Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット高校受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット高校受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

上級者向け 受験マニアックス

2019年1月号 神奈川県と埼玉県の中学3年生の進路希望調査結果

この記事は2018年度の情報です。最新の情報は2023年12月号2024年1月号および2024年2月号をご覧ください。

神奈川県と埼玉県の教育委員会が発表した中学校3年生の進路希望調査の結果から、卒業予定者数や進学希望者数、公立と私立、県内校と県外校の人気の傾向、希望倍率が高い高校などを紹介します。各校の募集人員、希望者数、倍率の詳細については、添付のPDFをご覧ください。

神奈川県

1.全体的な傾向

公立中学校の卒業予定者数は、前年より410名少ない68,702名、高校等進学希望者数は前年よりも685名少ない66,113名です。高校等進学希望率は96.2%で、前年よりも下がっています。

進路希望先では、全日制県内公立高校の希望率が79.0%と前年よりも1.3%減っていますが、全日制県外国・公立高校の希望率は0.6%と、前年と変わりません。一方、全日制県内私立高校の希望率は7.3%で前年より0.2%上昇、全日制県外私立高校の希望率は3.9%で前年より0.3%上昇しています。公立志向が弱まり、私立志向が強くなっていることがわかります。また、通信制高校の希望率は2.3%で、前年より0.4%上がりました。

県外私立高校の希望者増加の背景には、都内の大学附属校を目指す受験生が増えていることがあります。特に、県内私立の桐蔭学園は一定の内申点があれば書類選考のみで合格できることから、学力上位層の受験生たちが桐蔭学園を抑えとして、都内の難関校に積極的に挑戦するケースも定着しているようです。なお、学力中堅層の受験生は、都内よりも県内の私立を選ぶ傾向があります。

また、神奈川県では、毎日登校できるスタイルだったり行事や部活動が活発な全日型の通信制高校が定着しているほか、生徒の多様なニーズに対応して、ウェブ配信で授業を行う新しいタイプの通信制高校が求心力を高めていて、このため、通信制を選ぶ生徒が増えてきているようです。

2.旧学区別の県内私立希望率

今回と前年の、旧学区別(厳密には一部異なる)の県内私立希望率を表したのが下の図です。

進路希望調査による県内私立希望率 前年対比

概ね、前年私立志向が上がった地域は今回下がり、前年は上がらなかった地域は希望率が上昇していて、隔年的な変化が見られます。2年間かけてほぼ全県で私立志向が上がっている、という見方もできるでしょう。前年より1%以上上昇したのは、旧横浜北部、旧横浜西部、旧横浜南部、旧横浜臨海、旧平塚、旧秦野伊勢原で、一番大きく伸びたのが旧平塚です。また、旧川崎北部と旧秦野伊勢原は、前年、今回と続けて私立志向が上昇しています。

3.希望倍率が高い公立高校

今回と前年の公立普通科の希望倍率上位10校を比較してみます。

公立普通科 希望倍率上位10校(2018年調査・2017年調査)
2018年調査 2017年調査
順位 校名 希望者数 定員 倍率 校名 希望者数 定員 倍率
1 市立橘 491 198 2.48 市立幸 191 78 2.449
2 上溝 574 238 2.41 市立川崎 93 38 2.447
3 湘南 842 358 2.35 横浜翠嵐 855 358 2.39
4 横浜緑ケ丘 648 278 2.33 上溝 565 238 2.37
5 市立金沢 721 318 2.27 横浜緑ケ丘 639 278 2.3
6 横浜翠嵐 792 358 2.21 多摩 623 278 2.24
7 多摩 602 278 2.17 新城 566 268 2.11
8 神奈川総合 523 248 2.11 市立戸塚 657 318 2.07
9 座間 581 278 2.09 弥栄 295 143 2.06
10 市立幸 160 78 2.05 川和 653 318 2.05

今回のトップは市立橘で、2013年以来の1位です。人気が上がって難化が進んでいた学校で、最近は敬遠傾向から人気に落ち着きが見られていましたが、再び目立って人気が上昇しています。2位は、前年の4位から順位を上げた上溝です。3位は全県のトップレベル校・湘南です。高難度で別格的な存在の学校で、トップ10に登場するのは2015年以来です。4位は前年の5位から上がった横浜緑ヶ丘です。5位は市立金沢で、同校は2016年以来の登場ですから隔年的に人気が変化しています。6位は全県のトップレベル校・横浜翠嵐です。湘南と同様に別格の高難度ですが、通学圏の生徒数が多いこともあり、2015年以降ランキング入りを続けています。7位は前年6位だった多摩で、高い人気を保っています。8位の神奈川総合、9位の座間は、今回人気が上がった学校です。10位は、前年はトップだった市立幸です。難度面では入りやすい学校ですが、募集定員が少ないため、希望倍率は高くなっています。「絶対公立普通科」と考えている受験生が集中しているのでしょう。

この他、表に登場しない各校では、生田、大楠、鎌倉、大和南の希望者が、前年比20%以上と大きく増えています。募集定員が大きい生田と鎌倉は100名を超す増加です。霧が丘、光陵、柏陽、金井、釜利谷、生田東、麻生、上鶴間、城山、上溝南、藤沢西、厚木清南、大和西も、前年比10%以上の増加です。希望ケ丘、横浜平沼、住吉、厚木も希望者の増加が目立ちました。

