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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

桐朋女子中学校

生徒の問題意識からスタートした学び
『地域×桐朋女子プロジェクト』

主体性と創造力を引き出す“プロジェクト学習”
公民館のスタッフの方に、お話を伺っている様子。「地域の方が温かく迎えてくださったことが、生徒の成長につながりました」(吉崎先生)

公民館のスタッフの方に、お話を伺っている様子。
「地域の方が温かく迎えてくださったことが、生徒の成長につながりました」(吉崎先生)

生徒の手により創られる
“プロジェクト学習”

「こころの健康 からだの健康」をモットーに、新しいものを創り出す創造力あふれる女性を育成している同校。本物に触れ、実践や経験から学ぶことを大切にした教育活動が行われています。

 同校では、近年約半数の生徒が総合型選抜や学校推薦型選抜などを利用して早期に進路を決めており、そのような高3生を対象に毎年1月から2月にかけて「高3決定者講座」を開講しています。高校と大学の橋渡しを目的とするこの講座は、これまで学んできた教科学習を一歩進めて学んだり、教科の枠にとらわれずに実践的な内容を扱うことが特長です。

 2020年度の高3決定者講座のひとつとして開講されたのが『地域×桐朋女子プロジェクト』。PBL(Project Based Learning=プロジェクト学習)認定アドバイザーの資格をもつ吉崎亜由美先生が担当しました。

 プロジェクト学習とは、生徒が自律的に学習を進められるように、本人が興味をもつテーマから総合的に学習を組み立てる方法です。教員はアドバイザーとして、生徒が自ら問題を見つけ、その問題を自身の力で解決へと導いていけるようにサポートを行います。

「参加した生徒たちの話し合いで『地域×桐朋女子』というテーマが決まりました。『どうしたら、このプロジェクトをもっと有意義なものにできるのだろう?』と話し合いながら活動をしていく生徒たちは、夢中になってプロジェクトを進めていました」(吉崎先生)

生徒の思いと行動が
地域とつながる一歩となった

『地域×桐朋女子プロジェクト』には、「6年間桐朋女子に通ったけれど、地域のことは全然知らない」という生徒の問題意識が反映されています。その原因を、同校が「地域に開かれた学校になる努力をあまりしていないから」と考えた生徒たちは、「地域に根づいた学校になること」を最終目標に、地域の施設などで働く方々に取材をして、地域とかかわるために何ができるかを考えていきました。成果として冊子を作成し、自分たちが感じた問題意識や、取材を通して得た地域に根づいた学校になるための手がかりをまとめました。

「その後、地域のラジオ番組でプロジェエクトを紹介することになったり、学校と公民館が共催でイベントをすることになったりと、生徒たち自身も驚くような展開が待っていました。自分たちの思いと行動が、何かを実現していく力となることを実感できたと思います」

 と吉崎先生は話します。

 プロジェクト学習は来年度以降、必修化が予定されています。

「生徒同士がつながり合い、のびのびと主体的に活動する様子は、ほかの学校行事や部活動などでも見られる本校の文化です。プロジェクト学習が生徒のさらなる成長の機会になることを期待しています」

“Learning by Doing”
人生を切り拓く、主体性と行動力を養う学び
Check!
皆で協力しながら進めるプロセスフリーでゴールフリーな学び
“プロジェクト学習”

初回の授業で生徒が描いたマインドマップ。
自分たちの問題意識とやってみたいことなどを整理して、テーマを設定しました。

 4回の授業時間と放課後などの時間を使って取り組まれた『地域×桐朋女子プロジェクト』。テーマや進め方も、生徒たちの話し合いで決められました。地域に開かれた学校になるためのヒントを求め、地域の施設を訪問し、精力的に活動なさっている方々に話を伺って記事をまとめ、冊子を作成しました。

地域に根づいた5つの施設を訪問して取材を実施。
写真は左から、東部公民館の皆さん、クッキングハウスの皆さん、調布市選挙管理委員会事務局の方。
「社会をより良くしていく意思や熱意、すてきな考え方を知ることができました」(小川さん)

社会科(地理)/吉崎亜由美先生 PBL認定アドバイザーの資格をもち、2017年よりプロジェクト学習を取り入れたカリキュラムを実施しています。社会科(地理)/吉崎亜由美先生
PBL認定アドバイザーの資格をもち、2017年よりプロジェクト学習を取り入れたカリキュラムを実施しています。
取材内容を冊子にまとめて、ほかの生徒や先生方にも見てもらえるようにしました。取材内容を冊子にまとめて、ほかの生徒や先生方にも見てもらえるようにしました。
参加した卒業生より
視野が広がる学びの機会となりました
小川 花怜さん小川 花怜さん

「最初はとても緊張しましたが、勇気を出して行動した結果、地域の方々に快く迎えていただけたことが自信になりました。桐朋女子の生徒は、学内で積極的に活動をする力をもっているので、地域とつながることができれば、学外でも力を発揮してくれると思います」

小峰 結さん小峰 結さん

「心の病気を抱えている人たちが食事を通して交流するレストラン『クッキングハウス』に訪問してお話を伺いました。中高生がこのような場所にかかわることができれば、生きづらさを感じている人と心を通わせ合い、ともに暮らしていくことに近づくのではないかと思いました」

渡邊 貴子さん渡邊 貴子さん

「桐朋女子では、話し合うことがとても重視されていますが、このプロジェクトでも、対話がカギになっていたと感じます。正解はひとつではなく、どんな意見であっても、そこから話が広がり、考えを深めるきっかけになることがたくさんありました」

高崎 晴菜さん高崎 晴菜さん

「みんなで力を合わせたほうがより良いものができると考え、グループ学習で進めることにしました。桐朋女子には、みんなで協力し、生徒が中心になって企画・運営する活動がたくさんあります。そのような中で育まれてきた行動力が、この学習にも活かされたと思います」

ココも注目!
経験を重視した学校生活

“Learning by Doing” の精神のもと、実践や経験を通して得られる学びを大切にしている同校。授業や部活動、行事など、6年間の学校生活を通じて、失敗を恐れずに挑戦する心や、仲間とともに高め合う喜びを知り、主体的に行動する力を身につけていきます。

高2の地理の授業の一環として行われた『異文化理解講座』。さまざまな経験を通して学ぶことと、それを言語化する活動を大切にしています。高2の地理の授業の一環として行われた『異文化理解講座』。さまざまな経験を通して学ぶことと、それを言語化する活動を大切にしています。
体育祭は生徒の手により運営されます。『応援交歓』と呼ばれる種目では、各学年が工夫を凝らし、全員で一致団結した圧巻の演技を披露。一人ひとりが成長できる機会の一つです。体育祭は生徒の手により運営されます。『応援交歓』と呼ばれる種目では、各学年が工夫を凝らし、全員で一致団結した圧巻の演技を披露。一人ひとりが成長できる機会の一つです。

(この記事は『私立中高進学通信2021年11月号』に掲載しました。)

桐朋女子中学校  

〒182-8510 東京都調布市若葉町1-41-1
TEL:03-3300-2111

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進学通信 2021年11月号
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