅葉川 4.71 日本橋 5.50 板橋 6.77 日本橋 5.32
4 足立 4.86 片倉 4.90 大崎 4.64 戸山 5.23 広尾 6.42 神代 5.27
5 城東 4.66 三田 4.85 東村山 4.47 5.14 城東 6.23 片倉 5.05
6 鷺宮 4.46 板橋 4.79 東大和 4.46 北園 4.90 本所 5.55 三田 5.00
7 東大和 4.39 足立 4.39 青山 4.36 神代 4.85 駒場 5.54 竹早 4.95
8 府中東 4.30 日野 4.25 狛江 4.22 向丘 4.77 向丘 5.46 竹台 4.94
9 小岩 4.24 東大和南 4.25 小岩 4.11 昭和 4.67 上野 5.17 足立 4.88
10 南葛飾 4.09 東大和 4.25 東大和南 3.93 西 4.57 深川 5.14 板橋 4.85

前年と同じで男女とも青山です。男子の青山は概ね1年おきにトップになっていますが、2年連続はこの10年間で初めてです。男子の2位は広尾で、2018年以来の登場です。3位は東で、この10年では初めての登場で、今年は人気が上がっています。4位は前年7位だった足立で、倍率が上がって順位も上がりました。5位は前年2位だった城東です。一昨年も2位で、前年は一昨年と同じ2位でしたが、倍率が上がっていました。今年は倍率が下がって順位も下げています。

女子も前述のとおり、トップは青山です。女子は表に出ていない2018年に一度3位になりましたが、それ以外はこの10年、ずっとトップを維持しています。2位は鷺宮で、前年、一昨年は登場していません。21019年以来の登場で人気が上がっています。3位は一昨年も3位だった日本橋です。前年は登場していませんが12位で、もう少しで登場する位置でした。隔年的な人気の変化です。4位はこの10年では初登場の戸山です。理系色が強いこともあって、男子の人気が根強い学校ですが、理系女子が「リケジョ」として注目されるようになっていますから、その影響でしょう。5位の東もこの10年では初登場です。男子同様に今年は人気が上がっています。

3.単位制他の人気校

単位制他(単位制、コース制、専門学科、昼夜間定時制)の応募倍率上位10校を紹介します。

推薦入試の応募倍率が高かった都立高校(単位制他、2020〜2022年)
22年応募倍率 21年応募倍率 20年応募倍率
順位 校名 課程 応募倍率 校名 課程 応募倍率 校名 課程 応募倍率
1 総合芸術 美術 6.63 赤羽北桜 調理 7.60 総合芸術 舞台表現 6.17
2 新宿 単位制普通 6.53 総合芸術 舞台表現 5.83 新宿 単位制普通 5.41
3 総合芸術 舞台表現 5.92 総合芸術 美術 5.33 総合芸術 美術 5.33
4 園芸 動物 5.20 上水 単位制普通 5.33 工芸 デザイン 5.20
5 工芸 デザイン 4.40 園芸 動物 5.10 工芸 グラフィックアーツ 4.50
6 工芸 グラフィックアーツ 4.40 赤羽北桜 介護福祉 5.00 駒場 保健体育 4.17
7 瑞穂農芸 畜産科学 4.30 赤羽北桜 保育・栄養 4.71 工芸 インテリア 3.80
8 大泉桜 単位制普通 3.85 新宿 単位制普通 4.59 農業 服飾 3.700
9 芦花 単位制普通 3.80 工芸 アートクラフト 4.40 芦花 単位制普通 3.696
10 赤羽北桜 調理 3.70 工芸 デザイン 4.30 国際 一般生徒 3.64

トップは総合芸術の美術です。前年、一昨年は3位でした。倍率は上がっていますが、募集定員は12名のため、実際の応募者数はあまり変わっていません。2位は前年が8位、一昨年が2位の新宿です。男子合計定員のグループは総合芸術の各課程のように募集定員が小さいものが多い中で、連続して表への登場が続いているのは高い人気が続いていることの証明です。3位は総合芸術の舞台表現で、一昨年がトップ、前年が2位だったため、順位が少しずつ下がっていますが、募集定員が小さいので、実際の応募者数はあまり変わっていません。4位は前年が5位だった園芸・動物です。一昨年は登場していませんが11位で、もう少しで登場するところでした。5位は工芸のデザインとグラフィックアーツが全くの同倍率2課程です。デザインは前年が10位、一昨年が4位、グラフィックアーツは一昨年が5位で、前年は登場していませんが14位でした。両課程とも定員10名なので、実際の応募者数はあまり変化していません。

