私立中高進学通信
2024年8月号
保護者の私学ライフ
ドルトン東京学園中等部
保護者の自由な発想で
活動が生まれています
「教職員への感謝の日」に、エントランスホールで出勤してきた先生方にTシャツを贈ります。
「スクールモットー『恐れずに進め』の気持ちで楽しんでいます!」
生徒はもちろん、保護者の主体性も尊重されている同校。
自主的に集まった保護者がイキイキと活動しています。
活動の一つ、「教職員への感謝の日」について伺いました。
保護者のアイデアが
次々と実現しています
――「教職員への感謝の日」を始めたきっかけを教えてください。
村岡さん
きっかけは、学校からシンポジウムのお手伝いの募集があり、手を挙げた3人が知り合ったことです。本校は2019年に開校した新しい学校で、生徒が「自分で考え、自ら行動すること」が尊重されています。保護者も自主性が重んじられ、PTAという形での活動はありません。そこで、先生と保護者がつながる場をつくり、日頃の感謝と応援の気持ちを伝えようという話になったのが始まりでした。
高1女子のママ。「教職員への感謝の日」の発案者。昨年度は生徒企画による中学卒業パーティー「プロム」をサポート。
平井さん
アメリカでは、5月に「教職員に感謝を伝える1週間」という行事があります。それを参考にして、「教職員への感謝の日」を催してはどうかと提案しました。そして先生方に、スクールカラーであるドルトンブルーのTシャツをサプライズで贈ることになりました。感謝の気持ちを込めて、“A good education can change anyone. A good teacher can change everything.(良い教育は誰をも変える。良い教師は全てを変える)”というメッセージをデザインしました。
村岡さん
先生方がすぐに着てくださったので、当日は学校がドルトンブルーでいっぱいになりました。一体感があって、感動的でしたね。
平井さん
先生方との距離も縮まったように感じました。安居校長先生のお話では、お揃いのTシャツを着た先生方を見て、生徒たちは何事かと驚いていたとのこと。保護者が寄付を募り、先生への感謝と励ましの気持ちとしてTシャツをプレゼントした経緯も話してくださったそうです。先生方にも喜んでいただけたようで、企画して良かったと思いました。
――パワーアップした2回目にはどんなアイデアが集まりましたか?
高1女子のママ。生徒の興味を広げる機会がたくさんある同校の教育方針に共感し、昨年度から「教職員への感謝の日」を実施。
村岡さん
今年度は中心メンバーが8人に増えました。保護者有志の「つながり会」と一緒に企画したので、より多くのアイデアが実現できました。
小田金さん
「つながり会」は、昨年度の「Dalton EXPO(学習成果を発表する行事)」で、保護者有志の出展に参加したメンバーの会です。保護者が学校に来て集まる場を作りたいという思いから、月に1度「親カフェ」を開催しています。主に学校行事や保護者会が行われる時、カフェテリアなどにお茶とお菓子を用意します。たくさんの方に気楽に集まってもらうため、参加費は100円としています。
仲津さん
新しい学校なので、「もっと学校の様子が知りたい」「上級生になると授業はどうなる?」など、不安を感じる保護者の方もいます。そんな方々が気軽に質問したり、おしゃべりしたりできる場を作りたいと思い、アイデアを出しました。先生方も立ち寄ってくださり接点が増えたので、「教職員への感謝の日」への参加を心待ちにしていました。「教職員への感謝の日」では、4月に着任された6名の先生方の出身地のお菓子を用意しました。感謝とともに、“Welcome”の気持ちを伝えられればと考えたことでしたが、先生方がとても喜んでくださり、会話も広がりました。
中3男子のママ。「Dalton EXPO(学習成果を発表する行事)」の保護者出展の参加メンバーで「つながり会」を始める。
小田金さん
各先生にメッセージを書いた色紙を準備したメンバーもいます。次々とアイデアが出てきて、準備が楽しかったです。
村岡さん
仕事をもつメンバーも多いのですが、やりたい人が、得意なことを、できる範囲でやっているので、負担感もなく、活動はとても楽しいです。
平井さん
急な呼びかけにもかかわらず、当日のお手伝いに駆けつけてくれた保護者が大勢いました。さまざまな特技や専門性をおもちの保護者も多く、活動を通じて皆さんにお会いできるのも楽しみなんです。
仲津さん
保護者のアイデアを寛大に受け入れてくださる学校の度量の広さがあるからこそ、私たちも自由にアイデアを発信できるのだと思います。スクールモットーの「恐れずに進め」を、保護者も実践しています。
自分のテーマを見つけ
探究できる学校です
――受験を考えている方に学校の特徴や魅力を教えてください。
村岡さん
生徒も保護者も「自分らしさ」を大切にできる学校です。お互いの多様性を尊重し、興味を広げて、自分のテーマを探究できる場ですね。「自分もこの学校で学びたかった!」と話す保護者が多いです。
中3女子のママ。「つながり会」の活動で、保護者同士、保護者と教員が交流できる「親カフェ」を企画し、月1回実施。
仲津さん
わが家では「ワクワク偏差値トップの学校」と話しています。受験期は親子ともども進路に悩みました。そこで、実際に学校へ行ってみて、一番ワクワクした学校を受験しようと決めたのです。さまざまな学校に足を運び、娘が「通いたい!」と決めた学校がココでした。今ではダンス部の活動に夢中で、毎日イキイキとしています。
小田金さん
やりたいことを見つけて追求する生徒さんが多いなか、息子はいたってマイペースです。でも、これという活動はしていないのに、「居心地がいい」と学校からなかなか帰ってこないのです。この学校では、クラスの代わりに、複数の学年で構成される「ハウス」に所属して過ごすのですが、そのコミュニティも良い居場所になっているようです。
平井さん
高1の娘はこの学校で宇宙工学と出会い、自分の好きな研究に没頭しています。「自律的な学習者を育てる」がこの学校の教育メソッドで、「Dalton EXPO」をはじめ、自分の学びを深めて、広げる機会が多いですね。アメリカへの1年留学も決まり、今年の夏に出発します。
村岡さん
自分のやりたいことを見つけて探究し、発信する力を養う6年間が過ごせる学校だと思います。
先生の声
2回目となる「教職員への感謝の日」を催していただき、こちらこそ感謝しています。教職員はみんな大喜びです。本校では、保護者は「やりたいことを、できる人が、やれるタイミングでやる」ことを大切にしています。保護者の自主的でアイデア満載な活動は、生徒たちの素晴らしいお手本です。(校長/安居長敏先生)
保護者有志による「教職員への感謝の日(Teacher Appreciation Day)」
先生に日頃の感謝を伝える「教職員への感謝の日」は、保護者有志により昨年度から始まりました。ドルトンブルー(スクールカラー)のTシャツを、出勤する先生一人ひとりにプレゼント。Tシャツには、“Teachers are the builders of Tomorrow(先生は明日をつくる人)”と書かれています。そして、先生方を、4月に着任した先生方の出身地のお菓子とお茶でもてなします。
(この記事は『私立中高進学通信2024年8月号』に掲載しました。)
ドルトン東京学園中等部
〒182-0004 東京都調布市入間町2-28-20
TEL:03-5787-7945
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