LINEで送る

スクールポット高校受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

上級者向け 受験マニアックス

2017年11月号 併願作戦(公立高校の普通科を第一希望とする場合)

今回の受験マニアックスでは、公立高校の普通科を受験する場合の併願校選びのポイント、先輩たちがどのような併願校を選んできたかのデータをご紹介します。データは、2015〜2017年度分の「統一模試」の合否追跡調査から判明したものです。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の順にご紹介します。

  • データは「統一模試」(㈱エデュケーショナルネットワークが提供している塾内模試)の結果をもとに、独自に集計したものです。
  • 学校名、課程名は2017年度のもので、略称も含みます。
  • 各校ごとの私国立高校併願校を、合否に関わらず件数の多い順に掲載しています。
  • 公立高校の方が志望順位が高い場合、私国立高校の方が志望順位が高い場合のどちらも含めます。
  • 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の公立高校普通科のデータを掲載していますが、合否追跡調査にご協力いただいた件数がわずかだった学校については掲載していません。

東京都

都立高校には、7つの進学指導重点校があります。また、学年制普通科と単位制普通科の制度の違いもあります。ここでは、公立大学や難関私大進学を目標とする1.進学指導重点校・単位制の最上位校と、2.公立普通科上位校に分けて、併願校選びの傾向をご紹介します。

1.進学指導重点校・単位制の最上位校

進学指導重点校は、日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立の7校です。

この中で青山は、以前はおしゃれな雰囲気を高校選びのポイントにしていて、併願校に青山学院を選ぶ受験生が多かったのですが、この1〜2年で国立大学や早稲田系、中央大学系、その他の大学附属校を選ぶケースも多くなってきました。受験生の併願校選びの視点が、日比谷や戸山と近くなってきたようです。

また八王子東は、地元の受験生が多数派という地域に根ざした学校で、併願校には早慶の附属校があまり出てきません。併願校1位の帝京大学、併願校2位の八王子学園ともに、同じ八王子市の高校です。同様に、立川と国立の併願校には拓殖大第一が見られますが、これは同じ多摩地区の学校であることが理由でしょう。

単位制で特筆すべきは新宿。新宿高島屋の向かいという抜群の立地で、大変人気がある高校です。以前は早慶との併願はあまり多くなく、GMARCHの附属校と私立の進学校(最難関レベルは除く)が併願校の中心でしたが、最近は早慶との併願が増え始めています。

また、同じく単位制の国分寺も多摩地区で非常に人気がある高校ですが、地域に根ざした学校であり、多摩地区の錦城、拓殖大第一、八王子学園などの進学校が併願校に選ばれることが多くなっています。

2.公立普通科上位校

地域や学力レベルによって、さまざまな併願校が選ばれています。

おしゃれな雰囲気で人気が高い三田、小山台、駒場には、遠方・多方面から通う生徒がたくさんいます。そのため、広範囲の学校が併願校に選ばれています。

その他の高校で併願校に選ばれやすい高校には、ある特徴があります。“校風や教育方針があまり独特ではなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”ことです。北園の併願校として選ばれている淑徳巣鴨や桜丘などはまさにそのパターンです。

神奈川県

神奈川県の公立高校で最難関校として際立った存在なのは、横浜翠嵐と湘南の2校です。ここでは、1.横浜翠嵐と湘南2.旧学区トップレベル校3.公立普通科上位校に分けて、併願校選びの傾向をご紹介します。

1.横浜翠嵐と湘南

神奈川県の公立高校の中で突出した学力レベルである両校の併願校には、早慶の附属校、国立のお茶の水女子大附、国立の東京学芸大附属の名前が見られます。神奈川県の公立高校としては非常にめずらしいケースです。両校に挑む受験生は、徹底的に最難関進学校を受験する傾向が強いといえるでしょう。

2.旧学区トップレベル校

このグループの高校は、川和、希望ヶ丘、横浜平沼、光陵、柏陽、多摩、相模原、鎌倉、茅ヶ崎北陵、厚木の10校です。これらの高校の併願校には国立が選ばれることもありますが、むしろ附属校志向が強くなっています。グループ内で比較的学力レベルが上位の学校では早慶の附属校が、それ以外ではGMARCHの附属校が選ばれる傾向があります。また、前述の横浜翠嵐や湘南のように首都圏最難関レベルの高校を選ぶよりも、地元で定評がある進学校を選ぶケースが多くなっています。

3.公立普通科上位校

東京都と同様に、“校風や教育方針があまり独特ではなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”高校が選ばれやすい傾向があります。東急・小田急沿線の高校の併願校には都内の高校の名前もよく見られますが、これは互いに通いやすいことが理由でしょう。一方で横浜市内のJRや京急、相鉄などの沿線の高校の併願校は、横浜市内や横浜周辺の高校がほとんどになっています。

