上級者向け 受験マニアックス
2016年10月号 No.1 公開模試を受験しよう
この記事は2016年度の情報です。最新の情報は2021年8月号をご覧ください。
高校入試に備え、定期的に受けたい公開模試。公開模試を受験するメリット、おすすめの公開模試、偏差値とはどういうものかをご紹介します。
公開模試の概要と受験するメリット
公開模試とは、塾などが内部生に限らず外部の生徒も受け入れて行う模擬試験です。いろいろな中学校のたくさんの生徒が同じ試験を受けることが特徴です。
中学校の定期テストでは、校内で自分の学力がどのくらいの位置なのかを知ることができます。しかし実際の高校受験では、他のたくさんの中学校の生徒たちと得点を競う必要があります。ですから、自分の中学校の定期テストの結果だけで、自分の学力を判断していては危険なのです。
公開模試を受ければ、より広い範囲での自分の学力の位置を知ることができ、志望校の合格の可能性も分かります。公開模試の結果から、今後の学習計画を立てることもできます。中学3年生の秋以降は、月に一度は公開模試を受験したいものです。
おすすめの公開模試と申込方法
都・県別に、おすすめの公開模試を以下にご紹介します。こちらに挙げたのは、それぞれの地域で多くの受験者数がある公開模試です。
- 東京:「進学研究会・Vもぎ」または「新教育・Wもぎ」
- 神奈川:「新教育・Wもぎ」または「神奈川全県模試」
- 千葉:「進学研究会・Vもぎ」または「総進図書・Sもぎ」
- 埼玉:「北辰テスト」
申し込みは、塾や書店から行うことができます。
偏差値とはどういうものか
公開模試を受けると、得点だけではなく偏差値を知ることができます。しかし、何となく「偏差値70はすごい」「偏差値が低くてがっかり」などと思っていても、偏差値がどういうものか、よくわからない方も多いことと思います。
「難関校向けの公開模試を受けたら、びっくりするほど低い偏差値だった」「塾内のテストの偏差値よりも公開模試の方が偏差値が高かった」などという声を聞きます。これは当然のことなのです。偏差値は、そのテストを受けた集団全員の点数の散らばり具合を数学的な計算式にはめて算出します。集団の中でどのくらいの位置にいるのかを示すものです。ですから、そのテストを受けた集団の学力がどれくらいなのかによって、毎回数字は変わります。例えば、同じ70点をとったテストでも、平均点が60点の場合と80点の場合では偏差値は大きく違ってきます。他の人と比べた相対的な数値ですから、人並み以上の努力を続ければ上がり、人並みの努力をしていないと下がっていくものなのです。
志望校の合格ラインの偏差値を調べる場合は、どのテストの偏差値なのかを確かめて判断してください。また、学力は体調などによっても左右されますから、1回のテスト結果で判断するのではなく、3回程テストを受けてその平均の偏差値で判断をすると、誤差が少なくなります。
色々な本や資料に書かれている高校の偏差値は、あくまでも「推定による目安」です。志望校の偏差値よりも自分の偏差値が10ポイント低くても、努力を続けて希望の学校に合格した先輩はたくさんいますし、反対に入試直前に勉強に身が入らず、偏差値をズルズルと下げてしまった先輩もいます。
今の時点で自分の偏差値が、希望する高校の合格ラインの偏差値とどれだけ離れていても、今後の努力次第で十分にカバーできます。前向きな気持ちで、まずは苦手科目・苦手単元の克服に努めてください。あまり数字に振り回されずに、上手に偏差値を活用しましょう。