東京都・都立高校:一般入試

1.概況

一般入試の募集定員は、海外帰国生等も含め30,506名で、前年より997名増加しています。志願変更後の応募者総数は41,489名で、前年よりも1,704名増加しました。実質倍率は1.36倍で、前年より0.04ポイント上がりました。

2.応募者が多かった高校

学年制普通科と単位制他(単位制、コース制、専門学科、昼夜間定時制)の、応募者数上位10校を紹介します。

応募者が多かった都立高校(2021年・2022年)
2022年男子 2021年男子 2022年女子 2021年女子 2022年単位制他 2021年単位制他
1 日比谷 330 日比谷 297 北園 273 三田 296 新宿 670 新宿 545
2 青山 293 戸山 289 青山 265 青山 293 国分寺 429 国分寺 447
3 戸山 283 豊多摩 262 豊多摩 263 上野 271 芦花 424 芦花 396
4 豊多摩 270 青山 261 文京 263 小岩 257 晴海総合 339 稔ヶ丘 291
5 文京 262 城東 250 神代 263 戸山 243 墨田川 319 上水 264
6 江戸川 255 立川 240 昭和 256 城東 240 多摩科技 304 多摩科技 259
7 上野 254 上野 232 井草 252 日比谷 238 稔ヶ丘 289 青梅総合 243
8 北園 250 江戸川 232 向丘 249 狛江 230 六本木 275 墨田川 232
9 小岩 250 石神井 231 上野 246 井草 215 上水 262 六本木 228
10 目黒 237 小岩 230 戸山 242 北園 215 国際(一般) 255 晴海総合 227
  • 多摩科技→多摩科学技術
  • 今年の普通科男子の8位、前年の普通科男子の7位、今年の普通科女子の3位、前年の普通科女子の9位は同数2校

学年制男子では、前年に続いて日比谷がトップです。トップは2017年まで日比谷が続いていましたが、2018年から一昨年まで戸山がトップでした。前年から再び日比谷です。2位は前年の4位から上がった青山、3位は前年2位だった戸山で、進学指導重点校が上位3校を占めました。4位は前年3位だった豊多摩です。順位は下がっていますが、応募者数は増えています。5位は2019年以来の登場となる文京で、今年は人気が上がっています。

学年制普通科女子は、トップが北園で、前年の10位から一気に上がりました。男子も人気が上がっていましたが、女子は男子を超える人気の上昇です。2位は前年と同じ青山ですが、応募者は減りました。3位は豊多摩、文京、神代の3校です。豊多摩は一昨年以来の登場ですが、前年も15位と、もう少しで登場する位置で、高い人気の中で隔年的な変化が見られます。文京も一昨年以来の登場で、やはり隔年的な人気の変化です。神代はこの10年表に登場したことはあません。人気が上がっていますが、珍しいことです。

単位制等では、今年も新宿がトップです。10年以上トップを維持し続けていますが、今年は応募者が100名以上増えています。2位も前年と同じ国分寺で、応募者が減っていますが2位を維持しました。3位も前年と同じ芦花で、応募者は増えています。4位は前年の10位から上がった晴海総合、5位も前年の8位から上がった墨田川で、両校とも人気が上がっています。

