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2017年4月号 2017年首都圏入試を振り返る

2017年4月号 2017年首都圏入試を振り返る

2017年の高校入試が終了しました。今回は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の公立・私立の入試状況の振り返りをご紹介します。各都県の高校の詳しい応募者数や受験者数、応募倍率、実質倍率等については、添付のPDFをご覧ください。

コラム:神奈川県の慶應義塾高校の入試日程移動について

東京都立高校(推薦入試)

1.全体の状況

推薦入試の募集定員は9,097名で昨年より27名減、応募者数は27,305名で昨年より337名減でした。応募者数は3年連続の減少で、推薦の人気は下がってきているようです。応募倍率は3.00倍で、昨年の3.03倍より0.03ポイント下がりました。

2.応募倍率が高かった高校(学年制普通科)

学年制普通科の応募倍率上位10校をご紹介します。推薦入試は一般入試と比べて、志望校選びに妥協が少ないため、実際に受験生が行きたいと思う人気校を反映しているといえるでしょう。

推薦入試の応募倍率が高かった都立高校(学年制普通科、2015〜2017年)
推薦入試の応募倍率が高かった都立高校(学年制普通科、2015〜2017年)

学年制普通科の男子は、全体的には例年の人気校が高倍率となっていましたが、竹早、足立西、紅葉川は、近年見られなかった高倍率になりました。一方で、2016年に登場した進学指導重点校である青山と国立は姿を消し、2017年は進学指導重点校が1校も登場しない結果になりました。これは、難関校を希望しない男子の都立志向が高くなり、2番手校や中堅校の応募者が増えた結果でしょう。

女子は、おしゃれな雰囲気がある青山が今年もトップで、別格的人気です。他の上位校も高い人気が続いているところが多くなっています。女子は2番手校や中堅校に人気が集中する傾向があり、今年もそのような結果となりました。

3.応募倍率が高かった高校(単位制他)

単位制他(単位制、コース制、専門学科、昼夜間定時制)の応募倍率上位10校をご紹介します。

推薦入試の応募倍率が高かった都立高校(単位制他、2015〜2017年)
推薦入試の応募倍率が高かった都立高校(単位制他、2015〜2017年)

このグループは募集定員が少なく、少しの応募者数の変動で倍率が大きく変わります。よって、上位10校に登場する顔ぶれは変化することが多いのですが、新宿、総合芸術・舞台表現、総合芸術・美術、大泉桜、園芸・動物などは高い人気を維持し、高倍率の常連校となっています。

東京都立高校(一般入試)

1.全体の状況

東京都では2016年に入試制度改革が行われ、内申点の実技科目の比重が高くなり、進学指導重点校の多くで行われていた、内申点が必要ない特別選考が撤廃されました。2017年はこの改革が浸透し、トップレベル校の受験生が全体的に減りました。これは、「内申点が足りていなくても入試の成績にかける」といった受験が減ったためだと考えられます。

都立高校を志望した受験生は、男女ともに2016年より増加しました。特に男子で、上位校や中堅校をめざす都立志向の高まりが見られました。

全日制高校の募集定員は31,995名で昨年より53名増、志願変更後の応募者総数は48,152名で昨年より33名増でした。応募倍率は昨年を若干下回る1.50倍でした。受験者総数は昨年より96名多い45,509名、合格者総数は昨年より4名多い32,030名で、実質倍率は昨年と同じ1.42倍でした。多数の不合格者が出ています。

2.応募者が多かった高校

以下の表は、学年制普通科と単位制他(単位制、コース制、専門学科、昼夜間定時制)の、応募者数上位10校です。

応募者が多かった都立高校(学年制普通科、2016・2017年)
応募者が多かった都立高校(学年制普通科、2016・2017年)
*多摩科技→多摩科学技術

学年制普通科の男子では、日比谷、青山、戸山、西、文京、豊多摩といった高校が高い人気を維持しています。また、ここ数年は進学指導重点校志向が強く、2015年は1〜6位を、2016年は1〜4位を進学指導重点校が占めていましたが、今年は進学指導重点校ではない高校が上位に上がってきました。これは、前述の通り内申点が重視される改革が行われたため、進学指導重点校から私立の難関校などに流れる生徒が増えたことが原因でしょう。

学年制普通科の女子は、元々進学指導重点校志向が男子より弱く、こうした学校が内申点を重視するようになった影響も多少はありますが男子ほどは強くありません。人気校は固定化しています。

単位制他では、新宿がトップを維持しています。やはり人気校は固定化しています。

3.応募倍率が高かった高校

下の表は、学年制普通科と単位制他(単位制、コース制、専門学科、昼夜間定時制)の、応募倍率上位10校です。

応募倍率が高かった都立高校(単位制他、2016・2017年)
応募倍率が高かった都立高校(単位制他、2016・2017年)
* 拓真一般枠→八王子拓真一般枠、瑞穂・畜産→瑞穂農芸・畜産科学、小平・外→小平・外国語、
深川・外→深川・外国語、桑志・システム→八王子桑志・システム情報、
芸術・舞台→総合芸術・舞台表現、芸術・音楽→総合芸術・音楽、芸術・美術→総合芸術・美術、
多摩科技→多摩科学技術

学年制普通科の男子は従来、進学指導重点校とエンカレッジスクールが上位を占めていましたが、2014年から2番手・3番手の上位校が増えてきました。進学指導重点校は毎年3~5校入っていましたが、今年は2位の日比谷と10位の青山の2校のみです。内申点に不安のある受験生が私立に流れたのでしょう。応募倍率の上昇が目立ったのは、中高一貫校の富士、北園、文京、竹早などでした。

学年制普通科の女子は、2014年以来、広尾のトップが続いています。女子は元々進学指導重点校よりも2番手校や中堅校が高倍率になる傾向が強く、人気は固定しています。特徴的だったのは、エンカレッジスクールが1校も登場していないことです。絶対に都立と考え、自分の成績よりも1ランク下げて受験をする動きが少し変わったのかもしれません。

単位制その他の2017年のトップは園芸・動物でした。ペットブームで、ペットに関わる仕事を考える女子生徒に人気です。他、例年人気が高い高校が上位に名を連ねていました。

神奈川県公立高校

1.全体の状況

2017年は、神奈川県立高校の再編が本格的に動き出した年です。多くの高校でコースや学科の改編・統合が行われ、入試情勢が読みにくい状況でした。そういった状況を嫌ってか、公立高校を希望する割合は男女ともにやや減少しました。

全日制高校の募集定員は43,593名で昨年より157名減、志願変更後の最終応募者数は52,892名、応募倍率は1.21倍で、昨年の1.22倍よりわずかに下がりました。受験者数は51,110名で、昨年よりも700名近く減っています。合格者総数は43,476名でした。

2.応募者が多かった高校(普通科)

