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上級者向け 受験マニアックス

2019年4月号 2019年首都圏入試を振り返る(私立・国立高校編)

この記事は2019年度の情報です。最新の情報は2023年4月号をご覧ください。

2019年首都圏入試を振り返る(私立・国立高校編)

2019年の高校入試が終了しました。今回の受験マニアックスでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の私立・国立高校の入試状況の振り返りをご紹介します。
各校の詳しい応募者数や受験者数、応募倍率等については、添付のPDFをご覧ください。
なお、公立高校の入試状況の振り返りは、前号(3月号)でご紹介しております。

首都圏全体の私立高校入試状況

3月号でもお伝えした通り、2019年度首都圏高校入試は、公立離れと私立志向の高まりが目立った結果となりました。
しかし、私立の応募者の数を見ると、一都三県ともに昨年よりも減っています。この背景には、公立中卒業予定者数減少の他に、挑戦志向低下があります。難関校に何校もチャレンジしたり、不合格になるリスクを承知でチャレンジ校を受ける受験生が減っているのです。そして、推薦、単願、第一志望優遇などの制度を活用し、確実に合格を決める受験生が増えています。また、公立を第一志望とする場合も、私立は確実に合格できる1校だけ受けるケースが増えています。
従来の首都圏高校受験は、難関上位校に何校も挑戦する学力トップ層の受験生がいることで活況を呈していた面がありましたが、この性格が変わりつつあります。その結果、難関校の入試結果にこれまでとは違った動きが出始めています。
また、私立志向の高まりと一口に言っても、学校ごとに人気の違いは見られます。都心など交通の便がよく華やかな場所にある学校に人気が集まり、交通の便が少し不自由だったり市街地から外れた場所にある学校は求心力が下がっている傾向が見られます。

東京都・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

東京都私立高校の応募者数(2017年〜2019年)

地域 23区 多摩 合計
区分 入試 19年 18年応 17年応 19年 18年応 17年応 19年 18年応 17年応
速報値 募者数 募者数 速報値 募者数 募者数 速報値 募者数 募者数
男子校 推薦 1,540 1,683 1,661 - 90 53 1,540 1,773 1,714
一般 7,178 7,321 7,458 256 343 376 7,434 7,664 7,834
合計 8,718 9,004 9,119 256 433 429 8,974 9,437 9,548
女子校 推薦 4,007 3,898 3,976 1,229 1,098 999 5,236 4,996 4,975
一般 4,857 4,832 5,274 2,263 2,433 2,600 7,120 7,265 7,874
合計 8,864 8,730 9,250 3,492 3,531 3,599 12,356 12,261 12,849
男女校 推薦 14,289 14,371 14,412 3,923 4,330 3,822 18,212 18,701 18,234
一般 44,983 45,875 46,841 20,130 19,835 19,898 65,113 65,710 66,739
合計 59,272 60,246 61,253 24,053 24,165 23,720 83,325 84,411 84,973
合計 推薦 19,836 19,952 20,049 5,152 5,518 4,874 24,988 25,470 24,923
一般 57,018 58,028 59,573 22,649 22,611 22,874 79,667 80,639 82,447
合計 76,854 77,980 79,622 27,801 28,129 27,748 104,655 106,109 107,370
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。
  • 神奈川県対応の書類選考型入試は、正式には一般入試の扱いです。宝仙学園は学力試験が行われないこともあり、ここでは推薦に含んでいます。桜美林は、昨年までは宝仙学園と同様の扱いとしていましたが、今年からコース改編に伴って受験動向が変化したため、コースアップ試験受験生は一般入試に、同試験未受験(入学辞退)は推薦に含んで集計しています。

推薦入試・一般入試を合計した都内私立高校の応募総数は、昨年より約1,500件減少した約104,600件でした。23区、多摩地区ともやや減少しています。未公表校の結果や追加入試が今後公表されるとこれらの結果に上乗せされますから、23区、多摩地区とも昨年並みの水準に届きそうです。

冒頭にも記したように、私立高校をいくつも併願する受験生が少数派になっているため、私立志向は高まっていても応募総数は減少傾向になります。また、通信制高校を希望する受験生もじわじわと増えていることを考えると、今年の東京都私立高校の応募者数は、実は案外減っていないことになり、都内私立の人気の高さがうかがえます。

神奈川県と埼玉県の進路希望調査の結果を見ると県外の高校希望が増えており、このうちの大半は都内の私立高校を希望しています。千葉県は公表資料の性質上推測となりますが、やはり都内私立を希望する受験生が増えている模様です。3県とも県外の私立に進学すると県の私立高校授業料補助が出ませんが、それでも都内の私立を選ぶご家庭が増えています。

2.学校別の状況

応募者数が増えた学校、難関・有名校、特筆事項がある学校などについてご紹介します。なお、速報集計に基づいて記載していますので、記事作成段階で未公表だった合格最低点などが今後公表された場合、内容が変わることがあります。