3.応募倍率が高かった高校

学年制普通科と単位制他(単位制、コース制、専門学科、昼夜間定時制)の、応募倍率上位10校を紹介します。

応募倍率が高かった都立高校(2021年・2022年)
2022年男子 2021年男子 2022年女子 2021年女子 2022年単位制他 2021年単位制他
1 日比谷 2.50 日比谷 2.25 神代 2.48 三田 2.99 立川・理数 4.59 園芸・動物 2.64
2 目黒 2.39 戸山 2.19 広尾 2.47 青山 2.44 芸術・美術 2.71 芸術・舞台 2.32
3 青山 2.25 三田 2.07 井草 2.36 広尾 2.34 国際・一般 2.60 国際・一般 2.20
4 戸山 2.14 田園調布 2.05 向丘 2.35 上野 2.22 園芸・動物 2.40 芸術・美術 2.14
5 豊多摩 2.05 石神井 2.009 三田 2.26 田園調布 2.16 新宿 2.36 工芸・デザ 2.12
6 白鷗 2.03 青山 2.008 北園 2.24 目黒 2.11 芸術・舞台 2.18 赤羽・調理 1.96
7 深川 2.0104 豊多摩 1.98 青山 2.21 竹早 2.070 工芸・デザ 2.12 新宿 1.92
8 2.0101 竹早 1.967 鷺宮 2.160 本所 2.065 工芸・グラ 2.12 桑志・シス 1.84
9 広尾 1.96 豊島 1.965 豊多摩 2.156 深川 2.011 多摩科技 2.07 芦花 1.80
10 豊島 1.94 駒場 1.92 2.15 井草 2.009 芦花 1.93 工芸・アート 1.80
  • 今年の単位制等の7位、前年の9位は同倍率2校
  • 工芸・グラ→工芸・グラフィック、工芸・デザ→工芸・デザイン、工芸・アート→工芸・アートクラフト、工芸・マシン→工芸・マシンクラフト、府中工・情→府中工業・情報技術、桑志・シス→八王子桑志・システム情報、赤羽・調理→赤羽北桜・調理、芸術・舞台→総合芸術・舞台表現、芸術・美術→総合芸術・美術

学年制普通科男子では、今年も日比谷がトップです。2位の目黒は応募者数で触れたように、この10年表に登場したことはありません。ただ、倍率面では一昨年13位になっていて、人気が上がる素地はありました。今年は一気に人気が上がったわけです。3位の青山は前年の6位から上昇しています。4位は戸山で、前年の2位から下がっていますが、倍率そのものは少ししか下がっていません。5位の豊多摩は前年の7位から上がりました。応募者数で触れたように隔年的な変化で今年は上がっています。

学年制普通科女子は、神代がトップ、応募者数と同様、この10年表に登場したことはありません。ただ、一昨年は11位で、もう少しで登場するところだったため、受験生の注目度は上がってきていました。それが今年はいきなりトップになっています。2位は前年の3位から上がった広尾、3位は前年の10位から上がった井草で、人気が上がっています。4位の向丘は近年、隔年で登場しています。前年は13位で、もう少しで登場するところでした。高い人気の中にも隔年の変化が出ていて、今年は倍率が上がる順番でした。5位の三田は前年のトップです。前年は3倍近い応募倍率でしたから、少し敬遠されたと思われます。

単位制その他では、募集定員が少ない学校・課程も多く、ちょっとした応募者の増加で高倍率になるケースがありますが、今年の登場校10校・課程中、7校・課程は前年も登場していて、人気校の固定化が見られます。今年のトップは新設の立川・創造理数でした。4倍を超える倍率で人気がわかります。ただ、普通科にスライド合格できることもあり、「合格したら儲けもの」的な出願も多かったようです。次年度以降は徐々に落ち着いてくるでしょう。2位は総合芸術・美術で、前年の4位から上がっていますが、少定員のため、実際の応募者数の増加はあまり大きくはありません。3位は前年と同じ国際・一般で倍率は上がっています。

インフルエンザ等による追検査は、分割後期とともに実施されましたが、全日制では申し込み者が前年14名から142名と大幅に増加、新型コロナ対応の特例の検査(文化スポーツ等特別推薦などが対象)も実施されました。

4.応募の欠席・定員割れについて

全日制の欠席率は5.9%で、前年の5.5%から上がっています。前年は下がったものの、近年は上昇傾向です。多数の欠席が出ている学校があり、その分、応募倍率は高くても実質倍率は下がります。欠席者数のトップは今年も日比谷で108名です。前年の118名、一昨年の123名からは減っていますが、今年も高水準です。2番目は科学技術の80名で前年の61名から増加、3番目は新宿の64名で前年の58名から増えています。

島嶼部を除く全日制各校の一般入試(分割前期)の合格発表段階での定員割れは、普通科は単位制を含め今年は15校、コース・専門・総合学科は22校で合計すると、前年よりも412名増加となりました。このため、分割後期と二次募集は合計して2,259名の定員(他に昼夜間定時制512名)で実施されましたが、それでも欠員が生じ、三次募集は全日制1,287名、昼夜間定時制は296名の募集定員となり、全日制はとうとう1,000名を超えました。

