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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

明治大学付属明治中学校

学びに向かう力が芽生える
英語プレゼンテーション体験

培ってきた探究力を英語で発信
2021年6月15日、同校の鵜澤総明ホールで開催された英語プレゼンテーションコンテスト。選抜された8名の生徒が出場しました。

2021年6月15日、同校の鵜澤総明ホールで開催された英語プレゼンテーションコンテスト。
選抜された8名の生徒が出場しました。

創立100周年を機に
国際連携を強化
審査を務めるのは明治大学からお招きした先生方です。審査を務めるのは明治大学からお招きした先生方です。

 創立100周年を迎えた2012年度、同校はその伝統と偉業を継承し、新たな100年を見据えた教育を推進するために、『鵜澤総明教育振興・奨学金プログラム』を創設しました。このプログラムの狙いは、奨学金を活用して海外留学や体験学習、受け入れ留学生との交流などを促進し、グローバル化の進むこれからの社会で生き抜く力を養うことです。

 このプログラムの一環として、2012年度から毎年、英語による『スピーチコンテスト』と『プレゼンテーションコンテスト』が開催されています。この取り組みについて、国際連携主任・英語科教諭の村松教子先生は次のように話します。

「『スピーチコンテスト』は、英語の授業を通じて約半年をかけて準備し、予選を勝ち抜いた中3と高1の10名の生徒が、各自のテーマについて3~4分間、自分の思いを英語でスピーチします。
『プレゼンテーションコンテスト』は、高2・高3の全生徒がプレゼン原稿を作成し、原稿審査を経て、さらに予選を勝ち抜いた約10名の生徒が、英語とパワーポイントを駆使して、指定されたテーマについて1人5分以内のプレゼンテーションを行います。英語力のみならず、テーマについて調べたことや考えたことを、論理的でわかりやすい文章にして説明する力も問われます。
 本校は明治大学の直系付属校です。そのメリットを最大限に活かし、大学入試を目的とする狭い意味での学習ではなく、基礎・基本を大切にし、学びに向かう力も伸ばせるよう、学校行事などとも連動して教科指導にしっかりと取り組んでいます。その力が存分に発揮される機会がプレゼンテーションコンテストであり、本校ならではの取り組みだと自負しています」

 プレゼンテーションコンテストで選抜された出場者には『鵜澤総明教育振興・奨学金プログラム』より奨学金が支給され、例年は出場者全員が海外研修に参加していました。2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、国内で開催予定の夏期英語研修へ参加するための奨学金が支給される予定です。

調べ学習の拠点となる
図書館をフル活用

 プレゼンテーションコンテストは毎年1月、教員が話し合ってその年のテーマを決定するところからスタートします。

「高2・高3の全生徒は、春休み中に日本語でアウトラインを作成し、次にこれを英語にした原稿を作成します。この原稿を基に審査を行い、突破した20名ほどの生徒たちが、予選会でプレゼンテーションの冒頭を披露します。本選に進むのは、約10名(2021年度は8名)。英語科教員が1対1で個別指導にあたり、英語で効果的なプレゼンテーションを行えるよう、コンテスト本選に向けて準備を進めていきます。
 アウトラインを作成するプロセス、そして英語で長文を作成する取り組みが、すべての生徒にとって有意義な学びとなっています。指導には英語科以外の教員もかかわり、普段から調べ学習の拠点として活用されている図書館も、重要な役割を果たしています」(村松先生)

英語が得意ではない
生徒にもチャンスがある

 図書館での調べ学習は司書教諭の江竜珠緒先生がサポートします。

「最初のアウトラインを作成するために、生徒は図書館で調べ物をしたり、必要に応じてさまざまな分野の教員や司書教諭に相談します。原稿審査においては、独創性のある、人を惹きつける内容が高く評価されるため、英語力が優れているだけでは選抜されません。だからこそプレゼンテーションコンテストは、生徒の内にある探究心を深め、将来の可能性を広げるきっかけにもなるのです。
 これまでの入賞者の中には英語が苦手な生徒もいて、とても印象に残っています。ある生徒は、競走馬の殺処分についてアウトラインを提出してきました。テーマが非常にユニークで、意見の展開やスライドの見せ方も独創的、そして熱のこもったプレゼンテーションに会場にいた全員が惹きつけられました。コンテスト本選に向けてコツコツと英語の原稿作成に取り組み、入賞したことで自信をつけて、英語に対する学習意欲が格段に高まっていました。
 中学のスピーチコンテストでも、意外な生徒が力を発揮するなど、普段は見られない生徒の一面が引き出されています」(司書教諭/江竜珠緒先生)

 単に英語力を競い合うだけではなく、自分の持ち味や日々の学びが活かされる同校の英語コンテスト。ここでの経験が自信となり、グローバル化する社会へたくましく羽ばたいていく、生徒たちの力となっていくのです。

ココも注目!
図書館は同校の知識の泉
司書教諭が強力サポート
村松先生(右)と江竜先生(左)村松先生(右)と江竜先生(左)

「本校の授業ではどの教科も図書館を活用していますが、そのなかで最も頻繁に利用しているのが英語の授業です」と口を揃える村松先生と江竜先生。日頃から図書館を使って実践している取り組みについても、たくさん紹介していただきました。

生徒インタビュー
わかりやすさを意識し、TED(※)を参考に
プレゼンテーション力をブラッシュアップ
2021年度英語プレゼンテーションコンテストの優勝者である
M.I.(高3)さんに話を聞きました。
見事優勝を勝ち取ったM.I.さん(高3)見事優勝を勝ち取ったM.I.さん(高3)

 今年のプレゼンテーションコンテストのテーマは、リモートワークの賛否についてでした。賛成・反対のどちらかの立場で意見を組み立てる必要があり、私は「反対」の立場でプレゼンテーションコンテストに臨みました。

 まず春休みの課題として、日本語によるアウトラインの作成を行う段階では、リモートワークに反対する理由を論理的に説明できるように、関連する資料を読み込んだり、調べ学習を行ったりしました。

 原稿作成の段階では、観客への伝わりやすさを意識し、難しい単語や複雑な文法を用いず、簡潔な文章を心がけました。学校の授業では中学からエッセイやレポートを書く機会が多くあり、その積み重ねが役立ちました。

 英語力には自信があったのですが、オリジナリティや人前で話すことには自信がなく、TEDを見て参考にするなどして本選に臨みました。まさか優勝できるとは思っていませんでしたが、優勝できたことで自信がつきました。以前は自信のもてなかったプレゼンテーション力が、今では自分の強みと感じられるようになりました。

※TED…アメリカのTED(Technology Entertainment Designの略)が毎年開催する大規模な世界的講演会。多彩なテーマを大きく映したスライドの前で講演者が語るスタイルで知られており、見る人を魅了する英語プレゼンテーションのお手本として、日本でも多くの人に視聴されている。

進学通信 2021年11月号
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