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上級者向け 受験マニアックス

2023年1月号 神奈川県と埼玉県(1回目)の中学3年生の進路希望調査結果

神奈川県と埼玉県の教育委員会が発表した中学3年生の進路希望調査結果を紹介します。各校の募集人数、希望者数、希望倍率の詳細は、添付のPDFで確認してください。これから受験本番に向けて人気の動向は変動する可能性もありますので、あくまで参考程度にご覧いただければと思います。
なお、東京都と埼玉県2回目の進路希望調査結果は、次号で紹介する予定です。

神奈川県

1.全体的な傾向

下の表は、卒業予定者数、高校進学志望者数、進学希望高校の種別を、昨年と比較したものです。

項目 卒業予定者数 高校進学希望者数 全日制 県内公立定時制 通信制
県内 県外
公立 私立 国・公立 私立
人数 今回 67,984 65,902 51,899 5,595 391 3,090 795 2,826
昨年 67,081 64,898 51,934 5,246 349 2,895 762 2,457
前年対比 903 1,004 -35 349 42 195 33 369
卒業予定者数対比 今回 100.0% 96.9% 76.3% 8.2% 0.6% 4.5% 1.2% 4.2%
昨年 100.0% 96.7% 77.4% 7.8% 0.5% 4.3% 1.1% 3.7%
前年対比 0.0% 0.2% -1.1% 0.4% 0.1% 0.2% 0.0% 0.5%

※率は少数第2位を四捨五入しているため、単純計算だと一部合わないところがある。

卒業予定者数は、昨年より903名増えています。高校進学希望者数は1,004名増えていて、卒業予定者数の増加より大きくなっています。ところが、全日制県内公立高校の希望者数はわずかに減少しています。全日制県内公立高校の希望率はこの10年ほど低下傾向が続き、今回は76.3%となりました。人気の低下が止まらない状況です。一方、全日制県内私立高校の希望者数は349名増え、希望率も0.4%上がりました。

希望者の増加が特に目立ったのは通信制高校。369名増で希望率も0.5%上がっています。下のグラフは、県内私立高校、県外私立高校、公立定時制高校、通信制高校(公立私立合計)の希望率の推移を表したものです。

全日制私立・公立定時制・通信制希望率の推移を表したグラフです。

県内外の私立高校の人気が徐々に上昇し、公立定時制高校の人気はじわじわと低下しているのがわかります。動きが目立つのは通信制高校で、希望率は2016年から公立定時制を上回り、上昇を続けています。特にここ数年の人気上昇は顕著となり、今年の希望率は4.2%となりました。これは、東京都などの県外私立高校の希望率が低かった頃よりも高い希望率で、通信制高校の存在感が大きくなっていることがわかります。なお、通信制高校の希望者の多くは県外の私立通信制を選んでいます。話題のN高校のような、ニュータイプの通信制高校が受け入れられていることが窺えます。

2.地域別の県内全日制私立希望率

下のグラフは、昨年と今年の県内全日制私立高校の希望率を、旧学区別(厳密には一部異なる)に見たものです。

進路希望調査による県内私立希望率前年対比を表したグラフです。

昨年より1%以上アップしたのは、旧川崎北部、旧鎌倉藤沢、旧秦野・伊勢原、旧厚木の4地区、0.5%以上1%未満アップしたのは旧横浜南部、旧横須賀三浦、旧茅ヶ崎、旧平塚の4地区です。例年この数字は隔年現象的な動きが見られ、旧川崎北部、旧鎌倉藤沢、旧厚木、旧横須賀三浦、旧平塚の5地区は、昨年は下がって今年上がっています。ただ、旧川崎北部、旧厚木、旧横須賀三浦、旧平塚の4地区は昨年の下降幅を上回る上昇で、今年は特に私立高校人気が上がっていることがわかります。また、旧秦野・伊勢原、旧横浜南部、旧茅ヶ崎の3地区は、昨年も今年も継続して私立高校の希望率の上昇が目立っています。

3.全日制普通科の旧学区内希望率

神奈川県は2005年度入試から公立高校・全日制普通科の学区を廃止しています。旧学区内の高校を希望する割合は2005年以降ずっと低下してきましたが、ここ10年ほどは下降具合が緩やかになっており、そろそろ下げ止まりと思われます。今年の旧学区内希望率は51.6%で、約半数となっています。

