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上級者向け 受験マニアックス

2021年4月号 2021年首都圏入試を振り返る(私立編)

この記事は2021年度の情報です。最新の情報は2023年4月号をご覧ください。

2021年の高校入試が終了しました。今回の受験マニアックスでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の私立高校の入試状況の振り返りをご紹介します。 各校の詳しい応募者数や受験者数、応募倍率等については、添付のPDFをご覧ください。 なお公立高校の入試状況の振り返りは、前号(3月号)でご紹介しております。

東京都・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、この3年間の私立高校応募者数の推移です。

東京都私立高校の応募者数(2019年〜2021年)

地域 23区 多摩 合計
区分 入試 21年 20年応 19年応 21年 20年応 19年応 21年 20年応 19年応
速報値 募者数 募者数 速報値 募者数 募者数 速報値 募者数 募者数
男子校 推薦 1,650 1,406 1,540 - - - 1,650 1,406 1,540
一般 6,021 6,875 7,178 215 246 256 6,236 7,121 7,434
合計 7,671 8,281 8,718 215 246 256 7,886 8,527 8,974
女子校 推薦 3,298 3,525 3,724 1,006 990 1,228 4,304 4,515 4,952
一般 3,945 4,861 5,139 1,817 1,873 2,264 5,762 6,734 7,403
合計 7,243 8,386 8,863 2,823 2,863 3,492 10,066 11,249 12,355
男女校 推薦 15,135 15,073 14,330 3,689 3,951 3,790 18,824 19,024 18,120
一般 42,431 45,362 45,037 18,870 19,911 20,263 61,301 65,273 65,300
合計 57,566 60,435 59,367 22,559 23,862 24,053 80,125 84,297 83,420
合計 推薦 20,083 20,004 19,594 4,695 4,941 5,018 24,778 24,945 24,612
一般 52,397 57,098 57,354 20,902 22,030 22,783 73,299 79,128 80,137
合計 72,480 77,102 76,948 25,597 26,971 27,801 98,077 104,073 104,749
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。
  • 神奈川県対応の書類選考型入試は、正式には一般入試の扱いです。昨年のマニアックスまでは、宝仙学園は学力試験が行われないことから推薦に含み、桜美林はクラス分けのテストを一般入試と同時に受験しないと辞退とみなされるため、一般に含めていました。今年は青稜と八王子実践が新型コロナウイルス感染症防止で書類選考を実施していて、実施校が増えたため、全面的に一般に含めました。なお、昨年、一昨年の値は、宝仙学園を推薦から一般に移して集計しなおしています。
  • 多摩地区の男子校は桐朋だけで、同校が推薦を実施していないため、多摩地区男子校の推薦欄には数字が入りません。

推薦入試・一般入試を合計した都内私立高校の応募総数は、昨年より約6,000件減少した約98,000件でした。地区別では23区が約4,600件減少、多摩地区は1,400件近い減少です。未公表校の結果や追加入試結果が公表されるとこれらの結果に上乗せされますが、大幅な減少です。公立中卒業予定者数は約2,300名、3.1%の減少ですが、表の私立高校の応募総数では23区が6.0%減、多摩地区で5.1%減、合計で5.8%の減少ですから公立中3卒業予定者数の減少以上に私立高校の応募件数が減っています。

都内私立高校の応募件数減少の最大の理由は、安全志向が高まり、挑戦志向が低下して私立高校の挑戦受験が減少したことです。表では23区男子校、男女校、多摩地区女子校で、推薦入試の応募者が増えています。全体が減っている中で推薦が増えたということは、それだけ早期に安全な学校1校に決めてしまおうという受験生の行動の表れです。もちろん、高い志望順位の学校に推薦で合格できることは、否定すべきことではありませんが、複数校受験して、合格校の中から進学先を選ぶ、と言う行動ではありません。

安全志向の高まりや挑戦志向の低下は、一般入試でも併願優遇、単願優遇といった、公立中学校と私立高校の事前の入試相談も増加していると考えられます。優遇かそうでないかを区分してアンケートにて回答いただいた学校の状況からは、こうした優遇受験の増加がうかがえます。

安全志向の強まりは、今年始まったことではなく、近年の首都圏私立高校入試の1つの流れですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、学習状況に不安を持っている受験生が例年より増加。挑戦受験を試みようとする受験生が減ってこのような状況になりました。

