Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット高校受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

上級者向け 受験マニアックス

2021年1月号 神奈川県と埼玉県の中学3年生の進路希望調査結果

神奈川県と埼玉県の教育委員会が発表した中学校3年生の進路希望調査の結果から、卒業予定者数や進学希望者数、公立と私立、県内校と県外校の人気の傾向、希望倍率が高い高校などを紹介します。受験生の希望や人気の動向等は今後変わる可能性もありますので、あくまでも進路希望調査によるデータとして参考程度に留めてください。各校の募集人員、希望者数、倍率の詳細については、添付のPDFをご覧ください。

なお、東京都と埼玉県の2回目の調査結果は、2021年2月号で紹介しています。

神奈川県

1.全体的な傾向

公立中学校の卒業予定者数は、前年より1,955名少ない65,126名、高校等進学希望者数は前年よりも1,689名少ない62,892名です。高校等進学希望率は前年より0.3%上がった96.6%です。公立の中学3年生は、2010年を例外として2005年~2013年まで増加が続き、2014年~2016年は7万人前後で増減を繰り返しました。この4年間は減少が続いており、減少幅は今回最も大きくなっています。

進路希望先では、全日制県内公立高校の希望率が78.3%と前年よりも1.2%下がっています。全日制県外国・公立高校の希望率は0.6%と、前年と変わりません。一方、全日制県内私立高校の希望率は7.7 %で前年より0.5%増加、全日制県外私立高校の希望率は4.3%で前年より0.4%増加しています。前年は公立志向の若干の上昇が見られ、実際の入試では私立志向が高くなっていましたが、今年は進路希望調査の段階から私立志向が上昇しています。これから入試に向けて、さらに私立志向が上がっていく状況になると思われます。

公立定時制の希望率は前年と変わらず、1.1%です。通信制の希望率は2012年に上昇、2016年以降は定時制の希望率を上回って上昇を続けていて、今年の通信制高校の希望率は2.8%と、前年より0.5%増加しています。定時制の2倍以上の希望者がいます。

公立の学校では、学校ごとにさまざまな動きがありますが、全体的には難関校・上位校は手堅い人気となっています。普通科や総合学科などの比較的入りやすい学校、また専門学科では希望者が減少している学校も見られます。入りやすい公立の学校は、来年度、今年の春の入試以上の定員割れが起きるのかもしれません。

私立志向の上昇の背景には、大きく2つの理由があります。

一つは5月号で紹介したとおり、就学支援金等の学費支援が非常に手厚くなったことが挙げられます。今まで経済的な面で私立を諦めてきた人が面倒見のよい私立へ進む流れが出てきました。

もう一つは、コロナ禍という状況を踏まえて、書類選考に切り替える学校が増えてきており、早々に合格を決めて、安心したいという受験生に選ばれるようになってきたことが背景にあります。詳しくは11月号で取り上げていますので、ご覧ください。

2.旧学区別の県内私立希望率

今回と前年の、旧学区別(厳密には一部異なる)の県内私立希望率を表したのが下の図です。

進路希望調査による県内私立希望率 前年対比
2020年度 進路希望調査による県内私立希望率 前年対比

旧鎌倉藤沢と旧平塚で大幅に私立の希望率が上がっているほか、前年より1%以上の上昇が、旧横浜中部、旧横浜臨海、旧川崎南部、旧横須賀三浦、旧県西、旧大和座間綾瀬です。旧横浜東部と旧厚木も0.5%上昇しています。毎年この推移を見ていると隔年現象が多く、前年上がった地域は下がるケースが多いのですが、旧川崎南部、旧鎌倉藤沢、旧県西、旧大和座間綾瀬は前年に続く上昇です。

一方で県外私立希望率も、前年に続いて上がっています。県外私立高校へ進む場合、県独自の学費補助はありませんが、それでも良い教育を求めて、小田急線、東急東横線、田園都市線などの沿線を中心に都内私立校を選ぶケースが増えています。

3.希望倍率が高い公立高校

今回と前年の公立普通科の希望倍率上位10校を比較してみます。

公立普通科 希望倍率上位10校(2020年調査・2019年調査)
普通科 希望倍率上位10校
順位 校名 希望者数 定員 倍率
1 神奈川総合 566 218 2.60
2 上溝 573 238 2.41
3 横浜緑ケ丘 652 278 2.35
4 市立橘 456 198 2.30
5 横浜翠嵐 799 358 2.23
5 湘南 799 358 2.23
7 鎌倉 699 318 2.20
8 新城 598 278 2.15
9 市立金沢 680 318 2.14
10 多摩 587 278 2.11
前年普通科 希望倍率上位10校
順位 校名 希望者数 定員 倍率
1 市立橘 506 198 2.56
2 神奈川総合 600 248 2.42
3 湘南 842 358 2.35
4 横浜翠嵐 826 358 2.31
5 横浜緑ケ丘 634 278 2.28
6 藤沢西 627 278 2.26
7 新城 603 268 2.25
8 市立幸 175 78 2.24
9 市立戸塚 710 318 2.23
10 大和 557 278 2.00