神奈川県・公立高校

1.全体の状況

前年10月に発表された公立中学3年生の進路希望調査によると、公立中卒業予定者数は67,081名で、前年度より1,955名増加しました。高校等進学希望者数は64,898名で、前年度よりも2,006名増加していて、生徒数の増加よりも大きい増加幅でした。

全日制公立高校の募集定員は特別募集等を除いて40,530名で前年より800名増加、志願変更後の公立高校の最終応募者数は47,513名で応募倍率1.17倍でした。一昨年まで応募倍率は毎年少しずつ下がっていましたが、前年は0.01ポイント上昇、今年は0.01ポイント下がっています。

2.普通科の応募者数ランキング

普通科の応募者数上位10校は以下の通りです。

応募者が多かった神奈川県公立高校(普通科、2020〜2022年)
順位 応募者数トップ10 普通科
2022年度 2021年度 2020年度
1 横浜翠嵐 804 横浜翠嵐 741 横浜翠嵐 705
2 市ケ尾 592 湘南 574 湘南 571
3 七里ガ浜 569 七里ガ浜 544 元石川 528
4 希望ケ丘 551 海老名 521 柏陽 516
5 湘南 537 市ケ尾 514 大船 510
6 住吉 503 希望ケ丘 508 鶴嶺 485
7 多摩 495 住吉 497 新羽 477
8 海老名 488 生田 490 市立桜丘 473
9 鎌倉 486 麻溝台 488 市ケ尾 471
10 厚木 485 新羽 485 七里ガ浜 471
  • 一昨年の9位は同数2校
  • 単位制や昼間部定時制(定時制の場合は共通選抜)を含み、クリエイティブスクールを除く。

応募者数のトップは今年も横浜翠嵐で、入試制度が現行に変更になった2013年からトップの座を守り続けています。前年まで同校は応募者数の隔年現象が見られた学校です。前年が増加していたため、今年は減少する順番でしたが、公立中3生徒数が増えていることもあって、今年も増加しています。2位は市ケ尾で一昨年が9位、前年は5位、今年は2位と人気が上がっています。3位は前年と同じ七里ガ浜で、一昨年は9位でした。同校も高い人気を維持しています。4位は希望ケ丘で、前年の6位から上がっています。一昨年は登場していないため、やはり人気が上がっています。5位は一昨年と2位だった湘南です。応募者が少し減りました。横浜周辺と違って、高難度が続くと少し敬遠されるようで、安全志向が強くなっている影響かもしれません。

3.普通科の応募倍率ランキング

続いて、応募倍率上位10校を紹介します。

応募倍率が高かった神奈川県公立高校(普通科、2020〜2022年)
順位 応募倍率トップ10 普通科
2022年度 2021年度 2020年度
1 横浜翠嵐 2.25 横浜翠嵐 2.07 横浜翠嵐 1.97
2 多摩 1.78 横浜緑ケ丘 1.72 市立南 1.84
3 横浜緑ケ丘 1.68 多摩 1.68 新城 1.68
4 湘南台 1.67 湘南 1.60 柏陽 1.62
5 新城 1.60 七里ガ浜 1.52 大和 1.60
6 市立南 1.55 大和 1.48 湘南 1.59
7 希望ケ丘 1.54 新城 1.47 多摩 1.54
8 鎌倉 1.53 市立戸塚 1.46 横浜清陵 1.52
9 横浜平沼 1.513 川和 1.44 市立高津 1.493
10 茅ケ崎北陵 1.511 鎌倉 1.43 市立桜丘 1.487

応募者数同様、今年も横浜翠嵐がトップです。応募者が増えた分、倍率も上がっています。2位の多摩は一昨年が7位、前年は3位と毎年順位を上げていて、倍率は今年さらに上がりました。3位は前年2位だった横浜緑ケ丘です。一昨年は登場していませんが。例外で、多くの年でトップ10に登場している学校です。やや倍率が下がりましたが、人気は変わっていないでしょう。5位の新城は一昨年が3位、前年は7位で隔年的な倍率の変動です。

4.コース制他の応募倍率ランキング

次に、コース制や専門学科、総合学科などの応募倍率上位10校を紹介します。(少定員の学科が多く、応募者数でランキングを作ると登場校が固定化するため、倍率のみの紹介とします)

