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私立中高進学通信

2021年11月号

私学の校外学習・学外交流

麗澤中学校

小さなアクションを積み上げ
世界を変えていくSDGs研究会

「今、私たちができること」を常に考えて2018年より活動してきた同校の有志団体『チームEARTH』が、2020年4月に部活動へと昇格し、再出発しました。それがSDGs研究会『EARTH』です。
左から、野村萌恵さん〔5年(高2)・部長〕、畠中美結さん〔1年(中1)〕、木本理来さん〔4年(高1)〕、坂野慶太さん〔4年(高1)〕、顧問の瀧村尚也先生。野村さんは「高校生ボランティア・アワード2021」ポスター部門全国1位を、坂野さんは「SDGs探究AWARDS2020」中高生部門優秀賞を受賞しました。

左から、野村萌恵さん〔5年(高2)・部長〕、畠中美結さん〔1年(中1)〕、木本理来さん〔4年(高1)〕、
坂野慶太さん〔4年(高1)〕、顧問の瀧村尚也先生。野村さんは「高校生ボランティア・アワード2021」
ポスター部門全国1位を、坂野さんは「SDGs探究AWARDS2020」中高生部門優秀賞を受賞しました。

17の目標達成に向けて
正解のない問題に取り組む

 SDGs研究会『EARTH』の活動は多岐にわたります。その一つがレモネードスタンド。小児がんの子どもたちへの支援活動で、校内でレモネードを販売し、売上金を寄付します。もう一つがフェアトレードコーヒー。フェアトレードとは、発展途上国から原料や製品を適正な価格で購入することで、生産者が正当な利益を得られるようにする取り組みです。同校ではSDGs研究会が中心となり、フェアトレードで取引された豆を使ったコーヒーを保護者会や入試会場などで提供。さらに手軽にコーヒーが楽しめるドリップバッグも販売しています。

「部員は中高合わせて60名です。一人ひとりがSDGsの17目標の達成に貢献できる企画を考えて活動しています」(顧問・地歴公民科/瀧村尚也先生)

 今年3月には中学生部員が、持続可能な社会に向けた活動を発表する「SDGs探究AWARDS2020」(一般社団法人 未来教育推進機構主催)中高生部門で優秀賞を受賞。さらに8月には高校生部員によるポスター作品『~持続可能な手洗い文化を世界に広める活動がしたい~』が「高校生ボランティア・アワード2021」(公益財団法人 風に立つライオン基金主催)のWEB投票大会で全国1位に輝きました。

ドリップバッグを告知するポスター。部員が生徒にフェアトレードの意義を動画で説明したうえで、パッケージの絵を募集しました。ドリップバッグを告知するポスター。部員が生徒にフェアトレードの意義を動画で説明したうえで、パッケージの絵を募集しました。
保護者会などでは、部員がコーヒーメーカーを使わずにコーヒーを手で淹れるハンドドリップでコーヒーを提供しています。保護者会などでは、部員がコーヒーメーカーを使わずにコーヒーを手で淹れるハンドドリップでコーヒーを提供しています。
SDGs研究会で活躍する部員たち

 各企画のリーダー4名にお話を聞きました。


何に気づいた?
野村 萌恵さん〔5年(高2)・部長〕

パーム油を使わない石鹸で
持続的に手を洗えるように

 新型コロナウイルスが世界中に広がり、手を洗うための石鹸の必要性が高まっています。しかし、石鹸が普及していない発展途上国もあります。石鹸の素材であるパーム油の生産は、森林伐採や労働問題など多くの問題を抱えています。そこで、私たちはパーム油を使わない石鹸を製作し、途上国の人々が持続的に石鹸で手を洗えるようにできないかと考えました。今は、日本やフィリピン、マレーシア、シンガポールの4カ国共同研究プロジェクトに参加し、パーム油問題の知識を深めながら、環境にやさしい石鹸の製作に自ら取り組んでいます。

環境にやさしい石鹸づくりに向けて試行錯誤を重ねる部員たち。石鹸の手作り体験会を開くことも目標だそうです。

環境にやさしい石鹸づくりに向けて試行錯誤を重ねる部員たち。
石鹸の手作り体験会を開くことも目標だそうです。


何を考えた?
坂野 慶太さん〔4年(高1)〕

幼稚園児に向けて
SDGsをわかりやすく伝える

 本校の敷地内にある『れいたく幼稚園』の園児に向けてSDGsをわかりやすく伝える企画を考えています。その結果、生まれたのがスタンプラリーです。たとえば、園児が水道の水を出しっ放しにせず大切に使うことができたら、先生がスタンプを押します。こうしてゲーム感覚で楽しんでもらいながら、SDGsについて知ってもらうのです。また、環境にやさしい素材を使ったおもちゃをつくることができたらとも考えています。この研究会で得た経験を糧に、将来は地域社会に貢献できる仕事に就きたいと思っています。