普通科の応募者数上位10校は以下の通りです。

応募者が多かった神奈川県公立高校(普通科、2015〜2017年)
応募倍率が高かった都立高校(単位制他、2016・2017年)
※ 単位制や昼間部定時制(定時制の場合は共通選抜)を含み、クリエイティブスクールを除く。

横浜翠嵐は、2013年から連続してトップを維持しています。トップ10の7割は固定人気です。3位の元石川は昨年12位で、応募者の増加が目立っています。霧が丘と荏田も、トップ10圏外からの登場で、荏田はコース制を取りやめたこともありますが、応募者の増加が目立っています。

一方、2015年、2016年と登場していた湘南が、2017年は表から姿を消し、11位となりました。今年は受験生の動きが少し変わったのかもしれません。

3.応募倍率が高かった高校(普通科)

続いて、応募倍率上位10校をご紹介します。

応募倍率が高かった神奈川県公立高校(普通科、2015〜2017年)
応募倍率が高かった神奈川県公立高校(普通科、2015〜2017年)

応募倍率も、2013年以降横浜翠嵐がトップです。3位の多摩と5位の川和、9位の市立桜丘も連続して表に登場しています。他、新城、横浜緑ヶ丘、柏陽、市立金沢、市ヶ尾も高水準の倍率で、人気は固定しているといえます。

前後期選抜が一本化された2013年と2014年は安全志向が目立ち、応募倍率上位校には、トップレベル校の他、入りやすい高校も入っていました。これは、「絶対に公立」と考える受験生が入りやすい高校に集中したためです。しかし、この傾向は2015年から変わってきて、トップ校と2番手校が上位を占めるようになりました。「絶対に公立」という傾向が弱まり、面倒見のよさに惹かれて私立を選択する受験生が増えたのだと考えられます。

4.応募倍率が高かった高校(コース制他)

次に、コース制や専門学科、総合学科などの応募倍率上位10校をご紹介します。

応募倍率が高かった神奈川県公立高校(コース制他、2015〜2017年)
応募倍率が高かった神奈川県公立高校(コース制他、2015〜2017年)
※ 応募定員が極小の帰国生枠は含まない。
* サイエンスフロンティア→市立横浜サイエンスフロンティア、
市立横浜商業・Sマネジメント→市立横浜商業・スポーツマネジメント

県立高校再編の影響で、登場校・課程に変化が見られます。3年連続で表に登場している市立橘・国際、市立横浜サイエンスフロンティア、2年連続で表に登場している市立橘・スポーツ以外の7校・課程は、この3年間で初めての登場です。

また、昨年までなかった総合学科が登場しています。今後は、総合学科が表の常連になるかもしれません。主流は芸術系やスポーツ系、普通科カラーが強い理数系・国際系ですが、注目したいのは5位の中央農業・畜産科学です。ここ数年、実業系の学校・課程の応募倍率はそれほど高くなかったので、これは珍しいことです。

5.定員割れについて

2017年の大きな特徴といえるのが、定員割れした高校の増加です。全日制高校の定員割れは、18校20学科・コースとなりました(帰国枠、連携枠を除く)

クリエイティブスクールでは、田奈、釜利谷、大楠、今年から転換した大井の4校が定員割れとなりました。クリエイティブスクールの人気低下が見受けられます。総合学科では、麻生総合、専門学科では弥栄・美術、神奈川工業・機械、同・電気、藤沢工科、相原・総合ビジネス、二俣川看護福祉・福祉、市立川崎・福祉、同・昼間定時制が定員割れしました。

さらに2017年は、全日制普通科の定員割れが多く見られました。昨年、大楠が110名もの大量の定員割れになりましたが、これは例外です。定員割れとなったのは、瀬谷西、保土ヶ谷、永谷、寒川、大和南、城山、津久井で、これだけの学校数が定員割れするのはめずらしいことです。

以前は、経済的な理由などから絶対公立と考える受験生が入りやすい高校に集中する現象が見られ、クリエイティブスクールや昼間定時制高校の新設が行われてきました。2014年までは、こういった学校が定員割れになるケースはまずありませんでした。しかし、様相が変わってきています。2013年の前後期一本化でクリエイティブスクールの人気に陰りが出始め、昼間定時制も定員割れするケースが増えてきました。

2017年は、この流れが全日制普通科にも拡大してきたといえます。高校再編の影響で公立を避ける動きもあいまって、入りやすい公立高校の人気は下がり、学費の助成・補助が拡充してきて面倒見のよい私立を選ぶ受験生が増えています。

千葉県公立高校(前期)

1.全体の状況

千葉県では、進路希望調査での公立高校希望率が2013年から低下していましたが、2017年は上がりました。これは、2017年に目立った改革がなかったためだと思われます。例えば、昨年は専門系の学校は後期選抜を行わなくてもよいことになりましたが、このような改革の初年時は、前例がないことを懸念して公立高校を避ける傾向が見られます。

1〜4学区、5〜9学区では状況が異なります。人口減少が激しい5〜9学区では、入試情勢が沈静化し、普通科系の専門コースが浸透しにくくなっています。反対に1〜4学区では、理数や英語といった普通科系の専門コースの人気が上がっています。

全日制高校の募集定員は22,706名で昨年より46名減、応募者数は39,829名で昨年より114名増、応募倍率は昨年同様の1.75倍でした。

2.応募者数と応募倍率上位の千葉県公立高校(全日制普通科)

全日制普通科の応募者数と応募倍率の上位10校は以下の通りです。

前期選抜の応募者数が多かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)
前期選抜の応募者数が多かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)

前期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)
前期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)

応募者数は、学校の規模が大きい幕張総合が例年通りトップです。4位の磯辺、8位の津田沼、10位の市立千葉は、昨年はトップ10に入っていませんでしたが、応募者が増加して表に登場しています。全体的に人気校は固定化している傾向です。

応募倍率のトップは県船橋で、一昨年、昨年に続いてトップ、2位は昨年に続いて県千葉です。3位の松戸国際は昨年10位から上昇していて、難化しています。市立千葉、磯辺、薬園台、幕張総合は、昨年はトップ10に登場していませんでしたが、2017年は倍率上昇が目立ちました。

3.応募者数と応募倍率上位の千葉県公立高校(コース制他)

専門学科、コース、総合学科や昼間定時制などの応募倍率上位校です。

前期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(コース制他、2016・2017年)
前期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(コース制他、2016・2017年)
* 袖ケ浦・情報コミュ→袖ケ浦・情報コミュニケーション

2017年は県船橋がトップでした。人気が上がっており、倍率は3倍を超えました。2位は昨年総合学科に転換した小金です。小金のような上位校が総合学科になるのはめずらしいことですが、同校は“進学重視型総合学科”として、国公立大学や主要大学合格を目指した学びを取り入れていて、人気が上がっています。