〈23区・男子校〉
  • 成城は高校募集を停止し、完全中高一貫校に移行しました。
  • 足立学園:昨年のコース改編が今年になって受験生に浸透したようで、応募者が大きく増えています。合格最低点は探究と総合が昨年並み、文理は少し上がっていて、やや難化したかもしれません。
  • 開成:一昨年、神奈川県の慶應義塾と入試日が重なった影響で応募者がかなり減りました。昨年は一昨年並み、今年も昨年と同数の応募者数です。一昨年は合格最低点がやや下がりましたが、昨年は上昇、今年も同じです。今年も高難度の入試でした。
  • 科学技術学園:昨年も応募者が増えましたが、今年はさらに大幅に増えました。公立よりも面倒見の良い私立、といった受験生が集まっています。学校の方針もあり、難度は各コースとも昨年並みだったようです。
  • 学習院:小規模な入試の学校で、昨年は応募者が増えていましたが、今年は減っています。今年は実質倍率が下がっていますが、合格最低点は昨年並みで入りやすくなってはいません。
  • 京華:昨年は応募者が大幅に増えましたが、今年も続けて増加して人気が上がっています。合格最低点は各コースとも昨年とほぼ変わりませんでした。
  • 佼成学園:一昨年、昨年と応募者が減っていましたが、今年は大幅に増えて人気が回復しました。各コースとも難度は昨年とあまり変わらなかったようです。
  • 城北:城北も推薦・一般入試とも一昨年が昨年並み、今年は少し増えていますが安定しています。推薦の合格最低点は少し上がっていますが、少し得点しやすい出題だったのでしょう。難度はあまり変わっていないと思われます。一般は昨年並みでした。
  • 巣鴨:小規模な入試で、昨年は公立高校の合格発表まで入学手続き金の延納を認める制度を実施、応募者が大きく増えました。今年も少し増えています。難度は昨年並みでしょう。
  • 本郷:応募者数は、推薦、一般入試ともに、昨年が一昨年並み、今年はやや増えています。合格最低点も推薦・一般とも昨年並みでした。
  • 明大中野:一昨年、慶應義塾の日程変更で新たな併願受験者層を獲得、応募者が増えていて、昨年、今年と、その水準の応募者数が続いています。昨年は合格最低点が上がって難化しましたが、今年も昨年並みの難度となっています。
  • 立教池袋:入試科目は英語だけですが、今年はリスニング・ライティングを含む英語・自己アピール面接を、英語エッセイ・英語インタビュー(スピーキング)・自己アピール面接に変更しています。応募者はやや増えましたが、今年も小規模な入試でした。
  • 早大学院:一昨年から慶應義塾の入試日程変更で日程が重なったため、慶應義塾からシフトした受験生で応募者が少し増えていて、昨年も同様でした。今年は昨年並みの応募者数、厳密には微減ですから、この動きが止まったようです。合格最低点は未公表ですが、例年並みの高難度の入試だったでしょう。
〈23区・女子校〉
  • 江戸川女子:応募者数は、一昨年が前年並み、昨年が減っていて、今年は昨年並みです。人気が共学の進学校に少し押されているのかもしれません。合格最低点は2月16日の一般2回のⅢ類が上昇、少し難化していますが、それ以外は各類型とも昨年並みでした。
  • 蒲田女子:一昨年、昨年と応募者数が減って小規模な入試になりましたが、今年は人気が回復に向かい始めたようで大きく増加しました。難度は各コースとも昨年並みです。
  • 慶應義塾女子:昨年、今年と、推薦の応募者数は前年並み、一般入試は小幅ですが増加が続いています。慶應義塾大学には医学部がありますから、医師志望の受験生も増えているようです。例年同様にかなり高水準の入試でした。
  • 下北沢成徳:昨年は応募者数が少し減っていましたが、今年は隔年的に増えました。難度面では各コースともあまり変わっていないようです。
  • 十文字:応募者数は、一昨年が減少、昨年が増加、今年は減少と、隔年的に変化しています。出題の難度も関係しますが、合格最低点は各コース、推薦・一般入試各日程とも少し下がっています。一般入試はやや入りやすくなったかもしれません。
  • 潤徳女子:隔年現象が見られる学校で、今年の応募者数は減る順番でしたが大きく増えていて、人気が上がっています。内申基準を重視する入試なので、難度は各コースともにあまり変わっていないでしょう。
  • 玉川聖学院:プロテスタント系の学校。原則中高一貫で高校募集は教会からの紹介中心の入試でしたが、一般に広く高校入試をアピールし、今年の応募者は大きく増え小規模な入試を脱しました。難度は昨年並みだったようです。
  • 東京家政大附属:コースの改称、iクラスでの一般入試単願実施など、受験しやすくする施策が功を奏して、今年は応募者がかなり大幅に増え、小規模を脱しています。難度面は両クラスとも昨年並みだったようです。
  • 東洋女子:各コース合計で応募者が倍増以上と大幅に増えました。大幅に奨学金制度を拡充し、年収約1,000万円の世帯まで実質的に学費を無料としたことが原因です。都内に限らず近県の生徒も対象としました。難度面では各コースともあまり変わっていないようです。
  • トキワ松学園:隔年現象が目立つ学校で、昨年の応募者数は大きく減りましたが今年は増加して小規模を脱しました。各コースとも難度は昨年並みでしょう。
  • 豊島岡女子:一昨年は応募者が目立って減りましたが、昨年は増加、今年は減少と、隔年で増減しています。共学の進学校との間で、年によって受験生の動きが変わっているようです。推薦と1月の帰国入試は昨年並みの合格最低点でしたが、2月の帰国入試と一般入試は合格最低点がやや下がりました。出題の関係でしょう。難度は例年並みの高難度だったようです。
  • 日大豊山女子:一昨年のA特進の新設や、昨年の埼玉県生向けの推薦入試日程の複数化などの効果で、一昨年、昨年と応募者数が大きく増えていましたが、今年は減っています。人気が一段落したのでしょう。見た目の高倍率が敬遠されたのかもしれません。難度面では各コースとも昨年とあまり変わっていないようです。
〈23区・男女校〉
  • 青山学院:一昨年の応募者数が前年並み、昨年は少し増えていて、今年は昨年並みです。入試日程上一般入試は比較的欠席が多い入試で、合格最低点は未発表ですが、補欠を出していますので難度は昨年並みだったようです。
  • 岩倉:全国でも珍しい鉄道関係の教育を行う運輸科があります。昨年L特(部活両立の特進)を新設して他のコースも応募者が増え、今年も続けて応募者が増えました。難度面は各コースとも昨年とあまり変わっていないようです。
  • 錦城学園:今年は応募者が倍増以上と人気が大きく上がりました。増加の中心は女子です。合格最低点は、フリー受験は昨年並みですが、推薦や一般入試第一志望、併願優遇は少し下がっています。
  • 國學院:一昨年に一般入試を3回に増設して応募者が大幅増加、昨年も応募者はやや増加、今年も昨年並みで人気が続いています。合格最低点は全回とも上がっていて、全体では少し難化、2回は確実に難化しています。
  • 國學院久我山:一昨年は応募者が大幅増加、昨年は減少、今年は少し減りましたが概ね昨年並みと言ってよいでしょう。一昨年の大幅増加は青山学院の日程移動の影響もありましたから、もとの人気に戻ったようです。合格最低点は男子理系と女子(女子は理系のみ募集)で上がっています。出題の関係もありますが、やや難化したかもしれません。男子文系は昨年並みの合格最低点でした。
  • 駒込:レベルアップを図って一昨年から段階的にコースを改編している学校で、今年は特Sを新設、スーパーアドバンスとアドバンスコースAをSに統合しました。特S、S、理系先進、国際教養の4コース制です。今年の応募者数は昨年並みです。特Sは今までよりワンランク高い難度、他のコースは昨年並みの難度だったようです。
  • 芝浦工大附属:一昨年に移転と女子募集の影響で応募者が増加、昨年は一昨年並みでしたが、今年は男女とも応募者が増加、小規模を脱しています。合格最低点も上がって難化したようです。
  • 淑徳:一昨年、昨年と応募者が減少していましたが、今年は昨年並みです。難化ゆえの敬遠ムードが収まってきたのでしょう。各コースとも難度は昨年並みのようです。
  • 淑徳巣鴨:隔年現象が目立つ学校で、今年は順番通り応募者数が増えています。各コースとも合格基準点は昨年並みで、難度は特に変化していません。
  • 城西大城西:一昨年まで安定した応募者数が続いていましたが、昨年、今年と応募者の増加が続いて人気が上がっています。昨年は男子が応募者増加の中心でしたが、今年は女子の増加率が男子より高く、女子の人気が上がっています。合格最低点は昨年並みでした。
  • 昭和第一:昨年まで安定した応募者数でしたが、今年は増えて人気が上がっています。各コースとも合格最低点は昨年並みで、特に難化はしていません。
  • 杉並学院:隔年現象で今年は応募者が増え、特に総合進学コースの増加が目立ちました。合格最低点は両コースとも昨年並みでした。
  • 駿台学園:一昨年、昨年と応募者数が減っていましたが、今年は増えました。併願受験生が多いこともあって、各コースとも難度はあまり変わらなかったようです。
  • 成城学園:昨年応募者が大幅に減った反動もあり、今年は推薦・一般とも増えていますが、小規模な入試のままです。ただ、補欠を出しているにもかかわらず、今年は合格者数を絞っていて、少し難化したかもしれません。
  • 青稜:今年の応募者はやや減ったもののほぼ昨年並みでした。合格最低点も昨年並みです。