トップは神奈川総合でした。前年の2位から上がっていますが、希望者は少し減っています。普通科のため、個性化と国際文化の合計ですが、舞台芸術科を新設したため、定員が減っていて、そのため倍率が上がっています。2位は上溝で、前年は表に登場していません。希望者が3割近く増えたことで一気に2位に登場しました。3位は前年の5位から上がった横浜緑ケ丘、4位は前年トップの市立橘です。前年よりやや希望者が減りましたが高い人気です。5位は同率2校、それも横浜翠嵐と湘南です。両校ともやや希望者が減りましたが高い人気です。7位は鎌倉で、前年は登場しませんでした。希望者が大きく増えています。8位は前年7位の新城、9位の市立金沢と10位の多摩は前年より希望者が増えて、今年は表に登場しています。

トップ10に登場しない学校では、城郷、瀬谷、横浜氷取沢、市立幸、横須賀南、大和南は20%を超える希望者の増加で、新栄、希望ケ丘、横浜緑園、保土ケ谷、横浜南陵、横浜立野、大師、麻溝台、三浦初声、鶴嶺、寒川、平塚江南、大磯、秦野曽屋、小田原東、愛川、大和西も10%を超える希望者の増加です。このように書くと入りやすい高校も含めて公立の人気が上がっているように見えますが、希望者が10%以上減った学校は28校あり、ここに挙げた学校の人気が高かったことになります。

埼玉県(1回目の調査)

1.全体的な傾向

埼玉県では、1月に発表される2回目の進路希望調査もありますが、今回は1回目の結果です。中学校(私立・国立も含む)の卒業予定者数は61,179名で、前年より1,358名減っています。前年に続く大幅減です。高校進学希望者数は59,798名で、前年より1,346名減です。神奈川県と同様に埼玉県も生徒数減少期となっています。

進学希望先別に見ると、県内の全日制公立高校の進学希望者数は42,953名で、前年より1,992名減りました。割合で見ると68.7%で、前年よりも3.2%下がりました。また、県外の全日制国・公立高校の進学希望者数も、前年より73名減った419名でした。一方、県内の全日制私立高校の進学希望者数は9,384名と前年より413名増えていて、割合では前年より0.7%上がっています。県外の全日制私立高校の進学希望者数も3,332名と前年より40名増で、割合では0.1%上がりました。

こういったデータから私立志向の上昇と公立志向の低下がわかります。神奈川県と同様に、多くの場合は東京都の私立高校ですが、県外私立希望者も増加しています。また公立の中でも難関・上位校の人気は堅調ですが、入りやすい学校、専門学科の学校については神奈川県同様に希望者が減少傾向となっています。2回目の進路希望調査がある埼玉の場合、例年2回目の方が、1回目と比べると私立希望者が増加するパターンが多いので、次回も同じような結果になるのではないかと思われます。

公立学校では、来春の入試から難度の高い学校選択問題を実施する川口市立については、2回目の進路希望調査に向けて、人気にいろいろな動きがあるかもしれませんが、もともと高い人気を集める学校のため、受験生が大幅に減るというのは考えにくいと思われます。

また旧第8学区を中心とする東武スカイツリーラインの沿線の中部地区では、隣接県協定によって千葉県の公立高校を受験することができます。前年には三郷市や武蔵野線の沿線エリアから、千葉県側に流れる動きがありましたが、今年は千葉県で入試改革が行われる影響からか、そうした動きは少し落ち着いています。

2.希望倍率が高い公立高校

公立普通科で、希望倍率が高い高校をご紹介します。下の表は、今回と前年の調査で、希望倍率が2倍以上だった高校を記したものです。

公立普通科 希望倍率上位校(2020年調査・2019年調査)

2020年調査 2019年調査
順位 校名 倍率 2019年同期倍率 校名 倍率 2018年同期倍率
1 市立川越 4.34 3.30 市立川越 3.30 4.04
2 川口市立 3.06 2.58 川口市立 2.58 3.34
3 市立浦和 2.73 2.56 市立浦和 2.56 3.26
4 川越南 2.45 2.34 浦和西 2.41 2.55
5 浦和西 2.34 2.41 上尾 2.35 2.53
6 上尾 2.26 2.35 川越南 2.34 2.24
7 越ケ谷 2.23 1.97 鳩ケ谷 2.06 1.46
8 大宮 2.19 1.92
9 越谷南 2.04 1.86

今回の調査で希望倍率が2倍を超えたのは上の表の左の各校で、右は前年同期の調査結果です。今回は前年より2校増えた9校が登場しています。2倍を超えた学校は2016年、2017年が12校、一昨年が10校、前年が7校と公立志向の低下を反映して学校数が減少していましたが、今年は増えています。普通科全体の希望倍率が下がっている中、2倍を超えた学校が増えたことは、学校間の人気格差が広がる傾向になっていることを示しています。

