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私立中高進学通信

2024年4月号特集

創立100周年以上の伝統校

麴町学園女子(麹町学園女子)中学校

父から子へと託された
新時代の女学校創設の夢

校長/堀口千秋先生校長/堀口千秋先生

 女子のための学校がまだ少ない時代に、女子の社会的地位の向上と、女子教育の重要性を痛感した大築佛郎おおつきふつろう(創立者)は、父親の志を継いで1905年、現在地に麴町女学校を設立しました。これが本校の始まりなのですが、実はここでいう“父親の志”について、初めて明らかになったのが3年前のことです。これは本校の社会科教員の尽力の賜物でした。

 大築佛郎の父、大築尚志たかゆきは、佐倉藩(下総国)堀田家の家臣の家系に生まれた高島流砲術の使い手でした。ペリー来航を機に西洋学修業を命じられた大築尚志は江戸で、西周(※1)、桂小五郎(※2)、津田仙(※3)らと机を並べました。一人前の洋学者となった大築尚志は、藩士から幕臣に出世を果たし、その後沼津兵学校の設立準備から関わります。学校の目的は静岡藩の陸軍将校を養成することでしたが、おもしろいのは近代的な教育活動を試みたことで、当時は極めて稀な英語とフランス語のどちらかが必修科目でした。また、兵学校=男子教育といった考えが当たり前の時代にあって、女子の入学を許可したとの記録も残っています。そのような当時としては革新的な視点から、大築尚志の構想のなかに、“いずれは女子教育を”との熱い想いがあったのかもしれません。晩年には、共に佐倉藩士で親友でもあった、津田仙(津田塾大学創設者、津田梅子の父)と女子教育について語り合っていたといいます。わずか3年半で歴史の幕を閉じたとはいえ、ユニークな教育制度は他藩や新政府の注目するところとなり、沼津兵学校からは多くの優秀な人材が輩出され、日本の近代化を支える力となっていきました。

 大築尚志はこうした沼津時代の経験を、子の大築佛郎に「新時代の女学校の創設」という形で、遺志として託したのではないでしょうか。私は今、そのように考えています。

※1 啓蒙思想家。明六社に参加し、西洋哲学を日本に最初に紹介した。
※2 長州藩士で後の木戸孝允。薩長連合を結び倒幕運動に活躍した。
※3 欧米農業の普及に尽力。青山学院大学の創立に関わる。津田梅子の父。

沿革
1905年(明治38年) 9月12日、麴町女学校創立
1908年 「麴町高等女学校」となる
1920年 校服制定(和服)
1923年 関東大震災により校舎全焼
1945年 太平洋戦争の空襲により再度校舎全焼
1948年 新学制により高等学校設立
1960年 鉄筋5階建て校舎完成
1962年 屋内温水プール完成
2002年 新校舎本館完成
2003年 メディアモール、大築アリーナ完成
2005年 100周年
2022年 堀口校長就任
ワンランク上の探究活動を通してより確実な未来へ!
『みらい科』が『みらい探究』へブラッシュアップ
週1時間実施されている現在の『みらい科』の様子。自立した女性の育成をめざしたオリジナル授業です。週1時間実施されている現在の『みらい科』の様子。自立した女性の育成をめざしたオリジナル授業です。

 麴町学園女子には「なりたい自分」を見つけるための独自のキャリア教育『みらい科』があります。2024年度からはこの『みらい科』をブラッシュアップした形で、新たに『みらい探究』としてリスタートします。

「例えば、SDGs、地方創生、食と科学、地域と農業、国際交流、地域企業連携、STEAM、ビジネスプランなどのテーマごとにグループを分け、中1から高2まで5年間かけて、探究活動に取り組んでもらいます。ビジネスの世界には、特定の事業分野に経営資源を集中させる『選択と集中』という言葉がありますが、イメージはそれです。将来の基礎をつくる中高時代の学びに、ワンランク上の探究活動を加えて、大学進学に向かう生徒一人ひとりに誰にも負けない、得意分野を身につけてもらいたいと考えています」(教頭/馬渕和士先生)

 近年、大学入試では生徒の大半が年内入試(総合型選抜と学校推薦型選抜)を選ぶ傾向にあるという同校。『みらい探究』で身につけた知見・経験は、大学進学に向けた確かなアドバンテージとなるばかりか、学部・学科選択のミスマッチを防ぐ策としても期待されています。

「自ら選び、設定したテーマを、さらに深く掘り下げていきたいから大学に行くという動機付けにもなります。もっというと、中高時代に自分の専門領域が見つかれば、より充実した学校生活になるでしょう。そこが大きいと思います。地に足を付けた学びの楽しさを、高大連携の環境も整った本校で味わってほしいと思っています」(馬渕先生)

 全校挙げて“プレ120周年”と位置づけた新たな改革が、2024年度から始まります。

身近な自然科学のおもしろさを知って大学へ!
2024年度から『サイエンス探究クラス』がスタート

 知識を取り入れることにとらわれがちだった英語教育を抜本的に改革し、2016年度から独自のメソッド『アクティブイングリッシュ』を導入し、「英語嫌いの生徒は一人もいない」と言われるまでの成果を上げている同校。「英語教育なら麴町」との“麴町ブランド”も定着し始めた麴町学園女子に、2024年度から新たなクラス『サイエンス探究クラス』が誕生します。ただし“サイエンス”といっても理系学部・学科への進学を絶対条件とするものではなく、生活のなかで身近にサイエンスを楽しもうという視点から導入されます。

「理科教員でもある校長は、『誰の周りにも自然科学の材料が揃っている』とよく話しています。サイエンス探究クラスが求める姿勢もそこです。例えば、料理一つとっても自然科学で、いわば“クッキング・サイエンス”としての楽しみ方があります。サイエンス探究クラスで学んだ中学生が高校に進み、幅広い知識から難関大学をめざすのもいいですし、理系分野の探究活動を活かして、総合型選抜入試をめざすのもよいと考えています」(馬渕先生)

堀口先生による実験授業の1コマ。多くの発言が飛び交う活発な授業です。堀口先生による実験授業の1コマ。多くの発言が飛び交う活発な授業です。
論理的&批判的な思考力を身につける『アクティブサイエンス』も好評です。論理的&批判的な思考力を身につける『アクティブサイエンス』も好評です。
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