まず、坂野さんたちは幼稚園の先生に向けてプレゼンテーション。SDGsの重要性について説き、自分たちが幼稚園でどのようなことができるのかを相談しました。

まず、坂野さんたちは幼稚園の先生に向けてプレゼンテーション。
SDGsの重要性について説き、自分たちが幼稚園でどのようなことができるのかを相談しました。


どうなった?
木本 理来さん〔4年(高1)〕

ドリップバッグコーヒーの
オンライン販売を開始

 私たちは東ティモールでコーヒー豆を生産している人たちを支援するために、フェアトレード活動を行ってきました。コロナ禍でもこの活動を持続的に行うために思いついたのが、ドリップバッグのオンライン販売です。カップの縁にかけてお湯を注ぐだけで、おいしいコーヒーが飲めます。パッケージの絵は部員がデザインしました。また、バナナの茎から取れる繊維を使用したバナナペーパーで部員の名刺をつくることも計画中です。私はこの活動を通じ、人前でも自分の考えを自信をもって語れるようになりました。

ドリップバッグを手渡す部員たち。「今年11月には東ティモールの大使が来校して講演する予定です。フェアトレードの輪はさらに大きく広がっていくことでしょう」(木本さん)

ドリップバッグを手渡す部員たち。「今年11月には東ティモールの大使が来校して講演する予定です。
フェアトレードの輪はさらに大きく広がっていくことでしょう」(木本さん)


何をした?
畠中 美結さん〔1年(中1)〕

不要になった制服などを
回収するリユース活動を実践

 小学生の頃からSDGsに関心をもっていた私は、麗澤にSDGs研究会があることを知り、入学したら入部しようと思っていました。その目標は実現したので、まずは不要になった制服などのリユース活動に取り組んでいます。私が通っていた小学校では、使わなくなったランドセルや文房具をタイの子どもたちに寄付する活動を行っていました。同じような支援活動をこの学校でもできないかと思い、始めてみたのです。保護者の方々と協力して、また高3の先輩からも制服などを回収し、希望する人たちにお譲りしています。

生徒から回収した制服。畠中さんがこうしたリユース活動に励む一方、畠中さんのお姉さん(高1)もSDGs研究会に入部して、その活動を他校に広めています。

生徒から回収した制服。畠中さんがこうしたリユース活動に励む一方、
畠中さんのお姉さん(高1)もSDGs研究会に入部して、その活動を他校に広めています。

教員が思いつかないアイデアを
部員たちが生み出してくれます
顧問の瀧村尚也先生。一般社団法人シンク・ジ・アースの「SDGs for School認定エデュケーター」の資格をもち、国際教養ユネスコ委員会の副委員長も務めています。顧問の瀧村尚也先生。一般社団法人シンク・ジ・アースの「SDGs for School認定エデュケーター」の資格をもち、国際教養ユネスコ委員会の副委員長も務めています。

 私は、高校時代に飲んだコーヒーのおいしさに感動し、大学時代にバリスタになりました。同時にこのおいしさの陰で、発展途上国の人々が公平とはいえない取引で苦しんでいることを知り、その人たちの力になりたいという思いも抱きました。私が教員になったのは、コーヒーを飲む人も生産する人も笑顔になるには、まず教育の力が必要だと痛感したからです。その第一歩として、SDGsを多くの生徒に知ってもらいたいと考え、SDGs研究会の母体となった有志団体を立ち上げました。

 現在、SDGs研究会『EARTH』では、企画ごとに10人以上のメンバーが集い、リーダーのもとで活動しています。部員たちは教員が思いもつかないアイデアを生み出してくれます。そして、ほかの部員のアイデアも取り入れ、サステナブルな開発目標の達成をめざすために歩みを続けています。

SDGs研究会の部員たち。全員が高い志を掲げ、柔軟な発想で活動に励んでいます。

SDGs研究会の部員たち。全員が高い志を掲げ、柔軟な発想で活動に励んでいます。

(この記事は『私立中高進学通信2021年11月号』に掲載しました。)

進学通信 2021年11月号
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