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私立中高進学通信

2021年9月号

The Voice 新校長インタビュー

十文字中学校

来年の創立100周年に向けて
さらに社会で活躍できる女性を

横尾 康治 校長先生

横尾 康治 (よこお・こうじ)校長先生
1968年、新潟県十日町市出身。中学時代は科学部、高校時代は生物部に所属。
東京理科大学理学部数学科卒業後、立教大学大学院理学研究科数学専攻に進む。
博士前期課程修了後、十文字中学・高等学校に数学の教員として奉職。
数学部やコンピュータ部の顧問を務める。2021年春に同校の校長に就任。

学びたいという希求が
さらにわき出る教育を
創立100周年に向けた同校のビジョン

教育目標

  • 主体性の伸長
  • 基礎学力の徹底
  • 社会性の涵養

育成したい6つのコンピテンシー

  • 挑戦する力
  • 自己肯定力
  • 創造力
  • 表現力
  • 共感力
  • 傾聴力

 2022年に本校は創立100周年を迎えます。創立者・初代校長の十文字ことによって、本校の前身である文華高等女学校がつくられた頃は、女子が教育を受けることが困難な時代でした。女子に学問は必要ないとされていたからです。この頃に書かれた文献を読むと、多くの女子が学びたいという強い気持ちをもっていたことが伝わってきます。これは人間の本質です。

 しかし、この100年の間に日本では、望まなくても教育が受けられるようになりました。学びに対する渇望がないまま、多くの子どもたちが受け身になって教育を受けている状況があちこちで見られるようになってしまったのです。これでは日本は衰退してしまうでしょう。

 私が大学院を修了し、数学の教員として本校に赴任してから今年で27年目になります。現在、日本には女性の研究者が求められていますが、私の教員としての経験から女子の方が理系に向いているのではないかと感じています。女子は男子と比べて、正解をすぐに求めたりはしません。正解にたどり着くまでのプロセスをじっくりと考えます。そして納得したうえで答えを導き出します。女子校である本校は、考える時間を十分取り、生徒自身による学びを大事にしています。しかも、本校には女子校としての歴史と伝統、実績があります。本校なら女子の可能性を大きく引き出すことができると私は考えています。

 そこで本校では100周年に向けて原点に立ち返り、学びたいという希求がさらに心のなかからわき出るような教育を推進していくことにしました。

社会の役に立つことが
自分の生きがいになる

 本校の特色は、自ら進んで行動する生徒が多いことです。たとえば、現在の生徒が通学に使っているリュックは生徒の発案によってつくられました。生徒がカバンメーカーの方々とデザインや機能をどうするか話し合い、教員にプレゼンテーションして完成させたのです。発案から導入まで3年を要しました。

 これからは、このように「自分で考え、判断し、行動できる人材」がますます求められます。そこで私は今年の重点目標として『主体性の伸長』『基礎学力の徹底』『社会性の涵養』の3つを掲げました。本校がめざす生徒像が『自立した、社会で活躍できる女性』であり、その育成にはこの3つがベースになると考えたからです。

 この生徒像は創立者の十文字ことが述べた建学の精神『身をきたへ 心をきたへて 世の中にたちて かひある 人と生きなむ』に基づいています。つまり「社会に出て、人の役に立つ人になって生きなさい」と述べているのです。そこで、私は生徒たちにこう言い続けてきました。

「人の役に立つと、誰かが喜んでくれます。誰かが喜んでくれるような行動をすることで、自分自身も幸せになります。そして、社会の役に立つことが、自分の生きがいになるのです」

2022年から高校に
新しい3コースが誕生

 本校の建学の精神をさらに具現化するため、今年は3つの重点目標とともに6つのコンピテンシー(行動特性)も打ち出しました。そのひとつが『挑戦する力』です。私たち教員は「失敗を恐れずに一歩踏み出してみましょう」と声をかけ、生徒の挑戦を促しています。

『表現力』もコンピテンシーのひとつです。本校は自己発信にこだわっています。学んだことを自分のなかに留めておくだけでは意味がありません。その成果がきちんと社会に還元されるように表現して多くの人に伝えられる力が必要です。

 そのため、自分がしたいことに果敢に挑戦し、学びを深め、表現して人の役に立てるように2022年度から高校に新しいコースを開設することにしました。

 何かひとつのことを集中して追究したいという生徒のための「自己発信」、上位難関大学への進学をめざしたい生徒のための「特選(人文・理数)」、幅広い教養を身につけて将来の可能性を広げたい生徒のための「リベラルアーツ」の3コースです。学びのスタイルに合わせて、本校の生徒は高校進学時にこの3つから選ぶことができます。どのコースも主体性と基礎学力、社会性を身につけながら、個性を最大限に伸ばしていくことが目標です。

 どうすれば社会に貢献できるかを問い続けながら、一生涯にわたって学び続けられる女性の育成に、本校はこれまで以上に力を注いでいきたいと思っています。

[沿革]
1922年、十文字ことが文華高等女学校を設立。1935年、十文字ことが校長に就任。1937年、十文字高等女学校に校名改称。1947年に十文字中学校が、翌年に十文字高等学校が開校。2014年、新校舎完成。2016年『Move onプロジェクト(学校改革)』始動。

進学通信 2021年9月号
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