旧学区別の傾向として、旧学区内希望率が70%台と高いのは、旧横須賀三浦、旧相模原南北・津久井です。反対に、旧横浜中部、旧横浜西部、旧横浜南部、旧横浜臨海は30%台、旧横浜北部、旧秦野・伊勢原、旧平塚、旧大和・座間・綾瀬は40%台と低くなっています。

4.希望倍率が高い公立高校

下の表は、公立普通科の希望倍率上位10校を、今年と昨年で比較したものです。

公立普通科 希望倍率上位10校(2022年調査・2021年調査)
2022年 普通科 希望倍率上位10校
校名 希望者数 定員 倍率
1 横浜翠嵐 945 358 2.64
2 市立橘 511 198 2.58
3 湘南 921 358 2.57
4 横浜緑ケ丘 674 278 2.42
5 神奈川総合※1 522 218 2.39
6 多摩 635 278 2.28
7 新城 602 278 2.17
8 岸根 678 318 2.13
9 市立金沢 664 318 2.09
10 市立戸塚※2 632 318 1.99
2021年 普通科 希望倍率上位10校
校名 希望者数 定員 倍率
1 横浜翠嵐 1062 358 2.97
2 横浜緑ケ丘 768 278 2.76
3 多摩 681 278 2.45
4 新城 659 278 2.37
5 市立戸塚 747 318 2.35
6 鎌倉 726 318 2.28
7 市立金沢 699 318 2.20
8 湘南 784 358 2.19
9 上溝 511 238 2.15
10 市立幸 253 118 2.14

※1 神奈川総合は小学科では国際文化と個性化の合計。舞台芸術は含まない。
※2 市立戸塚は大学科単位なので音楽コースを含む。

トップは昨年も今年も横浜翠嵐ですが、今回の希望者は大きく減って倍率も下がっています。とはいえ倍率は依然として高く、厳しい入試が続きそうです。2位の市立橘は昨年は登場していませんが、一昨年は4位、2019年はトップでした。昨年は前年の人気で避けられたようですが、今年は人気復活です。3位は昨年8位の湘南で、希望者が大きく増えています。4位の横浜緑ケ丘は昨年の2位から下がり、希望者が100名以上減っていますが、それでも2.42倍です。5位の神奈川総合は昨年は登場していませんが、一昨年はトップでした。昨年は前年の高倍率で避けられたようですが、今年は人気復活です。6位は昨年3位だった多摩、7位は昨年4位だった新城で、両校とも希望者が減って順位が下がりましたが、希望倍率2倍台を維持する人気です。8位の岸根は、2013年度に前後期を一本化して以来初の登場です。昨年の1.84倍から希望者が大きく増えています。9位は昨年の7位から下がった市立金沢で、希望者が少し減っています。10位の市立戸塚は昨年の5位から下がり、希望者は100名以上減っています。

トップ10に登場しなかった学校で希望者の増加が目立ったのは、「昨年比10%以上の増加、希望者数2桁以上の増加、希望者数が募集定員以上」で選ぶと港北、市立東、元石川、希望ケ丘、横浜瀬谷(瀬谷)、光陵、横浜栄、横浜清陵、麻溝台、横須賀大津、逗子葉山(逗葉)、藤沢清流、鶴嶺、茅ケ崎北陵、厚木東、厚木北です。なお、高校再編の関係で瀬谷は横浜瀬谷に、逗葉は逗子葉山に校名が変更されます。

続いて、専門学科や総合学科の希望倍率上位10校を紹介します。

公立専門・総合学科 希望倍率上位10校(2022年調査・2021年調査)
2022年 専門・総合学科 希望倍率上位10校
校名 希望者数 定員 倍率
1 神奈川総合・舞台芸術 91 30 3.03
2 市立みなと総合 476 238 2.00
3 サイエンスフロンティア 288 158 1.82
4 相模原弥栄・スポーツ科学 136 78 1.74
5 相模原弥栄・美術 65 39 1.67
6 藤沢総合 422 278 1.52
7 金沢総合 415 278 1.49
8 市立横須賀総合 465 320 1.45
9 市立横浜商業・国際学 54 39 1.38
9 市立橘・国際 54 39 1.38
9 相原・農業各科 162 117 1.38
2021年 専門・総合学科 希望倍率上位10校
校名 希望者数 定員 倍率
1 市立みなと総合 516 238 2.17
2 神奈川総合・舞台芸術 64 30 2.13
3 相模原弥栄・美術 72 39 1.85
4 市立横須賀総合 587 320 1.83
5 サイエンスフロンティア 267 158 1.69
6 相原・農業各科 193 117 1.65
7 厚木北・スポーツ科学 56 39 1.44
8 相原・総合ビジネス 166 118 1.41
9 神奈川工業 435 313 1.39
10 市立橘・スポーツ 54 39 1.38

