私立中高進学通信
2021年11月号
中1の始め方
鴎友学園女子中学校
1週間のオリエンテーションで
学校を“自分の居場所”に

校内を探検しながら、新入生同士グループで協力して取り組んだ「校内アドベンチャー」。
同校では、新入生が安心して学校生活をスタートし、学校を自分の居場所として実感できるよう、入学後のオリエンテーション期間にさまざまな工夫をしています。
ていねいに行われる
学校生活への導入
「よろこびと真剣さあふれる学園」をめざして教育活動を行う同校では、新入生に対し、学校を安心できる場所に感じてもらおうと、入学式後すぐに1週間のオリエンテーション期間を設けています。
オリエンテーションの最初の合同ホームルームではSNSとのつき合い方を、次に交通機関の混乱時や緊急時の対処法など、通学時の不安を取り除く話をします。そこには、安心感をもって学園生活を送ってもらうための、女子校としての長年のノウハウがあります。
また、クラスメートとの触れ合いを通して、「クラスや学校で自分はやっていけそうだ」と実感をもてるようにしていきます。
2021年度の入学式の翌日には、「校内アドベンチャー」を実施。4~5人のグループで、校内のあちこちにあるヒントを頼りに、「制限時間内に校長先生のクマのぬいぐるみを助け出す」ミッションを達成するというものです。校内を探検しながら、生徒たちはグループで協力し合って楽しみました。
「2021年度の中1生には、昨年の学校見学に参加できなかった生徒が多いので、学校を知ってもらう意図もあって企画しました。思った以上に好評で、生徒たちが学校を居場所だと実感し、仲間と協力する楽しさを経験できたイベントになったと思います」
と、中1学年主任の大内まどか先生は話します。



中1はクラスの人数を絞り
8クラス編成に

同校は、中2以上は6クラスが基本ですが、中1は1クラスの人数を少なくして8クラス編成としています。
「担任が一人ひとりをしっかり見て把握するため、また動きの大きい中1生がのびのびと過ごせるようにという理由からです。少人数にすることで、グループワークの授業で時間に余裕が生まれるメリットもあります」(大内先生)
席替えの頻度が高いのも同校の特色で、中3までは3日に一度席替えします。2021年度の新入生は、オリエンテーション期間中のみさらに頻度を増やし、毎日席替えを実施しました。席の近い人とは話す機会が増えるので、多くの生徒と言葉を交わすようになります。また、エンカウンターという、ゲームや共同作業を通してグループの一員としての体験も積み重ねていきました。
生徒たちは、少人数クラスや頻繁な席替え、そしてエンカウンターやさまざまな企画を通して、“素の自分を出せている”ことに気づきます。「手厚くていねいに中1生を育てよう」という、同校の姿勢がここに表れています。
自主性を重んじる学校行事に
中1生も意欲的に参加

入学してすぐの4~5月には、生徒総会や学園祭の準備などに、テキパキと行動する先輩たちの姿を目の当たりにする機会が多く、中1生はそんな上級生に憧れ、目標としていくようです。
「学園祭や運動会など本校の行事は、実行委員会の生徒が主体となって行っています。中1生は先輩に憧れつつも、真似するだけでなく『自分たちでも工夫しよう』という意欲がわくようです」(大内先生)
2021年度の中1生は、学園祭において、各クラスで学校を紹介する動画を作り、オンライン上で発信することになりました。絵コンテ作りからタブレット端末での撮影、そして編集と、班ごとに作業を進めます。
学校生活を楽しみながら、鷗友生としての自覚をもち始める中1生。将来大きく羽ばたくために、一人ひとりが自分のストーリーを描き始めています。
焦らずに学校生活の土台作りを

入学直後は得る情報がとても多いので、それを消化するのにエネルギーを使います。そんな時期には、家ではゆっくり休んでほしいと思います。焦らずに学校生活に慣れていきながら、飾らない自分で友達を作っていってほしいですね。こうした土台ができてこそ、勉強も楽しくできるようになり、今後の成長につながっていくはずです。
(この記事は『私立中高進学通信2021年11月号』に掲載しました。)
鴎友学園女子中学校
〒156-8551 東京都世田谷区宮坂1-5-30
TEL:03-3420-0136
進学通信掲載情報

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