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私立中高進学通信

2025年1月号

私学だからできるオリジナル教育

鴎友学園女子中学校

アサーション・トレーニング
自他尊重の表現力を磨く

中1生は3回目となるアサーションの授業で、チェックリストを通じて友達・家族・先生への言動を振り返り、
その結果について話し合い、アサーションについての質疑応答も行いました。
話し方や表現の仕方の特徴など、「自分」を知るところからアサーションは始まります。

「生徒たちがどう生きるのか」を前提にした生活指導と、主体的・能動的な活動を重視した学習指導。その両輪で生徒たちの内面を育んでいる同校。じっくりと時間をかけて、自分も相手も大切にするマインドを育成しています。

自己肯定感の向上に
10年前から着手
中1最後のアサーション授業では、「ほめ言葉のプレゼント」をテーマに実践。2023年度の授業では、担任の窪田先生も生徒から言葉をプレゼントされました。中1最後のアサーション授業では、「ほめ言葉のプレゼント」をテーマに実践。2023年度の授業では、担任の窪田先生も生徒から言葉をプレゼントされました。

 創立以来、『慈愛と誠実と創造』を校訓に、キリスト教の精神を基盤とする心の教育を行ってきた鷗友学園女子。同校は高い進学実績で知られていますが、学習面だけでなく生徒の心理的サポートにも注力しています。1980年代からスクールカウンセラーを導入しているほか、新しい人間関係を築く中1時には、他学年よりクラス数を増やして1クラスの人数を30人程度に抑え、「3日に1回の席替え」を行うなど、細やかな配慮が行き届いています。

 その一環として中1・中2で実施しているのが『アサーション・トレーニング』(※、以下アサーション)です。自分の意見や気持ちを適切に伝えながら相手の意見も尊重するスキルを身につけ、ストレスをため込まない人間関係を構築するコミュニケーション力を培う活動です。

「本校では、生徒が他者とポジティブな関係を築いて自己肯定感を高めることをめざし、2013年からアサーションを導入しています。導入初年度には、日本にアサーションを導入した心理学者の平木典子先生が本校に来てくださり、まずは私たち教員がアサーションのレクチャーを受けました」(中1担任・国語科/窪田由紀先生)

 中1・中2で計10回にわたり実施されるアサーションの授業は、臨床心理士などの資格をもつ心理学の専門家の外部講師(トレーナー)が担当しています。元来ビジネス向けのトレーニングであったアサーションですが、同校で実施されるカリキュラムは鷗友生に向けてカスタマイズされています。トレーナーの代表で、平木先生の教え子でもある同校卒業生の隅谷理子さん(大正大学臨床心理学部准教授)が中心となり、教員とも緊密に協議を重ね、作り上げたものです。生徒の心情を真摯に受け止め、新たな気づきを促す内容となっており、講師陣のていねいな指導に対しても教員から厚い信頼が寄せられています。

※アサーション・トレーニング……アメリカで生まれたアサーション・トレーニングは、1980年代に日本に導入され、日本の文化に合うように発展してきました。現在では企業やさまざまな団体の人材開発、大学やその他の教育機関でのキャリア教育やホームルーム活動など、幅広い分野で導入されています。

トレーナーの平子雪乃さんが、3つの表現の違いをていねいに説明。トレーナーの平子雪乃さんが、3つの表現の違いをていねいに説明。
生徒が取り組んだチェックリストは、「友達の仲間に入れてほしい時」「親に自分の意見・考えを伝えようとした時」などの質問に対し、自分はどんな態度を取るのかを選ぶ形式。かなり具体的な内容ですが、生徒たちはみな、じっくりと考え、正直に自分と向き合っていました。生徒が取り組んだチェックリストは、「友達の仲間に入れてほしい時」「親に自分の意見・考えを伝えようとした時」などの質問に対し、自分はどんな態度を取るのかを選ぶ形式。かなり具体的な内容ですが、生徒たちはみな、じっくりと考え、正直に自分と向き合っていました。
身を乗り出し授業を聴く生徒たち。身を乗り出し授業を聴く生徒たち。
授業レポート
自分の意見を主張しつつ相手も気遣う
コミュニケーションを考える
より良い人間関係を構築する力を培い、自己肯定感を向上