さて、4位は昼間定時制の生浜・午後部で、トップ10に登場するのは珍しいことです。昼間定時制は、全日制感覚で通う生徒が多いため人気が上がったのでしょう。専門学科や総合学科のランキングですが、今年も上位は実業系ではなく、普通科色の強い学校、課程が占めています。

千葉県公立高校(後期)

1.全体の状況

昨年から専門学科等は前期の募集を100%にして、後期選抜を行わなくてもよいことになりました。その結果、後期の募集定員は11,574名と、昨年より59名減っています。

志願変更後の確定応募者数は16,619名で昨年より26名増、応募倍率も昨年の1.42倍から1.44倍に上がりました。受験者総数は16,608名で欠席は11名と、昨年の50名から大きく減りました。全日制の合格者数は11,467名で昨年より97名減、不合格者は5,141名と2014〜2016年の4,900名台より増え、厳しい入試となりました。

一方で、大原、館山総合・海洋、関宿、上総・普通、君津青葉、鶴舞桜が丘・総合ビジネス、市原などは大きな定員割れを起こしました。前期の募集のみとした高校・課程のうち13校18学科でも定員割れが起こり、後期を実施する事になりました。

2.応募者数と応募倍率上位の千葉県公立高校(全日制普通科)

下の表は、全日制普通科の応募者数と応募倍率上位10校を示したものです。

後期選抜の応募者数が多かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)
後期選抜の応募者数が多かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)

後期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)
後期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(全日制普通科、2016・2017年)

応募者数は前期と同様、学校の規模が大きい幕張総合がトップです。2位の県船橋は人気が上がっています。全体的には前期で上位の学校が後期も上位に来るケースが多く、人気校は固定化しています。

応募倍率トップは、昨年の4位から上がった県千葉です。応募者が増えて倍率も上がりました。2位の県船橋、3位の佐倉、4位の薬園台、8位の東葛飾は昨年に続いて登場です。その他の高校は、今年応募者が増えて倍率が上がりました。

3.応募倍率が高かった高校(コース制他)

続いて、専門学科、総合学科、コース制や昼間定時制の応募倍率上位校です。

後期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(コース制他、2016・2017年)
後期選抜の応募倍率が高かった千葉県公立高校(コース制他、2016・2017年)

このグループの高校では後期の募集枠をなくしてもよいことになったため、定員が1桁というような小規模な入試は大きく減りました。結果、トップ10の学校や倍率水準が大きく変わっています。

注目したいのは6位の小金です。昨年、普通科から総合学科に転換しましたが、他の総合学科各校とは異なり、転換後も進学重視をアピールしていて、後期定員も128名と全日制普通科並みの規模です。順位は昨年と変わりませんが、人気が上がって応募者は増加、今年は2倍を超える応募倍率になりました。

4.第5〜9学区の現状について

第5~第9学区では、理数科や国際系学科の低倍率が目立っています。第9学区の木更津高校は2016年にスーパーサイエンスハイスクールに指定され、今年理数科が新設されました。しかし前期の応募倍率は1.23倍と低め、後期の応募倍率は0.55倍で定員割れとなりました。浸透が不十分な上、地域的にこうした普通科系上位学科の認知度が不十分なのかもしれません。例えば市立銚子のように、普通・理数をくくり募集にする、といった対応も考えないと、せっかくの普通科系の専門学科が生かされないのかもしれません。

埼玉県公立高校

1.全体の状況

1月に実施された埼玉県の中3生進路希望調査では、全日制公立高校の希望者数がやや減って、県内私立高校の希望者は少し増えました。

全日制の公立高校の当初の募集定員は39,361名と、昨年より40名増えました。しかし、志願変更後の最終応募者数は46,619名で昨年より361名減少、受験者総数は46,543名で昨年より362名減、合格者総数は39,215名で昨年より131名減、応募倍率も昨年の1.20倍から1.19倍に下がりました。

今年から入試が一部変更され、理科・社会は時間が延長されたほか、難関・上位校では難度の高い学校選択問題が実施されましたが(詳しくは2016年10月号参照)、こうしたことも受験生が公立高校入試に不安を持ち、私立に流れた要因の1つだと思われます。

2.応募者が多かった高校

普通科と総合学科、専門学科、コース制等それぞれの応募者数上位10校をご紹介します。

応募者が多かった埼玉県公立高校(2016・2017年)
応募者が多かった埼玉県公立高校(2016・2017年)

普通科では例年通り、規模が大きい伊奈学園がトップです。2位の浦和西、3位の川越南、5位の浦和第一女子、6位の川越女子は昨年も登場しており、昨年は表になかった4位の与野、7位の蕨、8位の所沢北、9位の春日部、10位の所沢も、元々人気が高い学校です。全体的に上位校は固定化しています。

総合学科、専門学科、コース制等では、1~4位が昨年と全く同じです。普通科以上に登場校が固定化しています。

3.応募倍率が高かった高校

普通科と総合学科、専門学科、コース制等それぞれの応募倍率上位10校をご紹介します。

応募倍率が高かった埼玉県公立高校(2016・2017年)
応募倍率が高かった埼玉県公立高校(2016・2017年)
* 越谷総技→越谷総合技術

普通科のトップは2014年から4年連続で市立浦和です。2位の蕨、5位の浦和西、7位の川越南は昨年も登場しています。昨年は登場しなかった所沢北、市立県陽、市立川越、市立浦和南、南稜も、元々高い人気の学校で、やはり上位校の固定化がみられます。

総合学科、専門学科、コース制等では、大宮・理数がトップを長いこと維持しています。2位の市立大宮北・理数、3位の所沢北、4位の松山・理数、同率7位の南稜・外国語と越谷北・理数、10位の蕨・外国語は、倍率が変動しやすいこのグループの中で、固定の人気です。上位は、理数や外国語など普通科系の学科・コースが中心で、実業系はあまり登場しません。

4.学校選択問題の影響

前述の通り、難関・上位校では、2017年から学校選択問題を実施しました。

実施校

浦和、浦和第一女子、浦和西、大宮(普通・理数とも)、春日部、川口北、川越、川越女子、川越南、熊谷、熊谷女子、熊谷西(普通・理数とも)、越ヶ谷、越谷北(普通・理数とも)、所沢、所沢北(普通・理数とも)、不動岡(普通・外国語とも)、和光国際(普通・外国語とも)、蕨(普通・外国語とも)、市立浦和

以下のグラフは、学校選択問題実施校の募集定員と応募者数の推移です。

学校選択問題実施校の募集定員と応募者数の推移
学校選択問題実施校の募集定員と応募者数の推移

2017年は例年よりも応募者数が減っていることがわかります。どのくらいの受験生が志望先を変えたのか、正確に掴むことは困難ですが、少なくとも300名程度は学校選択問題を避けたのではないかと考えられます。