応募倍率が高かった神奈川県公立高校(コース制他、2020〜2022年)
順位 応募倍率トップ10 コース制・専門学科・総合学科・クリエイティブ(同順位あり)
2022年度 2021年度 2020年度
1 横浜国際 バカロレア 2.10 神奈川総合 舞台芸術 2.33 神奈川総合 国際文化 1.88
2 神奈川工業 デザイン 2.00 神奈川総合 個性化 2.00 市立橘 国際 1.769
3 神奈川総合 国際文化 1.80 相模原弥栄 美術 1.85 神奈川総合 個性化 1.767
4 横浜国際 IB帰国 1.80 神奈川総合 国際文化 1.80 サイエンスフロンティア 理数 1.72
5 市立横浜商業 国際・帰国 1.75 神奈川工業 デザイン 1.76 白山 美術 1.69
6 神奈川総合 舞台芸術 1.67 川崎総合科学 情報工学 1.64 横浜国際 バカロレア 1.65
7 市立横浜商業 国際学 1.66 みなと総合 総合 1.64 市立橘 スポーツ 1.54
8 サイエンスフロンティア 理数 1.56 川崎総合科学 科学 1.56 川崎総合科学 科学 1.41
9 市立横浜商業 Sマネジメント 1.51 相原 畜産科学 1.50 横須賀総合 総合 1.40
10 みなと総合 総合 1.50 相原 総合ビジネス 1.42 市立横浜商業 Sマネジメント 1.38
相模原弥栄 美術 1.38
  • 今年の3位、前年の6位、一昨年の10位は同倍率2校
  • 応募定員が極小の帰国生枠は含まない。
  • サイエンスフロンティア→市立横浜サイエンスフロンティア、市立横浜商業・Sマネジメント→市立横浜商業・スポーツマネジメント

今年のトップは横浜国際の国際バカロレアコースです。前年は登場していませんが、一昨年は6位でした。国際バカロレアは世界標準といわれるカリキュラムです。海外大学進学に有利になりますが、日本のカリキュラムとかなり違うことや、一部の科目は英語での取り組みが必要になります。実施している学校は、最近は増えたものの、それでも学校数からは僅かで、県内では法政大学国際と三浦学苑にコースが設置されています。小規模のため、登場していない前年も、特に人気が下がったということではありません。2位は前年の5位から上がった神奈川工業のデザインです。一昨年は登場していませんが、こちらも少定員のため、高めの人気が続いているといってよいでしょう。3位は一昨年がトップ、前年が4位だった神奈川総合の国際文化です。順位は動いていますが、倍率の変動幅は小さく、人気に変化は見られません。4位はトップの横浜国際の国際バカロレア・帰国枠です。こちらは、かなり定員も少ないため、今年は高倍率だったと考えられます。5位の市立横浜商業・国際学の帰国枠も同様です。

5.応募の取り消し・欠席・欠員について

全日制公立高校では応募先変更時に3,197名が応募先を変更、45名が取り消しました。応募先変更後の取り消し・欠席は765名で前年より大きく増加しています。前年まで、旧学区トップ校と、2番手校や中堅校では東京隣接地域の学校が中心で、有名私立を第一志望にした受験生が、希望の私立に合格したための取り消しや欠席が目立ちましたが、今年は伊勢原、橋本、足柄など、地域が広がってきました。

定員割れでは、前年より増加、1,521名に達しました。普通科ではクリエイティブスクール全校が定員割れになったほか、昼間定時制も相模向陽館・午前部以外が定員割れ、通常の全日制普通科では今年も永谷の116名を筆頭に、寒川58名、津久井50名、平塚湘風48名、三浦初声43名、足柄、愛川各27名、大師24名、小田原東20名などが目立ちます。総合学科や専門学科では麻生総合の126名を筆頭に、平塚工科84名、藤沢工科71名、川崎工科61名、秦野総合40名、向の岡工業・機械39名、横須賀南・福祉38名、小田原城北工業・電気38名、小田原東・総合ビジネス32名、海洋科学・水産食品26名、磯子工業・化学、横須賀工業・電気、小田原城北工業・機械各21名など、今年も工業系が目立っています。