千葉

千葉県の公立高校の中で、県立千葉、県立船橋、県立東葛飾の3校は御三家と呼ばれていて、難度が突出しています。ここでは、1.御三家2.公立普通科上位校に分けて、併願校の傾向をご紹介します。

1.御三家(県立千葉、県立船橋、県立東葛飾)

千葉県の公立高校の中でトップレベルの3校です。併願校には、市川、昭和学院秀英、日大習志野など、県内の上位の私立高校が選ばれています。最難関校の県立千葉では渋谷学園幕張も選ばれますが、県立船橋、県立東葛飾では渋谷学園幕張は少し敬遠されているようです。また、都内の早慶附属校、国立の高校などの最難関進学校の名前も見られます。

2.公立普通科上位校

東京都、神奈川県と同様に、“校風や教育方針があまり独特ではなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”高校が選ばれやすい傾向があります。

地域別に見ると、千葉市内では千葉敬愛、千葉商科大、敬愛学園、昭和学院が、松戸や船橋地区では千葉商科大、東京学館浦安、昭和学院が、常磐線沿線では、芝浦工大柏、専修大松戸、麗澤、二松学舎柏、流通経済大柏がよく選ばれています。佐倉や成田の方では地元の高校を併願することが多く、伝統的に成田高校がよく選ばれています。他に、八千代松陰、千葉英和、東京学館などの名前も見られます。佐原や銚子方面などでは敬愛八日市場や鹿島学園が、内房の方では木更津の拓殖大紅陵や志学館などが定番となっています。

埼玉

埼玉県は東京都、神奈川県、千葉県と比べて公立志向が強い地域です。公立の男子校・女子校があるのも大きな特徴です。

公立高校の中で難度が突出しているのは、男子校の県立浦和と女子校の浦和第一女子です。ここでは、1.県立浦和と浦和第一女子2.公立トップレベル校3.公立普通科上位校に分けて、併願校の傾向をご紹介します。

1.県立浦和と浦和第一女子

両校の併願校には、早慶の附属校や最難関進学校が名を連ねています。地域の中では、栄東や開智が選ばれています。

2.公立トップレベル校

このグループの高校は、春日部、川越、川越女子、市立浦和、大宮、蕨、所沢北、越谷北の8校です。併願校には早慶の附属校や国立高校、GMARCHの附属校も選ばれていますが、東京志向は少し薄まっており、栄東、開智、川越東など県内の進学校を選ぶケースがよく見られます。

地域別に見ると、西部地区では西武文理、城西川越、狭山ヶ丘が、南部地区では大宮開成が、東部地区では獨協埼玉や春日部共栄、昌平などがよく選ばれています。

3.公立普通科上位校

東京都、神奈川県、千葉県と同様に、“校風や教育方針があまり独特ではなく、複数のコースを持っていて、募集定員が多い”高校が選ばれやすい傾向があります。

また、埼玉県全体の傾向として、南部地区のさいたま市に全県から「ひと・もの」が流入しており、併願校選びにおいても南部地区の高校の人気が高くなっています。

南部地区では、地域内の高校がよく併願校に選ばれています。代表的な私立併願校には、大宮開成、武南、浦和学院、浦和実業、埼玉栄、栄北、国際学院がありますが、受験生は自分の学力に応じた高校とコースをそれぞれ選んでいます。併願状況はパターン化していて、ここに挙げた私立以外はほとんど登場しません。

大宮以北でも同様に、国際学院や秀明英光といった地区内の私立併願校よりも、南部地区の高校を併願するケースが増えてきています。

草加、越谷、春日部など東武スカイツリーライン沿線の東部地区でも、人気の南部地区の私立高校を併願校として選ぶケースが多くなっています。さらに、第一希望の公立高校選びにおいても、南部地区の高校を選択することが増えています。東部地区内の私立併願校としては、獨協埼玉、春日部共栄、昌平などがありますが、南部地区人気におされ、以前よりも選ばれることが減っています。

西武池袋線、東武東上線、西武新宿線あたりの西部地区でも、東部地区と同様の事態がおこっています。西部地区内の私立併願校には、西武文理、狭山ヶ丘、聖望学園、山村学園、山村国際など比較的有名な高校があるのですが、これらを選ばずに南部地区の高校を併願するケースも増えています。

北部地区は少し情勢が異なります。南部地区の大宮近辺の高校を併願先に選ぶケースも少なくはありませんが、入りやすい高校を中心にして、併願をほとんど考えない受験生も増えてきています。地域の私立併願校としては、本庄・深谷地区の本庄東、本庄第一、東京成徳大深谷、正智深谷など選ばれています。少し西の方で、東京農大第三、武蔵越生、大妻嵐山、埼玉平成を選ぶケースもあります。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

一覧に戻る

ページトップ