以下のグラフは応募総数を公立中3生徒数で割った1人あたりの都内私立高校応募数です。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較

昨年までは1.37~1.38程度だったものが、今年は約1.34と減りました。私立複数校出願での挑戦受験を控え、推薦・単願や、公立第一志望でも併願優遇で1校だけに出願した受験生が増えたことが背景にあります。安全志向が高まっていることが、こうしたグラフからもわかります。

このほか、都内私立高校の応募件数減少には、全日制高校の希望者が減少し、角川ドワンゴ学園のN高校や今年開校のS高校といった、新しいタイプの通信制高校を希望する受験生の増加や、コロナ禍で地元志向が強くなったために、神奈川県、千葉県、埼玉県といった周辺各県からの東京志向の受験生の減少も影響しています。

続いて23区と多摩地区に分けて、応募者数の増加が目立った学校を取り上げます。

2.23区で応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位20校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較
  • 【1位】朋優学院
    隔年現象で昨年は応募者が減り、今年は増えていますが、一昨年の水準には達していません。難化傾向が進んでいるにも関わらず高い人気です。昨年は4位でした。
  • 【2位】関東第一
    今年は応募者数が全体に減っていますが、昨年と同様の2位を守りました。
  • 【3位】國學院
    昨年はトップでした。昨年、今年と応募者が減っていますが、特に今年は安全志向が高まったことから、難関校の押さえとして同校を選ぶ受験生や同校の挑戦受験生が減ったことが影響したようです。
  • 【4位】早大学院
    昨年は3位でした。一昨年、昨年と同水準だった応募者が減りました。安全志向の影響でしょう。
  • 【5位】品川翔英
    昨年共学化して爆発的に人気が上がりました。今年も大幅に増加、小野学園女子だった一昨年の13倍を超える応募者です。
  • 【6位】東洋
    今年は応募者が減っていますが、昨年と同様の6位でした。
  • 【7位】青稜
    神奈川県からの受験生が多いことから、今年は併願受験で神奈川方式の書類選考を実施しました。キャパシティの関係です。これを歓迎した受験生が多かったようで応募者は大きく増加、昨年の21位から上昇です。
  • 【8位】青山学院
    昨年の9位から上がりました。安全志向の高まりや挑戦志向の低下にもかかわらず、応募者は少し増えました。
  • 【9位】中大杉並
    隔年的な変化で今年は応募者が減って昨年の7位から下がりました。
  • 【10位】安田学園
    昨年も10位です。応募者はやや減っています。
  • 【11位】駒場学園
    昨年の5位から下がりました。今年は進学コースの推薦や併願優遇の出願基準から9科の基準を外しました。このことが大きく影響して応募者が減っていますが、学校としては計算通りの結果だったようです。
  • 【12位】淑徳巣鴨
    隔年現象で今年は応募者が増え、昨年の19位から上がりました。
  • 【13位】日大櫻丘
    昨年応募者が大きく増えましたが、昨年の人気が続いています。昨年の15位から2ランクアップしました。
  • 【14位】明治学院
    応募者が減って昨年の8位から下がりました。隔年的な変化と、同校は遅い日程でも一般入試を行っていて難関校の併願者が受験していますが、今年は安全志向の高まりや挑戦志向の低下で、こうした受験生が減ったための減少です。
  • 【15位】駒込
    応募者が少し減って昨年の12位から下がっています。
  • 【16位】淑徳
    隔年的な変化で今年は応募者が減っています。埼玉からの挑戦受験生が減ったことも減少の理由でしょう。
  • 【17位】岩倉
    昨年の14位から下がりました。埼玉や千葉からの受験生が減ったのかもしれません。
  • 【18位】豊島学院
    昨年は26位でした。一昨年から昨年があまり変わらない水準でしたから、今年は人気が上がっています。
  • 【19位】駒澤大学
    昨年は16位でした。同校は推薦や併願優遇の基準の条件を一部変更したことで少しハードルが高くなっていて、応募者が減っていますが、同校としては予定の結果でしょう。
  • 【20位】大東学園
    応募者が大きく増えて、昨年の35位から上昇しました。併願受験生を中心に、人気が上がっています。

