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私立中高進学通信

2025年11月号

私たち、僕たちが大好きな先生

春日部共栄中学校

自分で考え、多様な意見を
尊重できる人を育てたい

田口 凌太(たぐち りょうた)先生

理科 田口 凌太(たぐち りょうた)先生

中高一貫の私立校を経て大学に進学。
卒業後は私立中高一貫校の講師として2年間中・高の理科授業を担当する。
その後春日部共栄で1年間理科講師を務めた後、正規教員に採用される。
専門分野は生物。現在は中3の理科と高3の生物基礎、
文系の共通テスト対策の生物基礎・化学基礎を担当するほか、中3の担任も務める。
部活動では中学バドミントン部の顧問として生徒たちと共に汗を流している。

「『難しい』『自分には関係ない』と思われがちな理科ですが、実は私たちの身近なところにも、理科に関係する事象や技術がたくさんあります。そうした部分を生徒に伝え、理科を学ぶ楽しさに気づいてほしいですね」と話す田口凌太先生に、ご自身についてのお話を伺いました。

身近な事象から
理科に興味をもたせたい

――教員をめざしたきっかけを教えてください。

 大学時の教育実習で、周囲の人から「楽しそう」「充実しているように見える」とよく言われました。その時はまだ教員が第1志望ではなかったのですが、自分の言葉や行動が生徒の一部になっていく実感があり、責任の重い仕事だと思うとともにやりがいも感じました。私自身が私立の中高一貫校で学んできたこともあり、私立の中高一貫校で教えたい、特に中学で指導をしたいという思いが強く、春日部共栄での勤務へと至りました。この学校に初めて来た時は、どの生徒からも挨拶をしてもらって、とてもうれしかったことを覚えています。

――理科の教科指導では、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

 専門分野は生物ですが、中学では理科全般を担当しています。全分野を担当するのは大変な面もありますが、年間を通じた流れを把握しやすいというメリットもあります。

 授業では、「生徒が考える時間を設けること」を心がけています。光についての授業なら「影ができるのはなぜ?」というように、自分で考えて自由な意見を出せるような質問を投げかけます。そして、ほかの人の意見も共有するようにして、さらに深く考えさせます。こうしたやりとりを経て、身近なところにさまざまな理科の学びがあることを感じてもらっています。

 指導にあたっては、独自に作成したプリントを冊子にして配付しています。その中には、「知っている生き物を書いてみよう」「その生き物を背骨のある・なしで分類してみよう」など、身近なところから考えていける内容を、穴埋め形式で記入できるようにしています。授業内容を予習・復習する際に書き込みができるよう、余白を広めにとっています。

――理科が苦手な生徒には、どのような指導を心がけていますか。

 理科が苦手な生徒は、理科を縁遠いものと思っていて、学びのイメージをつかめていないケースが見られます。そこで、まず身近なものから親近感をもてるようにしています。例えば空を見上げれば、気象と結びつけられます。晴れていれば、この時はどんな天気図だろうかと思考を促し、「Hというマークがあるね、これは高気圧のマークだね」と関連させていきます。このように理科を身近なもの、面白いものと思ってほしいのです。また、一口に理科と言っても、物理・化学・生物・地学とさまざまな分野があるので、何かしら自分の好きな分野を見つけてほしいと思います。

「不思議箱」を設置して
意見の共有を図る

――中3の担任としては、どのような指導をされていますか。

 クラスにはさまざまな生徒がいるので、いろいろな人の話を聞いてそれぞれの価値観を知り、互いを尊重できるようになってほしいと願っています。そのための具体策として、パソコン上に「不思議箱」というフォルダをつくって、不思議に思ったことや興味を引かれたことを、メモ書きでよいので入れてもらっています。そこには、「あくびってなぜうつるんですか」「きのこは菌だから、焼くと死んでしまうのですか」など、面白い質問が寄せられています。自分の意見が言いづらいとか、言うと変だと思われそうとか、そうした壁を取り払いたい、どんな意見でも共有できる場を設けて、生徒の考えを知ることも意識しています。

 不思議箱に入った意見は、ほかの誰かが「それ知っています」とアンサーしたり、ホームルームで話し合ったりすることもあります。

 現在担任をしている中3ともなると、それまでの中学生活で関わってこなかった人とは、イメージで人間関係を形成してしまうケースも増えてきます。そうではなく、実際に関わったことや思ったことを元に関係を構築してほしいと思います。自分の考えを決める際に、ほかの人の考えにも思いを巡らせ、比較してほしい。その結果として、取捨選択をしてほしいと思います。

 中3は微妙な年齢で本音を隠しがちなので、日頃からコミュニケーションをとるようにしています。授業がない日でも1人1回は話をするようにして、自分から話しかけた回数と生徒のほうから話しかけてきた回数のどちらが多いかカウントしたりしています。生徒の意見に助けられることも多いですし、生徒や先生方のさまざまな考えに触れられる教員という職業に、格別の魅力を感じています。

――バドミントン部では、どのような指導をされていますか。

 バドミントンは未経験で、初めは簡単な用語もわからず、経験者である保護者の方に指導を助けてもらいながら顧問を務めてきました。部員たちのバドミントンが好きという気持ちを大事にして、うまくなりたい、強くなりたいとつなげていくように心がけています。部員のほうから練習メニューを提案されることもあり、良い流れになっていると思います。

――今後の目標や抱負を教えてください。

 中高一貫校の良さとして、高校での学びを踏まえた指導を中学で展開できるという点があります。中学と高校の学びがつながっていることに生徒自身が気づき、中学の時点から大学受験を意識した学びができるようにしていきたいですね。

 また、生徒のさまざまな興味に寄り添い、進路も含めて「この分野ならこういうことも面白いよ」など、いろいろな可能性を提示できる教員になりたいと思います。

担任を務めるクラスの様子。授業の後などは、先生を中心に輪がつくられます。担任を務めるクラスの様子。授業の後などは、先生を中心に輪がつくられます。
緑あふれる場所が校内の至る所にあります。先生の周りにたくさんの生徒たちが集まってくれました。緑あふれる場所が校内の至る所にあります。先生の周りにたくさんの生徒たちが集まってくれました。
生徒の声
中3 I・Sさん中3 I・Sさん

 田口先生はとても明るくて、いろいろなことを話しやすい先生です。話しやすいのは、年齢が近いところも大きいと感じています。理科の授業の後にわからないところを聞きにいくと、とてもわかりやすく教えてくださいます。ほかにも、きょうだいゲンカをした時にアドバイスをもらうなど、いろいろな相談にのってもらっています。


中3 Y・Nさん中3 Y・Nさん

 中1からバドミントン部で指導してもらっています。初めて会った時の印象は、「優しそうな先生」というもので、実際に印象どおりの先生でした。ほかに用事がない限り部活動に来て指導してくださり、そのおかげで県大会に出場することができました。理科の授業もわかりやすく、配付してもらった独自のプリントを復習に役立てています。

進学通信 2025年11月号
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