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私立中高進学通信

2023年4月号

私学だからできるオリジナル教育

鴎友学園女子中学校

興味を社会に紐づけ分析
現社レポート発表会

30年以上もの間、継続してきた中3・現代社会のレポート作成とプレゼンテーション。探究学習の先駆けともいうべき同校の取り組みを取材しました。
中3生が一堂に会した2023年1月の学年発表会では、各クラスの代表7名がプレゼン。聞き入る生徒たちは興味津々。各プレゼン後の質疑応答ではたくさんの手が挙がり、鋭い質問が飛び交いました。

中3生が一堂に会した2023年1月の学年発表会では、各クラスの代表7名がプレゼン。
聞き入る生徒たちは興味津々。各プレゼン後の質疑応答ではたくさんの手が挙がり、鋭い質問が飛び交いました。

自分の興味・関心から
社会課題を発見して探究
社会科担当/伊藤保志先生社会科担当/伊藤保志先生

 校訓『慈愛と誠実と創造』を基に、他者を思いやり、自分を大切にする心を育む鷗友学園女子。自由な発想で、これからの社会を創造する力を育成しています。学力の充実とともに、社会性の獲得を大切にする同校ならではの教育プログラムの一つが、中3・社会科の授業で行う現代社会の研究レポートです。

 生徒たちは自分の興味・関心から発想を広げ、社会への問題提起と解決策について、半年間をかけてグループではなく “一人1テーマで”取り組みます。

「個人面談を行い、社会に還元する視点をもって考察するようアドバイスはしますが、企業や自治体への訪問取材、現地調査、アンケート調査、取材先へのアポイントや交渉も教員は手助けせず、すべて生徒が自力で行っています」(社会科/伊藤保志先生)

 例年、生徒全員が個々のテーマを深掘りし、クラス内でレポートを発表。投票で選ばれたクラス代表が、学年発表会でプレゼンテーションを行います。

 2023年1月に行われた学年発表会を取材しましたが、7名の代表者はさまざまな調査を基にした鋭い分析を展開。聞き入る生徒たちも熱心な様子で、質疑応答も活発に行われていました。発表会の機材のセッティング運営、司会進行も生徒だけで行っており、ホール全体が熱気にあふれていました。

自ら行動する校風が育む
深い洞察力と実行力

 こうした高度なレポート作成や主体的な行動力、互いの個性を認め合う雰囲気は、中1からの積み重ねがあってのことだと伊藤先生は話します。

「社会科では、中1の地理において本格的なフィールドワークや生徒の興味を引き出す探究型授業を実践しています。また、中2の歴史でも、例えば、戦争の講和会議を題材にしたロールプレイを行い、自らが外交官になって積極的に他国と交渉する術を磨くなど、常に自分からアクションを起こして学びに取り組むよう促しています」

 特に中3・現社レポートは進路選択にも影響を及ぼし、『大学での研究は現社レポートがきっかけ』『現社レポートで興味をもち、その分野の仕事に進んだ』といった卒業生が少なくありません。

「大学入学共通テストをはじめ多くの大学入試では、高度な読解力や思考力が問われていますが、本校の取り組みは、大学入試で求められる能力を十分に養うと考えています。
 もちろん、大学受験がゴールではありません。本校がめざすのは、一生を通じて必要となる “学び続ける力”の育成です。自分の目で社会を見つめ、そこに問いを見出し、意見や考察を論理的に構築して自分の言葉で表現する経験は、生徒がその後、さまざまな問題に向き合う際の “姿勢” “態度”を変えます。それこそが最も大事なことではないでしょうか」

