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上級者向け 受験マニアックス

2017年7月号 2018年度首都圏高校入試の変更点(第1弾:2017年4〜6月発表分)

今号では、来年度の首都圏高校入試の変更点について、現時点で発表されている事項をご紹介します。大勢が判明する秋頃には、第2弾をご紹介する予定です。

神奈川県の「追検査」導入と他都県の動向について

神奈川県教育委員会は、2018年度高校入試において「追検査」を新設することを発表しました。追検査とは、入試日にインフルエンザなどで体調を崩した生徒のため、代替の受験日を用意するものです。これにより来年度は、共通選抜の学力検査が2018年2月14日(水)、追検査が2月20日(火)に行われることになります。2017度までは、入試日にインフルエンザにかかっている生徒がいた場合は、別室受験などの対応にとどまっていました。文部科学省は、体調が悪い生徒が無理して受験することがないように、追検査の導入を全国の都道府県に要請していました。神奈川県の追検査の導入は、この要請に応えたものです。

文部科学省の昨年の調査によると、追検査を実施していたのは全国で11府県でした。2018年度は神奈川県の他、大阪府なども追検査を行うことを決めています。一方で、首都圏の他都県はすでに2018年度の入試日程を公表しており、多くは追検査を行わない方向であることがわかっています。編集部では、今後追検査を設定する考えがあるかどうか、各教育委員会に問い合わせました。その返答の概要を以下にご紹介します。

  • 東京都:追検査については今後改めて検討する。
  • 千葉県:現時点では、今後検討するかどうか公表予定はない。
  • 埼玉県:2018年度は追検査を設定せず、公表済みの日程で入試を実施する予定。2019年後以降については今後検討する。
  • 茨城県:2018年度の入試日程は案として公表。現在正式日程を検討中で、9月末までに公表する予定。追検査の有無については、正式な決定を確認してから問い合わせて欲しい。
  • 栃木県:2018年度入試では追検査を実施しない。ただし、過去の新型インフルエンザのような深刻な事態が発生した場合は、その時点で考えるかもしれない。2019年度以降導入を検討するかどうかは未定。
  • 群馬県:前後期制で、前期がだめでも後期で受験できるので、現在のところ追検査を実施する考えはない。

神奈川県は入試日から合格発表まで2週間あるため、追検査日を無理なく設定できますが、他都県はこの期間が概ね1週間しかないため、追検査日の設定が難しいという事情があります。追検査を導入するには入試のスケジュールを大幅に変更する必要があるため、各都県において2018年度の実施は難しく、導入されるとしても2019年度以降になると思われます。

なお、私立高校入試については追検査の大きな動きはなく、2018年度はケースバイケースの対応になると思われます。今後、各都県の公立高校で追検査が実施されるようになると、その波は私立高校にも広がるかもしれません。

【8月24日 追記】

7月27日、東京都から来年度の「都立高等学校入学者選抜検討委員会報告」が発表されました。今春の入試の検証をもとに、来春の入試の変更点等が検討委員によって議論され、その提言等をまとめたものです。インフルエンザ等に対応する「追検査」が新たに実施されることが提言されました。

今回検討されたのは、推薦ではなく来年2月23日実施予定の一般入試(いわゆる「第一次募集及び分割前期募集」)で、検討委員会報告では、インフルエンザ等で受検できなくなった場合、事前に中学校から申請の上、3月9日に実施予定の「分割後期募集及び第二次募集」で受検できるように取り計らうことになっています。この場合の入試科目は他の分割後期・二次と同様、国数英の3教科+面接が基本になります。

現実に運用するとなると、合格発表数の問題や、自校作成の学力検査問題と、都教育委員会が作成している分割後期・二次の学力検査問題の難度の違いなど、課題もあると思われますが、「詳細は引き続いて検討」とされています。9月発表の選抜要項で、こうした点をどこまで煮詰めていくのか注目されます。

共学化する高校について

2018年度から共学化する高校について、その背景や今後の教育方針をご紹介します。

【文化学園大杉並】

2015年に、日本とカナダ両方の高校卒業資格を取得できる「ダブルディプロマコース」を開設し、この全国初の制度が大きな注目を集める学校です。ダブルディプロマコースについては、全国から問い合わせがあり、男子も受け入れて欲しいとの声が多くあったそうです。このリクエストに答え、共学化する運びとなりました。今後は、男女共学の環境の中でグローバル人材の育成を目指していくとのことです。