  • 専修大附属:昨年、今年と応募者増加が続いて人気が上がっています。大学附属校人気を受けた形で、神奈川県などからの受験生も増えているようです。昨年に続いて少し難化したかもしれません。
  • 多摩大目黒:昨年も応募者が増加していましたが、今年は大幅に増えました。他の私立高校との併願受験も増えているようで、難度は昨年並みだったようです。
  • 中央学院大中央:今年の応募者数はかなり大幅に増加しました。増加の中心は一般入試の併願受験生です。両コースとも昨年並みの難度でしょう。
  • 中央大学:一昨年は応募者が減っていましたが、昨年、今年と、少しずつ増えています。今年は推薦の増加が目立っていて、志望順位が高い受験生が増えています。合格最低点は男女とも推薦・一般ともに上がり、特に一般入試は大きく上がりました。出題との関係はありますが、少し難化したようです。
  • 中央大学杉並:一昨年、慶應義塾の日程移動の影響で一般入試の男子応募者が減りましたが、昨年、今年と男子受験生が戻ってきました。女子も増えていて、人気が上がっています。昨年、合格最低点が大幅に上がり難化しましたが、今年もその昨年並みの合格最低点を維持しています。
  • 帝京大帝京:一昨年、昨年と応募者が減っていましたが、人気が反転、今年は増えました。各コースとも、併願受験生が多いこともあって、難度はあまり変わらなかったようです。
  • 東京都市大等々力:一昨年、昨年と応募者が減り小規模な入試になりましたが、今年は増加。やや難化したかもしれません。
  • 東京農大第一:今年の応募者数は微減ですが昨年並みと言ってよさそうです。合格最低点は昨年並みで難度に変化は見られません。
  • 東洋:推薦B・一般Bで特進の募集を行ったこともあって応募者が大幅に増えています。合格最低点は、特進選抜は昨年並みですが、特進と総合進学の一般入試は下がっています。昨年が高水準になりすぎていたため、少し調整されたようです。
  • 東洋大京北:2015年に男子校から共学化した学校で、共学化直後は人気急上昇で一気に難化、一昨年は敬遠ムードが出て応募者が減りましたが、昨年は大幅に増加、今年も昨年並みとなりました。難度は昨年並みだったようです。
  • 日本工大駒場:隔年現象で応募者が増えています。各コースとも難度は昨年並みだったようです。同校では今年、総合進学と理数工学の一般2回で作文と面接から成るマイワーク入試を新設。興味関心がある分野の研究活動をアピールできる生徒を迎えたいとするもので、コミュニケーション力、思考力、発想力といった力の土台を見る入試でした。この入試で入学した生徒たちがどのように成長していくのか、注目したいところです。
  • 広尾学園:入りやすかった本科の募集を停止したため、応募者は半減しています。中高一貫が主体で、高校入学は最上位生レベルに絞る、というわけです。医進・サイエンスの1回は合格最低点が下がっていますが、出題の関係でしょう。高難度に変化は見られません。2回は昨年並み、インターナショナルは性格上未公表ですが、こちらも難度は高めだったようです。
  • 文化学園大杉並:昨年は共学化にともない、新たな男子の応募者のほか共学化を歓迎する女子も増えましたが、今年も人気は続いていて、男女とも応募者が目立って増加しています。ダブルディプロマは昨年並みの難度、特進と進学は少し難化したかもしれません。
  • 朋優学院:昨年は一番入りやすかった進学を募集停止としたため応募者は減りましたが、今年は大幅に増加に転じています。学力上位の受験生に支持されている様子です。各コースとも合格最低点は昨年並みでした。
  • 明治学院:隔年的に応募者が増減していて、今年は少し増えています。本稿〆切時点で合格最低点は未公表ですが、今年は推薦の難度が昨年並み、一般入試は少し難化したかもしれません。
  • 目黒学院:一昨年、昨年と応募者が減っていましたが、今年はかなり大幅に増えました。各コースとも併願優遇の受験生が多いことから、難度はあまり変化していないようです。
  • 目黒日本大学:2019年度から日大の準付属校になり、校名を日出から変更、日大に内部進学できるようになりました。今年の入試では出願基準をかなり引き上げましたが、昨年とあまり変わらない数の応募者が集まり、難度は上がりました。日大系列化への期待が表れた結果となりました。
〈多摩地区・男子校〉
  • 桐朋:明法が共学化したため、多摩地区唯一の男子校になりました。今年は昨年並みの応募者数です。合格最低点は少し下がっていますが、学力上位生が各校に分散しているからでしょう。少し入り易くなったかもしれません。
〈多摩地区・女子校〉
  • 駒沢学園女子:一昨年、昨年と応募者数が増加していましたが、今年は倍増で人気が大幅に上がっています。両コースともに難度は昨年とあまり変わっていないようです。
  • 白梅学園:一昨年、昨年と応募者の減少が続いていましたが、今年は増加しました。一般入試では、都立併願の受験生が他校から戻ってきているようです。難度面は各コースともあまり変わっていないようです。
  • 武蔵野大学:校名を「武蔵野女子学院」から「武蔵野大学高等学校」に改称し、コースも改編、全コースの一般入試で英検2級取得者は英語試験を免除、準2級取得者は英語得点に50点加算するなどの変更がありました。一昨年、昨年に続いて応募者が増えていて、増加の中心は本科です。合格最低点は本科が昨年並み、ハイグレード選抜とインターナショナル選抜は少し難化したようです。来年は共学化が予定されています。
〈多摩地区・男女校〉
  • 桜美林:国公立コースを新設、選抜を特進に、普通を進学に改称しました。応募者数は、一昨年は前年並み、昨年は大きく減っていましたが、今年は大きく増えています。国公立コースへの期待感が増加につながっています。進学は昨年の普通の合格最低点とあまり変わっていませんが、特進は昨年の選抜くらいの、国公立はさらにワンランク高い合格最低点でした。
  • 錦城:今年の応募者数は昨年並みでした。特進、進学の両コースとも合格最低点は昨年とあまり変わっていません。
  • 国際基督教大:プロテスタントの学校で日曜日には教会へ行くルールがあり、今年は一般入試を例年の2月10日から11日に動かしました。一昨年、昨年と応募者が減っていましたが、今年は少し増えています。11日に動いたことで10日入試の他校との併願が増えています。合格最低点は未公表ですが少し難化したかもしれません。
  • 成蹊:今年、推薦入試を新設しました。安定した応募者数が続いていましたが今年は減っています。一般入試の定員は削減しなかったのですが、難化が警戒されたのかもしれません。合格最低点は男子が昨年並み、女子は少し下がっていますが、補欠を出していることもあって、難度はあまり変わっていないようです。
  • 聖パウロ学園:昨年に続いて応募者が増加、今年は小規模な入試を脱しています。面倒見がよいところが人気の秘訣でしょう。難度は両コースともあまり変わっていないようです。
  • 中大附属:今年は大幅に応募者が増えています。帰国生入試を新設したことも人気につながっています。合格最低点は推薦は概ね昨年並みですが、一般入試は上がって難化した入試でした。
  • 帝京大学:応募者数の隔年現象が見られた学校で、順番通りなら今年は増えるはずですが、昨年並みでした。他の進学校を選んだ受験生が増えたのかもしれません。合格最低点は昨年並みでした。
  • 東京電機大:昨年は応募者増、今年は微増でした。理系志向の男子が中心で、難度は昨年とあまり変わっていないようです。
  • 八王子学園:隔年現象で応募者が増減していた学校で、今年は増える順番ですが昨年並みでした。中高一貫のカラーが少しずつ強まってきて、高校受験生に影響しているのかもしれません。合格最低点(同校ではBラインと呼称)は多くのコースで昨年と大差ありませんが、アスリートだけは上がっていて、難化しています。
  • 法政大学:今年の応募者は減っていますが、昨年応募者が大幅に増加して難化した反動でしょう。合格最低点は推薦の男女、一般の男子が昨年並み、一般の女子は少し上がって、かえって難化しています。応募者が減っても入りやすくなったわけではありません。
  • 明大中野八王子:今年の応募者は減っていますが、昨年応募者が大きく増加してやや難化した反動でしょう。推薦は男女とも合格最低点が少し下がっていますが、出題内容の関係でしょう。一般入試は男女とも昨年並みで、難度は特に変わっていないようです。
  • 明大明治:今年の応募者は昨年並みでした。合格最低点は推薦が昨年並み、一般は男子が少し上がって難化、女子は昨年並みでした。
  • 明星:昨年に続いて今年も応募者の増加が目立ちます。人気が上がっています。併願受験生も多いようで、各コースとも難度は昨年並みだったようです。
  • 明法:中高一貫の男子校でしたが、2019年度から高校のみ共学化しました。共学化が歓迎され、女子だけでなく男子の応募も増え、各コース・プログラム計の応募者数は約3.5倍にもなりました。合格最低点を見ると、総合進学は少し上がって難化したようですが、特進の難度は昨年並みでしょう。
  • 早稲田実業:一昨年、昨年と応募者が減っていましたが、今年は増えました。男子は一昨年の慶應義塾の日程変更の影響を受けて減った応募者が回復してきて増えています。女子は反対にやや減っていますが、高難度で敬遠ムードになっているのでしょう。難度面は昨年とあまり変わらず、高水準の入試でした。