埼玉県(1回目の調査)

1.全体的な傾向

埼玉県では、1月に発表される2回目の進路希望調査もありますが、今回は1回目の結果です。中学校(私立・国立も含む)の卒業予定者数は63,498名で、前年より982名減っています。前年に続く大幅減です。高校進学希望者数は62,093名で、前年より1,076名減です。

進学希望先別に見ると、県内の全日制公立高校の進学希望者数は46,952名で、前年より1,239名も減りました。割合で見ると72.8%で、前年よりも1.9%も下がりました。一方、県外の全日制国・公立高校の進学希望者数は、前年より42名増えた509名でした。また、県内の全日制私立高校の進学希望者数は8,485名と前年より88名減っていて、割合では前年より0.1%下がっています。一方、県外の全日制私立高校の進学希望者数は3,060名と前年より109名増で、割合でも0.1%上がりました。

こういったデータから、公立・私立ともに、県内の高校の人気にかげりがみられ、県外の高校を選ぶ受験生が増えていることがわかります。県外校を志望する受験生にはいくつかのパターンがあり、埼玉県内にはない高専に進学する場合や、三郷市などの武蔵野線沿線東部に住む生徒が地元よりも千葉県の高校を選ぶ場合があります。隣接県協定で受検できるからです。しかし、最も多いのは東京の私立高校を選ぶ場合です。埼玉県内の私立高校に行けば手厚い学費助成が受けられるのにもかかわらず、東京の私立高校を目指す背景には、大学附属校志向の高まりがあるのでしょう。特に、中大杉並、中大附属、明大明治、早稲田実業、明大中野八王子などの人気が高まっています。大学入試改革や私立大学定員厳格化による難化を踏まえて、今のうちに大学進学の目処をつけておきたいと考える受験生や保護者が多くなっているようです。

また、神奈川県と同様、通信制高校進学希望者も増えています。埼玉県内には、毎日登校できるスタイルだったり行事や部活動が充実している全日型の通信制高校も多く、「ラジオやテレビで授業を視聴して一人で勉強する」という昔ながらの地味なイメージが払拭されてきたことが背景にあるのでしょう。また、ウェブでの動画配信やライブ配信授業を主体とする、新しいシステムの通信制高校が増えてきたことも、希望者が増える理由です。

2.希望倍率が高い公立高校

公立普通科で、希望倍率が高い高校をご紹介します。下の表は、今回と前年の調査で、希望倍率が2倍以上だった高校を記したものです。

公立普通科 希望倍率上位校(2018年調査・2017年調査)
2018年調査 2017年調査
順位 校名 倍率 2017年同期倍率 校名 倍率 2016年同期倍率
1 市立川越 4.04 3.28 市立川越 3.28 3.91
2 川口市立 3.34 2.59 上尾 2.81 2.6
3 市立浦和 3.26 2.64 市立浦和 2.64 2.81
4 浦和西 2.55 2.48 川口市立 2.59 新設
5 上尾 2.53 2.81 浦和西 2.48 2.11
6 越ケ谷 2.45 2.46 越ケ谷 2.46 2.27
7 所沢北 2.36 2.3 南稜 2.43 2.22
8 川越南 2.24 2.42 川越南 2.42 2.23
9 南稜 2.15 2.43 所沢北 2.3 2.36
10 大宮 2.08 2.19 大宮光陵 2.2 1.38
11 大宮 2.19 1.94
12 市立浦和南 2.08 2.22

市立川越は4年連続の1位で、高い人気が続いています。希望倍率は前年より上がり、4倍を超えました。2位は昨年4位だった川口市立です。2018年春に市立の3校を統合して新設開校した学校で、初年度入試には多くの受験生が集まりましたが、開校2年目を迎えて、さらに人気が上がっています。3位は前年同様の市立浦和です。同校は募集定員が1クラス減るため、希望倍率は大きく上がりました。4位は前年の5位から上がった浦和西、5位は前年の2位から下がった上尾です。以下、例年の人気校が今年も高い人気を集めています。

なお、前年は2倍を超えていた大宮光陵と市立浦和南は、今回2倍に達しておらず表に登場していませんが、大宮光陵は1.66倍、市立浦和南は1.95倍ですから、やはり高い人気が続いています。

3.県内私立高校の人気の傾向

県内の私立高校に関しては、希望者が増えた学校もあれば、希望者の減少が目立つ学校もあり、人気の差が大きくなっています。

併設中学校がない学校では、早大本庄の希望者が大きく増えています。例年都内からの受験生が多い学校ですが、今回は埼玉県在住の受験生からの人気も目立って上がっています。他、山村学園と叡明の希望者の増加が目立つほか、栄北、城西大川越、細田学園、山村国際の希望者も増えています。

併設中学がある学校では、内部進学見込みの中3生徒数を差し引いて比較すると、東京農大第三の希望者が大きく増えています。また、東京成徳大深谷、昌平、埼玉栄、淑徳与野、開智も希望者の増加が目立つほか、武南、聖望学園、獨協埼玉の希望者も増えています。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

一覧に戻る

ページトップ