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私立中高進学通信

2021年2・3月合併号

実践!私学のグローバル教育「授業」

三輪田学園中学校

国連会議をシミュレートする
国際的な取り組み“模擬国連”

国際政治の仕組みを理解し、国際問題を解決するための会議を体験する「模擬国連」。世界中の学生が取り組む高度な教育プログラムの魅力に迫ります。
模擬国連講座は毎週2回、放課後に行われています。

模擬国連講座は毎週2回、放課後に行われています。

国連を模した
高度な取り組みに挑戦
同校の模擬国連講座を担当する内田美穂先生同校の模擬国連講座を担当する内田美穂先生

 学生が各国の大使になりきって、実際に国連で行われた会議を体験することで国際政治の仕組みを理解し、国際問題の解決策を考える過程を体験できる教育プログラムとして高い評価を受けている「模擬国連」。1923年にハーバード大学で始まった模擬国連は、現在では世界中の学生が取り組み、日本でも1980年代以降に広がって全国の中学・高校・大学で行われています。

 担当する国の大使の立場で発言し、国益を考えて会議に参加することが求められるため、担当国の知識と会議での交渉力が要求される高度な取り組みです。この模擬国連に2012年から取り組んでいる同校の内田美穂先生に話を伺いました。

「生徒から『大会に出たい』と相談を受けたのが、私の模擬国連との出会いでした。最初は生徒たちの持ってきた原稿のチェックを頼まれたのですが、模擬国連に取り組むことに意義を感じて、生徒の理解を深めるために2016年に模擬国連講座を立ち上げて活動し始めました」

 初めて参加した大会では、進行の速さや英語で展開する会議の空気に圧倒され、生徒たちは大きなショックを受けていたといいます。

「帰り道は駅まで、メンバーは悔しくて全員半泣きでした。生徒たちの意欲に火がついた姿を見て、このままにしておけない、私も一緒に努力しなければと思ったのです」

国際的な模擬国連大会で
受賞の栄誉を得る

 生徒たちの意欲と内田先生の指導が功を奏し、2019年にはアメリカ・台湾・韓国・日本から21校が参加した「環太平洋国際模擬国連会議(PRIMUN)」で同校の2名が「Honorable Mention」という優秀賞を受賞しました。

「模擬国連は基本的に英語で行われることが多いのですが、受賞した2名は帰国子女でもネイティブでもない生徒でした。彼女たちが英語力と模擬国連の活動でスキルを磨いて賞をいただいたことは、他の生徒たちの励みにもなったようです」

 国際的な大会で受賞したこともあり、模擬国連に興味を持つ生徒が増えていると内田先生は言います。当初は高校生を対象にスタートした同校の模擬国連講座ですが、現在では中2、中3の参加者も増えているのです。

「私は世界史が担当で、受験を考えるとどうしてもインプット中心の授業になってしまい、生徒も受け身にならざるを得ません。
 でも模擬国連講座は、アウトプットを前提としたインプットなので、生徒たちは自発的に一生懸命調べてきます。若干のレベル差があっても、みんなとても能動的です。これも模擬国連の魅力だと思います」

 同校の生徒たちが模擬国連に取り組むうえで、内田先生以外にも強い味方がいるといいます。

「英語科教員の支援はもちろんのこと、模擬国連経験者のネイティブ教員の存在は大きいです。英語についても、交渉の仕方についても、アドバイスしてくれて、生徒たちも励みになっています」

 国連会議をシミュレートする模擬国連では、最終的にコンセンサス(合意)を得ることが重要で、相手を論破することが目的ではありません。

「自国の利益だけを主張していてはコンセンサスを得られず、最後には戦争になってしまいます。各国が少しずつ妥協することが求められますが、妥協ばかりしていては国益が守れない。そこが模擬国連の面白いところだと思います。生徒たちには模擬国連を通して国際問題に興味を持ち、国際感覚を身につけてほしいと思っています」(内田先生)

主張や立場が近い大使が集まって話し合いが行われます。

自国の主張をすべての大使に説明するスピーチ。自国の主張をすべての大使に説明するスピーチ。
生徒の手元には事前に調査した資料が表示されたタブレット端末があります。生徒の手元には事前に調査した資料が表示されたタブレット端末があります。
進行の途中で内田先生の意見や質問、講評が入ることも。進行の途中で内田先生の意見や質問、講評が入ることも。
自分の成長を実感できる模擬国連の魅力

 現在同校の模擬国連講座の代表と副代表を務めるR.Y.さんとA.O.さんに、模擬国連の魅力について聞いてみました。

「私は中3から今まで、思うように発言できず『もうやめよう』と何回も思ってきました。でも今では、その悔しい思いが次につながるのだと思うようになりました。発言量が増えた時に、自分の成長が感じられるのも魅力です」(R.Y.さん)

「会議のたびにテーマや自分が担当する国の状況を詳しく調べるのですが、苦労して調べたことが自分の知識を増やしてくれるところは模擬国連の魅力だと思います」(A.O.さん)

同校の模擬国連講座の代表・R.Y.さん(左)と副代表のA.O.さん(右)。同校の模擬国連講座の代表・R.Y.さん(左)と副代表のA.O.さん(右)。
週2回の模擬国連の進行を務めつつ後輩を指導。週2回の模擬国連の進行を務めつつ後輩を指導。

(この記事は『私立中高進学通信2021年2・3月合併号』に掲載しました。)

進学通信 2021年2・3月合併号
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