私立中高進学通信
2023年9月号
授業ルポ!
麗澤中学校
有志の生徒が大活躍
主体性で動く『チームICT』
放課後に集まった『チームICT』のメンバーたち。この日は文化祭に向けて各チームが自由に活動していました。
『生徒が主役』を基本方針に学びを展開する麗澤。有志の生徒で構成される『チームICT』も、生徒が主体的に「やりたいこと」を選んで活動しています。
生徒たちにクリエイティブな
活動の場を提供
こころを育てる『知徳一体』を教育理念とし、生徒の積極性や発信力を伸ばすため、主体的に学べるICT環境づくりに日々取り組んでいる麗澤。生徒は1人1台ノートパソコンのChromebookを所持しており、授業や委員会活動、教員とのやりとりなど、学校生活のあらゆる場面でICTを有効活用しています。
そうした環境下で、生徒たちがより自由にデジタルツールに触れ、やりたいことをやれる場をつくろうと、『チームICT』の活動が始まりました。学年を問わず有志の生徒たちが自由に集まり、さまざまな活動に取り組む組織です。活動拠点の『ICTルーム』には、動画アニメーションの制作やDTM(※1)に対応できる高性能なパソコンのほか、本格的なデジタルツールも揃い、生徒たちの創造的な活動をサポートしています。
チームICTを指導するのは、情報科主任でDX推進チームゼネラルマネージャーの野口紘司先生です。
「コロナ禍の影響で文化祭などの学校行事を開催できない状況が続くなかで、『生徒たちにクリエイティブな活動の場を提供できないか』と考えたことが発足のきっかけです。有志の生徒を募って、体育祭や文化祭で配信する動画をつくるといった活動を始めました。
あえて部活動や委員会活動にせず、生徒が気軽に集まってワイワイ楽しみながら、やりたいことに取り組めるようにしています」
※1 DTM…Desk Top Musicの略。パソコンを使った音楽制作を意味する。
将来の進路に
つながっていくことにも期待
「生徒の『こんなことがやってみたい』という要望を、教育活動として実現してあげたい」と話す野口先生。最近では、eスポーツに取り組む生徒のために高性能ゲーミングパソコンを新たに導入したそうです。
「eスポーツは単なる娯楽ではなく、野球やサッカーなどと同じプロスポーツの一つです。生徒の希望を柔軟に取り入れ、挑戦を応援できるのも、チームICTの強みです。
クラスや部活動などでスポットライトが当たらなかったかもしれない生徒たちも、チームICTの活動を通じて輝きを放っていく。そんな姿を見ると、本当にうれしくなります」
ICTツールをただ使いこなすだけではなく、新規事業の創出に関心を向けるような機会も設けています。2022年にはチームICTのメンバーが、ドコモの研究開発やNTTグループの最新技術を体験できるイベントに参加しました。
「チームICTの活動が、情報系の学部に興味をもつきっかけとなり、将来の進路へとつながっていくことにも期待しています」
生徒インタビュー
部活動でも委員会でもなく、学年もクラスも飛び越え活動中!