東京都私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

東京都私立高校の応募者数(2015〜2017年)
東京都私立高校の応募者数(2015〜2017年)
※ 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。
※ 昨年度の数値は、昨年の速報以後の判明分、修正分を反映させています。
※ 神奈川県対応の書類選考型入試は、正式には一般入試の扱いですが、学力試験が行われないこと
もあり、併願可能な入試も含め、ここでは推薦に含んでいます。

応募者総数は約107,000名で、ほぼ昨年並みで、多摩地区では微減、23区は微増です。

男子校と女子校は23区、多摩地区ともに応募総数が減少、男女校は23区は昨年を上回り、多摩地区は減っています。女子校の減少は、首都圏全体の動きとして女子校の人気が低下しているためです。男子校の減少は、神奈川県の慶應義塾が2月12日だった入試を10日に移したため、難関校、上位校を中心に併願の組み方が変わった影響です。

2.学校別の状況

項目別に、特に応募者数が増えた学校、難関・有名校、特筆事項がある学校などについて、ご紹介します。

〈23区・男子校〉
  • 開成:応募者数が15%強減っています。慶應義塾が2月10日に日程を移し、併願ができなくなったためです。合格者はやや絞っていますが、合格最低点はやや下がっています。
  • 本郷:昨年並みの応募者数です。一般入試が2月11日なので、慶應義塾の影響は受けていません。推薦は合格最低点がやや下がっていますが、一般入試は昨年並みでした。
  • 城北:昨年推薦入試を新設し、今年は浸透が進んだようで推薦の応募者数が少し増えています。一般入試は2月11日なので慶應義塾の影響はなく、昨年並みの応募者数です。推薦は合格最低点がやや下がっていますが、一般入試は昨年並みでした。
  • 早大学院:応募者数が少し増えています。一般入試は2月11日で、慶應義塾の直接の影響はありませんが、押さえの学校の設定から10日の慶應義塾の受験を諦めた受験生が流れ込んだのかもしれません。実質倍率も上がっていますが、すでに高難度ですから、難度はあまり変わっていないようです。
  • 明大中野:応募者数が増えました。2月12日が一般入試で、慶應義塾が12日から10日に移ったため、新たな受験者層を獲得したようです。併願受験生が多くなることを見越したのか、昨年より合格者を少し増やしていて、合格最低点は昨年と変わらない水準でした。
  • 学習院:一般入試が2月14日で、慶應義塾の影響は見られません。小規模な入試で合格最低点は昨年並みです。
  • 日大豊山:昨年に続いて応募者数の増加が目立ちます。昨年はコース制の明確化や一般入試の増設が理由でしたが、今年はこの改革がさらに浸透したようです。一般入試の合格最低点は上がり、難化したようです。
  • 正則学園:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっているようです。併願受験生も多く、難度には変化がなかったようです。
〈23区・女子校〉
  • 慶應女子:昨年は応募者数が増え、今年はその反動で推薦、一般とも減っています。難度は今年も高水準でした。
  • 日大豊山女子:応募者数が大幅に増えました。理数・普通の2コースに加え、今年から特進Sクラスを新設し、入試の機会が増えたことが理由です。理数と普通は昨年とあまり変わらない難度、新設の特進は理数と普通の中間より少し上の難度になったようです。
  • 豊島岡女子:今年は隔年現象で応募者数が増えるはずでしたが、減少が目立ちました。高難度でやや敬遠されたのかもしれません。合格最低点は推薦、一般ともやや下がっています。
  • 江戸川女子:一昨年、昨年と応募者数が増えていましたが、今年は昨年並みで人気が一段落しています。一般入試の合格最低点は昨年並みでした。
  • 十文字:昨年まで応募者数が増えていましたが、今年はやや減って人気が一段落しています。各クラスとも合格最低点は昨年並みでした。
  • 安部学院:応募者数の増加が目立ち、人気が上向いています。各コースとも難度に変化はなかったようです。
  • 京華女子:今年は隔年現象で減少するはずの年でしたが、応募者数の増加が目立ちました。一般入試の合格最低点は少し下がった回次も見られました。
  • トキワ松:応募者数の増加が目立ち、人気が上向いています。各コースとも難度に変化はなかったようです。
〈23区・男女校〉

数が多いため、①今年共学化した2校→②内部進学率が高い大学附属校(概ね4割以上)→③進学校・内部進学率がそれほど高くない大学附属校(中央線・総武線の北側)→④進学校・内部進学率がそれほど高くない大学附属校(中央線・総武線の南側)の順でご紹介します。

① 今年共学化した2校

  • 芝浦工大附属:板橋から豊洲に校舎を移転し、女子クラスを新設、女子募集を開始しました。女子は、推薦・一般合計27名が応募、不合格も出ています。男子は、共学志向の応募者が集まり、応募者数が増えています。女子は昨年の男子並みの難度、男子はやや難化したようです。
  • 新渡戸文化:男子募集を開始。推薦・一般合計18名の男子の応募者があり、不合格も若干出ています。女子の応募者数は同校としては大きく増えましたが、元々小規模な入試です。難度は、男女とも昨年の女子並みだったようです。

② 内部進学率が高い大学附属校(概ね4割以上)

  • 青山学院:一昨年から応募者数増加が続いて人気が上がっています。例年の一般入試日である2月12日が日曜日だったため、11日に入試を行いました。このため、慶應義塾の日程移動の影響を受けず、一般入試は応募者数が少し増えました。難度は昨年並みでしょう。
  • 中大杉並:一昨年、昨年と応募者数が少しずつ増えていましたが、今年は少し減っています。減ったのは一般入試の男子が中心で、これは慶應義塾の日程移動の影響です。一般入試の合格最低点は少し下がっています。
  • 中央大学:応募者数が少し減っています。一般入試の男子が減っていますが、入試は2月11日ですから慶應義塾の影響ではなく、むしろ青山学院などに受験生が流れたのかもしれません。一般入試の合格最低点は昨年並みでした。
  • 明治学院:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。慶應義塾の影響は見られません。合格者は昨年並みの人数なので、少し難化したようです。
  • 駒澤大学:応募者数は昨年並みです。一般入試がやや減って、推薦と併願優遇がその分増えています。難度に変化はなかったようです。
  • 専修大附属:男女とも、推薦、一般どちらも昨年並みの応募者数、難度でした。
  • 東海大高輪台:昨年まで応募者数の小幅な減少が続いていましたが、今年は少し増加しました。一般入試の男子が増加の中心です。合格最低点はかなり上がっていて、難化したかもしれません。
  • 国士舘:応募者数が大幅に増加して人気が上がっています。増加の中心は女子です。合格最低点は各回とも昨年並みでした。
  • 日大第二:応募者数が増え、特に一般入試の増加が目立ちます。ただし、合格最低点は少し下がり、やや入りやすくなったかもしれません。
  • 日大第一:応募者数が増え、人気は上向きです。特に男子の増加が大きくなっています。合格最低点は昨年並みでした。
  • 日大櫻丘:応募者数が増えています。他大学受験と日大医学部進学を目指す特別進学Sクラスを新設したからでしょう。合格最低点は一括の発表で、昨年並みでした。
  • 日大鶴ヶ丘: 23区内の日大系で唯一応募者数が減りました。特に女子の減少が目立ちます。他大学進学を目指す特進コースがありますが、日大櫻丘も今年から同じ方向性をとったため、受験生の一部が日大櫻丘に流れたようです。難度面ではあまり変化がなかったようです。