千葉県・公立高校

1.全体の状況

今年は、前後期が一本化されて2年目の入試となりました。全日制の当初の応募者数は34,826名で応募倍率は1.11倍、志願変更時点では34,637名、応募倍率は1.11倍でした。前年の志望変更時点での応募者数が33,517名、応募倍率1.08倍だったため、応募者数は増加、応募倍率は0.03ポイント上昇しています。

2次募集は前年が63校103学科1,937名でしたが、今年は60校97学科と、実施校数や学科数は減ったものの、2,312名と前年より375名増えています。2次募集は2017年まで400名前後で推移していましたが、2018年は651名、2019年は870名、2020年は927名、前年が1,937名と増加の一途をたどっています。

2.全日制普通科の人気校

全日制普通科の応募者数と応募倍率の上位10校です。

千葉県公立高校の応募者数・応募倍率ランキング(全日制普通科、2021・2022年)
順位 応募者数トップ10
2022年 2021年
校名 応募者数 校名 応募者数
1 県船橋 587 県船橋 563
2 柏南 530 柏南 539
3 千葉東 529 津田沼 504
4 津田沼 515 国府台 444
5 国分 454 東葛飾 436
6 佐倉 449 検見川 430
7 東葛飾 447 千葉東 428
8 市立千葉 442 佐倉 419
9 鎌ヶ谷 436 市立千葉 418
10 柏中央 436 船橋東 415
順位 応募倍率トップ10
2022年 2021年
校名 応募倍率 校名 応募倍率
1 東葛飾 1.86 東葛飾 1.82
2 県船橋 1.83 県船橋 1.76
3 県千葉 1.69 柏の葉 1.60
4 千葉東 1.65 津田沼 1.58
5 津田沼 1.61 柏南 1.497
6 佐倉 1.60 佐倉 1.4964
7 市立千葉 1.58 県千葉 1.4958
8 成田国際 1.53 市立千葉 1.493
9 木更津 1.51 八千代 1.45
10 八千代 1.49 市立稲毛 1.41

今年のトップは前年同様に県船橋です。募集規模が大きかったこともあって、一昨年までの前後期制では2018年まで前後期とも幕張総合がトップでした。幕張総合が総合学科に転換したため、2019年、2020年は前後期とも県船橋が普通科のトップになり、前後期が一本化された前年、今年ともトップを続けていて、人気は盤石です。今年は応募者が少し増えました。2位も前年と同じ柏南で、応募者は少し増えています。3位は前年の7位から上がった千葉東です。大学合格実績の向上で人気が上がっています。今年は応募者が大きく増えました。4位の津田沼は前年が3位で、順位は下がっていますが、応募者は増えています。5位の国分はこの10年、応募者のトップ10登場したことがありません。決して不人気の学校だったわけではありませんが、トップ10に登場するほどになったのは珍しいことで、人気が上がっていることがわかります。

応募倍率を見ると、トップは東葛飾、2位は県船橋で両校とも前年と順位は同じですが、倍率は上がっています。東葛飾も県船橋も、一昨年の後期もトップと2位でしたから、人気は不動です。3位は前年の7位から上がった県千葉で、今年は2日目の学校設定検査が前年の作文から思考力を問う問題に切り替わりましたが、応募者が増えて倍率が上がっています。事前に公表されたサンプル問題では、難関私立高校の国数英の出題に近い内容でしたから、トレーニングを積んでいる受験生が多かったのでしょう。4位の千葉東は前年登場していませんが、13位で、もう少しで登場するところでした。一昨年までも前期では2014年以降、毎年登場しており、後期も登場する年が多く、今年も高い人気が続いています。5位は津田沼で前年の4位から下がりましたが、倍率は上がっています。

3.専門学科などの人気ランキング

専門学科、コース、総合学科や昼間定時制などの応募倍率上位校です。(前年と比較しています。少定員の学科が多く、応募者数でランキングを作ると登場校が固定化するため、倍率のみの紹介とします)

