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上級者向け 受験マニアックス

2022年2月号 東京都と埼玉県(2回目)の進路希望調査結果

この記事は2021年度の情報です。最新の情報は2024年2月号をご覧ください。

<受験生のみなさんへ>

受験生の皆さん、入試直前での新型コロナウイルス感染症の急速な拡大で、不安に感じていると思います。まず、できるだけあなた自身が感染しないように、マスク着用や手洗い・手指消毒、勉強部屋の換気、密集空間を避けて行動する、といった基本的な感染防止策をきちんと守ってください。

ただ、どれだけ注意しても感染したり、濃厚接触者になることもあるかもしれません。入試当日に無症状なら別室での受験が可能な学校が多い(※)のですが、体温が37.5℃以上など、症状があれば受験はできません。しかし、この場合も公立高校は全校で、私立高校も多くは追試・追検査などの機会を作っています。しっかり体を休めて、安心して追試・追検査に臨んでください。

クラスメートなど、周りの友だちが合格していく中で、自分だけ合格が決まらないのは不安ですし、焦ると思います。でも、「入試までの時間が増えた」と前向きに考えてください。不安や焦りに負けなければ、合格のチャンスは広がります。自分を信じて頑張ってください。

※濃厚接触者について
1月31日、文部科学省から、保健所の正式な認定やPCR検査の陰性証明書がなくても、受験できるよう各校が取り計らうように通知が出ました。受験で困ったら、ぜひ学校に相談してください。

東京都と埼玉県(2回目)の進路希望調査結果

今回は、東京都の教育委員会が発表した都内公立中学3年生の進路希望調査結果と、埼玉県の教育委員会が発表した県内中学3年生の2回目の進路希望調査結果(1回目の結果は1月号で紹介)を紹介します。各校の募集人員、希望者数、倍率の詳細については、添付のPDFをご覧ください。

東京都の公立中学校3年生の進路希望調査結果

発表:2022年1月7日
調査:2021年12月
対象:都内公立中学校3年生

1.全体的な傾向

卒業予定者数は、男子が39,837名で前年より男子が1,885名増加、女子が36,565名で、前年よりも1,526名増加しました。全体では4.7%の増加です。前年まで続いていた減少傾向から増加に転じました。

全日制都立高校(高専も含む)への進学希望者数は、男子が0.1%減、女子が1.1%減で、男子は下げ止まった印象ですが、女子は今年も都立志向は下がっています。一方、全日制と同様の感覚で通学できる都立の昼間定時制は、男女とも希望率が0.5%上がりました。

全日制国立・私立・他県公立(多数派は都内私立希望)は男子が0.5%減少、女子は0.5%増加しました。前年までは男女とも上昇が続いていました。上昇していた全日制私立志向は男子では反転し減少、女子は前年の0.9%増加が0.5%に留まったことからみると、少しブレーキがかかった状況といえます。

人数はまだまだ少ないものの、比率の上昇が目立っているのは都立以外の定時制・通信制です。男子は前年より0.2%、女子は0.4%上がっています。前年は男女とも0.8%ずつ増えていたため、人気が落ち着いたという見方もできますが、まだ人気が上がっています。おそらく多くはN高校に代表されるような新タイプの通信制高校と考えられます。N高校を運営する角川ドワンゴ学園は、N高校が定員近くに達してきたことから、2021年度にS高校を開校、さらに2023年度にはさらにもう1校の開校準備を進めています。

2.学科・課程別の人気動向

倍率の上昇が目立っているのは、普通科コース制、科学技術科、国際科一般生徒、芸術科美術です。普通科コース制は前々年、前年と1倍を切っていました。今年は1.11倍で、近年では最高の希望倍率です。
傾向としては、普通科志向が強く、専門学科は普通科系の学科が人気となっています。

3.希望倍率が高い都立高校

都立高校学年制普通科の、男女別の希望倍率上位5校を紹介します。

受験年度 22年 21年 20年 19年 18年
男子1 2.05 三田 2.08 青山 2.19 石神井 2.14 戸山 2.16
男子2 青山 2.03 戸山 2.06 戸山 2.1 戸山 2.13 三田 2.08
男子3 深川 2.01 城東 1.988 石神井 2.03 江戸川 2.05 駒場 2
男子4 目黒 1.97 豊島 1.986 城東 1.99 小岩 2.02 北園 1.99
男子5 戸山 1.96 田園調布 1.97 狛江 1.95 南葛飾 2 豊多摩 1.93
女子1 神代 2.6 三田 2.93 広尾 2.45 小平 2.41 三田 2.46
女子2 昭和 2.44 広尾 2.26 三田 2.37 2.21 石神井 2.27
女子3 三田 2.36 深川 2.22 青山 2.27 小岩 2.16 竹早 2.25
女子4 鷺宮 2.3 青山 2.19 竹台 2.16 三田 2.14 小平南 2.24
女子5 向丘 2.17 竹早 2.15 昭和 2.09 本所 2.12 向丘 2.18
【男子】

