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スクールポット高校受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

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上級者向け 受験マニアックス

2019年11月号 併願作戦(公立高校の普通科を第一希望とする場合)

今回の受験マニアックスのテーマは、公立高校の普通科を第一希望とする場合の併願校選びです。
2017年度から2019年度の直近3年間の入試でどのような併願校が選ばれていたかと、そこから見えてきた首都圏高校受験生の動向をご紹介します。

  • データは「統一模試」(㈱エデュケーショナルネットワークが提供している塾内模試)の結果をもとに、合否追跡調査から独自に集計したものです。
  • 学校名、課程名は原則として2019年度のものですが、変更の発表が早かった学校は2020年度のものに変更しているものがあります。略称も含みます。
  • 各校ごとの私国立高校併願校を、合否に関わらず件数の多い順に5位まで掲載しています。
  • 公立高校の方が志望順位が高い場合、私国立高校の方が志望順位が高い場合のどちらも含めます。
  • 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の公立高校普通科のデータを掲載していますが、合否追跡調査にご協力いただいた件数がわずかだった学校については掲載していません。
東京都

都立高校には、7つの進学指導重点校があります。また、学年制普通科と単位制普通科の制度の違いもあります。ここでは、公立大学や難関私大進学を目標とする1.進学指導重点校・単位制の最上位校と、2.公立普通科上位校に分けて、併願校選びの傾向をご紹介します。

1.進学指導重点校・単位制の最上位校

進学指導重点校は、日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立の7校です。

この中で青山は、以前はおしゃれな雰囲気を高校選びのポイントにしていて、併願校に青山学院を選ぶ受験生が多かったのですが、今回の集計では青山学院の名前が消えました。そしてこの数年で、早稲田系、中央大学系などその他の大学附属校を選ぶケースが多くなってきました。受験生の併願校選びの視点が、日比谷や戸山と近くなってきたようです。

八王子東は、地元の受験生が多数派という地域に根ざした学校で、併願校には早慶の附属校があまり出てきません。併願校1位の帝京大学と2位、3位の八王子学園は、同じ八王子市の高校です。4位の拓殖大第一と5位の桜美林も、同じ多摩地区の学校です。

同様に、立川の併願校には同じ多摩地区の帝京大学、錦城、中央大附属、明大付属明治が、国立の併願校には同じ多摩地区の早稲田実業、明大付属明治、錦城が見られます。

単位制で特筆すべきは新宿。新宿高島屋の向かいという抜群の立地で、大変人気がある高校です。以前は早慶との併願はあまり多くなく、GMARCHの附属校と私立の進学校(最難関レベルは除く)が併願校の中心でしたが、最近は早慶との併願が増え始め、今回のデータでは上位5校中3校が早大系です。

また、同じく単位制の国分寺も多摩地区で非常に人気がある高校ですが、地域に根ざした学校で、同じ多摩地区の錦城、拓殖大第一、中央大附属などの進学校が併願校に選ばれることが多くなっています。

2.公立普通科上位校

地域や学力レベルによって、さまざまな併願校が選ばれています。

おしゃれな雰囲気で人気が高い三田、小山台、駒場には、遠方・多方面から通う生徒がたくさんいます。併願校も、必ずしも地元の学校を選ぶとは限らず、東急、小田急、京王電鉄沿線から通学に便利な学校が選ばれる傾向が見られます。

その他の高校で併願校に選ばれやすい高校には、ある特徴があります。“校風や教育方針があまり独特ではなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”ことです。北園の併願校として選ばれている淑徳巣鴨や桜丘などはまさにそのパターンです。

神奈川県

神奈川県の公立高校で最難関校として際立った存在なのは、横浜翠嵐と湘南の2校です。ここでは、1.横浜翠嵐と湘南2.旧学区トップレベル校3.公立普通科上位校に分けて、併願校選びの傾向をご紹介します。

1.横浜翠嵐と湘南

神奈川県の公立高校の中で突出した学力レベルである両校の併願校には、早慶の附属校、国立の東京学芸大附属やお茶の水女子大附属の名前が見られます。神奈川県の公立高校としては非常にめずらしいケースです。両校に挑む受験生は、徹底的に最難関進学校を志望する傾向が強いといえるでしょう。

2.旧学区トップレベル校

このグループの高校は、川和、希望ヶ丘、横浜平沼、光陵、柏陽、多摩、相模原、鎌倉、茅ヶ崎北陵、厚木の10校です。これらの高校の併願校には、大学附属校や地元で定評がある進学校が選ばれる傾向が見られます。

3.公立普通科上位校

東京都と同様に、“校風や教育方針があまり独特でなはなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”高校が選ばれやすい傾向があります。東急・小田急沿線の高校の併願校には都内の高校の名前もよく見られますが、これは互いに通いやすいことが理由でしょう。一方で横浜市内のJRや京急、相鉄などの沿線の高校の併願校は、横浜市内や横浜周辺の高校がほとんどになっています。

千葉県

千葉県の公立高校の中で、県立千葉、県立船橋、県立東葛飾の3校は御三家と呼ばれていて、難度が突出しています。ここでは、1.御三家2.公立普通科上位校に分けて、併願校の傾向をご紹介します。

1.御三家(県立千葉、県立船橋、県立東葛飾)

千葉県の公立高校の中でトップレベルの3校です。併願校には、市川、昭和学院秀英、日大習志野、専修大学松戸など、県内の上位の私立高校が選ばれています。県外の学校は、県立千葉の5位に江戸川女子が入っているだけですが、こちらも千葉県から近い江戸川区の学校です。地域に根ざした受験情勢といえます。最難関校の県立千葉では渋谷学園幕張も選ばれますが、県立船橋、県立東葛飾では渋谷学園幕張は少し敬遠されているようです。