毎年、作成したレポートを冊子にまとめています。中3生とは思えないほどの高度なテーマのレポートがずらり(写真は2019年度版)。毎年、作成したレポートを冊子にまとめています。中3生とは思えないほどの高度なテーマのレポートがずらり(写真は2019年度版)。
取り組みの初期には、30年間のノウハウが詰まった同校オリジナルのテキストを使って、文章の書き方やレポートの展開手法や調査方法、執筆時の引用等について、ていねいに教員がレクチャー。取り組みの初期には、30年間のノウハウが詰まった同校オリジナルのテキストを使って、文章の書き方やレポートの展開手法や調査方法、執筆時の引用等について、ていねいに教員がレクチャー。
自らの視点で現代に切り込むクラス代表7名の発表
『テレビ離れを阻止するには』
K.R.さん
ネットでは特定の人の声が大きくなるため、テレビでの情報発信も大事だと訴えた。SNSでの発信に着目し、若者のテレビ離れを阻止するための取り組みを提案。

 ネットでは特定の人の声が大きくなるため、テレビでの情報発信も大事だと訴えた。SNSでの発信に着目し、若者のテレビ離れを阻止するための取り組みを提案。


『コンビニ24時間営業』
T.Y.さん
コンビニの24時間営業は必要か?という問題提起。77.1%のコンビニで深夜早朝営業が赤字になっているデータをもとに、レジレス店舗の提案など今後の具体策を提示。

 コンビニの24時間営業は必要か?という問題提起。77.1%のコンビニで深夜早朝営業が赤字になっているデータをもとに、レジレス店舗の提案など今後の具体策を提示。


『eスポーツによる地方創生は可能か』
K.Y.さん
地方創生の一つの可能性としてeスポーツによる振興事業を提案。富山県や群馬県でのeスポーツへの取り組み事例を紹介しながら、企業側にもメリットがあると説明。

 地方創生の一つの可能性としてeスポーツによる振興事業を提案。富山県や群馬県でのeスポーツへの取り組み事例を紹介しながら、企業側にもメリットがあると説明。


『豚まんから考える環境問題』
T.Y.さん
豚まんの原材料である豚肉と小麦の背景にある環境問題を提示。地球温暖化と食肉生産の関係性や代替肉のメリットなども紹介しつつ、環境のために自分たちができるアクションを紹介。

 豚まんの原材料である豚肉と小麦の背景にある環境問題を提示。地球温暖化と食肉生産の関係性や代替肉のメリットなども紹介しつつ、環境のために自分たちができるアクションを紹介。


『AIの進化と職業、能力について』
N.K.さん
「AIによってなくなる職業トップ25」を資料として配布。AIにできることは実は限定的であることを紐解き、人間の強みである「読解力」「判断力」の大切さに着目。

「AIによってなくなる職業トップ25」を資料として配布。AIにできることは実は限定的であることを紐解き、人間の強みである「読解力」「判断力」の大切さに着目。


『日本のマスク問題』
M.S.さん
世界でも特殊な日本のマスク事情に着目。屋外でのマスク着用率を路上で実際に調査し、フィリピンやアメリカの例なども交えながら、今後のルールのあり方を提案。

 世界でも特殊な日本のマスク事情に着目。屋外でのマスク着用率を路上で実際に調査し、フィリピンやアメリカの例なども交えながら、今後のルールのあり方を提案。


『日本のテレビドラマとジェンダー』
H.M.さん
90年代のドラマと現在のドラマを比較し、ジェンダーの描かれ方の変化を紹介。パートナーシップ制度など法整備にも言及し、多様性についてテレビから発信することの意義にも触れる。

 90年代のドラマと現在のドラマを比較し、ジェンダーの描かれ方の変化を紹介。パートナーシップ制度など法整備にも言及し、多様性についてテレビから発信することの意義にも触れる。

生徒コメント
突き詰めて分析する面白さを実感

 自分の好きなテレビドラマと昨今話題に上がるジェンダーを組み合わせると面白いと思い、「ドラマがジェンダー観を発信すべき」という観点で論を展開しました。

 調査では、過去のドラマを見るだけではなく放送時の世論なども調べました。分類や作品選びで苦労しましたが、今後も未知のことを学び、視野をより広げていきたいです。

進学通信 2023年4月号
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