③ 進学校・内部進学率がそれほど高くない大学附属校(中央線・総武線の北側)

  • 郁文館:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。合格最低点は概ね昨年並みです。
  • 郁文館グローバル:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。合格最低点は概ね昨年並みです。
  • 駒込:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。昨年の国際教養コースに続き、今年は理系先進コースを新設、アドバンスコースをアドバンス本科コースとしました。こうした施策が応募者増加につながっています。理系先進は国際教養並みの難度だったようで、他のコースは昨年並みでした。
  • 淑徳巣鴨:応募者数の増加が目立ちました。選抜プレミアムコース新設の影響もありますが、昨年夏からのいろいろな相談会に多くの受験生が詰めかけていて、好感度が上がった結果です。合格最低点は、推薦入試がやや上がり、一般Ⅰ期は昨年並み、Ⅱ期はやや下がっています。入試問題の難易度が少し変わったようですが、全体のレベルから見た難度は各コースともあまり変わっていないようです。
  • 武蔵野:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。難度に特に変化は見られません。
  • 目白研心:応募者数の増加が目立ちました。特進、選抜、スーパーイングリッシュの3コース制で、スーパーイングリッシュコースの難度は昨年並みだったようです。特進と選抜は少し下がっていて、やや入りやすくなったかもしれません。

④ 進学校・内部進学率がそれほど高くない大学附属校(中央線・総武線の南側)

  • 國學院:男女ともに応募者数が大幅に増えています。今年は2月12日に一般入試を増設し、10・11日に上位校に挑戦した受験生が集まったためです。合格最低点は各回とも昨年並みでした。
  • 正則:応募者数の増加が目立ちます。合格最低点は昨年並みです。
  • 日体大荏原:応募者数の増加が目立ちます。すべてのコースで難度は昨年並みだったようです。
  • 國學院久我山:応募者数の増加が目立ちます。男子が増加の中心です。入試が2月12日で、10・11日に上位校に挑戦した受験生が集まりました。合格最低点は、女子(理系のみ募集)がやや下がっていますが、男子は文系理系とも昨年並みでした。
  • 青稜:応募者数の増加が目立ちます。入試相談がある併願受験が男女とも増え、フリー受験は少し減っていますが、合格最低点は上がり少し難化したようです。
  • 宝仙学園共学部:応募者数の増加が目立ちます。同校は学芸大附属中からの受験生が多かった学校ですが、他の中学からの受験も増えてきました。難度はあまり変わっていないようです。
  • 立正大立正:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。今年から一般入試を、国数英の3教科から、国数英・英数理・英国社の選択としましたが、合格最低点は昨年とあまり変わりません。
  • 関東国際:応募者数が大幅に増え、人気が上がっています。増加の中心は外国語科です。早くからグローバル対応を打ち出していて、その点が受験生に支持されたのでしょう。難度は各コースとも昨年並みだったようです。
  • 東京都市大等々力:応募者数は隔年で増減しており、今年は減少が目立ちました。進学校としての評価は上がっています。難度は昨年とあまり変わっていないようです。
  • 三田国際学園:一昨年、戸板女子から共学化して大人気になり、一気に難化しました。昨年、今年と難度が警戒され、応募者数の減少が続いています。今年は、各コースともさらに少し難化したようです。同校によると、併設中学からの内部進学予定者が多いため、2018年度は募集を削減するとのことです。
  • 広尾学園:応募者数の減少が目立ちました。人気に陰りが出たというよりも、難化が進んで敬遠する傾向が出ているのでしょう。一般入試の合格最低点は少し下がりやや入りやすくなっていますが、高難度なので挑戦する受験生は限られています。
  • 東京農大第一:同校も応募者が減っています。やはり難化が進んで敬遠されているのかもしれません。少し入りやすくなったかもしれません。
〈多摩地区男子校・女子校〉
  • 桐朋:応募者数が減っています。これは、神奈川の慶應義塾の入試が2月10日に移り、同日入試の桐朋を併願にできなくなったことが理由です。合格最低点は少し下がり、入りやすくなっています。
  • 立川女子:推薦、一般とも応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。難度はどのコースも昨年並みだったようです。
  • 藤村女子:推薦、一般とも応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。すべてのコースで難度に変化はなかったようです。
〈多摩地区男女校〉
  • 早稲田実業:昨年に続いて応募者数が減っています。特に男子が目立って減ったのは、慶應義塾の入試が2月10日に移り、同日入試の早稲田実業を併願にできなくなった影響です。合格最低点は男女とも上がり、難化しているようですから、慶應義塾に学力上位の学生が流れたわけではないようです。
  • 国際基督教大:2015年以降応募者数は増えていて、高い人気が続いています。難度は昨年並みだったようです。
  • 明大明治:今年は一般入試の男子応募者数が大きく増えました。背景には、入試日が2月12日で、例年同日の入試だった慶應義塾が10日に、青山学院が11日に移った影響もあります。合格最低点は、女子は昨年並みでしたが、男子は上がって難化しています。
  • 明大中野八王子:女子の一般入試の応募者数は昨年並みですが、男子の一般入試の応募者数は減っています。2月11日入試なので、慶應義塾の直接の影響は受けませんが、有名大学附属校志向の受験生に併願のパターンを変えた受験生がいて、その影響があったようです。合格最低点は男女とも上昇しました。
  • 中大附属:女子の一般入試の応募者数は昨年並みですが、男子の一般入試の応募者数は減っています。慶應義塾の入試が2月10日に移り、同日入試の中大附属を併願にできなくなったことが理由です。合格最低点は、男子推薦と女子一般が昨年並み、女子推薦はやや上昇、男子一般は少し低下しています。
  • 法政大学:同日入試となった慶應義塾の影響は見られず、応募者数は昨年とあまり変わっていません。安定した人気です。合格最低点は昨年並み(推薦はやや上昇)でした。
  • 成蹊:同日入試となった慶應義塾の影響は見られず、応募者数は昨年とあまり変わっていません。安定した人気です。合格最低点は少し上がっていて、難化したかもしれません。
  • 明治学院東村山:応募者数は安定していて、慶應義塾の影響はないと考えられます。合格最低点は昨年並みです。
  • 創価:男子の一般入試の応募者数が減っています。同日入試となった慶應義塾の影響かもしれません。難度に目立った変化はなかったようです。
  • 錦城:隔年的な応募者数の増減が見られ、今年は応募者数が減っています。合格最低点は、昨年上がりましたが今年は少し下がっています。
  • 帝京大学:応募者数の増加が目立ちます。難度には特に変化はなかったようです。
  • 東京電機大:応募者数の増加が目立ち、人気が上向いています。合格最低点は、女子は昨年並み、男子は少し上がっています。
  • 大成:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。合格最低点は総じて昨年より上がっていて、少し難化したかもしれません。
  • 聖徳学園:2015年から連続して応募者数が増えています。一昨年に難関特進コースを新設、今年は難関国公立コースに改称し、進学コースも文理進学コースに改称していて、こうした姿勢が支持されたのでしょう。合格最低点は両コースとも昨年並みです。
  • 明星学園:応募者数の増加が目立ちます。昨年、グローバルサイエンスコース(MGS)を新設、在来のコースを本科としました。今年はこういった改革の浸透が進んだようです。合格最低点はMGS、本科とも、入試回次によって昨年との差にバラつきが見られます。
  • 八王子学園:一昨年にコースの大幅な改編を実施、推薦入試を廃止し、昨年はその影響で応募者数が減りましたが、今年は再び受験生の支持を集めて応募者数が増えました。難度はあまり変わっていないようです。
  • 桜美林:今年は推薦入試を廃止しました。こうした施策を行うと応募者数が減るケースが多いのですが、概ね昨年並みでした。神奈川県生向け書類選考を行っていることもあり、影響はなかったようです。合格最低点は各回とも昨年同様です。
  • 日大第三:一昨年、昨年、今年と応募者数はあまり変わらず、安定した人気です。合格最低点も昨年同様でした。

