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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

武蔵野大学中学校

『PBL』を通して世界で通用する力
マインドセットを身につける

全員が積極的に参加するインタラクティブな授業
テーマを設定し、数週間に分けてディベート対決を行いました。回を重ねるうちに、相手を説得できる主張の型が身につきました。

テーマを設定し、数週間に分けてディベート対決を行いました。
回を重ねるうちに、相手を説得できる主張の型が身につきました。

世界に通用する力と
マインドセットを習得する

“チャレンジ”を合言葉に、さまざまな教育改革を積極的に実践する同校。中学では世界基準の『グローバル&サイエンス』をテーマに、時代に対応した『世界に貢献できる人材の育成』『論理的・科学的思考力を養い、社会の課題を解決しようとする人材の育成』の2つをめざしています。

 そうした力の育成に向け、ネイティブ教員と日本人教員による授業を展開し、英語4技能指導を徹底サポートするなど英語力の向上に力を注いでいますが、それ以上に大切にしているのが、マインドセット(物事に取り組む基本姿勢)です。

 さまざまな授業を通じて、多様性を受け入れ相手の価値観を尊重することや、皆で意見を出し合って合意に近づけていく姿勢を育て、世界に通用する考え方や行動様式を身につけていくことが、同校の大きな特色となっています。

中学3年間のPBLで
社会に貢献する力を育成

 その中心となるのが、中学3年間を通したPBL(※)の授業です。さまざまな社会課題の解決をめざして調べ学習やディスカッション、プレゼンテーションなどを行うPBLの取り組みは、同校の柱となる学びの一つです。通常の授業でも探究的な学びを多く採り入れており、高校には、PBLの手法を用いた学習を中心に学ぶ『PBLインターナショナル』コースも備え、全学的にPBLに取り組んでいます。

 中学校のPBLを担当する宇井瑞穂先生(入試広報部副部長・英語科)は次のように話します。

「本校のPBLは、外部アドバイザーの協力を得ながら、本校の教員が一から作り上げたオリジナルの授業です。人前で自分の意見を話したり、他人の言葉に耳を傾けたりする機会を多く設けているのが特徴で、中1は『自己理解』、中2は『他者理解』、中3は『社会貢献』と、各学年でテーマを設け、さまざまなプログラムを行っています。

 PBLをカリキュラムに導入してから、ようやく3年が経とうとしているところです。まだまだ手探りの部分もあり、その年によって生徒のカラーも違いますので、生徒たちの反応や教室の様子を見て、授業の具体的な内容をその都度決定するなど柔軟に行っています。

 PBLの授業で育まれた姿勢や学んだことは、普段のインタラクティブな授業や、生徒主体の学校生活に活かされていると日々感じています。そうした学校生活の延長上に“社会”があります。

 PBLの学びが将来社会に出たときに役立つ力となると信じて、生徒と一緒にプログラムをどんどん進化させ、より良い学びの場を作り上げていきたいと考えています」

※PBL…「Problem-Based-Learning」の略。設定した課題の解決策を模索するため、調べ学習やディスカッションをすることで思考を深め、多角的な視点を学ぶアクティブラーニング型の学習方法。

中学3年間のPBLの流れ
Step 1自己理解

【実践例】
「Who am I?」をテーマに、さまざまなプロジェクトを通して、自己理解を深める。

「PBLはもちろん、通常の授業でも探究的な学びを多く行うことで、生徒の力を最大限に伸ばしていきたいです」(宇井先生)「PBLはもちろん、通常の授業でも探究的な学びを多く行うことで、生徒の力を最大限に伸ばしていきたいです」(宇井先生)

「1分間自分のことを話し続ける『1分間自己紹介』や、家族にインタビューをして他者から見た自分を知るプログラムなど、さまざまな取り組みから自己探究を行い、まずは自分自身を理解することから始めて、他者理解へとつなげていきます」(宇井先生)

Step 2他者理解

【実践例】
企業とタイアップして部活動のパンフレットをつくり、他者のために自分がどんな価値を提供できるのかを考える。

「クラスメートなど身近な他者への理解を深めるとともに、障がいを抱えた方などさまざまな人たちとの交流を通して、他者という存在の多様性も学んでいきます。
 残念ながらコロナ禍の現在は外部の方との直接の交流が難しい状況ですので、映画を皆で鑑賞して話し合ったり、どんな生徒も楽しく通える学校にするにはどうしたら良いかについて、アイデアを出し合ってプレゼンテーションしたりしていく予定です」(宇井先生)

Step 3社会貢献

【実践例】
ディベートを通して、自分の意見を論理的に説明し社会に発信する力をつける。

「自己から始まり、他者に目を向け、中3ではさらに視野を社会へと向けます。社会に自分の考えや意見を主張するために必要なスキルを磨くために、ディベートなどに取り組みます。
 聞き手に理解してもらえるように自分の主張をきちんと説明するスキルや、相手の意見をよく聞き、よく理解したうえで意見を言うスキルは、将来、必ず役立つはずです」(宇井先生)

生徒インタビュー
PBL第一期生の中3生に話を聞きました
PBLでディスカッションの
難しさと、大切さを実感
岡崎 帆栞さん岡崎 帆栞さん

 小学生の時は、人前に出ることが苦手でしたが、PBLでは意見交換や発表の機会が多くあり、中1から経験を重ねるうちに、人前で話すことや意見を言うことへの不安や緊張感がなくなっていきました。自分の意見を皆のために役立てたいという思いも芽生え、今では生徒会の役員も務めるようになりました。

 PBLを通して、ディスカッションの難しさと、大切さも実感しました。どんな仕事をするにしても、相手ときちんと議論する力は不可欠ですし、これからの社会を考えると、英語でディスカッションすることも必要になると思います。そのため、これからは英語力とディスカッション力を伸ばすことを意識して、学校生活に取り組みたいと思っています。

PBLで身についた
失敗を恐れずチャレンジする力
大河原 凌さん大河原 凌さん

 PBLはグループでの活動が多く、コミュニケーション力が自然と身についていったように思います。私はもともと自分の考えを人に話すタイプではなかったのですが、授業中にみんなが自分の意見に共感してくれたり、面白いといってくれたりすることがうれしく、自信をもって人との意見交換や発信ができるようになりました。

 PBLの授業では、自分の意見を否定されることはなく、失敗してもよしとされていて、むしろ失敗から学ぶことを繰り返して成長していくことが推奨されています。PBLでの経験から、PBL以外の授業や学校生活でも失敗を恐れず、どんなことでも果敢にチャレンジして、新たなことに突き進んでいきたいという、とても前向きな姿勢が身につきました。

『LAM Junior』で企業コラボ講座を体験
『ヒューマンビートボックス』の授業風景。『ヒューマンビートボックス』の授業風景。

 同校では多彩な企業とコラボする特別講座『LAM』(Liberal Arts Musashinoの略)を高校で開講。2021年度は、演劇、哲学対話、ヒューマンビートボックス、社交ダンス、アートシンキング、ロボットプログラミング、WEBデザインの7講座を行っています。

 中3生は『LAM』の体験版『LAM Junior』にて、演劇、社交ダンス、ヒューマンビートボックス、ロボットプログラミングの4講座を体験しました。

 初めての体験に最初は戸惑いを見せる生徒もいましたが、徐々に外部講師と打ち解け、どの生徒もイキイキと、楽しそうに取り組んでいました。

進学通信 2021年11月号
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