 2024年10月、中1の第3回アサーション授業が行われました。第1回・第2回の授業で生徒たちは、相手を優先し自分を後回しにする「ノンアサーティブ」、相手の気持ちは考えずに自分の意見を押し通そうとする「アグレッシブ」、相手も自分も大切にしながら折り合える地点を探る「アサーティブ」の3つの表現について、ロールプレイで話し手や聞き手の立場を体験し、その気持ちや表現の違いについて学びました。

 今回の授業では、友達・家族・先生など身近な人への接し方や話し方について、チェックリストを通して振り返り、自らの意思を表現しつつ相手も気遣う「アサーティブ」なコミュニケーションについて考察しました。まずは授業を担当するトレーナーの平子雪乃さんが自身のチェックリストを公開し、「私は家族が相手だとアグレッシブな話し方になりがちです」と自己分析の一例を示しました。その後、生徒たちはチェックリストに取り組み、点数化することで自分の話し方の傾向を客観的に見つめ、振り返りを記録。クラスメートと共有する時間も設けられ、自己理解を深めました。

 さらに、アサーションや3つの表現について、疑問を出していきます。ある生徒は「友達とケンカをした時、『ごめんね』と言われたけれど、うわべだけのように感じました。これはアサーティブなのでしょうか? 率直に本音を伝えてくれたほうが良かったかも」と問いかけました。これに対し平子さんは、「その場合、あなたの伝え方がアグレッシブに感じられて、相手が少し引いてしまったのかもしれません。または相手がアサーティブなコミュニケーションを試みたけれど、うまく伝わらなかった可能性もあります。感じ方は人それぞれ異なり、相手の受け取り方に影響されますが、自分からアサーティブな表現をしていくことが重要だと思います」と応じます。

 こうしたやりとりを通じて、クラス全体に、状況に応じたアサーティブな対応を考えるきっかけが生まれました。

 さらに平子さんは、1970年代にアメリカ社会が人種や性別による差別を撤廃しようとするなかでアサーションが発展してきた歴史についても紹介。生徒たちは真剣に耳を傾けていました。

鷗友学園女子の独自カリキュラム
アサーション・トレーニング
中1・中2の実践
中1 全体オリエンテーション : アサーションのすすめ
第1回 3つの話し方を知ろう・体験しよう
第2回 3つの話し方を区別してみましょう
第3回 アサーションスタイルの自己理解
3つの話し方のまとめとアサーション権、
アサーション誕生の歴史
第4回 ものの見方や考え方のいろいろ
第5回 ほめ言葉のプレゼント
~自己発見と他者発見~
中2 第6回 インタビュー体験~自己発見と他者発見~
第7回 困った場面でのアサーティブな表現
~伝えることの工夫~
第8回 困った場面でのアサーティブな表現2
~私が伝えたいことを上手に伝えるセリフ作りのコツ~
第9回 アサーティブなやりとり
~相手から話しかけられた時に上手に伝えるセリフ作り~
第10回 アサーションの全体のまとめ
アサーティブに聴くということ
全体まとめ : アサーションのすすめ
先生からひとこと
思いやり、相手の背景を想像する力を育む

 デジタル世代である今の生徒たちは、どちらかというと対面でのコミュニケーションが苦手です。アサーションを導入してから、気持ちを伝え合う力が導入以前の生徒より成長したと感じます。高校生になり、アサーションで学んだことを思い返して部活動で実践する生徒も多いです。練習に来ない生徒に対してただ注意するのではなく、「何か悩みでもあるのかな」と、相手の視点に立って課題を相対化できる力が備わっているように思います。実際にアサーションを使う場面を経験して理解が深まっています。(中1担任・国語科/窪田由紀先生)


先生からひとこと
人の受け取り方の多様さに気づける学び

 アサーションには、「こうあるべき」という理想や正解はありません。取り組みを通じて、いろいろな表現があることへの気づきを得て、「相手の話をよく聞こうと思った」という振り返りをする生徒が多く、アサーションへの理解が深まっているのを感じます。本校は教科授業でもグループワークやペアワークなど、コミュニケーション力を育てる手法を取り入れています。欧米圏やアジア圏で展開している国際理解教育プログラムでも、生徒がアサーションで培った力を発揮してくれるとうれしいですね。(中1学年主任・社会科/吉田裕幸先生)

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