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私立中高進学通信

2025年11月号

基礎学力の育て方~こんなに成長しました!~

埼玉平成中学校

「計画・実行・振り返り・改善」を習慣化し、
基礎学力と自律の精神を育てる

担任の佐々木良輔先生(中央)とT・Sさん(中1/左)、T・Kさん(中1/右)。お二人は双子の兄弟です。

担任の佐々木良輔先生(中央)とT・Sさん(中1/左)、T・Kさん(中1/右)。
お二人は双子の兄弟です。

 生徒一人ひとりとていねいに向き合い、適切なサポートで土台となる学力を伸ばしている同校。中1のT・Sさん、T・Kさん、担任の佐々木良輔先生にお話を伺いました。

自律した学習を促す
ツールを的確に活用

『創造・自律・親切』を校訓に掲げ、これからの時代を生き抜く“人間力”の育成に力を注ぐ埼玉平成。学習面においては、「自らを律して学ぶ力」が特に重視されており、教員のきめ細かな支援のもと、「計画を立て、行動し、振り返って改善する」流れを日常に取り入れ、学びの基盤を築いています。

 その中心となっているのが、学習スケジュール帳『スコラ手帳』です。生徒は中1から毎日、生活の流れや学習時間、就寝時間、その日の振り返りを記入し、翌日に担任へ提出。担任は確認後、コメントを添えて返却します。

「先生のコメントが楽しみなんです。『一緒に頑張ろう』と書いてあると、『先生が支えてくれている』と感じてやる気になります」(T・Kさん/中1)

「勉強時間を可視化できるので、『今日は少なかったから明日は増やそう』など、自分で調整できるようになりました」(T・Sさん/中1)

「生徒にとっては時間の使い方を考えるきっかけに、教員にとっては様子を把握する手立てになり、信頼関係を深めるコミュニケーションツールにもなっています」(佐々木先生)

 定期テスト3週間前からは、学習計画に特化した『学習記録表』を活用。生徒は毎日、テストに向けた学習予定を記入し、担任は内容を確認して助言を加えます。

「こうしたやりとりによって、一人ひとりに合った学びの提案が可能となり、成果の向上につながっています」(佐々木先生)

「きちんと計画を立てて勉強すれば、点数に反映されることを実感しました」(T・Sさん)

「詰め込みすぎて予定どおりに進まない日もありましたが、先生から『量をこなすより教科を絞ったほうがいい』と助言を受け、うまく計画が立てられるようになりました」(T・Kさん)

英語力と読解力を高める
『基礎英語』と『朝読書』

 1限目の授業開始前15分間を活用した朝学習も、基盤づくりに大きく貢献しています。月~金曜日は、NHKラジオ『基礎英語』を聞いて学びます。小さい頃から英語に触れる機会があったT・SさんとT・Kさんにとっても、有益な時間となっているそうです。

「英会話が得意なので、音声を聞いてリピートするのが楽しいです。文法の基礎を学ぶことで、英語力の確実な伸びを感じています」(T・Kさん)

「正しい発音を聞いて何度も繰り返し発話するので、発音に自信がもてるようになりました」(T・Sさん)

 土曜日の朝は、本に親しむ『朝読書』の時間。教室の本棚には小説や実用書、実験本など多彩なジャンルが揃っており、読書習慣を定着させています。

「朝読書のために好きな本を持参する生徒もいますし、教室の本棚から選ぶ生徒もいます。読書習慣の定着と読解力の育成がねらいです」(佐々木先生)

「先生のおすすめで、理科の実験漫画『ビーカー君』シリーズを読むようになり、読書への苦手意識がなくなりました」(T・Kさん)

「本棚の洋書は全制覇しました。図書委員おすすめの本や、友達が『面白いよ』と言っていた本にも挑戦しています。朝読書が幅広いジャンルに触れるきっかけになりました」(T・Sさん)

自律学習を後押しする
『SHALL』がスタート

 自律的な学びをさらに強化するため、2025年4月から、自律学習サポート体制プログラム『SHALL(Saitama Heisei Autonomous Learning Lab)』が始動しました。毎週土曜日の午前中に、中1~中3の生徒が国・数・英の3教科をオンライン学習サービスで自学します。生徒は一人1台のChromebookを使い、教科担当が付き添って、理解が足りないところはマンツーマンで徹底指導します。

「授業で難しかった部分を復習したり、難問に挑戦したりできるのが魅力です。自分で学びたい単元を決められるので、楽しく取り組めます」(T・Kさん)

「『SHALL』の時間では、最初に『今日やること』、最後に『学んだこと』を入力してもらい、教員が確認する仕組みです。計画と振り返りの反復により、自律的な学習姿勢が育っています。
 卒業生の多くも『中高時代に身につけた計画・実行・振り返りの習慣が、大学生や社会人になった今も役立っている』と語ります。今後もこうした取り組みを通して、学びの基盤を培っていきます」(佐々木先生)

育成のポイント①
生徒と担任教員の信頼関係を築く
『スコラ手帳』

「日常の出来事やその感想などをスコラ手帳でやりとりすることで、何でも相談できる関係性を育んでいます。『授業のここが難しかった』というコメントから、生徒の苦手分野を把握して具体的な学習方法を指導するなど、学習面のサポートにも役立てています」(佐々木先生)

育成のポイント②
学習計画を立て成績アップへと導く
『学習記録表』

「『学習記録表』を通して、“正しく計画を立てて勉強すれば結果が出る”という成功体験が生徒の意欲を高め、一人ひとりの成長を促します。そのスモールステップの積み重ねがやがて希望の進路へとつながり、社会人になってからも大きな力となっていくはずです」(佐々木先生)

育成のポイント③
自律学習サポート体制プログラム
『SHALL』

 毎週土曜日の午前中に『SHALL』という自学自習を行う時間を設定することで、その週の学習で理解の足りない箇所を生徒が自らチェックし、学習動画を見て学び直したり、問題を解いたりして補う習慣が身につきます。また、教科担当教員が各生徒の学習アプリの使用履歴をチェックすることで、学習状況の把握にもつながっています。

『SHALL』を実践する図書館内のSH Labには、窓際などに自習スペースがあり、集中して自学に打ち込めるよう工夫されています。

『SHALL』を実践する図書館内のSH Labには、
窓際などに自習スペースがあり、集中して自学に打ち込めるよう工夫されています。

育成のポイント④
朝15分間の継続で力を磨く
『基礎英語』『朝読書』

『基礎英語』は英語の基礎力を養いつつスピーキング力とリスニング力を鍛えるのが目的。『朝読書』は読書習慣のない生徒でも興味を引く本に出合えるよう教室に小さな本棚を設置、興味を引くPOPも添えられています(写真)。

「多様な分野の本を置くことで、読書が苦手な生徒にも本と向き合う機会をつくり、本を読む習慣が定着するように促しています」(佐々木先生)

発展力を育む
解決策を導き出す力を育てる
『研究発表会』

 中学では、生徒が自ら選んだテーマを1年かけて研究し、年度末の『研究発表会』でその成果をプレゼンテーションする機会も設けられています。「宇宙と空のさかいめは?」「人の感情と脳の関係」など多彩なテーマが並びます。

 自律的な学習習慣によって身につけた主体的に考える力、計画立てて進める力は、こうした探究活動にも活かされています。

(この記事は『私立中高進学通信2025年11月号』に掲載しました。)

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