グラフに登場した各校のほかに、応募総数200名以上で、昨年より応募者が10%以上増えたのは、佼成学園、城北、巣鴨、日本学園、日大豊山、神田女学園、品川エトワール、修徳、昭和鉄道、駿台学園、成立学園、東亜学園、東京成徳大、二松学舎大附属、日本工大駒場、文化学園大杉並、文教大付属と村田女子が共学化した広尾学園小石川で、広尾学園小石川は昨年の2倍以上だったのをはじめ、この中でも巣鴨、日本学園、日大豊山、神田女学園、成立学園、修徳、駿台学園、二松学舎大附属は特に増加が目立ちました。

3.多摩地区で応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較
  • 【1位】昭和第一学園
    昨年は2位でした。隔年現象で今年は応募者が増加してトップです。
  • 【2位】拓殖大第一
    昨年の3位から上がりました。隔年現象で増加、今年は2,000名を超えました。
  • 【3位】八王子実践
    昨年はトップでした。今年は文理選抜コースを選抜コースに改称し、文理進学コースを募集停止としました。「3密」を避けるため、一般入試の回数を増やすとともに、都外からの受験生は神奈川方式の書類選考も実施しましたが、これらの工夫が、かえって受験生に他校を選ばせたのかもしれません。
  • 【4位】桜美林
    昨年も4位でした。若干減ったものの、昨年並みの応募者数です。
  • 【5位】錦城
    昨年も5位でした。少し応募者が減っていますが、昨年並みと言ってよい変動幅です。
  • 【6位】八王子学園八王子
    昨年も6位で順位は変わっていませんが、昨年に続いて応募者は減っています。今年は英検資格などの出願資格の加点を一部見直していますが、中高一貫色が強くなりつつあることで、受験生が少し敬遠しているのかもしれません。
  • 【7位】大成
    応募者がやや増えて昨年の8位から上がりました。
  • 【8位】早稲田実業
    昨年は7位でした。応募者が減っていますが、その理由は、安全志向が強まって挑戦受験生が減ったためです。
  • 【9位】国際基督教大
    昨年の11位から上がりました。安全志向が強まっている中ですが、同校は応募者が増えました。
  • 【10位】中大附属
    昨年は9位でした。昨年に続いて応募者が減っています。昨年の減少は一昨年の高倍率が敬遠されたためですが、今年は安全志向の強まりと挑戦志向の低下が影響しています。

グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは、駒沢学園女子、白梅学園、成蹊、聖パウロ学園、法政大学、明星、和光で、中でも成蹊は5割増し、法政大学と明星も特に増加が目立ちました。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。

神奈川県・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

神奈川県私立高校の応募者数(2017年〜2021年)

区分 推薦入試 一般入試
年度 21年速報 20年 19年 18年 17年 21年速報 20年 19年 18年 17年
男子校 341 302 501 417 371 2,057 2,436 2,661 2,911 2,780
女子校 782 699 700 721 633 800 1,240 1,503 2,071 2,110
男女校 4,262 4,414 4,078 3,834 3,579 13,646 31,194 33,458 34,800 36,677
合計 5,385 5,415 5,279 4,972 4,583 16,503 34,870 37,622 39,782 41,567
区分 書類選考入試 オープン入試(フリー受験)
年度 21年速報 20年 19年 18年 17年 21年速報 20年 19年 18年 17年
男子校 613 650 1,089 801 771 117 183 240 181 207
女子校 1,217 599 475 481 567 137 145 117 108 106
男女校 26,019 9,808 8,829 8,423 5,716 2,001 1,860 1,831 2,250 1,656
合計 27,849 11,057 10,393 9,705 7,054 2,255 2,188 2,188 2,539 1,969
区分 合計 オープン入試は、オープンやフリーと銘打った入試をカウントしていて、以前はオープンと銘打たなかったのに現在はオープンと銘打つようになった場合は、その時点からオープンに含めており、慶應義塾のように、オープン型でもオープンと銘打たない学校は一般入試として集計しています。
年度 21年速報 20年 19年 18年 17年
男子校 3,128 3,571 4,491 4,310 4,129
女子校 2,936 2,683 2,795 3,381 3,416
男女校 45,928 47,276 48,196 49,307 47,628
合計 51,992 53,530 55,482 56,998 55,173
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