神奈川県私立高校

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

神奈川県私立高校の応募者数(2013〜2017年)
神奈川県私立高校の応募者数(2013〜2017年)
※ 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。

応募者総数は、昨年に比べて減少しています。原因としては、難関・上位の大学附属校志向の受験生が、昨年よりも出願校数を減らしたり都内校に流れたことがあげられます。中でも、慶應義塾が昨年まで2月12日だった入試を10日に移動した影響は大きく、同校だけで600名以上の応募者減少になりました。慶應義塾を目指す受験生は、例年2月10日や11日に押さえや併願校を受験していましたが、入試日の移動で押さえや併願校の選択に困る受験生が多く、結果、慶應義塾を諦めるケースも出ました。

2.学校別の状況

地域別に、特に応募者数が増えた学校や、難関・有名校、特筆事項がある学校などについて、ご紹介します。

〈川崎・横浜地区〉
  • 慶應義塾:入試を2月12日から2月10日に変更した影響で、応募者数が600名以上減少しました。しかし目立って入りやすくなったわけではなく、合格ラインがやや緩和したかどうか、といったところでしょう。
  • 武相:各コースともに応募者数は増加し、人気が上がっています。難度面ではあまり変化はなかったようです。
  • 法政女子:応募者数は昨年に続いて少し減りました。来春から共学化、法政大学国際に校名を改称し国際バカロレアも実施するなど大きく変わる予定で、少し敬遠されたようです。合格最低点も少し下がっています。ただ、来春の入試ではまた違った展開になるでしょう。
  • 法政第二:昨年共学化して大きな話題になりました。応募者数は概ね昨年並みですが、学科入試の男子はやや減っています。昨年、共学化の影響で合格最低点が大幅に上昇したことに驚いた受験関係者も多く、特に男子に少し敬遠ムードが起きたのかもしれません。難度は昨年並みだったようです。
  • 中大附属横浜:昨年は応募者数が増えましたが、今年は減っています。特に女子の減少が目立っています。これまでは、オープン入試の実質倍率が10倍を超えるなど、人気が過熱気味だったので、少し落ち着いてきたようです。難度は昨年とあまり変わっていないようです。
  • 日本大学(日吉):今年は、スーパーグローバル(SG)クラスを新設して、特進、SG、総合進学の3コース制としたほか、スポーツ推薦も実施しました。応募者数は一昨年から増加していましたが、今年は昨年並みで人気は落ち着いてきました。特進と総合進学の難度は昨年並み、SGは従来よりも高い合格最低点となりました。
  • 桐光学園:SAコース・Aコースの2コース制ですが、高校入試では女子部のAコースの募集を停止していました。昨年からは男子部でもAコースの募集をやめています。応募者数は昨年は男女ともに増えていましたが、今年は減っていて特に男子の減少が目立ちます。1回の合格最低点は男女とも低下、2回は男子が少し上がり女子は昨年並みでした。
  • 山手学院:応募者総数はほぼ昨年同様ですが、2月10日のAの男子が少し減って、13日から12日に移ったBは増えています。慶應義塾の影響です。合格最低点は、Aがやや下がりBは昨年並みでした。
  • 横浜商科大:応募者数の増加が目立ちます。コース別では、進学コースの女子の応募が大きく増えています。女子受験生の好感度が上がっているのでしょう。
  • 横浜翠陵:一昨年から応募者数の増加が続き、人気が上がっています。推薦入試の増加が目立っていることから、併願としてではなく、同校を第一志望とする受験生が増えていることがわかります。一般入試では特進コースの増加が目立ち、進学指導の強化に期待する受験生が多いことがうかがわれます。
〈横須賀三浦地区、鎌倉~茅ヶ崎方面〉
  • 藤沢翔陵:昨年に続き応募者数が増えて人気が上がっています。難度面では、各コースとも特に変化はなかったようです。
  • 鎌倉女子大:昨年は応募者数がやや減りましたが、今年は増えています。昨年目立って減った推薦の応募者増加が中心です。
  • 慶應湘南藤沢:昨年に続き応募者数が増えています。増加の中心は帰国生の男子です。入試が2月12日なので、昨年までは慶應義塾との併願ができませんでしたが、今年は併願、あるいは2月10日に押さえの学校を受験して12日の同校を第一志望とした受験生が増えたのでしょう。難度は今年も高水準でした。
  • 日大藤沢:応募者数は昨年とあまり変わらず、安定した人気です。難度はあまり変わっていないようです。
  • 横須賀学院:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。書類選考入試を行っていますが、増加の中心は従来からの筆記試験入試です。
〈県西地区〉
  • 立花学園:昨年は応募者数が少し減りましたが、今年は増えています。進学コースが増加の中心で、地元だけでなく小田急沿線の受験生が集まったのでしょう。難度は昨年と変わっていないようです。
〈相模原・厚木・大和・伊勢原地区〉
  • 相模女子大:応募者数の増加が続いていて、人気が上がっています。増加の中心は進学コースです。推薦の応募者数も増えており、同校を第一志望とする受験生が多くなっていることがわかります。書類選考入試も実施していますが、目立って増えたのは筆記試験入試の応募者です。合格最低点は、進学コースは昨年並み、特進コースは上昇し難化しています。
  • 東海大相模:隔年的に応募者数が増減していましたが、今年は昨年に続く減少です。町田などの他校に受験生が流れているのかもしれません。