トップは昨年2位だった神奈川総合・舞台芸術で、倍率は3倍を超えています。定員が30名と少なく県内唯一の学科なので、競争率が高くなっています。その他、2位の市立みなと総合、3位のサイエンスフロンティア、4位の相模原弥栄・スポーツ科学、5位の相模原弥栄・美術といった例年の人気校が上位に名を連ねています。6位の藤沢総合と7位の金沢総合はともに久しぶりのランキング登場で、今年は人気が上がっています。8位は昨年の4位から下がった市立横須賀総合です。昨年より希望者は100名以上減っていますが、昨年の人気が高すぎた反動でしょう。同率9位の市立横浜商業・国際学、市立橘・国際は昨年は登場していませんが、元々少定員で人気が高い学校です。同じく9位の相原・農業各科も元から人気がある学校です。2019年に移転して新校舎になったことで、さらに人気が上がっている模様です。

埼玉県(1回目)

1.全体的な傾向

下の表は、卒業予定者数、高校進学志望者数などを昨年と比較したものです。
春日部市には義務教育学校(小学校から中学校までの義務教育9年間を一貫して行う学校)があるため、中学校と義務教育学校の卒業予定者数を合計して紹介しています。

卒業予定者 うち 中学・義務教育卒業予定者 うち 特別支援学校卒業予定者 高校進学希望者 進路希望未定等 左のうち進学は希望するが校名が未定
今回調査 63,429 62,830 599 61,243 1,962 1,520
昨年同期 63,359 62,794 565 61,382 1,778 1,463
増減 70 36 34 -139 184 57

今年の中学校の卒業予定者数は昨年より70名多く、微増となっています。しかし増えているのは私立中学校の生徒で、公立中学校・義務教育学校は96名減っています。高校進学希望者数は139名減っています。表の「進路希望未定等」は、具体な進路先について、まだ希望を決めていない生徒数で、昨年より184名増えた1,962名ですが、そのうち1,520名は高校などに進学したいとは考えるものの、どこの学校を希望するかが決まっていない生徒です。

表の、「中学・義務教育卒業予定者」の希望先の内訳が下の表です。

  卒業予定者 全日制進学希望計 県内全日制高校 県外全日制高校 県立定時制希望 私立通信制希望県外含む
国立 公立 私立 国立 公立 私立
今回調査 62,830 56,722 274 42,467 10,158 137 315 3,372 733 2,276
昨年同期 62,794 57,324 208 43,458 9,833 159 322 3,372 692 1,908
前年差 36 -602 66 -991 325 -22 -7 0 41 368
今回調査 100% 90.7% 0.4% 67.9% 16.2% 0.2% 0.5% 5.4% 1.2% 3.6%
昨年同期 100% 91.7% 0.3% 69.5% 15.7% 0.3% 0.5% 5.4% 1.1% 3.1%
前年比 - -1.00% 0.1% -1.6% 0.5% 0.0% 0.0% 0.0% 0.1% 0.6%

県内全日制公立高校の進学希望者数が1,000名近く減少していて、公立の人気低下がはっきりとわかります。一方、県内私立中学校卒業予定者数が増えていることもあり、県内全日制私立高校の進学希望者は増えています。私立通信制高校の希望者数は昨年より368名も増え、進学先の新しい候補として通信制が存在感を増していることがわかります。

2.地域別の進学先希望状況

地域別に、進学先希望状況を紹介します。下の表は、私立・国立中学校を除いた公立中学校のみの進路希望状況で、地域別に教育事務所単位で卒業予定者数、進学希望者数、進学希望先を昨年と比較した結果です。