【浦和麗明】

系列校の叡明(旧:小松原)が2015年度に男子校から共学化に踏み切り、科やコースの改変を行った結果人気とレベルが大幅に上がったことを受け、同様の効果を狙った共学化です。スタンダードな教育を行う進学校として、レベル別のコース分けを行う予定です。共学化に合わせ体育館の新築も行っています。

【法政大学国際】

法政女子が共学化し、法政大学国際に改称します。これは、法政大学の付属校再整備の一貫によるものです。内部進学を前提にした姿勢は変わりません。2017年2月に国際バカロレアの正式認定校になったため、国際バカロレアコースを開講し、同コースでは海外大学進学を目指します。他方のグローバル探究コースでもバカロレアのエッセンスを取り入れ、探究学習、課題解決型学習など、主体的・能動的・協働的な学びを推進していきます。法政大学の3つの付属高校の中でも、グローバル志向を前面に出した教育を進めていくようです。

【桐蔭学園】

従来は、中等教育学校(男子のみ・中1〜高2)、中学校男子部、中学校女子部、高等学校男子部、高等学校女子部に分かれていて、中1から高2は完全に男女別学、高3はホームルームは男女別で授業は男女合同、という独特な体制でした。2018年度から段階的に男子部と女子部を解体し、男女共学の6年間一貫の中等教育学校と、高校入学生のみの男女共学の高等学校に再編することとなります。新しい共学の高校のコースは、スタンダードコース、アドバンスコース、プログレスコースの3つです。

【千代田女学園】

2018年度から校名を「武蔵野大学附属千代田高等学院」に変更し、共学クラスを新設します。共学クラスは、IB(国際バカロレア)、IQ(文理探究)、GA(グローバルアスリート)の3コース制となります。IBコースは目安として、入試の時点で英検準2級レベル、入学時には2級レベルの英語力を求めており、かなりハイレベルな英語の授業を展開していくことになります。人数も限り、少数精鋭の教育をする見込みです。IQコースは、主体的・能動的・協働的な21世紀型の学びと、大学受験対策の両立を目指すコースです。このコースの生徒には、両方をこなせる学力や自主性、行動力が求められるでしょう。学会発表、国際コンテスト等への参加も目指すとのことです。GAコースは、日本代表レベルのスポーツ選手を対象とするコースです。授業は午前中のみで、午後は所属競技団体にてトレーニングを行います。遠征時は公休扱いになる、個別の学習フォローアップがある等、選手を支える体制を充実させます。入試は推薦のみです。首都圏ではかなりめずらしい試みです。

また、高校の女子クラスは存続させ、特進、進学、グローバルリーダーの3コース制から、LA(リベラルアーツ)とMS(メディカルサイエンス)の2コース制に改編します。LAコースのレベルは旧進学コース程度で、武蔵野大学と連携した授業を展開し、海外留学を奨励します。MSコースは旧特進コース程度のレベルで、理数系の教育を強化し、武蔵野大学の薬学部や看護学部と連携した授業を行います。

【日本橋女学館】

校名を「開智日本橋学園」に変更し、共学化します。先だって中等部が2015年に共学化しており、2015年度の中等部入学生が高等部に進学することによるものです。高校入試については、帰国生以外の募集を停止します。

一般募集停止

【三田国際学園】

三田国際学園も2015年に共学化した学校です。開智日本橋学園と同じく、帰国生以外の募集を停止します。

コースの改編・入試日程・その他

2018年度も、近年の傾向通り、多くの高校でコースの改編が行われます。内容としては、大学進学に重点を置いたコースの新設が目立っています。

入試日程については、今のところ特に大きな動きはありません。神奈川県公立高校の入試日が2月14日(水)になった関係で、今後一部の都内の私立高校で、一般入試の2回次の日程を動かすケースが見られるかもしれません。

また、神奈川県の捜真女学校は、完全中高一貫教育を行っていて高校からの生徒募集は行っていませんでしたが、2018年度は10名程度の高校募集を行うそうです。

2017年4月〜6月に発表された変更点一覧

現段階(2017年6月時点)で判明している2018年度首都圏高校入試の変更点一覧をご紹介します。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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