今回の男子は東がトップです。同校は、女子は2019年にトップ5に登場したことがありますが、男子はこの10年トップ5に登場したことはありません。人気が上がった背景としては、実力相応校として学校を選ぶ際に、受験生が同校に集中してしまった結果と考えられます。2位は、前年は登場しなかったものの、2020年はトップだった青山です。トップ5にもよく出てくる学校で、隔年的な人気の変化で2位になったと考えられます。3位は深川で、東と同様、この10年トップ5に登場したことがありません。近年志望校調査では希望者の増加が続いていて、いよいよトップ5に登場しました。4位の目黒もこの10年登場したことがありません。一昨年より希望者が増え続けており、人気が上がっています。5位は前年2位だった戸山です。表でわかるように毎年トップ5に登場していて、2018年はトップだった人気校です。今年は倍率2倍に届きませんでしたが、高い人気が続いています。

【女子】

女子のトップは神代です。トップ5には2014年以来の登場ですが、前年は0.01倍の差で登場しなかったので、前年も高かった人気が、今年はさらに上がっての登場です。2位は昭和で、前年は登場していませんが、2020年はトップ5に登場しています。以前はトップ5に登場することがなかった学校で、近年人気が上がっています。3位は前年トップだった三田です。トップ5の常連で、今年は前年ほどの倍率ではありませんが、人気が続いています。4位は鷺宮で、トップ5には2015年以来の登場です。今年は人気が上がりました。5位の向丘は2018年以来の登場です。もともと隔年でトップ5に登場している学校で、2020年は希望者の伸びが少し弱く登場しませんでした。今年は人気復活でしょう。

4.難易度別の希望動向

都立高校普通科(単位制も含む)の、難易度別の人気を男女別に考察します。

【男子】

今年は、全体的には前年までの都立高校志向の低下に歯止めがかかり、各難易度帯の希望者数は少し上向きになってきたような状況です。人気が特に目立ったのは、中堅校です。大きく希望者が増えました。二番手校は、前年の卒業予定者数の減少や都立高校志向の低下の中で唯一希望者が増えていましたから、その反動により今年は減少に転じました。

【女子】

女子の中堅校では大きく希望者が増えています。二番手校は希望者が減っています。前年は他の偏差値帯の希望者が減る中で、この偏差値帯だけは減少せずに前々年並みだったため、今年はその反動だと思われます。ただ、男子と違って最上位校は前年とほぼ同数の希望者数となっています。他の難易度帯は、いずれも卒業予定者数の増加率に届いていません。男子では都立高校志向の低下に歯止めがかかりましたが、女子ではまだ続いているようです。

埼玉県の中学3年生の進路希望調査(第2回)結果

発表:2022年1月13日
調査:2021年12月
対象:県内中学校3年生

※第1回の進路希望調査結果は、1月号にて紹介しています。

1.全体的な傾向

中学校(私立・国立も含む)の卒業予定者数は62,799名で、前年よりも1,617名増加です。前年まで続いていた減少から増加に転じました。高校進学希望者は62,496名で、前年より1,567名増えています。高校進学希望率は、若干下がり98.6%です。

進学希望先別に見ると、県内の全日制公立高校への進学希望者数は41,261名で、第1回調査より2,172名減、前年同時期より853名増でした。一方、県内の全日制私立高校への進学希望者数は11,433名で、第1回調査より1,602名増、前年同時期と比べると152名増でした。
県外の全日制私立高校の進学希望者数は4,035名で、第1回調査より663名増、前年同時期と比べると26名減でした。例年同様、第1回調査時には全日制公立高校を希望していた生徒の中から、県内外の私立に希望を変更した生徒が多く出ています。

公立中学の3年生のみのデータを見ると、公立高校希望率は2017年度から連続して下がっていましたが、今回は前年よりやや増加しました。とはいえ、かつての公立志向が戻ったわけではありません。一方、県内私立高校の希望率は公立人気とは逆の動きで、特に前々年、前年は大きく上がりましたが、今回はやや下がりました。県外(国立含む、多くが東京都内)も上昇傾向でしたが、前々年、前年と横ばいになり、今年はやや下がりました。

県外全日制(多くが都内の私立)は2018年度以降上昇が続いていましたが、今回は0.1%ですが下がっています。前年まで「全日制公立離れ、私立志向の上昇」とお伝えしてきましたが、「全日制離れ」といった方がよい状況になってきました。一方、通信制は0.7%上昇で、前年の0.9%上昇には届いていないものの、大きく上がっています。

2.希望倍率が高い公立高校

希望倍率が高い普通科公立高校をご紹介します。
表は、希望倍率1.5倍以上の高校を倍率順に並べたものです。今回表に登場する1.5倍以上の学校は、3年連続の15校ですが、2016〜2019年度の進路希望調査では20校から24校登場しており、私立志向の高まりがうかがえました。今年は全日制私立高校志向が下がっていますから、むしろ「公立人気校の減少」と捉えた方がよさそうです。