2022年10月 卒業 進学 全日制高校希望者 定時制合計 通信制合計
予定者 希望者 県内公立 県内国・私立 県外
さいたま市立中学校 10,522 10,225 7,637 1,366 614 96 404
南部教育事務所管内 16,595 15,922 11,541 1,873 1,392 280 631
西部教育事務所管内 14,554 13,916 9,948 2,173 759 195 656
北部教育事務所管内 4,982 4,869 3,828 639 185 35 118
東部教育事務所管内 12,647 12,230 9,343 1,157 786 142 624
義務教育東部管内 24 24 15 3 4 0 2
2021年10月 卒業 進学 全日制高校希望者 定時制合計 通信制合計
予定者 希望者 県内公立 県内国・私立 県外
さいたま市立中学校 10,344 10,030 7,631 1,300 585 73 330
南部教育事務所管内 16,579 16,020 11,663 1,839 1,449 296 559
西部教育事務所管内 14,850 14,287 10,470 2,118 793 166 570
北部教育事務所管内 5,104 4,988 3,959 640 179 53 71
東部教育事務所管内 12,515 12,158 9,511 1,097 753 120 504
義務教育東部管内 28 28 23 2 1 0 1

※義務教育学校は春日部市なので、東部管内の下に項目を設けた。
※定時制と通信制は公開資料の関係上、県内外・公立私立合計。

卒業予定者数は、東京に近い地域では増加、東京から離れた北部地域では減少の傾向が見られます。全日制県内公立高校の進学希望者数は、さいたま市が6名増えただけで他の地域は全て減少しています。一方、全日制国・私立高校の進学希望者数は、北部以外の全ての地域で増加しています。

また、埼玉県は千葉県、茨城県、栃木県、群馬県と隣接県協定を結んでいて、県境地域では隣の県の公立高校に通うこともできます。今回の調査では千葉県の公立高校進学希望者数が昨年より増えていて、茨城県、栃木県、群馬県の公立高校進学希望者数は減っていました。特に三郷市などの東部地域で、千葉県の公立高校の人気が上がっているようです。

地域別の表を見ても通信制高校の動きは目立ち、全ての地域で希望者数が増加していました。

3.希望倍率が高い公立高校

下の表は、全日制公立高校普通科で希望倍率が2倍以上だった学校を紹介したもので、昨年と今年の比較です。

公立普通科 希望倍率上位校(倍率2倍以上の学校/2022年調査・2021年調査)
2022年 倍率 前年同期倍率
川口市立 3.66 3.34
市立浦和 3.30 3.53
市立川越 2.95 3.95
越谷南 2.24 1.92
上尾 2.16 1.85
大宮 2.13 1.99
川越南 2.12 2.318
浦和西 2.10 2.316
越ケ谷 2.01 1.98
2021年 倍率 前年同期倍率
市立川越 3.95 4.34
市立浦和 3.53 2.73
川口市立 3.34 3.06
川越南 2.318 2.45
浦和西 2.316 2.34
鳩ケ谷 2.00 1.73

希望倍率が2倍以上になったのは9校で、昨年より3校増えました。全体的に公立高校の人気が下がっている中でも、例年の人気校は希望者を集めています。トップは川口市立で、2017年に川口の市立高校3校が統合して誕生した学校です。きれいな校舎や充実した設備が特徴で、統合後ずっと高い人気でしたが、今年はじめて1位になりました。2位は昨年に続いて市立浦和、3位は昨年トップだった市立川越です。同校は昨年まで7年連続トップで、昨年の3.95倍があまりに高い水準だったため、少し敬遠ムードが出たのでしょう。4位の越谷南、5位の上尾、6位の大宮は隔年的な人気の変化がある学校で、昨年は2倍に達せず登場しませんでしたが、一昨年は2倍以上で登場していました。7位は昨年4位だった川越南、8位は昨年5位だった浦和西で、順位も希望倍率もやや下がっています。9位の越ケ谷は、昨年はわずかに2倍に届いていませんでしたが、一昨年は2倍を超えて登場していました。

なお、全日制公立高校の学科別希望者数は、普通科が8割程度を占めています。専門学科と総合学科は少数派で、人気も減少傾向になっています。専門学科・総合学科で今年希望倍率が2倍以上になったのは、大宮光陵・美術、越谷総合技術・情報技術、大宮・理数の3校でした。

