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私立中高進学通信

2025年1月号

地域とつながる協働活動

春日部共栄中学校

留学生とともに、春日部の
名店や史跡などの紹介動画を制作

最終日にはグループごとに教室でプレゼンテーションを競います。このグループは、アニメ『クレヨンしんちゃん』の世界が楽しめる施設を紹介しました。

最終日にはグループごとに教室でプレゼンテーションを競います。
このグループは、アニメ『クレヨンしんちゃん』の世界が楽しめる施設を紹介しました。

世界のリーダーを育てるプログラムの一環として、春日部共栄では例年夏に海外から講師を招く『K-SEP(Kyoei Summer English Program)』を実施しています。2024年は、日本に留学中の大学生や大学院生と中3生が心をひとつにし春日部市内の名所などを紹介する動画を完成させました。

古くから宿場町として栄えた
春日部市の魅力を発信

 2024年の『K─SEP』が実施されたのは、7月初旬の5日間。インドネシア、フィリピン、チュニジア、パラグアイ、アメリカ、ルワンダ、ミャンマー、オーストラリアの8カ国から留学中の大学院生、大学生合わせて8名が来校しました。

「2022年には、中学で『プログレッシブ政経コース』と『IT医学サイエンスコース』の2コースが導入されました。この一期生が中3になったこともあり、『K─SEP』をリニューアルして『Explore Kasukabe Video Project』という、地域と連携した新企画にチャレンジしました」(英語科/赤松美由紀先生)

 同校のある春日部市には日光街道が通っており、古くから宿場町として発展してきた歴史があります。桐たんすや麦わら帽子をはじめとする名産品も数多く、また人気アニメ『クレヨンしんちゃん』の舞台となる地としても有名です。

 中3生は、留学生たちの指導のもと数名のグループにわかれ、学校より徒歩15分圏内の場所から、紹介したいお店や史跡などを選びました。そして街へ出てその場所を取材し、動画を撮影・編集し、完成させたのです。

英語でコミュニケーション&
地域連携の新しい取り組み

 生徒たちが選んだのは、春日部八幡神社、崇蓮寺、郷土資料館、老舗のお茶屋さん、羽子板店、ラーメン店などです。

「生徒は、お店や施設などに自ら電話をかけて取材依頼をしました。この学年は中2で『春日部企業訪問』を行い、マナーを学んだうえで企業に電話をするなどした経験があります。そのため、スムーズに取材の協力を得ることができました」

 中3生はグループごとに留学生から台本や絵コンテ作成などの方法を学び、選んだ場所を訪れてスマートフォンで撮影。編集して完成した動画をみんなの前で発表しながら、英語でプレゼンテーションをしました。そして、そのなかから選ばれた4グループが、体育館で行われる決勝戦に挑むのです。

 留学生との会話には、もちろん英語を用い、動画にも英語の字幕を入れます。こうした共同作業を1日目の午後から5日間をかけて行いました。

「今回、英語を母国語としない国々から集まった留学生と、英語でコミュニケーションを図ったことで、生徒は英語が世界共通語であることを強く認識できたと思います。また、日本や地元春日部の文化や歴史の素晴らしさを、英語で海外の人たちに伝える喜びも知ったはずです」

留学生は「メンター」となり、5日間、グループの一人ひとりに寄り添います。「メンター」とは「信頼できる相談相手」を意味します。留学生は「メンター」となり、5日間、グループの一人ひとりに寄り添います。「メンター」とは「信頼できる相談相手」を意味します。
動画の制作にあたり、まずアメリカ人の留学生が生徒に絵コンテの作り方を教えました。動画の制作にあたり、まずアメリカ人の留学生が生徒に絵コンテの作り方を教えました。
「初日は留学生の方たちの前で緊張していた生徒たちも、日を追うごとに打ち解けていきました。最終日には、達成感を分かち合っていました」(赤松先生)「初日は留学生の方たちの前で緊張していた生徒たちも、日を追うごとに打ち解けていきました。最終日には、達成感を分かち合っていました」(赤松先生)
校内に貼り出された『K-SEP』の成果を一枚にまとめたポスター(国語科の授業の一環として作成)。校内に貼り出された『K-SEP』の成果を一枚にまとめたポスター(国語科の授業の一環として作成)。
『至誠館』(体育館)で行われた、クロージングセレモニーでの決勝戦の様子。写真は、お茶屋さんを紹介した小谷野さんのグループです。『至誠館』(体育館)で行われた、クロージングセレモニーでの決勝戦の様子。写真は、お茶屋さんを紹介した小谷野さんのグループです。
『Explore Kasukabe Video Project』について聞きました
イスラム教の習慣に触れ
貴重な体験ができました

出居莉菜さん(プログレッシブ政経コース/中3)

 私たちのグループは、春日部駅の近くにあるとんこつラーメンのお店を取材して、動画を作りました。春日部には人気のラーメン屋さんが多いと聞いたので、この街の魅力を伝えられると考えたからです。お店では店長さんへのインタビューや私たちがラーメンを食べる様子を撮影しました。しかし、私たちのグループを担当してくださったチュニジア出身のイメンさんはムスリムなので、豚肉の入ったラーメンは食べられません。日本のラーメンを味わってほしかったのですが、ニュースや授業でしか知らなかったイスラム教の風習を実感することができ、貴重な体験となりました。


取材を通して知った
お茶が持つおもてなしの心

小谷野哉汰さん(IT医学サイエンスコース/中3)

 春日部の名店を調べたところ、有名なお茶屋さんがあると知り、そのお店を紹介することに決めました。私たちの担当メンターは、アメリカ出身のロッシーさんです。ロッシーさんはユーモアにあふれた方で、そのお店で抹茶アイスを食べた時、冷たいものを食べると頭がキーンとなることを、英語で何と表現するのかを教えてくださいました。私は『K‐SEP』を通じて、お茶の種類だけでなく、お茶を出すことが、おもてなしの心に通じることを知りました。そして、これまで学んできた英語を使って、多くの留学生の方々と心を通わせることができたと思います。

地域とさらに連携を図り
生徒を大切に育てていきたい
赤松美由紀先生(英語科)

 2024年度の『K‐SEP』は、中2で実施した『春日部企業訪問』の延長線上にあるプログラムです。

 今回の『K‐SEP』は、この取り組みにグローバル教育の要素を加えた上で、一歩進んだ探究活動ができるようにしています。取材協力など地域の方々から親切に対応していただき、生徒は多くのことを学べました。また、春日部を深く知るとともに、この街に誇りと愛着をもてたはずです。地域の方々とのさらなる連携を図りながら、生徒を大切に育てていきたいと思います。

(この記事は『私立中高進学通信2025年1月号』に掲載しました。)

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