 今回  前年度
順位 校名 倍率 順位 校名 倍率
1 市立浦和 2.8 1 市立川越 2.9
2 川口市立 2.53 2 川口市立 2.42
3 市立川越 2.5 3 市立浦和 2.29
4 浦和西 1.91 4 川越南 1.99
5 市立浦和南 1.8 5 浦和西 1.78
6 越谷南 1.79 6 大宮 1.76
7 川越南 1.76 7 越ヶ谷 1.72
8 南稜 1.73 8 南稜 1.71
9 鳩ヶ谷 1.72 9 市立大宮北 1.7
10 大宮 1.71 10 越谷南 1.69
11 所沢北 1.64 11 上尾 1.68
12 越ヶ谷 1.612 12 1.63
13 和光国際 1.609 13 所沢北 1.59
14 越谷北 1.58 14 鳩ヶ谷 1.59
15 1.53 15 熊谷西 1.55

トップは前年3位の市立浦和、前年トップだった市立川越は3位でした。この10年、トップはこの両校のどちらかです。この両校の間に割って入っているのが2位の川口市立です。2018年度に3つの高校の再編で開校した学校で、開校以来高い人気です。2020年度までは3位が最高でしたが、前年、今年と2位が続いています。4位は前年の5位から上がった浦和西、5位は前年登場していない市立浦和南です。同校は1.5倍以上の常連校でしたが、前年は希望者が減って姿を消しました。今年は希望者が大きく増えています。
6位は前年の10位から上がった越谷南、7位は前年4位だった川越南、8位は前年同様の南稜、9位は前年の14位から上がった鳩ヶ谷、10位は前年の6位から下がった大宮です。順位の変動はありますが、登場している顔触れに変化はありません。11位は前年の13位から上がった所沢北、12位は前年の7位から下がった越ヶ谷、13位の和光国際と14位の越谷北は前年登場していませんが、和光国際は2~3年に1度登場する学校で、今年は人気が上がっています。越谷北は2018年度以来の登場です。前年ももう少しで1.5倍に達するところで、人気が上がってきています。15位の蕨は前年の12位から下がっています。15校のうち、12校が前年も登場していて、前年登場しなかった3校もこの10年で登場した年がある学校ですから、人気校は固定化しています。

3.難易度別の希望動向

中堅レベル以上では、どの難易度帯も卒業予定者数の増加を反映して増えていて、特に中堅校は大幅に増加しています。トップレベル校や中上位校も若干の差はあるものの、概ね卒業予定者数の増加に対応した希望者の増加です。しかし、比較的入りやすい学校では、卒業予定者の増加にもかかわらず、公立高校の人気が低下しています。別な言い方をすれば、こうした難易度帯の受験生も、公立高校に進学するなら、せめて中堅校に、という希望が表れたのでしょう。

4.県内私立高校の人気の傾向

希望者が多い県内私立高校をご紹介します。県の発表では、私立中学在籍生の内部進学も含めた希望者数となっていますので、併設中学がある学校は、中3生の在籍人数を全体の希望者数から差し引いて表を作りました。併設中学がない学校はそのままの数字です。

順位 今回 前年度 10月対比(増加数30名以上)
校名 希望者数 校名 希望者数 校名 伸び率
1 埼玉栄 539 埼玉栄 497 秀明英光 111.00%
2 浦和学院 531 浦和学院 456 東野 109.50%
3 浦和実業学園 357 星野 433 本庄第一 60.90%
4 花咲徳栄 346 花咲徳栄 373 国際学院 60.40%
5 叡明 321 叡明 371 栄北 55.70%
6 栄北 313 浦和実業学園 322 城西大付川越 50.00%
7 山村学園 297 東京農大第三 299 正智深谷 49.00%
8 早大本庄 294 早大本庄 299 春日部共栄 40.80%
9 正智深谷 286 細田学園 296 武蔵越生 39.10%
10 星野 267 正智深谷 294 浦和実業学園 37.80%

希望者数ではトップ、2位とも前年同様に埼玉栄と浦和学院でした。卒業予定者数の増加を反映して、両校とも希望者が前年よりも増えています。3位は前年の6位から上がった浦和実業学園、4位と5位は前年と同じ花咲徳栄と叡明です。6位は栄北です。同校が表に登場するのは2013年以来です。人気が上がっているようです。7位の山村学園は、この10年では初登場で、同校も人気が上がっているようです。8位は前年と同様の早大本庄、9位は前年の10位から上がった正智深谷です。10位は前年3位だった星野で、希望者が大きく減っていますが、人気は維持しました。人数でランキングを作るとどうしても募集規模が大きい学校が上位に来ます。1・2・4・5・9位が前年と同じや、3・9・10位も前年の登場校で、登場校が固定化しがちですが、そのような中で栄北と山村学園が登場したことは、受験生の選択が少し変わってきたのかもしれません。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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