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私立中高進学通信

2022年8月号

校長先生はこんな人!

麴町学園女子(麹町学園女子)中学校

好奇心から「学び」を楽しめば
人生が豊かになり、失敗経験も生きる力に変えていけます

堀口 千秋 (ほりぐち・ちあき)校長先生
巣鴨高校を経て、東京理科大学理工学部応用生物科学科卒業。
1983(昭和58)年、獨協埼玉高等学校に理科教員として入職。
中学校の設立にかかわり、広報部長、教務主任、中等部主任、教頭を歴任。
2022(令和4)年3月、獨協埼玉中学高等学校退職。2022年4月、麴町学園女子中学校・高等学校校長に就任。

日常生活のなかで好奇心を
育めば毎日が変わる

 私は大学で生物学を専攻し、理科の教員となります。思い返せば小学生の頃から、果物のタネを見つけるたびに植えるような、好奇心の強い子どもでした。

 小学校低学年の頃、イチゴの表面に付いている粒々はタネなのかどうか気になって植えたことがあります。粒を一つひとつ取り出しても、乾燥させないとカビが生えてうまく発芽しませんでした。試行錯誤の末に小さな粒から芽が出てきたときは、とてもうれしかったことを覚えています。

 実は大人になってからも、おいしいイチゴやメロンがあるとタネを取って植えています。野菜や果物を自分で育てていると、発見がたくさんあっていまだに楽しいのです。

 たとえば落花生は、咲いた花がしぼんだ後に根っこのような子房柄(しぼうへい)が地面へ向かって伸び、地中に潜り込んでさやを作ります。花が地面に落ちてから実が生まれるので「落花生」と呼ばれることを知っている人は少ないのではないでしょうか。

 花のつくりやメダカの飼育方法を覚えることが理科の勉強ではなく、さまざまな自然現象や生物の行動に興味をもって観察し、調べ、できれば実験し、考えることが科学の本質だと考えています。

 一時期、「理科嫌い」の生徒が増えていると問題になりましたが、教科書を読んで覚えようとするから面白くないのです。実際に自分で見て、体験しなければ気づかないこと、わからないことはたくさんあります。

 本校は都心にありますが、かねてより2階のルーフガーデンではハーブや野菜類を育てるなど、食育にも力を入れています。好奇心をもって毎日を過ごすと、人生に面白さや深みが加わります。それは生涯をイキイキと過ごす秘訣でもありますから、中高の6年間でぜひ好奇心を育んでもらいたいと考えています。

失敗から学び考える経験を
たくさんしてほしい

 校長室では観賞用の植物を育てているのですが、肥料や水をたくさん与えるなど、甘やかしすぎるとなかなか花を付けません。これは子育ても同じだと常々感じています。特に小中学生のうちに失敗を経験しておくことは非常に重要です。この時期に失敗しても、子どもは自力で立ち直ります。

 人生に失敗は付きものですから、失敗に際してどう行動し、気持ちを立て直すかを知らないと、大人になってから非常に苦労します。ですから、保護者の方々には「お子さまにたくさん失敗させてください。そして失敗したときに手を貸さないでください」とお願いしています。

 中高生でも学習や部活動が思い通りにいかなかったり、友人や家族との関係がこじれたり、日々いろいろな失敗やトラブルがあるはずです。その都度、保護者や教員が介入して問題を解消してしまっては、自分で考えて行動する機会が失われてしまうからです。

理系科目の面白さを知り
将来の選択肢を増やす

 理系に進む女子生徒を増やそうと、各大学がさまざまな取り組みをしていると聞いています。本校でも理系に興味・関心のある生徒が迷いなく進路を決められるよう、さまざまな働きかけをしていきたいと考えているところです。

 本校でのアクティブサイエンスの取り組みとして、現在3つの実験室がフル稼働しており、特に中1生は実験器具の使い方から始まり、年間10回以上の実験に取り組んでいます。

 実験は成功することが目的ではなく、予想を立てたうえで、何故そのような結果になるのかを考えることが大切です。中学生の時期に知的好奇心を育ててほしいと考えています。

 そもそも文系・理系の垣根がない時代になってきました。将来の進路を考えたとき、希望する道へ進んでいくためには、理系の学びが役立つときもあります。本校の英語教育・グローバル教育には確かな実績がありますので、これからはそこに加えて理系科目の面白さや奥深さにも、もっと親しんでもらいたいと考えています。

 また、生徒には何でも良いので「武器になる科目を見つけなさい」と話しています。実技科目も含め、一つでも得意な科目があれば、成功体験につながり、他の科目も頑張ろうとする原動力になるからです。

 将来と向き合う大切な時期だからこそ、生徒の自己肯定感を高め、偏差値やブランドで進路を決めるのではなく、興味・関心に従って決められるよう、しっかりとサポートをしていきます。

[沿革] 東京帝国大学理学部地質学科を卒業後、都内の大学で鉱物学を講じていた大築佛郎が1905(明治38)年、麴町女学校を設立。その後、麴町高等女学校となり、関東大震災や太平洋戦争の空襲で校舎が全焼するなどの苦労を重ねながらも、現在の麴町学園女子中学校・高等学校へと発展。2020(令和2)年に創立115周年を迎える。多様化する社会に対応していくために、学力だけでなく、課題対応能力やコミュニケーション能力といった世界に通用する『みらい型学力』を養う教育を実践している。

[沿革]
東京帝国大学理学部地質学科を卒業後、都内の大学で鉱物学を講じていた大築佛郎が1905(明治38)年、麴町女学校を設立。その後、麴町高等女学校となり、関東大震災や太平洋戦争の空襲で校舎が全焼するなどの苦労を重ねながらも、現在の麴町学園女子中学校・高等学校へと発展。2020(令和2)年に創立115周年を迎える。多様化する社会に対応していくために、学力だけでなく、課題対応能力やコミュニケーション能力といった世界に通用する『みらい型学力』を養う教育を実践している。

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