推薦・一般・書類選考・オープンを合計した県内私立高校の応募者数は、昨年は約53,500件でしたが、今年は約52,000件で、昨年より約1,500件減っています。今年の公立中卒業予定者数は約2,000名、約3%減っていますが、応募総数も約3%減っていて、生徒数の減少に対応する減少です。

もともと神奈川県では難関上位校を除くと、推薦入試は単願のみ、一般入試でも第一志望、公立併願にかかわらず原則として私立高校は1校のみ、複数受験はオープン入試(フリー受験)に限るというルールがあって、首都圏他都県のように私立高校を複数校挑戦で受験するのは、こうした制限がない難関上位校の受験生だけです。その上、川崎市や横浜市の東部、北部、相模原市などでは伝統的に東京都内の私立高校を受験するケースも多く、県内公立中3生1人あたりの県内私立高校の応募数は、首都圏他都県よりも低くなります。

以下のグラフは県内全日制私立高校の応募総数を県内公立中3卒業予定者数で割ったものです。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較

2018年は大きく上がっていて、その後減り、今年は昨年よりやや下がっていますが、そもそも数値は0.8前後です。ここでいう私立は全日制に限りますが、私立第一志望であれ、公立併願の押さえの受験であれ、県内公立中3生の8割程度しか県内私立高校に出願していません。ちなみに、千葉県は約1.14、埼玉県は約1.09、東京都は約1.34でした。なお、2018年に大きく伸びているのは、桐蔭学園が男子部、女子部を統合して共学化、コースも一新して大人気になり東京からの受験生も大幅に増えたことが理由で、その後の減少は、同校の人気が一段落してきたためです。

今年の応募状況の最大の変化は書類選考の大幅な増加と、学科試験がある一般入試の激減です。新型コロナウイルス感染症対策で、「3密防止」の観点から、各校が活用したのが神奈川県独特の制度の一般入試書類選考でした。書類選考は、事前提出の作文などがある学校もありますが、出願すれば学科試験や面接もなく、あとは合格発表を待つだけです。出願基準をクリアする必要はありますが、12月に公立中学校と出願予定先の私立高校との間で行われる入試相談で確認が行われるため、ここで問題がなければ「出願=合格」となるものです。特に今年は安全志向か強くなっていましたから、書類選考を実施しない高校では応募者が減って、書類選考を実施する高校では増える、といった現象も一部では見られました。

この制度は、いわゆる「受験勉強」の必要がないものです。全体状況の表のように、学科試験がある一般入試の応募者数は昨年の半数以下に減少しています。神奈川県内私立高校では6割以上が学科試験なしで受験し、そのほとんどが合格しています。コロナ禍であっても、首都圏他都県では、このようなことはありません。「受験勉強」を必要としない入試で合格した学生が、高校の学習に遅れずにしっかり取り組んでいくことを願うばかりです。

2.応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較
  • 【1位】桐蔭学園
    トップの常連校です。隔年的な応募者数の増減で、今年は増えています。今年はアドバンス、スタンダードの出願基準をやや緩和したことが増加につながりました。
  • 【2位】向上
    昨年と同様の2位です。昨年はわずかな応募者の増加でしたが、今年は大きく増えています。同校の人気の他に、文理の出願基準を少し緩和した効果もあるでしょう。
  • 【3位】相洋
    昨年と同順位です。昨年は一昨年並みの応募者数でしたが、今年は増えています。今年は書類選考を実施したことで、これを歓迎した受験生が多かったための増加でしょう。
  • 【4位】光明相模原
    昨年は7位でした。隔年的に応募者数が増減しています。書類選考を新設した効果ですが、学科試験ありの入試も応募者が増えていて、人気そのものが上がっているようです。
  • 【5位】湘南工科大
    昨年も5位でした。隔年的に応募者数が変化していますが、変動幅は小幅ですから安定した人気と言ってよいでしょう。
  • 【6位】横浜隼人
    昨年は10位でした。昨年は応募者が減りましたが、今年は少し増えています。書類選考を実施したことで、受験生が安心して集まったようです。
  • 【7位】横須賀学院
    昨年は6位でした。もともと学科試験を実施する一般入試と書類選考の両方を実施していましたが、今年はオープン入試以外の一般入試を書類選考に統一しました。隔年的な変化で少し応募者が減っていますが、変動幅は小幅ですから、例年並みの人気だったようです。
  • 【8位】柏木学園
    昨年も8位でしたが、今年は応募者が減っています。同校は最上位のアドバンスコースしか書類選考を行っていません。スタンダードコースが応募者減少の中心ですから、受験生の一部が書類選考実施校に流れたのかもしれません。
  • 【9位】横浜
    昨年は4位でした。昨年は共学化で応募者数は一昨年の4倍近くになり、爆発的な人気でした。今年は出願基準を引き上げたため、応募者が減っていますが、一昨年の水準よりはまだ多い応募者数です。
  • 【10位】日大藤沢
    今年はオープン以外の一般入試は書類選考にしました。グラフのように、昨年、今年と応募者が増えて人気が上がっています。