神奈川県・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

神奈川県私立高校の応募者数(2015年〜2019年)

区分 推薦入試 一般入試
年度 19速報 18年 17年 16年 15年 19速報 18年 17年 16年 15年
男子校 501 417 371 445 365 2,661 2,911 2,780 3,336 3,731
女子校 700 721 633 673 680 1,509 2,074 2,110 2,289 2,201
共学別学校 4,078 3,834 3,579 3,579 3,661 33,096 34,663 36,677 37,455 37,877
合計 5,279 4,972 4,583 4,697 4,706 37,266 39,648 41,567 43,080 43,809
区分 書類選考入試 オープン入試
年度 19速報 18年 17年 16年 15年 19速報 18年 17年 16年 15年
男子校 1,089 801 771 853 1,321 240 181 207 158 155
女子校 469 481 567 492 444 117 105 106 123 88
共学別学校 9,189 8,756 5,716 5,302 2,807 1,831 2,053 1,656 1,797 1,260
合計 10,747 10,038 7,054 6,647 4,572 2,188 2,339 1,969 2,078 1,503
区分 合計 オープン入試は、オープンやフリーと銘打った入試をカウントしていて、以前はオープンと銘打たなかったのに、現在はオープンと銘打つようになった学校は、その時点からオープンに含めており、慶應義塾のようにオープン型でもオープンと銘打たない学校は一般入試として集計しています。
年度 19速報 18年 17年 16年 15年
男子校 4,491 4,310 4,129 4,792 5,572
女子校 2,795 3,381 3,416 3,577 3,413
共学別学校 48,194 49,306 47,628 48,133 45,605
合計 55,480 56,997 55,173 56,502 54,590
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