2.公立普通科上位校

東京都、神奈川県と同様に、“校風や教育方針があまり独特でなはなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”高校が選ばれやすい傾向があります。

地域別に見ると、千葉市内では千葉敬愛、敬愛学園、日大習志野が、松戸や船橋地区では東京学館浦安、東葉、昭和学院や八千代松陰が、常磐線沿線では二松学舎柏、流通経済大柏がよく選ばれています。佐倉や成田の方では地元の高校を併願することが多くなっていて、八千代松陰の名前が多く見られます。

埼玉県

埼玉県は東京都、神奈川県、千葉県と比べて学力上位生の公立志向が強い地域です。公立の男子校・女子校があるのも大きな特徴です。

公立高校の中で難度が突出しているのは、男子校の県立浦和と女子校の浦和第一女子です。ここでは、1.県立浦和と浦和第一女子2.公立トップレベル校3.公立普通科上位校に分けて、併願校の傾向をご紹介します。

1.県立浦和と浦和第一女子

両校の併願校には、栄東や淑徳与野、開智といった、地域のトップレベル校ばかりでなく、早慶の附属校も名を連ねています。

2.公立トップレベル校

このグループの高校は、春日部、川越、川越女子、市立浦和、大宮、蕨、所沢北、越谷北の8校です。併願校には栄東、開智、春日部共栄、大宮開成などの県内の進学校が多く選ばれます。附属校の早稲田大学本庄も見られます。通学の便もあり、東京都内に出やすい学校は別として、県内の進学校が多く選ばれます。

地域別に見ると、南部地区では栄東や大宮開成が、西部地区では川越東や星野が、東部地区では春日部共栄や獨協埼玉が目立っています。

3.公立普通科上位校

東京都、神奈川県、千葉県と同様に、“校風や教育方針があまり独特でなはなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”高校が選ばれやすい傾向があります。

また、埼玉県全体の傾向として、南部地区のさいたま市に全県から「ひと・もの」が流入しており、併願校選びにおいても南部地区の高校の人気が高くなっています。

南部地区では、地域内の高校がよく併願校に選ばれています。代表的な私立併願校には、大宮開成、武南、浦和学院、浦和実業、埼玉栄、栄北、国際学院などがありますが、受験生は自分の学力に応じた高校とコースをそれぞれ選んでいます。併願状況はパターン化していて、ここに挙げた私立がよく出てきます。大宮以北でも大宮以南の学校の人気が高いのですが、正智深谷などを選ぶ動きも見られます。

草加、越谷、春日部など東武スカイツリーライン沿線の東部地区でも、第一希望の公立高校選びで南部地区の高校を選択することが増えてきました。東部地区内の私立併願校としては、叡明、獨協埼玉、春日部共栄、昌平、花咲徳栄などがありますが、第一希望校を東部地区の公立高校に選んだ受験生も、併願校は南部地区から選ぶ動きが見られ、大宮開成や浦和学院、浦和実業、武南などが選ばれています。

西武池袋線、東武東上線、西武新宿線沿線を中心とする西部地区でも、東部地区と同様の傾向が見られます。西部地区内の私立併願校には、西武文理、狭山ヶ丘、聖望学園、山村学園、山村国際などがありますが、これらだけでなく南部地区の浦和学院や浦和実業などを併願するケースも見られます。

北部地区は少し情勢が異なります。南部地区の大宮近辺までは通学時間がかかるからでしょう。
地域の私立併願校としては、高崎線方面では本庄・深谷地区の本庄東、本庄第一、東京成徳大深谷、正智深谷などが、東上線方面では東京農大第三、武蔵越生、大妻嵐山、埼玉平成が選ばれています。東武伊勢崎線・日光線方面は私立高校が少ないこともあって、南下して昌平や春日部共栄を選ぶ受験生が多くなっています。

首都圏高校入試の全体的な傾向

近年の首都圏高校受験生の併願校選びを見ていると、トップレベル層とそれに次ぐ上位レベル層の受験生の志向の違いがはっきりしてきたと感じます。

各都県のトップレベルの公立高校を目指す受験生の志向は以前とあまり変わらず、併願校に国立や難関私立を選び、受験勉強に力を入れています。しかし、それに次ぐ学力層の受験生は、挑戦志向が弱くなってきました。第一志望の公立の他は入試相談を行って、合格の確度の高い私立1校だけにしたり、自分の本来の学力レベルよりも1ランク下げて確実に合格できるところを選ぶケースが増えています。「確実に合格をもらって安心したい」という安全志向の表れでしょう。

確かに高校受験では、選り好みをしなければ大抵どこかの学校に合格できます。中学卒業生の高校進学率は98.8%(2019年3月、学校基本調査速報値)で、小学6年生の中学受験や高校3年生の大学受験よりも際立って高く、受け入れる高校の募集定員もこの高い進学率に対応する規模です。受験生もそれを知っていて、「そこまでがんばらなくてもいいや」と思っているのでしょう。

しかし、高校受験で挑戦しなかった生徒は、3年後の大学受験でも挑戦を避けて安定・安心を求めるのではないでしょうか。そしてその先、社会に出た後も、同じことの繰り返しで、「自分の身の丈はこのくらい」と、ある枠の中だけで考え、行動するようになるかもしれません。「若い頃の苦労は買ってでもしろ」という言葉がありますが、高校受験で本気でがんばったことは人生の大きな糧となります。ぜひ、本当に行きたい高校を目指し、努力をしてください。その結果志望校に受からなかったとしても、悔しいと感じたりもっとがんばろうと思うことで、人間は成長していきます。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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