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私立中高進学通信

2025年9月号

キャリア教育の現場から

麗澤中学校

社会で活躍する卒業生に学ぶ
「働く」ということ

左から教頭/古川圭介先生、れいこう麗澤会 会長/白澤美幸さん

左から教頭/古川圭介先生、れいこう麗澤会 会長/白澤美幸さん

 心を育てる『知徳一体』を教育理念とし、高い品性と深い英知を備えた人物を育む麗澤。同校の職業別講演会は、生徒が「なりたい自分」をイメージできる生きたキャリア教育です。運営に携わる古川教頭先生と、れいこう麗澤会会長の白澤美幸さんにお話を伺いました。

生徒のアンケートから
多様な職業の講師に依頼

 東京ドーム9個分もの広大かつ自然豊かなキャンパスで、『感謝の心・思いやりの心・自立の心』といった心の力を鍛えることを重視した教育を行っている麗澤。多様な価値観のなかで自らの使命を見いだし、グローバルな社会で活躍する人材を育んでいます。

 そんな同校が行うキャリア教育の一つが「職業別講演会」です。

「私も本校のOBですが、在学当時から、卒業生による講演会があったと記憶しています。その後も学年別に催していたのですが、2013年からは同窓会組織『れいこう麗澤会』のご尽力により、毎年20人以上の卒業生をお招きして、高1と高2の生徒を対象に講演していただいています」(教頭/古川圭介先生)

 2020年かられいこう麗澤会の会長を務める白澤美幸さんは語ります。

「社会が多様化してさまざまな職業が誕生し、生徒の進路も多岐にわたっています。卒業生に講演を依頼すると、皆さんお忙しいのに『母校のために』と快諾してくださるのでとても感謝しています。生徒にとっても同じ学舎まなびやから巣立った先輩からじかに話を聞けるのは、とても得難いことだと思います」

 バラエティに富んだ職業の卒業生が講師を務めますが、どのような基準で依頼しているのでしょうか。

「私たち教員が考えるとともに、高1と高2の生徒約500人に、第1希望から第3希望までアンケートを取って、その結果を優先して講師を依頼しています」(古川教頭)

 講演会は毎年9月末頃、土曜の午前中に実施されます。講師は各教室で講演を2回行い、生徒は興味のある講演を2つ選んで聴講できます。

「講師の皆さんは、この日のためにていねいに準備してこられます。1回の講演だと貴重なお話を聴けない生徒も出てしまうので、2回講演をお願いしています。大人が子どもに明確な“正解”を伝えられない予測困難な時代なので、今まさに社会で活躍する講師の経験から、確かな何かを生徒に伝えられるのではないかと思っています」(白澤会長)

 講演会は進路選択を目前にした高2だけではなく、高1も参加できるのが特徴です。

「高1と高2では生徒の求めているものが違います。高2は具体的な進路の参考に、高1は講師の話を通して生き方や文理選択のヒントを得ます。また、幅広い年齢層の講師から母校愛が伝わってきて、生徒たちも感動するようです」(古川教頭)

 講師の方々も講演会を通して、改めて自分の仕事を見つめ直すといいます。「学び合い」を意味する校名「麗澤」を体現する瞬間といえるでしょう。

基調講演は“くりーむパン”で有名な「八天堂」森光孝雅代表取締役。基調講演は“くりーむパン”で有名な「八天堂」森光孝雅代表取締役。
講演の形式は自由。生徒との対話を重視する講師も人気です。講演の形式は自由。生徒との対話を重視する講師も人気です。

年齢が近い講師の話は、生徒の心に特に響くようです。

「順調にいくことだけが正解ではない」
卒業生に教わる社会人としての姿勢

 2024年度の職業別講演会に登壇した講師の職業は、企業経営者、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、獣医、幼稚園・小学校・中学校の教員、地方公務員、テレビ局員、アナウンサー、フォトグラファー、webデザイナー、建築士、弁護士など多岐にわたり、貿易と金融に携わる卒業生も海外から参加しました。

――2024年度は23人の講師が参加されています。職業も本当にさまざまですね。

古川教頭
今までで最も多くの卒業生にご参加いただきました。20代〜30代の方は特に、生徒として先輩の話を聞いた記憶も新しく、「ご恩返しになれば」と引き受けてくださいました。海外在住の方は、今回は事前の動画収録ではなくリアルタイムで参加したいと、ロンドンからリモートで講演してくださいました。

職業に関しては、本校では昔から教職の人気が高いのですが、コロナ禍以降は医療系に興味をもつ生徒が増えたようです。

――不確実な時代だからこそ、社会の第一線で働く講師のお話は貴重ですね。

白澤会長
転職が当たり前の時代になりましたが、やはり新卒でどこに就職してどんな仕事をするかは、生徒にとってとても大きなことだと思います。

古川教頭
生徒たちが社会人になって、困難にぶつかった場面でどう動くか。それが一番重要だと思います。講師の方々も、今までずっと順風満帆だったわけではありません。大企業の社長や医師など社会的成功者と呼ばれる方々も、問題にぶつかって、とことん考えて、一つひとつ解決していって今があります。私たちは講師の方に、「うまくいったことも、いかなかったことも、どうぞそのままお話しください」とお願いしています。話を聞いた生徒が、「順調にいくことだけが正解ではないとわかりました」と感想をくれたこともありました。生徒たちが本当に求めているのは、社会的地位や年収よりも、「やりがいのある仕事」なんです。

――最後にメッセージをお願いします。

白澤会長
「麗澤で学んだ『笑顔で挨拶する習慣』が、社会へ出て本当に重要だとわかりました」と、皆さんおっしゃいます。80年以上の歴史がある同窓会組織をはじめ、さまざまな点で人と人とのつながりを大切にする学校だと思います。

古川教頭
本校は、人間としての品性と道徳性を高め、社会に貢献する人を育てています。生徒が先生より優れた人物になることを「しゅつらんの教育」と言いますが、教員だけでなく卒業生も社会人としての姿勢を生徒に全力で伝え、後輩が自分を超えていくことを願っています。本校に興味をもたれましたら、ぜひ説明会にいらしてください。

明るいロビーで話す古川教頭(左)と白澤会長。明るいロビーで話す古川教頭(左)と白澤会長。

明るいロビーで話す古川教頭(左)と白澤会長。

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