今年も市立川越がトップ、これで6年連続です。表でわかるように隔年的な変化で、今年は4倍を超えました。2位も前年と同じ川口市立で3年連続です。定員削減に加え、来春から学校選択問題を実施しますが、人気に影響は見られません。3位も前年と同じ市立浦和で4年連続ですが、一昨年のような3倍台ではなく、2倍台に収まっています。4位の川越南、5位の浦和西、6位の上尾も順位は変わっていますが、前年も2倍を超えていて、人気校は固定化しています。7位の越ケ谷、8位の大宮、9位の越谷南は、前年は2倍を超えていませんが、一昨年は超えていて、隔年的な変化です。もっとも3校とも前年は2倍に近い1.8~1.9倍台の高倍率だったため、やはり人気校は固定化しているといえるでしょう。

3.市ごとの希望状況の変化
2020年 2019年 差異
自治体 公立 私立 県外 公立 私立 県外 公立 私立 県外
さいたま市 74.4% 12.2% 5.9% 76.0% 10.9% 6.2% -1.7% 1.3% -0.3%
川口市 71.7% 8.9% 10.1% 75.7% 6.8% 7.9% -3.9% 2.1% 2.2%
川越市 71.1% 14.2% 4.4% 72.1% 13.3% 4.4% -1.0% 0.9% -0.1%
越谷市 76.7% 9.0% 5.5% 78.0% 8.6% 6.2% -1.4% 0.4% -0.7%
所沢市 70.2% 9.4% 10.7% 71.7% 9.6% 10.5% -1.5% -0.2% 0.1%
草加市 72.8% 9.1% 8.3% 74.2% 7.1% 8.3% -1.3% 2.0% 0.0%
上尾市 79.2% 10.7% 2.8% 78.4% 11.2% 3.1% 0.8% -0.5% -0.3%
春日部市 79.9% 6.9% 4.0% 80.3% 7.1% 4.6% -0.4% -0.2% -0.5%
熊谷市 77.4% 14.5% 3.6% 81.8% 10.6% 2.4% -4.4% 3.9% 1.2%
新座市 70.6% 11.1% 9.3% 71.9% 11.5% 9.7% -1.3% -0.4% -0.4%
深谷市 77.8% 11.4% 3.6% 81.4% 12.6% 1.9% -3.6% -1.1% 1.7%
入間市 72.8% 9.8% 6.9% 74.5% 9.8% 7.0% -1.7% 0.0% 0.0%
久喜市 79.4% 8.4% 5.2% 79.4% 6.9% 6.3% 0.0% 1.5% -1.1%
戸田市 67.7% 9.0% 10.3% 73.9% 7.8% 9.5% -6.2% 1.2% 0.8%
狭山市 73.1% 11.6% 4.6% 73.1% 11.2% 6.0% -0.1% 0.4% -1.4%
朝霞市 65.7% 14.4% 11.7% 67.5% 13.7% 10.7% -1.8% 0.7% 1.0%
三郷市 72.7% 5.4% 12.5% 71.5% 4.0% 14.9% 1.3% 1.4% -2.4%

※小数第2位を四捨五入しています。

上の表は全体集計なので、卒業予定者数1,000名以上の市について、全日制の公立高校、県内私立高校、県外の高校(国公私立計)の希望状況を、前年と比較します。
※1%以上増加している場合はピンク、1%以上減少している場合はブルーのアミカケをつけています。

表に登場する市は、前年は18市でしたが、今年はふじみ野市が1,000名に届かず17市になります。

全日制公立希望率は多くの市で低下していて、戸田市の6.2%低下が一番下降しています。川口市が3.9%低下、深谷市も3.6%低下、戸田市と朝霞市は70%を切りました。

公立志望率が1%以上上がったのは三郷市だけです。三郷市は隣接県協定で千葉県の公立高校も受験できますが、2021年度は千葉県公立高校で入試改革が行われますから、不安を持った受験生が県内公立高校を希望したのでしょう。県内私立希望率が1%以上上がったのは、さいたま、川口、草加、熊谷、久喜、戸田、三郷の各市で、川越市や朝霞市も1%には満たないものの0.5%を上回っています。1%以上下がったのは深谷市だけでした。深谷市は公立の希望率も大きく減っていて、県外や、表には出ていませんが通信制高校の希望者が増えています。

県外希望率が1%以上上がったのは深谷市のほか、川口市、熊谷市、朝霞市で、10%を超えたのは前年の朝霞市、三郷市、所沢市に加えて川口市と戸田市も10%を超えました。1%以上下がったのは久喜市、狭山市、三郷市です。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

一覧に戻る

ページトップ