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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

三輪田学園中学校

生徒の可能性を伸ばす探究ゼミ
『MIWADA-HUB』が始動

多彩な講座が2021年度よりスタート
講座の一つ『数学を極める』での1コマ。中2生が自分たちの考えたやり方で、中1生に数学の授業を行いました。

講座の一つ『数学を極める』での1コマ。中2生が自分たちの考えたやり方で、中1生に数学の授業を行いました。

社会や環境ともつながる
多彩なゼミがスタート

 1887(明治20)年より『豊かな人間性と高い学力を併せ持った女性を育てる教育』を実践してきた同校。これまでの伝統を踏まえ、学問や社会へと興味・関心を広げ、課題を発見し、粘り強く解決策を導き出す力の育成を目的に、探究ゼミ『MIWADA-HUB』を2021年度よりスタートさせました。

 初年度は中2生を対象に、9講座を開講。その内容は、歴史散策や英語ディベート、エシカルライフの研究、ドローンのプログラミングなどバラエティ豊か。講座の指導は各教科の教員が担当しますが、普段の教室では体験できない、広がりのある活動が魅力です。グループワークを通して協働する力も身につけられ、今後は企業とのコラボレーションも予定されています。

「本校のカリキュラムポリシーはリーダーシップ、フォロワーシップを育むことです。そうした力の大切さを理解してもらおうと考えています。また、指導の際は生徒からどんな意見が出ても否定せず、『それ、いいね』という言葉がけから始めることを意識しています」

 と、数学科の斉藤幸弘先生は話します。斉藤先生は、『数学を極める』という講座を担当しており、前期講座では数学のオリジナル教科書を作ったり、中2生が中1生に数学を教えたりする活動を行いました。「わかりやすい!」と中1生に大好評だったそうです。

中2生ならではの発想力に
先生たちも驚く

「『MIWADA-HUB』での体験が、生徒に変化をもたらしました」

 環境や人権に配慮した消費生活を考える『エシカルライフ』講座を担当する家庭科の三浦槙子先生は、次のように話します。

「アニマルウェルフェア(※)について研究していた生徒が、近くのスーパーに手紙を書いて、平飼いの卵と普通の卵について質問したそうです。『家族と買い物に行って、商品の表示を調べるようになった』など、うれしい報告が多いですね」

『Hotai Inquiry(保体探究)』の講座を担当している体育科の伊藤和樹先生は、「保健分野では遺伝子やがんについて調べる生徒もいれば、スポーツのパフォーマンスを上げる研究のため、自らプールで繰り返し飛び込みを行ってみたという生徒もいます。大人がびっくりするような発想から考えを深めているので、教員のほうが勉強になることも多いです」とうなずきます。

『MIWADA-HUB』は中3でも継続して実施され、高校からは、より高度な探究の取り組みへと発展していきます。答えのない問いを立て追究し、行動する力へとつなげる同校の教育が『MIWADA-HUB』にまさに活かされているのです。

※アニマルウェルフェア…家畜の行動欲求を満たし、快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことを重要視した飼育方法。

9つの多彩なテーマで探究!
多彩な学びを引き出す『MIWADA-HUB』
2021年度 中2 MIWADA-HUB  講座一覧表
教 科 講 座 名 内 容
国語 数奇☆モノ!! 大好きなもの、つい考えてしまうものから、「問い」を生み出すことをめざす
社会 歴史周辺散歩ブラみわだ 学校周辺を歩きながら、地域の歴史を学ぶ
数学 数学を極める 中学入試問題の作成や他国の数学の指導方法を調べて、問題にも挑戦 ほか
理科 生活と科学① 生活に関連したテーマを設定し、実験や観察を通して探究する
保健体育 Hotai Inquiry(保体探究) 体育分野、保健分野の中から各自が独自にテーマを設定し、探究
家庭科 エシカルライフ フェアトレード、エシカルファッション、
食品ロスなどを学び、興味あるテーマを探究
英語 Debate & Speech for beginners 英語でのディベートを学び、実際にやってみる
情報 Miwada Code Girls - Beginner ドローン制御のプログラミングや、
MESH(プログラミングブロック)で商品を企画
教科横断 日本の伝統文化を探究する 着物について深く学び、簡単な着付けも体験
Check!3つの講座をPickUp!担当教員に聞きました
『数学を極める』講座

 ホワイトボード4枚と黒板1枚を設置して、生徒が自由に数学について議論できる環境を整えました。

 本校の入試問題を算数の手法と数学の手法で解き比べたり、入試問題を作ったり。中1の「正負の数を四則演算する」という単元のオリジナル教科書作りにもトライし、中1生の数学の授業で、実際に先生として教えてもらう体験もしました。簡単なプログラムを組み「転がるドローン」を操作する取り組みも行う予定です。(数学科/斉藤幸弘先生)

先生役は中2生。「わかりやすい」と後輩たちにも大好評でした。

先生役は中2生。「わかりやすい」と後輩たちにも大好評でした。

『エシカルライフ』講座

 自分たちが使っているモノが、どこから来てどのように廃棄されるのかに目を向け、環境問題や人権問題に気づいてもらうことが、この講座の狙いです。フェアトレードなどのマークを調べて発表する機会も設けました。

 サステナブルについての知識はあっても、実行するのは簡単ではありません。講座をきっかけに、何かを購入する時に考えるようになったと聞き、うれしく思います。行動することで見えてくるものを大事にしてほしいと思っています。 (家庭科/三浦槙子先生)

学んだ知識を、実際の行動にどうつなげていくかがポイントです。

学んだ知識を、実際の行動にどうつなげていくかがポイントです。

『Hotai Inquiry(保体探究)』講座

 道徳の教材からスポーツ倫理を学んだり、障がい者スポーツやスポーツ経営学を学んだりと、普段生徒が触れないであろうテーマを討論したり、「なぜコロナ禍でオリンピックを開催するのか」をテーマに、開催費用やアスリートの年齢事情などを調べるグループ研究・プレゼンテーションも行いました。

 寝具メーカーとの睡眠の研究や、数学の講座と一緒に「運動」について考察するなど、企業や他教科とのコラボも予定しています。(体育科/伊藤和樹先生)

講座での生徒たちのプレゼン内容。講座での生徒たちのプレゼン内容。
『数学を極める』を受講した生徒2名にインタビュー
授業とは異なる角度で数学にアプローチし、深く学ぶ体験
中1生に教える体験から自分も学びました
A.U.さん(中2)A.U.さん(中2)

 中1生に数学の授業をしたことが印象に残っています。ただ講義をするだけではなく、理解してくれているかを考え、板書や説明する速度に気を配りながら教えることがとても難しかったです。

 自分で勉強していて、式のどこが間違っているかを見つけることが好きなので、良い経験になりました。一度、先生になる体験をしてみたいと思っていたので、教える立場を経験できたのも良かったです。今後は、哲学や宗教に関する講座があれば、勉強してみたいと思っています。

自分たちの手で数学の教科書を作りました
M.A.さん(中2)M.A.さん(中2)

 オリジナルの教科書作りがとても印象深いです。不得意な分野について、ネットで解き方を調べ、友達にも聞いて、よりわかりやすい内容にして教科書に仕上げました。

 中1生に数学の授業を行う体験では、「わからない」という中1生に対して、どうやって解説するかを考えて教えたことで、説明する力が身についたと思います。これがきっかけになって、今まではできなかった「先生に質問する力」もつきました。今後は、料理が好きなので家庭科の講座や、理系志望なので理科の講座でも学びたいです。

進学通信 2021年11月号
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