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私立中高進学通信

2025年11月号

変わる私学!

麴町学園女子(麹町学園女子)中学校

未来をデザインするキャリア教育
探究と進路を結びつける学び

キャリア教育&コース制

キャリア教育に結びつく探究活動を行う『みらい科』の授業は、近隣企業に協力を仰いだ独自のテーマを実現。

 2025年度に創立120周年を迎えた同校。近年のアップデートとさらなる改革についても伺いました。

独自の『みらい科』授業は
探究とキャリア教育の融合へ

『豊かな人生を自らデザインできる自立した女性の育成』を教育目標に掲げる麴町学園女子。社会の多様化を踏まえ、英語教育やグローバル教育、思考型授業、科学探究など幅広い学びを展開し、カリキュラムや進路指導の面でも進化を続けています。

 なかでも大きな変革を遂げたのが、2000年度に始まった独自のキャリア教育『みらい科』です。かつては自己理解や将来設計を重視したキャリア形成中心の内容でしたが、現在は「社会や自分への問い」を出発点とする探究型の学びへと発展。企業と連携した商品開発など、課題解決型の活動を通じて、思考力・協働力、そして未来を切り拓く力を養っています。

「2023年度からは中1・中2、中3・高1と、2学年合同で取り組む探究活動へと移行しました。異学年で協力することにより刺激を受け、協働する力も育ちます。企業との協働による探究は、生徒の意欲を大いに引き出し、楽しみながら主体的に取り組む姿勢につながっています。
 さらに高2では、一人ひとりがテーマを設定して探究活動を実践。論文やプレゼンに挑戦し、その成果を総合型選抜など大学入試にも活かしています。こうした学びは、生徒が将来を考えるきっかけにもなっており、近年は大学の知名度や偏差値にとらわれず、“やりたいことができる大学や学部・学科”を重視する生徒が増えています。進路選択にも積極的に向き合い、早い段階から将来を見据えるようになりました」(進路指導部長/花形映里先生)

 そうした生徒の需要に応えるべく、中高全生徒が参加可能な『大学進学フェア』を校内で開催。高2の『勉強合宿』の実施時期を冬から夏へ変更するなど、状況を見て取り組みをアップデートしています。

 同校では2020年度より、海外大学への入学資格と日本の高校卒業資格を同時に取得できる『ダブルディプロマプログラム』を導入。『海外協定大学推薦制度(UPAA)』(※)の活用も始まり、留学や海外進学を希望する生徒の関心にも応えています。

「ニュージーランドでの語学研修や3カ月留学、2年間のアイルランドダブルディプロマプログラムなどを含め、毎年30~40名が海外体験を重ねています。UPAAを利用した海外大学合格者も増加しており、生徒は国内外を問わず幅広い選択肢から進路を選べるようになっています。今後もサポート体制をさらに充実させていきます」(花形先生)

※海外協定大学推薦制度(UPAA)…高校の推薦で英米を中心とした9カ国の海外名門大学へ最大6校まで同時出願できる制度です。海外大学に通常必要なSAT(米国の大学進学統一試験で英語と数学の基礎学力を測る1600点満点の試験)が免除され、国内大学との併願も可能。合格通知は早期に届き、進路の選択肢を広げるシステムです。

2026年度から
中学のコース制を見直し

『みらい科』にとどまらず、教育全体の改革も進行中です。その一環として、中学のコース制見直しを決定。これまでは中1から「グローバルコース」「スタンダードコース」の2コース、中2からは理科への興味・関心のある生徒に向け『サイエンス探究クラス』を設置してきましたが、2026年度入学者からはコース制そのものをなくし、生徒一人ひとりが自らの可能性を最大限に見出せる学びを展開していきます。

 2025年4月より新たに校長へ就任された大久保靖先生は、次のように語ります。

「コース制をリニューアルする理由は非常にポジティブです。グローバルコースの学習内容や、サイエンス探究クラスで展開してきた探究的な学びは、すでに全クラスで共有できる段階にまで来ています。であれば、区分を設けるより、全員が高いレベルの学びを経験できるほうが望ましい。進路の幅を狭めることなく、柔軟な学びにつなげられると考えました」