千葉県私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

千葉県私立高校の応募者数(2013〜2017年)
千葉県私立高校の応募者数(2013〜2017年)
※ 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。

千葉県内私立高校の応募総数は55,000名を切っていて、昨年より約1,800名、率では3%減少しています。

下のグラフは、受験生1人あたりの私立高校の出願数の推移を示したものです。私立高校の出願数は2014年をピークに下降していて、特に昨年と今年は大きく下がっていることがわかります。今年の平均出願数は1.06でした。

千葉県の公立中学校3年生1人あたりの私立高校出願数の推移
千葉県の公立中学校3年生1人あたりの私立高校出願数の推移

原因は2つあります。1つめは、今年公立志向が上がり、私立を複数校受験するケースが減ったことです。2つめは、東邦大東邦が完全中高一貫化して高校募集を海外帰国生のみに絞ったことや、渋谷幕張と芝浦工大柏が後期入試を廃止したことです。これらの改革により、私立を複数校選んで挑戦受験をしたくても、受験校選択に困る状況が生まれたわけです。

2.学校別の状況

地域別に、特に応募者数が増えた学校や、難関・有名校、特筆事項がある学校などについて、ご紹介します。

〈総武線・京葉線・東葉高速線方面〉
  • 国府台女子:隔年の応募者数の増減が見られる学校で本来は今年は減る年ですが、昨年並みの応募者数で人気は下がっていません。前期は、合格最低点が少し下がっている課程や募集枠が散見されます。少し入りやすくなったのかもしれません。後期の難度は昨年とあまり変わっていないようです。
  • 渋谷幕張:今年、後期入試を廃止しました。隔年で応募者数は増減していて、今年は順番通り減っています。合格最低点は下がっていますが、元々高難度ですから目立って入りやすくなったわけではありません。
  • 市川:一昨年、昨年に続いて応募者数が少し減っています。男女別では、男子の減少が大きくなっています。今年から前期を5教科としたことで、理科や社会を苦手とする受験生が避けたのでしょう。後期は3教科のままですが、前期の余波で応募者数は少し減っています。前期の合格最低点は教科が増えたため単純比較はできませんが、得点率は少し下がっています。後期の合格最低点は昨年並みでした。
  • 日大習志野:応募者数が増えていて、特に後期の増加が目立ちます。東邦大東邦の中高一貫化や芝浦工大柏の後期入試廃止の影響で、同校に受験生が流れたようです。前後期とも合格最低点は上昇、少し難化したようです。
  • 千葉日大第一:昨年に続いて今年も応募者数が増加し、人気が上がっています。増加の中心は併願の受験生です。合格最低点は、前期がやや下がり後期は少し上がっています。
  • 日出学園:応募者数が大幅に増えています。特進コースを新設し、特進・進学の2コース制にしたことが受験生に支持されています。特進も進学も同程度の応募者数がありました。合格最低点は、進学コースは前後期とも上昇、特進はさらにそれより1ランク上昇していて、難化しています。
  • 敬愛学園:応募者数の増加が目立ちます。昨年進学αコースを新設、今年は人間科学コースの募集を停止して進学を重視する傾向を強めていますが、それが受験生に浸透したようです。併願の受験生が多いため、各コースとも難度に変化はなかったようです。
  • 東葉:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。
〈常磐線・北総線方面〉
  • 聖徳大附属:応募者数が大幅に増え、小規模な入試から脱却しています。増加の理由は、前期入試を増設したこと、特進コースで5教科の特待入試を設定したこと、後期入試を再開したことなどです。特に特待入試には、100名近くが集まりました。特待入試はこれまでよりも1ランク高い難度だったようですが、他の入試は各コースとも昨年並みの難度だったようです。
  • 芝浦工大柏:今年、後期を廃止しました。前期の応募者数は昨年よりも減っています。グローバル・サイエンスクラスが今年から3教科と5教科の選択制になりましたが、同校によると5教科の方が合格の可能性が高いとのことで、5教科の入試を敬遠した受験生もいたようです。グローバル・サイエンスクラスの得点率は上昇しており、標準コースのジェネラル・サイエンスクラスの合格最低点は昨年より少し上がりました。応募者数は減っても難化した入試でした。
〈京成・東葉高速線北部~県中央部〉
  • 秀明八千代:応募者数が大幅に増え、人気が上向いています。併願受験生が多いことから、各コースとも難度はあまり変わっていないようです。
〈県東部・県南部〉
  • 千葉県安房西:地域の生徒数減少の影響を受け、一昨年、昨年と応募者数が減っていましたが、今年は応募者数の増加が目立ちました。周辺地域で北上して遠方の高校に通おうと考える受験生が少し減ったのかもしれません。
  • 東海大市原望洋:応募者数の増加が目立ちます。地域の生徒数減少への対応として、スクールバスの拡充などを図ってきた効果でしょう。合格最低点は昨年並みで、難度は変化していないようです。

埼玉県私立高校

1.全体の状況

以下の表は、編集部のアンケート集計による、私立高校応募者数の推移です。

埼玉県私立高校の応募者数(2013〜2017年)
埼玉県私立高校の応募者数(2013〜2017年)
※ 一部に未公表校や二次募集が含まれていないケースがあるため、最終数値ではありません。

