Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

私立中高進学通信

2025年11月号

校長先生はこんな人!

ドルトン東京学園中等部

生徒が失敗を恐れずに自ら創る
“意志ある学び”を全力で応援します

安居 長敏 (やすい・ながとし)校長先生

安居 長敏 (やすい・ながとし)校長先生

1959(昭和34)年、滋賀県彦根市生まれ。
1982年に滋賀女子高等学校(現・滋賀短期大学附属高等学校)で理科・数学教員として20年間教壇に立ち、
2002(平成14)年に教職を辞して友人とコミュニティFM局2局を設立・運営。
46歳で教育現場に復帰し、私立校、インターナショナルスクールで校長を歴任。
2019年にドルトン東京学園の開校に参画。2022(令和4)年7月に校長へ就任。現在の趣味はマラソンと読書。

教員を一度リタイアし
コミュニティFM局を設立

 私が「先生っていい仕事だな」と思うようになったのは、小学生時代の先生との出会いからです。1・2年時の担任の先生は、包容力があってお母さんのような存在でした。5・6年時の先生は、クラスを一つにまとめ、音楽コンクール出場に導いてくれた情熱的な先生でした。先生方の言葉が、私を含め多くの生徒に響いていく様子を目の当たりにし、いつしか「教師」という職業への憧れに変わっていったのです。

 大学卒業後、1982年に滋賀県の女子高で教員生活をスタートさせました。クラスの生徒46名と交換ノートで毎日やりとりをしましたし、学級通信も日刊で発行して、生徒たちの気持ちに寄り添うことを大事に担任を続けました。

 その後、学科再編やカリキュラムの検討といった学校改革に携わり、その実現が見えてきたことを区切りに退職しました。いわゆる「40歳の危機(forty's crisis)」だったのでしょうか。「もっと広い世界を見たい」と感じ、思い切って行動したのです。

 退職後は友人とコミュニティFM局の立ち上げに携わり、局の運営や番組製作、DJも担当しながら、個人や商店などのITサポートを行う事業を起業しました。「自分で決める」ことの楽しさ、そしてさまざまな人との出会いに恵まれた4年間は、私の人生を充実したものにしてくれました。

 その後、中高一貫教育と国際化の改革を進める高校との出会いがあり、再び教育現場に戻りました。

 沖縄でインターナショナルスクールの運営に関わった際は、言語の壁があっても、生徒や保護者を慮って理解しようと努めれば、心が通じ合うことを実感しました。幼稚園から中学校まで一貫教育を行う「英語教育特例校」でしたので、教科を英語で教える「イマージョン教育」を軸に、学校のブランディングなどの改革を推進しました。2019年に参事として本校へ赴任し、2022年から校長を務めることとなりました。

今こそ問い直したい
「学校」の意味

 これまで「学校」とは、豊富なコンテンツや知識を用意し、それを子どもたちに「移植」することで、有為な人物が育つと考えてきたように思います。

 しかしながら、実は子ども自身がいろいろなことを試行錯誤して考えていく、その行為や活動そのものに意味があるのであって、それらをどのように選び取っていくかは、子ども自身の手に委ねられるべきではないでしょうか。

 大人が子どもに制限をかければかけるほど、子どもは不健全になっていくと私は考えています。

 試行錯誤の場をつくる、つまり子どもたちが安心して、主体的に学べる環境を整えることこそが、私たち大人の役割だと考えます。

新たな学校改革
生徒が創る学びの場
安居先生のオリジナルシール。名刺交換の際などに一緒に渡し、学校PRに活かしています。安居先生のオリジナルシール。名刺交換の際などに一緒に渡し、学校PRに活かしています。

 本校は「生徒が自ら学びを創る」「教員は教えるのではなく、サポートに徹する」という、これまでの学校とは一線を画した教育を実践しています。

 教員の役割も従来とは異なります。本校では教員が生徒をリードするのではなく、生徒が自ら考え行動し、不足しているものを自覚して磨いていけるように、環境を整えていくアドバイザーやカウンセラー的な役割を担うのです。

 本校の生徒たちは中学の時から、世界中の10代を巻き込むイベントを高輪ゲートウェイ駅を舞台に主催したり、ビジネスコンテストで最優秀賞を獲得したりと、与えられた枠を越えて可能性を追求しています。

 1期生は偏差値ではなく、自らの「やりたいこと」を見つけて大学等に進学しました。なかには浪人して再挑戦を期す生徒もいましたが、本校は生徒たちが自分の人生を自分で考え、決めることを何よりも尊重しているのです。

 また、学年縦割りの「ハウス制度」も本校の特徴の一つです。異学年の生徒が触れ合うことを常としているため、卒業後も学校に戻ってきやすい関係性が築かれています。その関係性を介して大学や社会ともつながりができ、分断されることなく交流や活動を続けていけるのです。

「文化祭の前日」のような活気に満ちた本校の日常は、古き良き日本の学校とは異なる価値観を示していますが、保護者の方々からは「生徒の自主性を最大限に尊重してくれる学校」との評価をいただいています。今後もこの独自の教育スタイルをさらに「とがらせ」、本校の信念に基づいた教育を通じて世の中に新しい価値を提供し、未来の教育の形を提示し続けていきます。

[沿革]
「汝自らを求めよ」という教育理念のもと、2019(平成31)年4月に開校。1889(明治22)年設立の東京学園高等学校を前身とする。米国発祥の学習者中心の教育メソッド「ドルトンプラン」を実践し、「自由」と「協働」の2つの原理を基盤に、異学年のコミュニティである「ハウス」、主体的に組み立てる学習計画「アサインメント」、探究活動「ラボラトリー」の3つの柱で、個人の能力を最大限引き出す学びを提唱している。

進学通信 2025年11月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