推薦・一般・書類選考・オープンを合計した県内私立高校の応募者数は、昨年より約1,500件減っています。公立中3生徒数の減少は400名程度ですから、私立志向が高まった割には応募者数が増えていません。神奈川県では一部の難関・上位校の一般入試とオープン入試を除いて、基本的に私立複数校受験は認められていませんから、実際の受験者数も増えていないことになります。公立高校も受験者数は減っていて、定員割れが目立つくらいです。

では受験生はどこに行ったのでしょう? 答えは、都内の私立高校です。県外私立に行くと県の私立高校授業料補助が出ませんが、それでも教育の質で都内の私立高校を選ぶご家庭が増えています。また、自分のペースで学びたいと考える受験生も徐々に増えていて、通信制を選ぶケースも増えました。

また、推薦と書類選考の応募者は増えていて、一般入試とオープン入試は減っています。学力テストを受験せずに合格を決める受験生が増えているわけです。一部の難関・上位校は別ですが、神奈川県全体で、「落ちない入試」志向が今年も強くなっています。

2.学校別の状況

応募者数が増えた学校、難関・有名校、特筆事項がある学校などについてご紹介します。なお、速報集計に基づいて記載していますので、記事作成段階で未公表だった合格最低点などが今後公表された場合、内容が変わることがあります。

〈神奈川県・男子校〉
  • 鎌倉学園:昨年、今年と続いて応募者が増えていて、人気が上がっています。昨年は書類選考が増加の中心でしたが、今年はオープン入試も増えています。合格最低点は若干上がっていますが、難化というほどではありません。
  • 慶應義塾:記事作成時点で未公表でしたが、1次合格者に2次を行う2段階選抜になっていることもあって、難度面ではあまり変わっていないと思われます。
  • 横浜:2020年度から共学化するため、男子校としての最後の募集でした。今年の応募者数はかなり大幅に増加しています。共学化への期待もあるのかもしれません。入試相談が中心ですから、各コースとも難度は昨年並みでしょう。
〈神奈川県・女子校〉
  • 英理女子学院:「高木学園女子」から今年改称し、理系教育や国際教育の重視、難関大学進学対応など、新しいタイプのコースを新設しました。応募者数は昨年より大きく増えています。新設コースだけでなく既存のコースも増えました。「iグローバル部」は、従来の同校よりもかなり高い難度になっています。キャリア部の各コースは進学教養(従来の普通科)が少し入りやすくなったようですが、他のコースは昨年並みでしょう。
  • 日本女子大附属:隔年現象で応募者が増減していた学校で、今年は減る順番でしたが増加しました。大学附属校人気の影響かもしれません。難度そのものはあまり変わっていないようです。
〈神奈川県・男女校〉
  • 麻布大附属:S特進コースを新設し3コース制になりました。今年は学校改革で評価が上がり、応募者が大幅に増加しました。昨年に桐蔭学園の影響を受けて応募者が減った反動もありそうです。S特進は特進のワンランク上の難度、特進は昨年並み、進学は若干上がった難度だったようです。
  • 柏木学園:昨年までは応募者数が安定していましたが、今年は増加が目立ちます。増加の中心はスタンダードの女子です。入試相談が前提ですから、各コースとも難度は昨年並みだったようです。
  • 慶應湘南藤沢:応募者は一昨年が増加、昨年は大きく減少、今年は昨年並みでした。同校は帰国生と首都圏以外在住者向けの入試ですが、昨年減った帰国生の男子の応募者数が回復していません。帰国生入試の実施校が増えて、受験生が分散しているようです。難度面では今年も高水準で厳しい入試でした。
  • 湘南工科大附属:今年は応募者が大幅に増えていて、その中心は進学アドバンスコースの一般入試です。各コースの難度は昨年並みだったようです。
  • 立花学園:一昨年は応募者数が増加、昨年は一昨年並み、今年は再び増えていて、段階的に人気が上がっています。難度に目立った変化は見られませんでした。
  • 中大附属横浜:一昨年、昨年と応募者が減っていましたが、今年はかなり大幅に増えました。オープン入試は合格最低点が少し上がり、やや難化したようです。
  • 桐蔭学園:昨年、男子部・女子部を統合して共学化、コースも改編、中高一貫生とは完全別クラスとしました。授業もアクティブラーニングを取り入れたものに大きく変えて、「新生桐蔭」をアピールしました。昨年は応募者数が5千人を超える人気ぶりで入学者も増加したことから、今年は書類選考などの出願基準を引き上げました。今年は各コースとも1段階ずつ上がった難度の入試になっています。応募者は昨年より大きく減りましたが、それでも3千名を超えていて、県内最大の応募者数でした。
  • 桐光学園:今年は応募者が増えています。合格最低点は1回が男女とも昨年並み、2回は男女とも少し上がって、やや難化したようです。
  • 法政大第二:今年は応募者が減っていて、特に女子の減少が目立ちます。男女別定員で、女子の方が男子よりも高倍率が続いてきたため、少し敬遠ムードが起きたのかもしれません。学科入試の合格最低点は男女とも少し下がっていますが、出題難度の影響でしょう。あまり入りやすくはなっていないようです。
  • 法政大国際:昨年共学化し、国際バカロレアのコースもつくりました。各コース合計の応募者数は昨年並み、厳密には微増です。各コースとも難度は昨年並みで、国際バカロレアのコースは高度な英語力を求める厳しい入試でした。
  • 山手学院:今年はA日程・B日程とも応募者が増加、特にBオープン入試の増加が目立ちました。合格最低点はAが昨年並み、Bは上がって難化した入試でした。
  • 横須賀学院:隔年現象で応募者が増減していて、今年は順番通り増えました。増加の中心は女子です。オープンのアビリティ入試は受験者があまり多くなく、挑戦志向は高くないようです。各コースとも難度は昨年並みでしょう。
  • 横浜翠陵:昨年は桐蔭学園人気に押されて応募者が大きく減りましたが、今年は大きく増えました。入試相談が多いため各コースとも難度はあまり変わっていません。
  • 横浜創英:昨年、今年と応募者数の増加が目立ちます。一昨年、新校舎の建設を発表、昨年から工事が本格化してきましたから、期待する受験生も多いのでしょう。入試相談中心ですから、各コースとも難度は昨年並みです。
  • 横浜隼人:昨年は一部の受験生が桐蔭学園に流れたようで応募者が減りましたが、今年は回復し、一昨年の2千名台に戻りました。入試相談が多いため各コースとも難度はあまり変わっていません。
  • 横浜富士見丘:中高一貫の女子校でしたが、2019年度から理系の男子クラス「理数特進クラス」を新設し、男子を募集しました。1年次は男女でクラスが分かれ、2年次からは理系特進クラスの男子と女子の理系希望者が混合した共学クラスになります。男子は小規模な応募で、難度は女子の理系クラス・グローバル&サイエンスとあまり変わらなかったようです。女子もグローバル&サイエンスは応募者が減りましたが、各クラスとも昨年並みの難度でしょう。

