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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

十文字中学校

生徒主体の理科実験で
学びを自分のものに

伸びる理系進学率をしっかりとフォロー
高2の理科の授業。光を当てる時間を調整することで、草丈の短いアサガオを育成する実験を行いました。

高2の理科の授業。光を当てる時間を調整することで、草丈の短いアサガオを育成する実験を行いました。

理系進学率が上昇
多様な進路をバックアップ

 未来型教育『Move on プロジェクト』をはじめ、さまざまな学校改革を進めてきた同校。最先端のICT環境を整備し、英語教育、探究教育で生徒の将来に必要となる力を伸ばしています。理数系教育にも力を入れ、理科に親しむサイエンスパークの設置やプログラミング教育などを実施。こうした取り組みが生徒の進路選択肢を増やし、2020年度の大学入試では、約3割が理系の進路を選ぶようになりました。

「ただ、理系志望者を増やすことを目的に行っているわけではありません。一昔前のように"女の子だから文系"という考え方から脱却して、さまざまな体験を通して生徒が多角的な視点から進路に向き合えるよう支援することが目的です。授業以外にも数学や理科のさまざまな面に触れる機会を設けて、将来の選択肢を広げるきっかけをつくるようにしています。
 最近では看護系や栄養系などの職種をめざす生徒が増え、医学部を希望する生徒も増えています。本校は英語教育にも力を入れていますが、これも生徒自身がもつさまざまな力を伸ばそうという学校全体の目標の一つです」(理科/綾部香先生)

探究的な授業で育成したい
これからのコンピテンシー

 探究的な授業にも力を入れています。取材した高2の生物の授業では、アサガオの育成実験の中間発表が行われていました。生徒が各自で育成計画を立て、自ら考えてミニアサガオを自宅で育てる取り組みです。探究的な学びについて、綾部先生は次のように話します。

「本校では特別なプログラムや総合学習だけではなく、普段の授業においても探究的なアプローチをすることを重視しています。各教科の先生方が工夫をして、生徒が主体的、探究的に学べる機会を継続してつくっています。
 また、理科の実験というと、教員が作った実験書があり、それに従って、結果を確かめるようなものが多いと思います。でもそれはただの『確認』であって、主体的な学びや探究的な取り組みとは少し違うものです。今回、多くの生徒たちは失敗するかもしれませんが、そこに至る過程とそこからの学びが大切だと思っています」

 実験の発表は、内容を互いに評価し合う「ピア評価(※)」を、クラス全員で行っています。課題を通して、伝える力や傾聴力、共感力なども養うことが狙いです。

「これからの時代を生きていくにあたって本校が育てたいコンピテンシー(資質・能力)は、挑戦する力・自己肯定力・創造力・表現力・共感力・傾聴力です。自ら考えて取り組む学びを通して、そうした力を身につけられるように促していきたいです」(綾部先生)

※ピア評価…学習者が互いに評価し合う相互評価。ほかの学習者を評価することで相手の成果から学び、自らの成果を深く振り返る効果が得られます。自己評価のスキルも向上します。

授業レポート
主体的・探究的な学びを模索する授業
ミニアサガオを育てよう!
植物の光周性を利用して短い草丈で咲くミニアサガオを育てる

 高2の生物では、4月末にアサガオの種子が配付され、生徒たちは自宅でミニアサガオを育成することになりました。教員は種を配付するだけ。鉢や土は、すべて生徒が自分で用意します。各自が自分なりの工夫で育成に挑戦するところが、この取り組みの本質です。

 取材した6月末の授業では、各生徒による中間発表が行われました。各自の仮説に基づいて日照時間を調整した生徒、園芸の得意な家族に相談した生徒、上手く育たず種を買い直した生徒など、育成方法もさまざま。事前に受けた授業の内容から考えたことを反映しつつも、実際の体験から考えを巡らせて創意工夫をしている点が印象的でした。

観察結果や考察などをパワーポイントや紙にまとめて発表しました。発表に対し、クラスメートからは「どれくらい水をあげましたか?」「日照時間はどれくらいですか?」などの質問が出ました。観察結果や考察などをパワーポイントや紙にまとめて発表しました。発表に対し、クラスメートからは「どれくらい水をあげましたか?」「日照時間はどれくらいですか?」などの質問が出ました。
「どうやって成功したの?」。友達とのやりとりで、より考えが深まります。「どうやって成功したの?」。友達とのやりとりで、より考えが深まります。
育てたアサガオは撮影して記録しておきます。同校では生徒全員がノートパソコンを所持し、プレゼンなどにも活用しています。育てたアサガオは撮影して記録しておきます。同校では生徒全員がノートパソコンを所持し、プレゼンなどにも活用しています。
自己評価とピア評価で探究を深める

 同校では、生徒が相互に評価し合う「ピア評価」を導入しています。ただ感想を書かせるのではなく、「発表の内容について理解できましたか?」といった具体的な評価基準に対して、「よくわかった」「あまり伝えられていなかった」「よくわからなかった」というような3段階評価を行うのが特徴です。

 このほか「発表者の素晴らしいと思った点を書いてください」「発表者へのアドバイスを書いてください」という項目も設け、クラスメート一人ひとりの発表を考えながら振り返ることで、自身の理解も深めていきます。

ココも注目!
教科書の学びを行動に結びつけて
(理科/綾部 香先生)(理科/綾部 香先生)

 生徒の主体的・自立的な学習姿勢を育てることを一番大切にしています。教科学習では知識習得に留まらず、知っている知識を使って何ができるかが大切です。今回も事前に植物と光の関係を学習しているので、その学んだ知識や自分の経験から、問題点を再構築し行動につなげる、というところがポイントだと思います。

好奇心を刺激する多様な取り組み
実験エリアに「サイエンスパーク」を設置。生徒が自由に遊べる空間を提供しています。実験エリアに「サイエンスパーク」を設置。生徒が自由に遊べる空間を提供しています。

 ICTの活用やプログラミング教育、「サイエンスパーク」の設置、大学と提携したキャリアプログラムの実施など幅広い取り組みを行っている同校。どれか1つというよりは、たくさんのチャンネルを用意し、生徒たちの多様な進路に対応することが目的です。

(この記事は『私立中高進学通信2021年11月号』に掲載しました。)

十文字中学校  

〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-10-33
TEL:03-3918-0511

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