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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

専修大学松戸中学校

身近な素材を使った実験で
理科的にものを見る目を養う

理科が苦手な生徒も大好きな授業
理科室で実施されている「理科実験」の授業。白衣を着た生徒たちが、ニワトリの心臓の解剖実験に取り組みます。

理科室で実施されている「理科実験」の授業。白衣を着た生徒たちが、ニワトリの心臓の解剖実験に取り組みます。

理科への興味を引き出す
ダイナミックな「理科実験」

 社会に貢献できる知性豊かな人材を育成するため、学ぶ喜びを実感できる機会を豊富に提供している同校。生徒一人ひとりのモチベーションを高めながら、知・徳・体のバランスが取れた指導の実践によって、夢の実現を多面的にバックアップしています。

 特に力を入れているのが理科の授業で、中学では「理科に対する興味・関心を引き出す」ことを重視。週4時間の授業を2時間ずつに分け、分野別(物理・化学・生物・地学)で展開。実験を多く実施しながら基礎的な内容を学習します。

 中1・中2ではさらに別枠で週1時間「理科実験」の授業が設けられています。教科書にある内容の実験は通常の理科の授業で行いますが、「理科実験」では身近なもの、見たことがあるものを使って、より生徒の興味・関心を引き出す、ダイナミックな実験を展開しています。

「物理・化学・生物・地学の教員がそれぞれの専門性を活かして授業を受け持ちます。実験は普段の授業を発展させた内容もあれば、より興味がわきそうなまったく別の内容で展開することもあります。実験と考察を繰り返すことで、理科的なものの考え方、論理的に説明する力を身につけていきます。4人グループで感想を話し合いながら実験を進めることで、より理解が深まります」(理科主任/森 鉄也先生)

思考力・判断力・表現力を
養成するアウトプット型授業

 この日の中1「理科実験 I」では、ニワトリのハツ(心臓)の解剖実験が行われていました。実際に解剖用のハサミで心臓を切り、その弾力や、右心室・左心室などがどうなっているかを確認しながら解剖を進めていきます。解剖は煮干しや生魚を使うこともあり、普段食べているものをじっくりと解剖することにより、身近な毎日にも理科の題材が詰まっているということを実感してもらいます。

「たとえば生物ではミジンコやツバキの葉の観察実験を行いますが、教科書の写真やイラストで学んでいたとしても、実際にミジンコを顕微鏡でのぞいてみると『動いてる!』『気持ち悪い』などの率直な感想が出てきます。ツバキでは「葉緑体がこの小さな粒なんだな」と、実際に観察することで教科書での学びよりも、理解と受け止め方がより深くなりますね。また生徒に特に人気なのが液体窒素、超低温の実験です。いろいろなものを液体窒素を使って凍らせるのですが、たとえば膨らませた風船を冷やすと縮み、常温になると再び膨らむ事象や、酸素や二酸化炭素などの気体を冷やす実験を体験すると、温度による体積の変化が実際の体験を通して学べるので、生徒たちはワクワクしながら取り組んでいます。凍らせてみたいものを持ってきて、各自で楽しんで実験しています」(森先生)

日常生活で目にする身近な素材を使って行われる実験授業
Point 1
ニワトリのハツを使った心臓の解剖実験

 理科への興味・関心を引き出すことを目的に行われている「理科実験」。身近な素材を使うのがこの授業の特徴で、この日は焼き鳥としてもポピュラーなニワトリのハツ(心臓)を使った解剖実験です。脂肪を取り除き、実際に触り、自分の筋肉と弾力を比べたり、解剖ハサミを使って切断し、中を確認して感想をメモしたり、自分が見ているものをイラストにまとめたりします。大動脈、肺動脈の血管を観察した後は、外観からは見えない右心房、左心房、右心室、左心室を切断して観察。心臓の働きを考えながらそれぞれの違いを見ていきます。

切断した心臓の右心室、左心室を観察。つまようじを差し込んで、中がどうなっているかを確認します。1
切断した心臓の右心室、左心室を観察。つまようじを差し込んで、中がどうなっているかを確認します。
切断した断面を観察して、その様子をプリントにイラストでメモします。2
切断した断面を観察して、その様子をプリントにイラストでメモします。
森先生がつくったプリントとモニターに映る画像などを見ながら観察を進めていきます。3
森先生がつくったプリントとモニターに映る画像などを見ながら観察を進めていきます。
解剖を進めながらテーブルを回る森先生。生徒たちは自分が正しくできているかを相談しながら解剖を進められます。4
解剖を進めながらテーブルを回る森先生。生徒たちは自分が正しくできているかを相談しながら解剖を進められます。
実験した画像をタブレット端末で撮影する生徒も。帰宅後の復習にも有効。5-1
実験した画像をタブレット端末で撮影する生徒も。帰宅後の復習にも有効。
先生の作成したプリント。これを生徒たちは各自ノートに貼り、実験の結果や学んだことをまとめて提出していきます。5-2
先生の作成したプリント。これを生徒たちは各自ノートに貼り、実験の結果や学んだことをまとめて提出していきます。
Point 2
フィールドワークや家庭科とコラボした授業も

 中2ではフィールドワークとして春に田植えを、秋にその稲刈りを実施しています。収穫したお米は学校に送られ「理科実験」と家庭科のコラボ授業に使用。ビーカーで炊飯しながらうるち米とインディカ米の違いや、時間による柔らかさの違いなど、米の状態、変化を観察。自然や自然現象と触れ合いながら五感を磨く授業です。

ご協力いただく農家の方の田んぼへ行き、クラスメートと一緒に田植えを実践。体をしっかり使って自然と触れ合います。ご協力いただく農家の方の田んぼへ行き、クラスメートと一緒に田植えを実践。体をしっかり使って自然と触れ合います。
開校以来続いている田植えと稲刈り。主食である米がどのように作られているのかを考える機会になっています。開校以来続いている田植えと稲刈り。主食である米がどのように作られているのかを考える機会になっています。
収穫したお米を使って「理科実験」の授業。いつも当たり前に食べているご飯がどのように炊けるのか、実際に見て調べます。収穫したお米を使って「理科実験」の授業。いつも当たり前に食べているご飯がどのように炊けるのか、実際に見て調べます。
先生からの一言!
理科が好きな生徒が増えたらうれしいです
(理科主任/森 鉄也先生)(理科主任/森 鉄也先生)

「週1で行われている『理科実験』は2012年から続くもので、通常の理科の授業とは別に行われています。煮干しや卵など身近な素材を使って実験することで、生徒の興味を引き出しているのが特色です。『理科実験』のある日が1週間の中で一番楽しみだという生徒も多く、理科の楽しさを知るきっかけになっていることを実感しています。日常生活の中での理科的なものの見方、考え方を養ってもらいたいですね」

進学通信 2021年11月号
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