Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

順天中学校

ローカルからグローバルへ!
語学力と知識を活かした社会貢献

英語探究を通して地域の課題に向き合う
団地に住む方々との触れ合いを通して、課題解決に取り組む本当の意義を見いだしていきます。

団地に住む方々との触れ合いを通して、課題解決に取り組む本当の意義を見いだしていきます。

福祉教育の視点で行う
地域密着型の「英語探究」

「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」ことを教育目標に掲げる同校。「学び方と生き方」を大切にしており、進学教育だけでなく、国際教育や福祉教育にも力を入れているところが特徴的です。

 2022年度から高校で「総合的な探究の時間」という新科目が始まりますが、同校は高校の英語選抜類型(以下、Eクラス)で2019年度からすでに「英語探究」に力を入れています。

 その英語探究で特記すべきは「地域と福祉」の視点です。地域の課題に向き合うフィールドワーク通して「自分で感じる」経験から探究的な学びへと発展させています。

 Eクラスを担当する英語科の藤井健太先生に、お話を伺いました。

「本校はSGH指定校として多くの国際的な取り組みを行ってきました。そこで得た経験を活かし、試行錯誤の末に創り上げたプログラムが英語探究です。大切にしている部分は、地域密着型のフィールドワークにこだわり、長期にわたって深く継続的な活動を行うことです。生徒たちには、そこから学ぶことの意義を見いだしてほしいと思っています。学ぶ意義を見つけると、生徒たちは自ら進んで探究を深めていきます」

 英語探究が始まって3年目ですが、これまでの活動は多岐にわたっています。現在は4つの班に分かれ、「豊島5丁目団地生活サポートグループ」「子ども食堂・英語教育グループ」「カンボジア教育支援グループ」「フィリピン・オンラインでの日本語教育グループ」がそれぞれの活動を行っています。たとえば、子ども食堂グループでは、調理・配膳補助だけでなく、歌や遊びを取り入れた英語教育を行っています。また、団地生活サポートグループでは、高齢化や多国籍化が進む団地での日本語教育や英語教育、聞き取り調査や生活支援を行っています。

「実地の活動を通じて課題を実感した生徒たちの熱量は相当なもので、机上での活動と比べ、圧倒的に学習意欲が高まります」 (藤井先生)

 この英語探究は、大学への推薦入試対策にも一役買っています。藤井先生は、問題へのアプローチとして専門書を読んだうえでのレポート提出を課していますが、たとえば上智大学総合グローバル学部の推薦入試では専門書3冊以上の書評が必要であり、このような大学に向けては格好の推薦対策となり、これまで帰国生しか希望しなかった推薦入試へクラスの半分以上の生徒が希望するようになったと言います。

中学での「統合学習」が
探究の芽を育む

 同校は中学で、芸術・技術家庭・保健体育・道徳を横断的に組み合わせた「統合学習」を行っています。異世代交流や障がいをもつ人々への理解を深めるために、福祉ボランティアのワークショップも組み込んでいます。たとえば、中1では区内12の保育園を訪問し、美術や家庭科の授業で手作りしたおもちゃを寄贈します。中2では点字・手話を学び、名画のレリーフ画を制作して、全盲の方に名画の素晴らしさを伝える活動を行います。多様な人々を受け入れ、課題に向き合う活動は、同校の探究活動の礎にもなっています。

 同校の英語探究は開始から3年目ですが、継続的な活動として、進級しても下の学年が引き継げるようになっています。また、興味のある中学生も参加することができます。

「探究学習のモデルとして、これから中学部にも広げていく予定です」(藤井先生)

探究 1
中学3年間で地域に根付いた活動から
社会問題の解決を探る基礎を学ぶ

 中学では、実技4教科(芸術・技術家庭・保健体育・道徳)を横断的に組み合わせた「統合学習」を実践しています。同校では知識・感性・体力面において多様な人々を受け入れて課題を発見し、また地域の方と協働することを学ぶため、教科の内容以外に福祉ボランティアのワークショップなどにも取り組みます。中1では家族の絆について学習を深めた後、地域の保育園を訪問し、授業で作成した品々を寄贈します。中2では点字・手話を学び、障がい者への理解を深めます。そして中3では国際理解へとその視野を広げていきます。

探究 2
地域の課題に向き合い解決方法を考える、
継続的な地域密着型フィールドワーク
豊島5丁目団地生活サポートグループ
豊島5丁目団地生活サポートグループ

 東洋大学ライフデザイン学部と共同で、団地の外国人居住者や高齢居住者の生活サポート活動を行っています。具体的には、日本語教育や英語教育、多言語のガイドブック作り、豊島団地商店街を会場にした「団地の過去・現在・未来を考える写真展」を東洋大学の学生と共同で開催。地域住民からも多くの関心が寄せられました。

子ども食堂・英語教育グループ
子ども食堂・英語教育グループ

「寺子屋子ども食堂・王子」に集う子どもたちに向け、同校の生徒がオンラインでの英語指導を行っています。中学生にはGoogle Formでの課題配信や動画配信を行い、中3で英検3級を取得してもらうことを目標に掲げています。

フィリピン・日本語教育グループ
フィリピン・日本語教育グループ

 フィリピンにあるラサレット校とオンラインで交流し、日本語のレッスンを行っています。お互いの文化について語り合うことで、国際交流を図りつつ、生徒の実践的な英語力も大きく飛躍しています。

カンボジア教育支援グループ
カンボジア教育支援グループ

 カンボジアの小学校に対する教育支援活動として、ポスターと動画配信で現地の英語教育を支援しています。また学習の拠点となる図書館の建築をめざし、同校のオンライン文化祭でクラウドファンディングを行いました。

ココも注目!
「探究」とは、社会に
ポジティブなインパクトを与えること
(英語科/藤井健太先生)(英語科/藤井健太先生)

「英語探究」の目的は、語学力や知識を活かして地域社会に貢献するなかで学ぶ意味を発見し、学習への意欲を向上させることです。私自身、大学院時代にインドでのフィールドワークを経験したことで、実際の活動と専門の学びの大切さを実感しました。

進学通信 2021年11月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