千葉県・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。
千葉県内私立高校の今年の応募総数は55,000件弱で、昨年より2,000件近く減っています。未公表の入試を合計すると、最終的には55,000件台の半ばになりそうです。

千葉県私立高校の応募者数(2015年〜2019年)

区分 19年速報値 18年 17年 16年 15年
前期 52,895 54,418 52,294 53,082 54,196
後期 2,037 2,474 2,617 3,561 3,916
54,932 56,892 54,911 56,643 58,112
前期の割合 96.3% 95.7% 95.2% 93.7% 93.3%
女子校の割合 3.1% 3.2% 3.4% 3.1% 3.1%
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

以下のグラフは、応募総数を公立中3生徒数で割った1人あたりの私立高校の応募数です。今年は昨年より少し下がった1.09でした。

千葉県公立中3生1人あたり私立高校応募数

公立高校人気が下がり私立志向が上がっている状況下ですが、私立高校の応募者数、一人あたりの応募数はともに減っています。千葉県の進路希望調査では細かいことが公表されないので明らかではありませんが、神奈川県や埼玉県と同様に、都内の私立を目指す受験生が増えていると考えられます。同時に、全体的に挑戦志向が下がって、私立を何校も受験せず、専願などで確実に合格できる所だけ受験するケースが増えていることも背景にあるのでしょう。

2.学校別の状況

応募者数が増えた学校、難関・有名校、特筆事項がある学校などについてご紹介します。なお、速報集計に基づいて記載していますので、記事作成段階で未公表だった合格最低点などが今後公表された場合、内容が変わることがあります。

〈千葉県・女子校〉
  • 国府台女子:今年は学力の底上げを図り、入試の変更をしています。応募者数は隔年的に変化していて今年は少し増えていますが、英語科は科目変更等で少し敬遠されたようで減っています。普通・美術デザインコースの合格最低点は単願Aが少し上がり、Bと併願推薦は少し下がっています。英語科は科目変更があったので単純比較はできませんが、選抜コースとも難度はあまり変わっていないようです。
  • 和洋国府台女子:今年は応募者が増えています。千葉県で女子校の人気が低迷する中、人気を維持しています。増加の中心は各コースの併願推薦ですから、公立第一志望の受験生です。難度は各コースとも昨年並みでしょう。
〈千葉県・男女校〉
  • 市川:一昨年、前期併願を3教科から5教科に変更、今年は前期単願も5教科に変更してレベルアップを段階的に図っています。応募者数は一昨年、昨年、今年とほぼ一定で、人気は安定しています。前期の合格最低点は少し下がっていますが、得点しにくい出題だったようです。後期の合格最低点は昨年並みです。難度自体はあまり変わっていないでしょう。
  • 芝浦工大柏:昨年は応募者がやや増加、今年はさらに増えて人気が上がっています。合格最低点は、グローバル・サイエンスコースは1回、2回が少し下がり、ジェネラルラーニングコースは1回が少し下がって2回は昨年並みでした。実質倍率は高水準のままですから入りやすくなったわけではなく、出題が難化しているのでしょう。
  • 渋谷幕張:一昨年、昨年と応募者がやや減っていましたが、今年は少し増えています。合格最低点は昨年並みで、今年も高水準の厳しい入試でした。
  • 昭和学院秀英:昨年は応募者が微増、今年は昨年並みで、安定した人気が続いています。合格最低点も前後期とも昨年並みで、難度に変化は見られません。
  • 専修大松戸:一昨年、昨年、今年と応募者数はあまり変わらず、安定した人気が続いています。合格最低点も昨年並みで、難度も安定しています。
  • 拓大紅陵:今年は応募者の増加が目立ちます。他の私立高校の受験者層が同校に流れているようで、人気が上がっています。各コースの難度は昨年並みだったようです。
  • 千葉日大第一:昨年は前期・後期ともに応募者がかなり増えていましたが、今年はその反動で減っていて、特に男子の減少が目立ちます。合格最低点は前後期とも上がり、受験生が絞られた入試になりました。少し難化しているようです。
  • 千葉黎明:地域での評価が上がっているようで、応募者が増えています。各コースとも難度は昨年並みだったようです。
  • 中央学院:一昨年、昨年と応募者が減少していましたが、今年は増えています。人気が上向いてきました。難度は各コース・各回ともにあまり変わっていないようです。
  • 東京学館浦安:昨年、学力アップを図ってコースの改編を行いました。昨年は受験生への浸透が今一つだったようで応募者は減りましたが、今年は増えています。認知度が高くなったのでしょう。ただ、増えた受験生の多くは比較的入りやすい総合進学コースに応募していますから、学力上位の受験生への浸透はこれからでしょう。各コースとも難度は昨年並みだったようです。
  • 東京学館船橋:昨年に続き応募者が増えていて、人気が上がっています。難度は各科・各回ともに昨年とあまり変わらなかったようです。
  • 成田:今年、一部の定員を見直ししています。昨年は後期を廃止したため、学校全体の応募者数は少し減りましたが、今年は昨年並みです。合格最低点は特進α、進学とも少し上がっていて、得点しやすい出題だった面はありますが同校希望者の学力レベルも少し上がっているのかもしれません。
  • 二松学舎大柏:昨年は応募者が増加し、今年は昨年並みを維持しています。合格最低点は各コースともに昨年並みで、難度は安定しています。
  • 日大習志野:応募者数は減っています。前期併願の合格最低点も少し下がってやや入りやすかったかもしれません。後期は昨年並みでした。また、今年は剣道に限定したスポーツ推薦を前期Aに含んだ形で行いましたが、基本的には剣道が強ければ合格しているようです。
  • 日出学園:一昨年の特進コース設置以降、人気上昇が続いています。教務面や生徒指導面での学校改革が進んでいることも受験生の期待感につながっています。今年も応募者はかなり大幅に増え、3年前のほぼ4倍の水準になりました。特に、特進の増加が目立ちます。合格最低点は特進・進学両コースとも昨年並みで、難度は昨年とあまり変わっていないようです。
  • 八千代松陰:一昨年まで応募者の減少が続いていましたが、昨年はやや増加、今年は昨年並みでした。IGSと進学の2コース制でIGSは増加、進学は少し減っています。合格最低点は未公表ですが、両コースとも難度はあまり変わらなかったようです。
  • 流通経済大柏:隔年現象が目立つ学校で、今年は順番通り応募者数が増えています。1月17日は合格最低点が上がっていますが、18日は昨年並みですから、今年の17日は少し得点しやすい出題だったのかもしれません。
  • 麗澤:昨年、進学体制強化を図ってコースを改称しました。昨年は難化を懸念する受験生が避けたのか、応募者数はやや減っていて、今年も減っています。今年は特に第一志望の女子の減少が目立っています。合格最低点は1月18日の叡智スーパー特選が少し下がっていますが、それ以外は概ね昨年並みで、今年の出題が少し難しかったのかもしれません。