やりたいことに挑戦できる『チームICT』
マインクラフトで校舎を再現
VOCALOIDにも挑戦
動画編集やマインクラフトでキャンパスを再現する活動をしてきました。現在は、DTMでVOCALOID(※2)制作に取り組んでいます。チームICTの活動を通して、扱えるソフトや機材の幅が増え、さまざまなジャンルに興味をもつようになりました。趣味の延長として取り組んできたことが、スキルアップにつながりました。チームICTに参加して本当に良かったと思っています。
※2 VOCALOID…コンピュータやスマートフォンにメロディや歌詞を入力することで、人間の歌手のように歌わせることができる音声合成技術。
動画制作に挑戦して
ICTスキルがアップ
演劇部にも所属していますが、チームICTでは主に動画制作を担当し、部活動では経験できない裏方の仕事に取り組んでいます。チームICTは、やりたいことに挑戦したい気持ちがあれば、実現できる環境が整っています。ICTのスキルアップはもちろんのこと、それ以上にたくさんの学びが得られるので、これから入学される後輩の皆さんにも、ぜひ参加してほしいと思います。
提案すれば形にできる
学外活動にも積極的に
チームICTには、好奇心旺盛で積極的な生徒が集まっています。やりたいことを提案すれば形にしていけるので、皆イキイキと輝いています。学外にも活動の幅を広げ、去年は東京ビッグサイトで開催された『docomo Open House'22』も見学しました。最前線の取り組みを体験して大いに刺激を受け、視野も広がる良い機会になりました。
メンバーからスキルを伝授
DTMにも挑戦中
スキルゼロの状態からスタートし、メンバーから教えてもらいながら活動を続け、進めていくうちにできることがどんどん増えていきました。文化祭ではダイジェスト動画を制作し、シューティングゲームも作りました。「DTMに挑戦したい」と先生に話したところ、機材を導入していただきました。小さな意見も受け入れてくれるのが、チームICTの素晴らしいところです。
入試広報生徒チームとも
連携して活動
僕はゲームが大好きで、ゲーム制作にも興味があります。ゲームの素晴らしさをもっと多くの人に伝えたくて、チームICTの活動に参加しました。チームICTは単独ではなく、入試広報生徒チーム『STAR(Student Team for Admissions at Reitaku)』と連携した活動も展開しています。他団体と結びつくことで、よりいっそう活動の幅を広げていけたらと思っています。
バナー制作をきっかけに
情報系学部へ興味が
私はもともと文系の教科が好きで、情報系の学びに対する関心はさほど高くありませんでした。ですが、チームICTに入って、美術部と連携して文化祭のバナー制作をしたところ、それをきっかけにデジタルワークの楽しさを知り、以来ずっと活動を続けています。今はホームページ制作に興味があり、大学の情報系学部に進学したいと考えています。
ゲーミングパソコンの導入で
eスポーツに初挑戦
チームICTでは次々に新しいことへ挑戦しました。動画制作やWebサイト制作のほか、ゲーミングパソコンの導入をきっかけに練習を重ね、eスポーツの大会に出場したことも。自分を表現することが得意ではありませんでしたが、チームの活動を通じて新しい仲間と新しい挑戦をすることがとても楽しく、ICTの可能性と魅力を感じています。
eスポーツの大会に参加
文化祭でもPR活動
高2の夏に友達に誘われてチームICTに入り、eスポーツの大会に参加しました。大会を通じていろいろな人と知り合うことができ、『もっとたくさんの人をeスポーツに巻き込んでいきたい』という思いが高まって、文化祭の出し物としてeスポーツを楽しんでもらう活動に取り組みました。eスポーツを通じて多くの人たちを笑顔にできたらと考えています。
体育祭の動画配信を経験
複数のカメラ撮影で団結力も強固に
体育祭の動画配信を担当しています。1本の動画を作るのにカメラワークだけでも3人のメンバーが関わっていて、技術力に加え団結力も鍛えられます。一般的な高校では経験できない本格的な機材を使って取り組めることが楽しく、電子黒板の効果的な用い方を提案するなど学校の学びに貢献でき、やりがいを味わえることがチームICTの醍醐味です。
学校HP制作も担当
スキルを進路につなげたい
中1からチームICTに参加しています。学校生活を紹介するブログサイトの制作を担当し、文化祭や体育祭を取材して撮影したり記事を書いたりしています。今は文化祭に向けて、マインクラフトで校舎を建築するなどキャンパスの再現にも取り組んでいます。プログラミングや配信にも挑戦して経験を積み、将来につなげていきたいです。
(この記事は『私立中高進学通信2023年9月号』に掲載しました。)
麗澤中学校
〒277-8686 千葉県柏市光ヶ丘2-1-1
TEL:04-7173-3700
進学通信掲載情報
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