このほか、グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは中大横浜、日本大学(日吉)、横浜学園、横浜翠陵、横浜創学館、北鎌倉女子学園、相模女子大、日本女子大附属、アレセイア湘南、橘学苑で、このうち北鎌倉女子学園、相模女子大、日本女子大附属、アレセイア湘南、橘学苑は特に増加が目立っています。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。

千葉県・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

区分 21年速報値 20年 19年 18年 17年
前期 53,566 51,414 52,895 54,418 52,294
後期 873 1,311 2,048 2,474 2,617
54,439 52,725 54,943 56,892 54,911
前期の割合 98.40% 97.50% 96.30% 95.70% 95.20%
女子校の割合 3.20% 3.30% 3.10% 3.20% 3.40%
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

今年は公立高校が前後期を一本化しましたので、私立高校の応募状況にも影響を与えています。県内私立高校の今年の応募総数は速報値で54,000件を超えていて、昨年より2,000件以上増えました。未公表の入試結果を合計すると最終的には55,000件近くなるかもしれません。

以下のグラフは、応募総数を公立中3生徒数で割った1人あたりの県内私立高校の応募数です。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較

2018年は上昇、一昨年、昨年と再び小幅で下がってきましたが、今年は一気に上がりました。今年は生徒数の減少が大きい学年ですから、その分1人あたりの応募数も大きく増えたことになります。

昨年まで、県内私立高校の応募総数が減っていた理由は、一つには公立中3生が減っていたことですが、それだけでなく、挑戦受験が減って、私立を複数校受験するケースが減っていることも挙げられます。私立志向が高まっても専願や単願の受験生が増えれば受験生1人あたりの応募数は減ります。

表を見ると、後期の応募者数はどんどん減って、前期の割合は98%に達しました。前期・後期で複数の学校を組み合わせて志望順位が高い学校に挑戦する受験生が減り、後期が欠員募集になっています。後期入試を取りやめた学校も少なくありません。受験生の安全志向が高まり、前期で確実に合格を決めるようになってきたことが、私立高校の応募総数を減らしてきました。

しかし、今年は公立高校入試が前後期一本化し、公立高校で挑戦受験ができなくなった分、私立で挑戦受験に臨んだ受験生が増えました。また、人口減少が進んで公立高校の倍率低下が目立っていた地域では、公立高校一本の出願で併願の私立高校には出願しない、という動きも見られましたが、今年は新制度への不安から、こうした地域でも私立高校への出願の増加が見られました。

2.応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などをご紹介します。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較
  • 【1位】専修大松戸
    トップの常連校。隔年的に応募者数が増減していますが、トップを続けています。今年は特待入試を別に設定するのでなく、通常の入試で特待を出す方式に変更しましたが、応募者数の増加が目立ちました。
  • 【2位】八千代松陰
    昨年は4位でした。今年は最上位コースとしてAEМコースを新設、受験生に支持されました。やはり隔年的な増減が見られます。
  • 【3位】芝浦工大柏
    昨年と同様の3位です。昨年は一昨年よりやや増えただけでしたが、今年はかなり増えています。
  • 【4位】千葉敬愛
    昨年は2位でした。応募者数は若干減ったものの、ほぼ昨年並みですが、八千代松陰や芝浦工大柏が増加したため、今年は4位です。
  • 【5位】日大習志野
    昨年も5位でした。応募者数も昨年とほとんど変わっていません。
  • 【6位】木更津総合
    昨年も6位でした。今年は進学コースを新設した効果もあって、昨年より応募者がやや増えました。
  • 【7位】千葉英和
    一昨年は21位、昨年は20位でしたが、応募者が一気に増加して順位が大きく上がっています。今年は併願を中心に人気が上がりました。
  • 【8位】秀明八千代
    昨年も8位です。わずかずつ応募者が減っていますが、8位は変わりません。
  • 【9位】東京学館
    昨年は10位でした。今年は応募者が少し増えています。
  • 【10位】東京学館浦安
    昨年は9位でした。応募者が少し減って、東京学館と順位が入れ替わりました。

グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは光英VERITAS、千葉商科大付属、翔凜、千葉聖心、不二女子、千葉県安房西、日出学園、中央学院、二松学舎大附属柏、植草学園大附属、流通経済大付属柏、国府台女子学院、志学館で、特に光英VERITASは87%増と、増加率は全県トップの大幅な増加です。共学化で高い人気でした。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。

埼玉県・私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

埼玉県私立高校の応募者数(2017年〜2021年)

応募総数 男子校 女子校 共学校 合計
2021年度速報値 5,794 2,561 54,592 62,947
2020年度 5,935 2,711 55,672 64,318
2019年度 6,437 2,637 56,952 66,026
2018年度 6,727 3,080 59,120 68,927
2017年度 6,456 4,360 58,312 69,128
  • 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
  • 昨年度の数値は、昨年のマニアックスでの速報以後の判明分、修正分を反映させています。

今年は公立中3の卒業予定者が大きく減っていたことから、応募総数は約1,400名減少しています。公立中学校卒業予定者数の減少に対応した現象です。

以下のグラフは、応募総数を公立中3生徒数で割った1人あたりの県内私立高校の応募数です。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較

2018年は私立志向の高まりが私立高校複数出願の増加に結びつき、1人あたりの応募数が増えましたが、一昨年、昨年と減少、今年は若干増えたものの、昨年並みと言ってよいでしょう。これだけ見ていると、県内の私立志向は昨年とあまり変わっていないようですが、公立中3生徒数ではなく、12月の進路希望調査での「全日制高校希望者数」で割ると昨年より0.01ポイント上がります。進路希望調査では私立志向が上がっていましたが、N高校などの通信制私立高校を入れるか除くかで結果は変化します。このグラフでは昨年とあまり変わらず、全日制希望者のみの調査なら昨年より上がるということは、通信制希望者が増えて、全日制の希望者が減ったということです。

2.応募者が多かった学校

以下のグラフは、今年度入試の応募者数上位10校です。これらの学校について、人気の傾向、昨年・一昨年の応募者数との比較などを紹介します。

公立中3生徒数と私立・公立高校の応募総数の前年比較
  • 【1位】浦和学院
    2018年以来のトップです。一昨年、昨年、今年と応募者が少しずつ増えています。今年はアスリート選抜コースを新設していて、こうしたことも人気につながっています。
  • 【2位】浦和実業
    昨年はトップで4,000名近い応募者数でしたが、今年度は大きく減りました。
  • 【3位】早大本庄
    昨年より16%減っています。同校と同じく北辰テストによる入試相談を行っていない慶應志木と立教新座も減っていて、安全志向の強まりでこうした点が影響したのでしょう。
  • 【4位】叡明
    難化が進んで昨年度は応募者が大きく減りましたが、今年は再び増加に転じました。
  • 【5位】花咲徳栄
    順調に応募者が増えています。
  • 【6位】栄東
    隔年現象的な変化で応募者が減りましたが、他県からの挑戦受験生が減ったのかもしれません。
  • 【7位】秀明英光
    小幅ながら応募者の増加が続いています。
  • 【8位】埼玉栄
    応募者が減っていますが、隔年現象です。
  • 【9位】春日部共栄
    一昨年、昨年に比べて大きく増えていて人気が上がっています。
  • 【10位】川越東
    昨年は応募者が大きく減りましたが、今年は少し増えています。

グラフに登場しない各校で、応募総数200名以上、かつ昨年度よりも応募総数が10%以上増えたのは城北埼玉、西武台、星野・共学部、細田学園、正智深谷、本庄第一、浦和麗明、昌平、開智でした。

  • 推薦、一般、前後期、書類選考、帰国生入試など、各入試の合計です。一部、二次募集等が含まれていない場合があります。


[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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