 さらにカリキュラム・授業内容・評価方法も見直し、全体的な質の向上をめざしています。

「本校の強みである手厚いサポートは維持しつつ、自己調整学習理論を取り入れ、自学自習を支える仕組みを整えます。基礎学力の向上を図ると同時に、探究学習やグローバル教育、実践型プログラムを充実させ、発達段階に応じた力を着実に伸ばしていきます」(校長/大久保先生)

 これまで培った経験を全体として共有することで、生徒はより自由に自らの将来をデザインしていくことでしょう。

変わるポイント①
2026年度から
中学の教育実践を刷新
校長 大久保 靖先生校長
大久保 靖先生

 2026年度から中学では、コース制を廃止して自由度の高い学びを実現します。アクティブイングリッシュやアクティブサイエンスに代表される高度な英語・理科教育を全員が経験することで、学び合い、互いに高め合うことが可能になります。培ってきた強みを活かして常に改善を重ねながら、さらに充実した学びを提供していきます。

UPDATE
生徒のニーズに合ったリニューアルを実践
“なりたい自分”の実現に挑む生徒を強力サポート
探究活動を組み込んだ
『みらい科』の企業連携
学年をまたいだグループワークも実施。学年をまたいだグループワークも実施。

 企業連携による探究課題も積極的に導入している『みらい科』の授業。2024年度は山形県の老舗メーカー「酒田米菓」とコラボし、新商品として新たなフレーバーの煎餅を開発。2025年度はパッケージデザインやCMの提案などに挑戦し、文化祭ではコラボしたオリジナル煎餅を販売しました。

 2025年度の高2生は、同校の近隣に日本本社をおく化粧品ブランド「ロクシタン」とコラボし、企画・開発に取り組みました。実在企業との協働は、生徒にとって大きな成長の機会になっています。


大学を知る機会に中学から参加できる
『大学進学フェア』開催

 毎年7月、中高全ての生徒と保護者を対象に、大学受験に向けた意識を高め、大学をよく知るための機会として『大学進学フェア』を開催。2025年度は約30の大学が参加し、同校と高大連携協定を締結している東洋大学・東京女子大学・共立女子大学・女子栄養大学・成城大学・日本女子大学は対面型で実施。その他の大学はオンライン型で、各大学の担当者による説明会が行われました。生徒が志望先を具体的に考える貴重な場となっています。


入試形態の変化に対応
『勉強合宿』を高2の冬から夏に変更

 高2生全員参加による『勉強合宿』は、自学自習を中心としたプログラム編成による2泊3日の宿泊行事。一般選抜はもとより、学校推薦型選抜・総合型選抜などの年内入試にも対応するため、実施時期を夏へと変更しました。生徒各自が目標を定め、一日の勉強時間をいかに有効に使うかを、実際に身につけていきます。合宿中は、各教科担当による授業や大学入試の概況に関する講演、卒業生による講話の時間が設けられ、大学進学への意欲が大いに高まります。

周りの頑張りが刺激になる『勉強合宿』。高2の夏に行うことで、本格的な受験勉強へのスタートを切ります。周りの頑張りが刺激になる『勉強合宿』。高2の夏に行うことで、本格的な受験勉強へのスタートを切ります。
大学入試の傾向についての講義や、卒業生が登壇して今どんな仕事をしているかを紹介する講演も実施。大学入試の傾向についての講義や、卒業生が登壇して今どんな仕事をしているかを紹介する講演も実施。
変わるポイント②
2024年度は17名が
海外大学に合格
進路指導部長 花形 映里先生進路指導部長
花形 映里先生

 高い英語力を活かして、海外大学受験に挑戦する生徒が年々増えています。高校の評定平均値や英文エッセイなどの書類審査をもとに総合評価で合否が決まるUPAAを活用し、2023年度は25名、2024年度は17名が海外大学に合格しました。ここ3年間で合計約80名が合格を果たしています。

 UPAAは日本の大学とも併願できるため、国内進学希望者でも、自分の英語力を試したいという思いから出願する生徒もおり、合格が大きな自信につながっています。少数ではありますが、実際にイギリスの大学に進学した生徒もいます。

 現在の生徒たちは、ただ海外に憧れるのではなく、自分のやりたいことと結びつけて進路を考えています。その夢の実現をしっかりと応援していきます。

進学通信 2025年11月号
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