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私立中高進学通信

2022年11月号

私学だからできるオリジナル教育

埼玉平成中学校

伝統の自然学習
『サイエンスフィールドワーク』

伝統の宿泊行事『サイエンスフィールドワーク』が2022年度、再開されました。豊かな秩父の自然の中で交流を深め、思考力や表現力も高めることができます。
標高約1000メートルの林の中を歩くハイキングは、『サイエンスフィールドワーク』のメインイベントです。大峰山山頂に到着。往復10キロ約6時間を踏破しました。

標高約1000メートルの林の中を歩くハイキングは、『サイエンスフィールドワーク』のメインイベントです。
大峰山山頂に到着。往復10キロ約6時間を踏破しました。

STEM教育の一環として
自ら学び表現する力を養う

 埼玉平成が開校して以来、中1の自然学習として続いてきた『サイエンスフィールドワーク』。登山や飯ごう炊さんなどの体験を通してクラスの親睦を深め、集団生活の規律や協力することの大切さを学ぶ2泊3日の宿泊行事です。コロナ禍の間は中止を余儀なくされましたが、2022年度は3年ぶりに再開することができました。

 2021年度、実施できなかった中2生も加わり、中1・中2の2学年全員参加で実施したところ、学年を越えた交流が生まれ、生徒たちの人間関係づくりにも良い影響が見られました。

『サイエンスフィールドワーク』は、親睦を深める行事であるとともに、同校が展開するSTEM教育(※)の一環として位置付けています。同校は将来的に必要とされる科学的思考力や論理力、自主的に学ぶ姿勢を育てるため、埼玉大学STEM教育研究センターと連携したロボットのプログラミングや、理科実験を行ったりJAXA筑波宇宙センターを訪問したりするなど、多彩な体験学習を実施しています。

 こうした学びに対して受け身で臨むのではなく、この実験で何を学ぶのか、振り返って何を学んだのかといった「学習の見通し」を立てられるような支援を積極的に行っています。『サイエンスフィールドワーク』においても、自然観察や地層学習を研究成果としてまとめ、発表することを通して、思考力や表現力を伸ばしプレゼンテーション能力を育成することも目的の一つに据えました。

※STEM教育…Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)それぞれの頭文字を取った造語。 これら4分野を総合した理数教育に力を注ぎ、将来、科学技術の発展に役立つ人材を育てることを目標にした教育手法。

自然を観察しながら、
学びをどのように深めるかを考える
理科・STEM教育担当/佐々木良輔先生理科・STEM教育担当
佐々木良輔先生

 生徒が能動的に学べるよう、現地での学習活動も大切にしています。出発前には事前学習として秩父の夏の植物や夏の星座などを調べ、現地では自然観察でデジタルカメラにおさめた画像をコンピュータに取り込んで確認し、事後学習の発表に向けて整理に取りかかるよう促します。体験したその日に軽くまとめたり、テーマ案を出し合ったりすることは、秋以降の本発表に向けた下準備となるのです。

「事前学習で調べた知識と、自然の中で動植物の生きている様子を目の当たりにした体験とを比べて、自分が何を感じ、疑問に思うのかを整理する力を身につけてほしいですね。事後学習では出し合ったテーマを基に、グループや個人でまとめ、学校説明会等で発表します」(理科・STEM教育担当/佐々木良輔先生)

 自然の中で学んだことを再び言葉や映像などを駆使して「表現する」までが、STEM教育につながる『サイエンスフィールドワーク』の学びなのです。

中1・中2合同の『サイエンスフィールドワーク』
五感を通して豊かな自然を学び取る3日間

 8月の24~26日にかけて行われた『サイエンスフィールドワーク』は、学校からバスで西に約3時間、埼玉県内の社会教育施設「大滝げんきプラザ」へ。秩父多摩国立公園内の秩父湖(二瀬ダム)と、奥秩父もみじ湖(滝沢ダム)との間に位置する、山梨県との県境にも近い大自然の真ん中を訪れました。


1日目

 朝、学校を出発。昼に現地に到着し午後はオリエンテーリングと飯ごう炊さん、夜は天体観測を実施。

飯ごう炊さんではみんな手際よく野菜を切ったり洗い物をしたりと分担して進めました。飯ごう炊さんではみんな手際よく野菜を切ったり洗い物をしたりと分担して進めました。
この夜は雨模様のため、体育館で双眼鏡や天体望遠鏡の操作方法を学びました。この夜は雨模様のため、体育館で双眼鏡や天体望遠鏡の操作方法を学びました。

2日目

 約6時間かけて、自然観察をしながらハイキング。カモシカやリス、クマやイノシシも棲むような標高900~1000メートルの林の中を進みます。生徒たちは中1と中2を混ぜた4人1組のチームで行動。時には歌を歌って励まし合いながら全員が無事にスタート地点に戻ることができました。

自然の中で指導員の方にヒノキなどの樹木の生え方や育ちぶりを学びます。自然の中で指導員の方にヒノキなどの樹木の生え方や育ちぶりを学びます。
中身が食べられているクルミの殻。リスやシカなどが住んでいることがわかります。クマが樹皮をひっかいた跡なども観察できました。中身が食べられているクルミの殻。リスやシカなどが住んでいることがわかります。クマが樹皮をひっかいた跡なども観察できました。
ハイキング中、デジカメで撮影した画像はすぐにコンピュータで確認。メンバーがそれぞれ撮った対象から、どのようなテーマで発表するかを相談します。ハイキング中、デジカメで撮影した画像はすぐにコンピュータで確認。メンバーがそれぞれ撮った対象から、どのようなテーマで発表するかを相談します。

3日目

 最終日の3日目は、県の天然記念物に指定されている橋立鍾乳洞を訪問。最後は県立自然の博物館を見学しました。

 1・2年混合の班にしたことで、これまで部活動を通してしか交流のなかった生徒たちは寝食を共にすることで互いの素顔を知れたようです。協力し合いながら学校の仲間としての絆を深めた3日間でした。

生徒インタビュー
自然の中で協働しながら学ぶ体験から多くを発見

野生の息遣いに触れる貴重な体験

Kさん(中2)Kさん(中2)

 中学に入って初めて、皆と一緒に宿泊行事ができて楽しかったです。長時間にわたるハイキングは、野生のクマが木の皮をはがした跡など貴重なものを見ることができました。キャンプファイヤーでは、コロナの心配があるので互いに距離を取りながら、歌や出し物はせずに静かに火を囲みました。最後にみんなで楽しんだ花火は、この夏の忘れられない思い出になりました。

人工林と自然林の生え方の違いを観察

Oさん(中1)Oさん(中1)

 1日目の飯ごう炊さんは薪を組んで火をおこすところから始めました。どの班も上手にご飯が炊けて美味しいカレーライスができたので嬉しかったです。片づける時は手に真っ黒なすすがついて大変でした。2日目のハイキングでは、人工林と自然林の木の生え方が異なることを教えてもらいました。人工林のほうはまっすぐ、自然林は太陽の光を求めて少し斜めになっていて違いが一目瞭然で、実際に見て学ぶことの大切さを実感する体験となりました。

進学通信 2022年11月号
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