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私立中高進学通信

2021年11月号

私学だからできるオリジナル教育

田園調布学園中等部

中1から『探究』の授業がスタート
中等部では思考法の基礎を学ぶ

2002年から続く『土曜プログラム』など、生徒の興味・関心を引き出す教育を実践する同校。2022年度から始まる新カリキュラムについてお聞きしました。
2022年度から中等部では課題解決型学習(PBL)を学び、デザイン思考により結果を恐れない姿勢を育てます。

2022年度から中等部では課題解決型学習(PBL)を学び、デザイン思考により結果を恐れない姿勢を育てます。

中1から高2まで行う
『探究』の学び

 建学の精神「捨我精進しゃがしょうじん」のもと、体験重視の教育を行う同校が、2022年度からカリキュラムの改訂を行います。

「新カリキュラムの大きな特徴は『探究』および教科横断型授業の推進にあります。本校は2002年度から週5日制65分授業、リベラルアーツとしての『土曜プログラム』、体験重視をさらに進めた教育活動を行ってきました。2022年度からは、中1から高2を対象に、現在高1の『土曜プログラム』で実施している『探究』を進化させた学びを、週1時間の授業として行います」(国語科/教頭 兼子尚美先生)

『土曜プログラム』とは、知的好奇心を教養へと高める同校独自の取り組み。年15回程度土曜日に行われ、発達段階に応じたテーマを設けて講座を開設する「コアプログラム」と、170もの講座から自由に選んで受講できる「マイプログラム」に分かれています。今回週1時間の授業となる『探究』は、今まで高1を対象に行われてきた「コアプログラム」の一環でした。

「中等部に関しては、課題解決型学習を意識していきます。これはある程度身近な問題に対して、解決に向けた思考法を学んでいく学習です。高等部に関しては、自分で課題を設定して探究していきます」(兼子先生)

「デザイン思考」を使って
身の回りから世界へ

 中等部の課題解決型学習は「デザイン思考」がポイントです。「デザイン思考」とは、「理解と共感」→「問題の定義」→「アイデアの発想」→「プロトタイプ&テスト」という4つのステップを何回も繰り返しながら、問題を解決していく思考法です。

「まず中1は、身近な困りごとを題材にした課題解決学習を行います。近くにある多摩川のフィールドワークを行いながら、デザイン思考を体験します。また、非認知能力を見える化することで自分を知る活動や、これからのICT社会で不可欠な『情報リテラシー』も学びます。中2は、課題の範囲を身の回りから地域に広げ、本校と関わりのある地域の企業などと連携して課題を設定、解決していきます。中3は、視野を国内まで広げます。保護者や卒業生、外部のプロジェクトや団体、企業などと連携して課題を設定し、解決に向けて取り組みます」(理科/副教頭・教務部長 入英樹先生)

 高等部ではさらに世界に目を向けて、自分で課題を発見・設定し、時には大学や企業の力を借りながら、探究していきます。そして最後は、その成果をまとめていきます。

「中学では思考法を学び、高校では自ら問いを立てて探究します。発達段階に応じて課題の範囲(視野)を広げながら探究の取り組みを行っていきます。週1時間の授業として『探究』を行うことで、生徒たちもより深く学ぶことができると考えています」(入先生)

『探究』の授業がスタート!
  • 中1
    身近な困りごとを題材にした課題解決学習(非認知能力を見える化することで自分を知る活動や、情報リテラシーを学ぶ授業もある)。
  • 中2
    課題を学内や地域に広げて設定し、地域の企業とも連携しながら課題解決力を高めていく。
  • 中3
    課題を国内に広げて設定し、企業や外部団体など、学外での学習を通じて日頃からデザイン思考を実践・活用していく。
  • 高等部
    世界の起業家から世界の環境・貧困・飢餓・経済の現状を聞き、視野を世界に広げる中で、自ら課題を設定し、探究していく。

 中等部では「デザイン思考」の基礎を学びながら、課題解決のスキルを身につけます。これまで行ってきた中2の山形県酒田市へのファームステイ、高1で経験する九州への学習体験旅行などとも関連させながら探究活動を行います。中等部から高等部2年までの5年間を通して、身近な問題から世界的な課題までを自分ごととして捉え、卒業時には学校ルーブリック(※)にある力や姿勢を身につけます。

※学校ルーブリック…6年間のあらゆる教育活動に明確な目標・目的を定め、身につけてほしい力や土台となる姿勢を示したもの。同校ではこの学校ルーブリックをもとに、さらに教科ルーブリックを設定し、授業やHR活動で活用している。

『デザイン思考』で課題を解決

『デザイン思考』は、上記のステップ①~④のサイクルを何回も繰り返しながら課題を解決していく思考法です。結果を恐れず、どんどんプロトタイプ(試作)を出していくところがポイントです。クラスのもめごとや行事の運営における問題解決、また学習方法の改善など、日常から実践できる思考法です。(入先生)

65分から50分授業に

「『しっかり考える授業にしよう』という狙いで20年間実施してきた本校独自の65分授業でしたが、特にコロナ禍以降の顕著なICT化の進展により、50分でも同じ内容の授業が十分できるようになりました。
 また、本校の特徴の一つである『教科横断型授業』は、すべての教科のコマが分かれているほうが授業を組みやすいということがわかってきました。数学×美術、物理×音楽など2つの教科を組み合わせるため、65分1コマよりも50分2コマとしたほうがより展開しやすいというわけです。もともと本校は50分授業でしたが、決して元に戻るということではなく、今までやってきた教育活動をより深化させる方向での50分授業とお考えいただければと思います」(数学科/入試広報室長 細野智之先生)

「豊かな人生を歩める人」に育ってほしい
左から入先生、兼子先生、細野先生。コロナ禍で学習体験旅行や音楽会が中止になっても、現地とリモートでつないだ代替プログラムやリモート音楽会など、生徒のアイデアが光りました。左から入先生、兼子先生、細野先生。
コロナ禍で学習体験旅行や音楽会が中止になっても、現地とリモートでつないだ代替プログラムやリモート音楽会など、生徒のアイデアが光りました。

「生徒たちが社会で活躍する頃、世界がどのように変化しているか予測がつかない時代です。しかし、どんな時代になっても『豊かな人生を歩める人』に育ってほしいという願いは変わりません。一人ひとりが豊かな人生を歩むことにつながるように、2022年度に向けて学校ルーブリックを新たに見直し、その実現に向けて設定した新カリキュラムの特徴の一つが『探究』の授業です。今解決すべき問題は何なのかを念頭に、情報を取捨選択して分析し、対話を重ねて解決方法を模索することができる人を育てていきたいと考えています」(兼子先生)

進学通信 2021年11月号
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