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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

埼玉平成中学校

生徒研究発表会で育む
自分で課題を見つけ解決する能力

将来社会人として活躍するために!
インターネットを利用し、教室の生徒や家族らに向けてライブ配信。コロナ禍でも創意工夫で「生徒研究発表会」を実施しました。

インターネットを利用し、教室の生徒や家族らに向けてライブ配信。
コロナ禍でも創意工夫で「生徒研究発表会」を実施しました。

生徒たちの豊かな発想から
社会で必要な総合力を

『為すことによって学ぶ』を建学の精神とする同校の取り組み「生徒研究発表会」は、10年前のS選抜クラス新設とともに始まった、ディベートの授業がきっかけでした。

「生徒たちがやがて社会人へと成長し、自分の好きな仕事に就き、それぞれのフィールドで活躍するために必要な総合力を養うことを目標に、中学生全員が毎年取り組む生徒研究発表会が生まれました。単なるプレゼンテーションで終わらないようにこだわっています。生徒たち自身がテーマを決め、自分で調べ、分析し、まとめあげるとともに、最終的に5分間という限られた時間内に発表する、極めて濃い内容です」(学力向上委員会委員長・社会科/本多寛樹先生)

 毎年6月下旬頃からテーマ設定を行いますが、生徒たちの自由な発想が生み出すテーマは百花繚乱。

「たとえば『クラゲと生息地』『なぜ日本人は漢字・ひらがな・カタカナを使うのか』『血液と生活習慣』といったテーマから、キリンの骨構造やアニメキャラクターを扱ったものまで、実にユニークです。生徒と教員が話し合いを重ね、研究に値するテーマとなるよう絞り込んでいきます」

 1学期の期末考査後、生徒たちは徐々にテーマを選定。夏休み中に参考文献を読み込み、研究発表の中間報告となる壁新聞(発表内容の骨子と流れ)を作成します。2学期以降、壁新聞の発表、担当教員との面談や作成内容の校正、最終稿となる文章の提出などを経た後、パワーポイントを使って内容をまとめ、翌年2月の発表会を迎えます。

プレゼンテーションを通じて
成長していく貴重な体験

 生徒たちの8カ月にも及ぶ努力が結実する「生徒研究発表会」。例年は中学生全員を前に、自身で作成した台本を基に、スクリーンに大きく映し出されたスライドを見せながら進行します。昨年度はコロナ禍のため、YouTubeによるライブ配信を生徒が各家庭で視聴する形式で開催しました。

「審査は一定の基準を基に、教員だけでなく、生徒も行います。生徒たちは、他者の発表を自身の考えとして振り返り、判断する力を育みます」と本多先生は言います。取材した3人の生徒は2月の発表に向け、壁新聞制作の真っ最中でした。ハキハキと質問に答える姿を見ても、将来、社会人として活躍するための素地が、中学3年間という早い段階から育まれている印象をもちました。「生徒研究発表会」は、生徒が各々の成長への足掛かりをつかむ、大切な取り組みなのです。

研究発表 1
旅行先で出会ったクラゲから探究の面白さを発見
2020年度 最優秀賞 中3 松本 愛子さん

テーマ「クラゲと生息地」

「なぜクラゲはこんなに大きさが違うのだろう」と疑問がわいた松本さん。動物には生育域の温度が体の大きさに関係するという法則があります。日本近海のクラゲにも法則性があるのではと仮説を立て、図鑑を見ながらデータをグラフ化。さらにクラゲの種類である「目」に着目すると、水温が上がると大きくなるものと、逆に小さくなるものがあることに気がつきました。

「200以上のデータのグラフ化が大変でしたが、探究を続けるほどに新たな着眼点など、得るものが多いと実感しています」

図鑑などの文献から、細かく読み取ったデータをグラフにしてわかりやすく伝えています。

発表に使われたパワーポイント。クラゲの画像を多用するなど、視聴者を引き込む工夫を凝らしました。

発表に使われたパワーポイント。クラゲの画像を多用するなど、視聴者を引き込む工夫を凝らしました。

研究発表 2
身近に接している日本の文字の奥深さを楽しめました
2020年度 優秀賞 中2 石嶺 凜さん

テーマ「なぜ日本は漢字・ひらがな・カタカナを使うのか」

 書道部に在籍する石嶺さんは、日本語の文字に着目。調べてみると、まず中国から漢字が伝来し、漢字の一部や漢字をくずしたものから、ひらがな・カタカナが生まれたことがわかりました。さらに明治時代から昭和22年まで、子どもたちが習う文字は漢字とカタカナだったことを知りました。

「3種類の文字は、日本の歴史と深く関わっていること、そして見やすい・読みやすいという視覚的な効果から現在でも使い分けられていることなどがわかり、ますます文字への興味が深まりました。2月の発表に向け頑張っています」

戦前、戦後の教科書などを画像で見せ、より伝わりやすいレイアウトに。

クイズ形式の構成で視聴者を飽きさせないよう工夫を凝らしました。

クイズ形式の構成で視聴者を飽きさせないよう工夫を凝らしました。

研究発表 3
血液と健康をテーマに自分なりの発見がいっぱい
2020年度 中2 山岸 未來さん

テーマ「血液と生活習慣」

 普段からご家族と健康について語り合うことが多い山岸さんは、血液をテーマに設定。高脂血症など、ドロドロ血液になると、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病といった深刻な病気になりやすく、だからこそ、食事、運動、睡眠のバランスを整えることが大切であると発表しました。

「母のアドバイスを取り入れるとともに、実際の発表ではイラスト、写真を多用することで、見やすさ、伝わりやすさに配慮しました。昨年度の経験を基に、今回は同じ健康をテーマに、さらに別の角度から研究を進行中です」

写真やイラストを豊富に取り入れた構成で、見やすさを重視しました。

血液の役割をシンプルにまとめ、視聴者へわかりやすくアピール。

血液の役割をシンプルにまとめ、視聴者へわかりやすくアピール。

POINT!
発表内容の中間報告 A3サイズの壁新聞に
壁新聞壁新聞

 発表内容の骨子をまとめた壁新聞。テーマに沿って重ねた考察の流れが詳細に書かれています。内容を振り返ることで、自身の意図と違いがないかなど、改めて確認をします。

 教室内に張り出されるので、ほかの生徒の内容も確認でき、自身の内容に新たな肉付けを行うなど、探究に磨きをかけるヒントに出会えることも。

先生からの一言!
1年近くかけて課題の解決に取り組む生徒らに感動!
(学力向上委員会委員長・社会科/本多寛樹先生)(学力向上委員会委員長・社会科/本多寛樹先生)

 生徒たちは、いろいろな文献から情報を集め、自分で判断して発表原稿を完成させていきます。大切なのは、テーマに沿って、課題の解決に役立つ情報を絞り込むということです。これを私は「集めた情報を研ぐ」と表現しています。しっかりと研がれた情報から生まれた言葉には、説得力があります。そうした瞬間に出会える発表会当日は、毎年いくつもの感動を覚えます。

進学通信 2021年11月号
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