千葉県公立高校の応募倍率ランキング(専門系他、2021・2022年)
順位 応募倍率トップ10
2022年 同順位あり 2021年 同順位あり
校名 課程 応募倍率 校名 課程 応募倍率
1 県松戸 芸術 1.90 柏の葉 情報理数 1.88
2 佐倉 理数 1.85 県柏 理数 1.78
3 小金 総合 1.82 県船橋 理数 1.63
4 市立稲毛 国際教養 1.78 おおたかの森 国際コミュ 1.53
5 柏の葉 情報理数 1.73 小金 総合 1.51
6 県船橋 理数 1.68 県松戸 芸術 1.50
7 県柏 理数 1.58 市立千葉 理数 1.50
8 千葉女子 家政 1.58 幕張総合 総合 1.48
9 幕張総合 総合 1.54 佐倉 理数 1.48
10 市立千葉 理数 1.50 松戸国際 国際教養 1.47
  • 今年の7位、前年の6位と8位は同倍率2校

今年のトップは前年6位だった県松戸の芸術です。倍率が上がって今年はトップですが、小定員のため、実際の応募者の増加人数はあまり大きくはありません。2位の佐倉の理数も前年の同率8位から上がっていますが、やはり少定員です。3位は前年の5位から上がった小金で、ここに登場している学校の中では募集定員の規模が大きい学校です。今年は応募者が増えていて、倍率に表れています。4位は市立稲毛の国際教養です。前年は登場していませんが、一昨年の後期や2019年の前期には登場していて、トップ10に登場する年が多く見られます。今年は人気が上がっていますが、やはり少定員のため、応募者の増加人数はあまり多くはありません。5位は前年トップだった柏の葉・情報理数です。応募者数の減少で倍率が下がっていますが、減少幅は小さいです。

埼玉県・公立高校

1.全体の状況

前年12月に実施した2回目の進路希望調査では、伊奈学園と市立浦和の内部進学を除く県内公立中学校の卒業予定者数は59,425名で前年より1,575名増えています。これに対応して、全日制公立高校の全体定員は17クラス680名分が拡大され、転編入枠と中高一貫校の内部進学を除いた当初の募集定員も36,721名に拡大されました。全日制の当初の応募者数は40,453名と、前年よりも978名増加、志願変更後の最終応募者数も40,265名と、前年より960名増加しました。応募倍率は前年の1.09倍とほぼ同じ1.10倍です。

今年は全日制の事前取り消しと当日欠席が前年の倍以上増加しました。2019年までは2ケタでしたので、急速に増えています。欠席者の中には新型コロナウィルス等での追検査対象者も含まれますが、難関・上位校が多いことから、例年見られる都内国立や難関私立高校の繰り上げ合格者の方が追検査対象者よりも多いように思われます。また、例年同様、出願したものの結局併願で合格している地域の私立高校への進学を決めたケースも見られました。

定員割れによる欠員補充については、2018年が990名、2019年が915名、2020年が780名と減少傾向でしたが、前年は1,458名と大幅に増加しました。今年は前年よりも増加し、1,682名でした。

2.応募者数ランキング

普通科、総合学科・専門学科・コース制等の応募者数上位10校を紹介します。

応募者が多かった埼玉県公立高校(2021年・2022年)
順位 2022年応募者数トップ10
普通科 総合・専門学科、コース等
学校名 応募者数 学校名 課程 応募者数
コース
1 伊奈学園 852 久喜北陽 総合 348
2 浦和西 558 川越総合 総合 275
3 浦和一女 528 滑川総合 総合 267
4 県川越 519 熊谷商業 総合
ビジネス
196
5 川口市立 513 浦和商業 商業 184
6 市立浦和 512 大宮商業 商業 183
7 川越南 503 寄居城北 総合 180
8 越ヶ谷 490 進修館 総合 179
9 川越女子 484 深谷商業 商業 170
10 471 吹上秋桜 Ⅰ部 158
所沢 471
順位 2021年応募者数トップ10
普通科 総合・専門学科、コース等
学校名 応募者数 学校名 課程 応募者数
コース
1 伊奈学園 834 久喜北陽 総合 318
2 川越南 599 滑川総合 総合 285
3 浦和一女 495 川越総合 総合 231
4 浦和西 495 寄居城北 総合 194
5 県川越 486 進修館 総合 192
6 川口市立 484 大宮商業 商業 182
7 浦和 480 熊谷商業 総合
ビジネス
179
8 大宮 479 吹上秋桜 Ⅰ部 163
9 川越女子 461 幸手桜 総合 162
10 市立浦和 457 深谷商業 商業 161
春日部 457
  • 前年も今年も普通科の10位は2校、前年は3位が同数2校