4.希望者が増えている私立高校

私立高校で人気の上昇が目立つ学校を紹介します。昨年よりも希望者が2桁かつ10%以上の増加を基準としました。
併設中学がある学校では、浦和実業学園と獨協埼玉の希望者数の希望者増加が特に目立っています。大妻嵐山、大宮開成、国際学院、埼玉平成、城西大付属川越、西武台、東京農大第三、本庄第一、立教新座も希望者が増えています。併設中学がない学校では、秋草学園、叡明、慶應義塾志木、秀明英光、東野の希望者が増えています。

希望者増加と聞くと気持ちが焦るかもしれませんが、ここに名前が挙がったうち、立教新座と慶應義塾志木以外の学校は入試相談を行っています。内申点をしっかりとって出願基準に達していれば、入試相談を利用して合格に繋げることができます。人気が上がったからといって難易度が上がるわけではありませんので、安心していただければと思います。

神奈川県と埼玉県1回目の進路希望調査から見えてきた傾向

1.通信制高校の人気上昇

神奈川県、埼玉県ともに、通信制高校の注目度が上がり、進学先として通信制高校を選ぶ生徒が着実に増えてきています。通信制高校を選ぶ理由はさまざまですが、N高校やS高校のような、インターネットを活用したウェブ配信授業が中心になる学校ができたことから、好きなことや得意なことに打ち込みたい生徒、研究やボランティアなど自主的な活動に力を注ぎたい生徒などが、興味を持っている様子です。世界の舞台で活躍する高校生アスリートが在籍しているなどでも注目されています。通信制高校に対する若い世代の価値観が変わってきていると実感します。

しかし一方では、集団生活が苦手、不登校になってしまったなどの理由で、通信制高校に進学する生徒も少なくありません。最近は通信制高校の華々しい面ばかりが取り上げられますが、全日制高校に通うことが難しい生徒の受け入れ先という大切な役割もあることも、忘れないでいただきたいと思います。

通信制高校の特色は学校によって異なります。進学先として考える場合は、自分にあった環境なのか、そこで学ぶメリットはなにかを、しっかり考えるようにしてください。

2.公立高校の人気は二極化

神奈川県、埼玉県とも、公立高校の人気は低下していますが、一部の人気校は多くの希望者を集め続けています。一方で、人気が低い学校にはますます希望者が集まらなくなり、定員割れになる学校も増えています。これは両県に限らず、首都圏全体で起こっている現象といえます。

この背景には、国と都道府県による私立高校の授業料補助制度があると考えられます(詳しくは2022年6月号を参照)。昔は私立高校というと「裕福な家庭しか通えない」「授業料が高すぎて家計に負担がかかる」というイメージでしたが、この10年ほどで授業料補助が手厚く整えられ、私立を希望する生徒が家計を気にせずに通いやすくなったのです。例えば東京都の制度では、世帯年収910万円未満の家庭は授業料が実質無償化になっています。以前は「公立に行くしかないから」ということで仕方なく選ばれていた公立高校に人が集まらなくなり、不人気校が際立ってきたのでしょう。

3.専門系は普通科カラーが強い学科と動物系学科が人気

両県とも専門学科や総合学科の人気は低迷しており、普通科を選ぶことが主流になっています。専門系の中でも人気が高いのは、理数系、英語系、国際系といった比較的普通科カラーが強い学科と、スポーツ系や芸術系です。一方で、商業系、工業系、農業系といった職業選択に近いイメージの学科の多くは人気が低迷しています。

それから最近のトピックスとしては、動物関連の学科の人気が出てきていると感じます。動物が好きで、将来ペット関連の仕事をしてみたい、かわいい動物のお世話をしたいと考える生徒たちが選んでいるようです。ただ、実際に学び始めると「楽しい」「かわいい」だけでは済まず、時には死と向き合うようなシリアスな場面もやってきます。好きだけでは続かず、途中で挫折して方向転換し、大学進学時に動物とは全く関係のない進路を選ぶケースも見受けられます。動物関連の学科への進学を考える場合には、将来の専門にする覚悟があるのか、そこで学んでどうなりたいのか、じっくり考えてみるようにしてほしいと思います。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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