埼玉県・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

埼玉県私立高校の応募者数(2015年〜2019年)

応募者数 男子校 女子校 共学校 合計
2019年速報値 6,437 2,637 56,952 66,026
2018年 6,727 3,080 59,120 68,927
2017年 6,456 4,360 58,312 69,128
2016年 6,471 4,529 58,019 69,019
2015年 6,582 4,498 58,471 69,551
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

県内私立高校の応募者数は約66,000件で、昨年より3,000件近く減っています。未公表の入試結果が加わるともう少し増えますが、あと数百件というところでしょう。県内公立中卒業予定者数の減少は約1,000名なので、それ以上の幅で減っています。

公立離れが進み私立志向が上がっているにも関わらず私立の応募数が減っている理由の1つは、私立高校を複数受験せず、単願受験するケースが増えていることです。挑戦意欲を持って何校も受験する生徒が減っています。もう1つの理由は、県内ではなく都内の私立高校を選ぶ受験生が増えていることです。県外私立にいくと県の私立高校授業料補助は出ませんが、それでも良質の教育を求めて都内私立を受験しているのです。さらにもう1つ、通信制高校を選ぶ受験生も増えています。

2.学校別の状況

応募者数が増えた学校、難関・有名校、特筆事項がある学校などについてご紹介します。なお、速報集計に基づいて記載していますので、記事作成段階で未公表だった合格最低点などが今後公表された場合、内容が変わることがあります。