普通科では、規模が大きい伊奈学園が例年通りのトップでした。今年は応募者が少し増えています。しかし、2014年には1,006名の応募があり、その後は隔年で800名台と900名台を繰り返していましたから、以前よりは応募者が減っていることになります。2位の浦和西は応募者が増えて前年の同数3位から上がりました。3位は前年と同じ浦和第一女子で、同校も順位は同じですが応募者が増えています。4位は前年の5位から上がった県川越で、隔年で応募者が増減していて、今年は応募者が増えました。

総合・専門学科やコース制・昼間定時制等では、今年もトップは久喜北陽です。2015年からトップが続いており、応募者数は増えています。2位の川越総合と3位の滑川総合は、前年と順位が入れ替わっていますが、一昨年は今年と同じ順位で、両校が交互に2位と3位になっています。応募者数の隔年変化が順位に表れています。4位は前年の7位から上がった熊谷商業で、応募者が増えています、5位の浦和商業・商業は、前年は登場していませんが11位と、もう少しで登場する位置でした。

3.応募倍率ランキング

普通科、総合学科・専門学科・コース制等の応募倍率上位10校を紹介します。

応募倍率が高かった埼玉県公立高校(2021年・2022年)
順位 2022年応募倍率トップ10
普通科 総合・専門学科、コース等
学校名 倍率 学校名 課程 倍率
コース
1 市立浦和 2.13 大宮 理数 2.45
2 川口市立 1.83 所沢北 理数 2.43
3 浦和西 1.56 川口市立 理数 1.88
4 1.481 松山 理数 1.68
5 市立川越 1.479 和光国際 外国語 1.633
6 浦和一女 1.475 越谷北 理数 1.625
7 大宮 1.472 市立川越 国際経済 1.61
8 市立浦和南 1.469 市立大宮北 理数 1.60
9 県川越 1.44972 外国語 1.50
10 越谷北 1.44969 市立川越 情報処理 1.50
順位 2022年応募倍率トップ10
普通科 総合・専門学科、コース等
学校名 倍率 学校名 課程 倍率
コース
1 市立浦和 1.90 大宮 理数 2.35
2 川口市立 1.73 市立大宮北 理数 2.35
3 川越南 1.67 川口市立 理数 2.08
4 市立川越 1.64 松山 理数 1.75
5 大宮 1.51 越谷北 理数 1.75
6 所沢北 1.43 所沢北 理数 1.73
7 浦和一女 1.38 浦和商業 情報処理 1.60
8 浦和西 1.38 久喜工業 情報技術 1.60
9 1.36 市立川越 国際経済 1.60
10 越ヶ谷 1.36 越谷南 外国語 1.53
越谷北 1.36
  • 普通科は前年の7位が同倍率2校、9位が同倍率3校、総合・専門学科、コース等は今年の9位が同倍率2校、前年の1位と4位が同倍率2校、7位が同倍率3校

前年に続いて今年も普通科トップは市立浦和で、4年連続です。今年は応募者が増えて2倍を超えました。2位も前年と同じ川口市立で、やはり少し倍率が上がっています。3位は前年の同倍率7位から上がった浦和西、4位は前年の同倍率9位から上がった蕨で、両校とも人気が上がっています。5位は前年4位だった市立川越で、少し応募倍率は下がっていますが、今年も高い人気です。

総合学科、専門学科、コース制等では、今年も特に理数科の人気が高く、10校中6校が理数で、1~4位は理数で占められています。トップは前年も同倍率でトップだった大宮・理数です。2017年までトップを続けていましたが、市立大宮北や川口市立の理数科設置で、2018年と2020年はトップではありませんでしたが、再び連続してトップになっています。2位は前年の6位から上がった所沢北・理数です。倍率が上がっていますが、少定員のため、実際の応募者の増加数はあまり大きくはありません。3位は前年と同様、川口市立・理数です。順位は同じですが、少し応募者が減って、今年は2倍を切っています。

このグループは、少定員の学校・課程も多く、本来は普通科よりも登場校の変化が大きくても不思議ではないのですが、ここ数年は理数科や外国語科など、普通科カラーの強い学校・課程がトップ10を占めることが多くなってきて、今年も理数科が外国語科を上回るほどの人気となりました。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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