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私立中高進学通信

2025年9月号

キャリア教育の現場から

十文字中学校

地域に根づいた探究活動から
グローバルに行動できる人へ

昨年の文化祭では、巣鴨の魅力がつまったオープンどら焼き3種を販売。

昨年の文化祭では、巣鴨の魅力がつまったオープンどら焼き3種を販売。

「世の中にたちてかひある人」を育むという言葉を建学の精神とする十文字。自己発信コースで展開する探究活動について、主任の飯島奈海先生と自己発信コースの生徒たちにお話を聞きました。

学校の最寄り、巣鴨駅前で
豊島区の活性化に奮闘
飯島奈海先生自己発信コース主任
進路部探究係長・国語科
飯島奈海先生

 1922年の創立以来、本来人間が本能的にもち合わせている「学びたい」と思う気持ちを刺激し、引き出す教育を行ってきた同校。2022年から高校で「リベラルアーツ」「特選(人文・理数)」「自己発信」の3コース制をスタートさせ、このうち自己発信コースは、自分の意見を持ち、さまざまな国の人々と力を合わせて社会をよりよく変えていく「チェンジメーカー」の育成を目標としています。飯島先生は自己発信コース開設以来、主任を務めています。

「自己発信コースは、週4時間の総合的な探究活動で能動的な学びを深め、ネイティブ教員による英語の授業でグローバルに発信できる力や自己表現力を養うコースです。2024年度は高1・高2生が、本校の最寄りである巣鴨駅前をもっと活性化させたいという思いから『巣鴨駅前商店街活性化プロジェクト』に取り組み、商店街とのコラボレーションで“オープンどら焼き”を作り、9月に開催した文化祭で販売しました。その商品が好評だったため、今年3月には本コースと駅前商店街、大正大学が運営するカフェ・ガモール堂とコラボイベントを実施し、“オープンどら焼き”を再販しました」

 今年はフィールドをさらに広げ、豊島区の活性化プロジェクトに取り組んでいます。

「5月24日には池袋で開催された『WE LOVE TOSHIMA地域貢献メッセ』に参加し、豊島区の魅力や課題について考えるブースを出展しました。また、11月16日『家族の日』には、本校で『Innovation festa at Jumonji』と題したイベントを行う予定です。豊島区にお住まいのご家族に本校へお越しいただき、一緒に豊島区の問題を考える日にしたいと考え、計画を練っているところです」

 今年の高1は、自己発信コース4期生となります。

「1期生はどんなコースかわからないけれど、思いきって飛び込んでみようというバイタリティの塊のような生徒たちが集まっていました。コースの方向性が定まってきた現在は、特色をきちんと理解したうえで、自分のこんな面を伸ばしたい、こんな勉強をしてみたいなど、明確な目的を持って選択してきた生徒が多いと感じています」

 探究学習を経験した生徒たちに、将来どのような人材になってほしいと期待を寄せているのでしょうか。

「今は商店街や豊島区といった限られたエリアで行動していますが、これらの経験や、ネイティブ教員から培った英語力を生かして、国内外問わずいろいろな人たちとコミュニケーションを取って、アクションを起こせる人になってほしいと願っています」

オープンどら焼きの商品開発には、十文字学園女子大学の人間生活学部食品開発学科准教授/梶野涼子先生も協力してくださいました。オープンどら焼きの商品開発には、十文字学園女子大学の人間生活学部食品開発学科准教授/梶野涼子先生も協力してくださいました。
『WE LOVE TOSHIMA地域貢献メッセ』のステージにて、豊島区の活性化をテーマとする探究活動について発表したT・Yさん。『WE LOVE TOSHIMA地域貢献メッセ』のステージにて、豊島区の活性化をテーマとする探究活動について発表したT・Yさん。
同イベントのブースに設置した手作りの分別ごみ箱。同イベントのブースに設置した手作りの分別ごみ箱。
自己発信コースの生徒たちに聞きました!
T・Yさん(高2)T・Yさん(高2)

 高2のT・Yさんは高校から入学しました。

「中学生の時に発表の機会はありましたが、発表は苦手で、人前で話すことを怖がってしまうタイプでした。私が自己発信コースに入ったのは、カリキュラムを調べた時に、自分の言葉で自分の意見を伝える力が伸ばせそうだと感じたからです。大人になればプレゼンテーションをする機会も多いと思うので、このコースで発表の経験を積んで、苦手意識を克服したいと考えました」

 そんなT・Yさんが2024年度の探究学習で取り組んだのは「巣鴨駅前商店街活性化プロジェクト」です。

「シニア世代が主な客層である巣鴨商店街に、若い人たちを呼び込むにはどのような仕掛けが必要なのかを、商店街の皆さんとコミュニケーションを取りながら考え、“オープンどら焼き”を作りました。商店街の老舗和菓子店・福島家さん、パティスリー・ヨシノリアサミさんとコラボした“モンブラン”と、巣鴨の“カモ”にパイナップルを掛け合わせた“鴨パイン”、福島家さんと十文字学園女子大とコラボした“あんバターイチゴ”の3種で、文化祭では570個を完売できました。このプロジェクトを通して商店街の現状もよく分かり、いろいろな人とコミュニケーションをとることの大切さも学びました」

↑Y・Kさん(高1)Y・Kさん(高1)

 高1のY・Kさんは中学から同校に通っています。

「中学の探究活動で猫の気持ちがわかるアプリを考案し、学内外で発表を経験しました。その際に充実感を得て、探究活動に重きを置く本コースでさらに発表のスキルを磨きたいと考え選択しました」

 今年度、Y・Kさんは豊島区の活性化をテーマに探究活動に取り組んでいます。

「豊島区は東京芸術劇場やサンシャイン水族館などがあって文化の香りがする一方で、待機児童やゴミのポイ捨てが多いという課題が見えてきました。なかでも私はゴミ問題に着目し、5月に池袋で行われた『WE LOVE TOSHIMA地域貢献メッセ』では、仲間と一緒にゴミの分別をゲーム感覚で学べるブースを展開しました。子どもたちにもゴミの分別に興味を持ってもらうため、“分別ゲーム”にガチャガチャのカプセルやイラストを使うなど工夫したところ、多くの子どもたちが楽しみながら取り組んでくれました。今後も私たちでできることを考えていきたいです」

『地域貢献メッセ』のブースで使ったガチャガチャゴミを手にするY・Kさん(左)、『巣鴨駅前商店街活性化プロジェクト』の企画案を手にしたT・Yさん(中)、飯島先生(右)。

『地域貢献メッセ』のブースで使ったガチャガチャゴミを手にするY・Kさん(左)、
『巣鴨駅前商店街活性化プロジェクト』の企画案を手にしたT・Yさん(中)、飯島先生(右)。

(この記事は『私立中高進学通信2025年9月号』に掲載しました。)

十文字中学校  

〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-10-33
TEL:03-3918-0511

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