〈埼玉県・男子校〉
  • 川越東:一昨年まで安定した応募者数が続いていましたが、昨年は増加、今年は反動から減っています。特待入試と併願入試が中心ですから、難度はあまり変化していないようです。
  • 慶應義塾志木:昨年は推薦、一般、帰国とも少しずつ応募者が増えていましたが、今年は帰国が昨年並み、推薦と一般は少し減りました。安定した人気が続いていて、補欠も出しているため、難度は高水準で安定しています。
  • 城西大川越:隔年的に応募者が動いていて、今年は増加しています。3コースとも難度面ではあまり変化がなかったようです。
  • 城北埼玉:一昨年、昨年、今年と応募者が減っていて、人気に陰りが出ているようです。中高一貫がメインになっている面もあるかもしれません。難度面では、特待認定も含め昨年並みでしょう。
  • 立教新座:一昨年、昨年、今年と応募者がやや増えていて、人気が上がっています。補欠を出していることもあって、今年も難度に変化は見られません。
〈埼玉県・女子校〉
  • 大妻嵐山:昨年は選抜コースを大妻グローバルに改称しましたが、受験生への浸透が間に合わなかったようで応募者は減りました。今年はスーパーアドバンスSSを新設、大妻グローバルは単願を3科から英数又は英国として、受験生の負担軽減を図りました。今年は応募者が増加しましたが、増加の中心は大妻グローバルで、一年遅れて改称が周知されたようです。難度面では、スーパーアドバンスSSはスーパーアドバンスコースより1ランク上で、スーパーアドバンス・大妻グローバルは昨年並みだったようです。
  • 淑徳与野:一昨年までは応募者数が安定していましたが、昨年は減って今年は増えました。受験生の動きが少し変わってきたようです。併願受験生が多いことには変わりがないので、各コースとも難度は昨年並みだったようです。
〈埼玉県・男女校〉
  • 青山大浦和ルーテル:2019年度から青山学院大学の系属校化。「浦和ルーテル学院」から「青山学院大学系属浦和ルーテル学院」に校名変更し、青山学院大学への系属校推薦枠ができました。元々中高一貫教育を前提とした学校で、高校入試は今年も小規模でした。同校によれば今年の高校入試は意識的に難易度を上げたとのことで、難化しました。
  • 浦和麗明:昨年共学化し、コースを改変しています。昨年は応募者が1.5倍に増えましたが、今年は出願の基準を上げて応募者を大きく絞り、応募者は大幅に減っています。合格最低点の単純比較は難しいのですが、特選各類は難度がワンランク上がったものも見られます。特進各類は昨年並みの難度でしょう。
  • 大宮開成:急速に進学校化が進んでいる学校です。一昨年、昨年は入りやすいコースの募集停止を受け応募者が減っていましたが、今年は増えています。増加の中心は新設の特待入試ではなく1月23日の併願入試です。各コース・単併願とも難度は昨年並みだったようですが、新設の特待選抜入試は受験生42名、合格者1名という高難度でした。
  • 開智:各コース合計の応募者数は昨年が増加、今年は昨年並みですが合格者を絞ってレベルアップを図っています。合格最低点はTコースが昨年並み、SとDは上昇、特にDは昨年のS並みです。出題難度もありますがS・Dコースは難化したようです。
  • 開智未来:昨年は応募者が大きく増えましたが、今年は減っています。好調な大学合格実績で人気は高いのですが、併設中学からの内部進学者が増えるにつれて高校入学はレベルアップが進んでいて、今年の減少も難度の敬遠があってのことです。合格最低点は1月22日と25日は各コースとも少し上がっていて、23日は少し下がっていますが、これは出題が少し得点しにくかったのでしょう。全体的には難度が少し上がった入試だったようです。
  • 栄北:今年は応募者が増えました。2015年に自動車科の募集を停止してから進学カラーが強くなり、期待する受験生が増えています。併願受験生が多いことから、各コースとも難度面では特に変化は見られませんでした。
  • 栄東:今年の応募者は少し増えています。地域トップ校で、隣接都県も含め最上位レベルの受験生が集まっています。東医・αとも難度は特に変わっていないようです。
  • 狭山ヶ丘:隔年現象で応募者が動いている学校で、今年は順番通りに増えました。今年からコース改編を行ったことへの期待感もあるでしょう。難度面では、新設の難関国立・私立進学は最難関国立大学進学のやや下、総合進学は少し入りやすい難度になったようです。最難関国立大学進学と特別進学の難度はあまり変化していないようです。
  • 昌平:今年から国際バカロレアコースを新設しましたが、かなり高度な英語力が求められる入試だったようです。他のコースはほぼ昨年並みの応募者数でした。合格最低点は一部下がっているものも見られますが、概ね昨年並みでした。
  • 西武文理:近年は応募者の減少傾向が続いて、昨年は大きく増えましたが、今年は再び減っています。一番入りやすい普通科の併願受験生が減少の中心です。合格最低点は未公表ですが、各コースとも入りやすくはなっていないでしょう。
  • 東京成徳大深谷:2016年以降応募者の増加が続いていて、今年も増えました。人気が上がっています。併願受験生が多いため、各コースの難度は昨年並みでしょう。
  • 東京農大第三:今年は応募者数が大幅に増え人気が上がっています。全体的な私立志向の上昇や、PRの改善も増加に寄与しています。併願受験生が多いので、各類型とも難度はあまり変わっていないようです。
  • 盈進学園東野:今年はコース改編しましたが、それを受験生が歓迎したようで、応募者の増加が目立ちました。特進Sは昨年の特進βよりやや上の難度、新設の特進Iもほぼ同じ難度、進学Aも昨年の進学並みの難度だったようです。
  • 星野・共学部:人気が上がりすぎて入学者を絞るため、昨年は一番入りやすかった総合教養を募集停止とし、今年はS類をS類特進選抜に改編してレベルアップを図りました。学校の狙い通り、昨年、今年と応募者が減っています。合格最低点は概ね昨年並みですが、やや難化した入試だったようです。
  • 星野・女子部:一昨年、昨年と人気が上がりすぎて応募者が予想以上に増加。今年は入学者を絞るためにコースを改編していて、学校側の狙い通りに応募者が減っています。合格最低点はⅡ類、Ⅰ類とも昨年の文理特進・英語特進や、文理・英語とあまり変わっていませんが、同校では入りやすいコースだった国際教養がなくなった分、全体としては難化しています。
  • 細田学園:学校改革を進めている学校で、昨年はコース設定を見直し、今年は併設中学校を開校しています。今年は中学開校のPRとの相乗効果で応募者は増えています。地域でのイメージが変わってきたのかもしれません。難度面では、各コースとも昨年とあまり違いはなかったようです。
  • 早大本庄:一昨年はやや応募者が減り、昨年、今年と少しずつ増えています。同校は都内など県外からの受験生も多く、附属校人気を背景に応募者が増えています。今年も高難度の入試でした。

国立高校

1.全体の状況

国立高校は、都内の学芸大附属、筑波大附属、筑波大駒場、お茶の水女子大附属、東工大附属、東京藝大附属音楽の6校、埼玉県の筑波大坂戸の計7校です。近年はいずれの学校も入試情勢が大きく変化することはなく、「固定ファンの別格的な存在」です。

2.学校別の状況
  • 筑波大駒場:国立高校唯一の男子校で、男子進学校の最難関です。一昨年、昨年に続いて今年も応募者数はあまり変わらず、安定した人気が続いています。今年も高水準で厳しい入試だったようです。
  • 筑波大附属:男女ともに昨年並みの応募者数でした。今年は女子の合格者が増えていますが、公立トップ校との併願受験生の動きを勘案したものでしょう。難度面では今年も厳しい入試でした。
  • 学芸大学附属:男女とも応募者が大きく増えていましたが、合格者は絞り込みました。しかし繰り上げ合格も多く、難度は昨年とあまり変わらなかったようです。
  • お茶の水女子大附属:隔年現象で応募者が増減していて、今年は順番通りなら減る年でしたが、昨年並みでした。合格者数は少し増えていて、その分実質倍率がやや緩和していますが、難度はあまり変わっていないようです。
  • 東工大附属:今年は推薦・一般入試とも応募者が増加、特に一般入試は大きく増えています。一昨年、昨年の応募者減少を見て挑戦受験生が増えました。推薦入試は小規模で難度の変化を評価することは難しいですが、少し難化したようです。一般入試は実質倍率が上昇した分、厳しい入試になっています。
  • 東京藝大附属音楽:大学との一貫芸術教育を行うユニークな学校で、受験生も限定されます。今年は応募者が昨年より増えていますが、学力面の難度は特に変わっていないようです。
  • 筑波大坂戸:一昨年国際バカロレア認定校となり、SGクラスで国際バカロレア対応の入試を実施しています。SG入試は性格上小規模で、昨年並みの応募者数でした。IGは隔年現象が見られ、今年は順番通り応募者が減っています。SGの難度は昨年並み、IGは少し入りやすかったかもしれません。


[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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