埼玉県内私立各校の応募総数は68,900名あまりで、昨年とほぼ同じです。女子校の応募者数は減少しています。

2.学校別の状況

地域別に、特に応募者数が増えた学校や、難関・有名校、特筆事項がある学校などについて、ご紹介します。

〈県南部(さいたま市ほか)〉
  • 栄東:応募者数が増えました。県のトップ校で、今年も県内だけでなく、隣接都県も含めた最上位レベルの受験生が集まった入試でした。難度は特に変わっていないようです。
  • 開智:昨年まで応募者数の増加が続いていましたが、今年は昨年並みで人気が一段落したようです。すべてのコースで難度に変化はなかったようです。
  • 大宮開成:急速に進学校化が進んでいて、受験生の学力水準が変わっています。一昨年は入りやすい特進βコースの募集を停止して応募者数が減り、昨年は応募者数が増加、今年は同様に入りやすい特進SⅡコースを募集停止として応募者数が減りました。同校によれば、順調に在籍生が増えているため、入りやすいコースをクローズしたとのことです。同校の進学校化を支持する受験生が集まった入試となっています。各コース昨年並みの難度でしたが、入りやすいコースの募集がなくなったことで、学校全体の平均レベルは上がっています。
  • 栄北:隔年で応募者数が増減する学校で、今年は本来なら減る年ですが、逆に増えて人気が上がっています。一昨年自動車科の募集を停止し、進学を重視する傾向が強くなっていて、そこに期待する受験生が増えています。各コースとも難度面では特に変化は見られませんでした。
〈県西部(川越・所沢周辺など)〉
  • 慶應志木:一昨年、昨年、今年と安定した応募者数が続いています。難度も高水準で安定しています。
  • 立教新座:一昨年、昨年は応募者数が安定していましたが、今年は応募者数が増えました。神奈川県の慶應義塾が入試日程を変更し、中大附属や中大杉並と併願できなくなったため、同校を押さえとする男子受験生が増えたのかもしれません。難度に変化はありません。
  • 城北埼玉:一昨年まで応募者数が増えていましたが、昨年はやや減り、今年は減少が目立ちます。難度面ではあまり変化がなかったようです。
  • 星野女子部:応募者数の増加が目立ちます。今年、国際教養コースを新設したことも、増加の一因です。首都圏全般で女子校の人気は下がっていますが、同校は人気を維持しています。新設の国際教養は文理よりやや入りやすかったかもしれません。他の各コースは昨年並みの難度だったようです。
  • 狭山ヶ丘:応募者数の増加が目立ちます。昨年までは専願と併願で入試日程を分けていましたが、今年は専願でも併願でも日程を自由に選べるようにしたことも、増加の理由です。難度は各コースとも特に変化がなかったようです。
  • 山村学園:応募者数の増加が目立ちます。今年は特進SAと特進文理の2コースをクラスとして募集しました。上位大学を目指す進学系のコースを手厚くする改編が多い中でこのような施策は珍しいのですが、受験生の状況に合わせた改編が支持され、応募者数が増えたのでしょう。各コースとも、難度は特に変化がなかったようです。
  • 細田学園:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。各コースとも、難度は特に変化がなかったようです。
  • 星野共学部:応募者数の増加が目立ち、人気が上向いています。合格最低点は各コースとも昨年並みだったようです。
〈県北部〉
  • 武蔵越生:応募者数の増加が目立ち、人気が上がっています。今年は特選コースと特進コースを統合してS特進コース、進学選抜コースを選抜Ⅰ、進学を選抜Ⅱコースとする改編を行いました。上位大学を目指すコースを手厚くする改編が多い中で珍しいケースですが、受験生の状況に合わせた改編であるからこそ、応募者数が増えたのでしょう。難度は、S特進は昨年の特進より若干上、選抜Ⅰ、選抜Ⅱはそれぞれ昨年の進学選抜、進学コースとあまり変わらなかったようです。アスリートコースは昨年並みの難度でしょう。
  • 本庄東:昨年並みの応募者数でした。併願受験生が多く、各コースの難度はあまり変わっていないようです。
  • 早大本庄:応募者数はやや減っています。同校は県外からの受験生も多く、地元の公立高校受験とは全く乖離した人気動向です。神奈川県の慶應義塾の入試日移動の影響はあまりなかったものの、合格ラインには少し影響があったかもしれません。
〈県東部(東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線方面)〉
  • 叡明:一昨年、南浦和から越谷レイクタウンに移転、男子校から共学化しました。一昨年は応募者数が激増、昨年は減少しましたが、今年は再び大きく増加しました。これまでよりも1ランク上の学力層の受験生の増加で、学校側の計算通りの動きでしょう。各コースともやや難化したかもしれません。
  • 昌平:昨年は応募者数の増加が目立っていましたが、今年はわずかな減少となり落ち着きました。合格最低点は、選抜の一部でやや下がっていますが、多くのコースは昨年並みでしょう。

コラム:神奈川県の慶應義塾高校の入試日程移動について

今年は、慶應義塾が例年の2月12日から10日に入試日を移動しました。これは、主に東京や神奈川の難関・上位校や有名大学附属校を希望する受験生に大きな影響を与えました。慶應義塾の入試日移動の影響を検証してみます。

下の表は、2月10日入試の主な難関・上位校と有名大学附属校の応募者数を昨年と比較したものです。慶應義塾自身、600名以上応募者が減少し、昨年の3分の2の規模になりました。開成、桐朋、中大附属、早稲田実業、中大杉並も減少していて、これは慶應義塾と併願ができなくなった影響だと考えられます。巣鴨も減少していますが、規模が小さく慶應義塾の影響とは断定できません。一方、成蹊と法政大学には影響が見られず、元々慶應義塾との併願者が少ないことがわかります。

2月10日入試の主な難関・上位校、有名大学附属校の応募者数
2月10日入試の主な難関・上位校、有名大学附属校の応募者数
※ 男女校は男子のみの応募者数。

続いて、2月10日以外が入試日の学校について見てみます。2月11日入試の学校は、応募者数が昨年並みのところが多くなっています。しかし、2月12日入試の学校を見ると、明大中野と明大明治が大幅に増加、國學院久我山、慶應湘南藤沢も増えました。昨年なら12日に慶應義塾に挑戦していた受験者層がこれらの学校に向かったのでしょう。ただし、青山学院が12日から11日に移った影響もあり、すべてが慶應義塾の影響ではありません。

2月10日以外が入試の主な難関・上位校、有名大学附属校の応募者数
2月10日以外が入試の主な難関・上位校、有名大学附属校の応募者数
※ 男女校は男子のみの応募者数。

最後に、2月10日以降に書類審査を含めて複数回入試を実施する学校です。山手学院は、2月10日から12日に受験生が少しシフトしています。これは、10日に慶應義塾の一次を受け、その手応えによっては12日の山手学院を欠席しても構わない、と考えた受験生でしょう。桐光学園は10日・13日とも応募者が大きく減っていて、かなり影響があったようです。桐蔭学園に流れた受験生が多かったのでしょう。桐蔭学園は11日から12日への受験生のシフトがあるものの、それよりも書類選考の増加が注目されます。併願校の組み立てに苦慮した受験生が書類選考に流れたのでしょう。國學院は今年から2月12日の入試を新設しました。10日に慶應義塾を受験し、12日に同校を選んだ受験生も少なくなかったようです。中大横浜には、慶應義塾の影響はほとんど見られませんでした。

2月10日以降に複数回入試を行う主な難関・上位校、有名大学附属校の応募者数
2月10日以降に複数回入試を行う主な難関・上位校、有名大学附属校の応募者数
※ 男女校は男子のみの応募者数。



[筆者紹介]

首都圏中学受験・高校受験に関わるようになって○十年。現在でも多くの私立学校説明会やイベント、研究会などに顔を出し、日々私立学校の情報を収集・発信している。

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