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私立中高進学通信

2024年11月号

変わる私学!

日本工業大学駒場中学校

115年の歴史を誇る工業科が終了!
新教育構想を続々と実施中

工業科が終了し、進学型の普通科専一に!
学校の中心にある図書館の前に立つ、教務部長・新教育運営推進主任の竹内真先生(右)と、入試広報主任の堀口博行先生(左)。

学校の中心にある図書館の前に立つ、
教務部長・新教育運営推進主任の竹内真先生(右)と、
入試広報主任の堀口博行先生(左)。

創立以来続けてきた工業科が2023年をもって終了。
普通科のみとなった“日駒”に、“変わるポイント”と“変わらないポイント”を取材しました。

明治40年から1世紀以上続けた
伝統の工業科が終了

 1907(明治40)年の創立以来、工業に特化した男子校として歴史を重ねてきた日本工業大学駒場。創立101年目となる2008(平成20)年には普通科を開設するとともに共学校へと移行し、2023(令和5)年には工業科が115年の歴史に幕を下ろして普通科専一校となりました。

「創立以来、100年以上にわたって工業技術教育を運営してきた本校ですが、生徒の進路の多様化など、ニーズに合わせて普通科の設置や共学化などを行ってきました。そうした変革のなかで普通科専一校に舵を切り、工業科を終了することになったのです」

 そう話すのは、同校の教務部長で、新教育運営推進主任も務める竹内真先生です。

「普通科を設置して以降、学習や進学に対して高い意識をもった生徒が増えてきており、結果として英検の取得率や進学実績が向上しています。入学希望者が毎年増加傾向にあるのも、工業科終了に伴う進学面での期待の表れではないかと思います。工業科の終了が周知となるにつれ、こうした傾向は今後もさらに強まっていくものと考えています」(竹内先生)

受け継ぐべき伝統と
「日駒新教育ハニカム構想」

 工業科は終了したものの、創立以来変わらない部分もあると竹内先生は強調します。

「生徒たちにものつくりの楽しさを体験してもらいたいという思いは、工業科が終了した後も教員が変わらずに抱いています。工業ではものつくりに真剣に向き合わないと良いものはできません。そうした工業科由来の良き伝統は引き継いで、生徒たちに伝えていきます」(竹内先生)

 引き継ぐべき伝統は、ほかにもあると竹内先生は続けます。

「本校では“人柄教育”を重視しています。校訓である“誠実・明朗・勤勉”の心をもった生徒を育てることが目標です。そのために生徒と向き合う“教員の熱量”も、引き継ぐべき伝統です。工業科の授業では、真剣に取り組まないと道具によるケガや事故に直結しますが、本校では工業科の長い歴史において大きな事故を起こしたことはありませんでした。これはやはり、熱い指導の賜物だと思います。この“教員の熱量”は、今後も進路指導などに引き継いでいきたいですね」(竹内先生)

 これまで中核を担ってきた工業科の終了という大きな変化を迎えた同校では、今後の学校運営にあたって「日駒新教育ハニカム構想」を掲げています。

「本校には園芸養蜂部という部活動があり、屋上庭園でニホンミツバチを飼育しています。そのミツバチの巣のハニカム構造(六角形を用いたしなやかで力強い構造)から着想を得たもので、“国語教育” “ものつくり教育” “グローバル教育” “学習指導” “キャリア教育・進路指導” “理数教育”の6つを結合し、生徒の“人柄”を育んでいこうというものです。これまで培ってきた工業教育の伝統は大切にしつつ、学習面の拡充など時代やニーズに合わせた新しいものを積み重ねて、より魅力的な教育を実現していきたいと考えています」(入試広報主任/堀口博行先生)

変わるポイント①
進学実績上昇中!
女子生徒にうれしい施策も展開中
普通科新設と工業科終了後の変化について語る竹内 真先生。普通科新設と工業科終了後の変化について語る竹内 真先生。

 普通科を新設して以来の変化として、学習に高い意識をもつ生徒が年々増えているように感じます。それは進学実績にも如実に表れていて、GMARCHへの進学者数は5年前の倍に手が届くところまできています。

 普通科の新設と同時に共学化も行っており、現在の女子の比率は中高全体で23.8%です。女子ラウンジを作ったり、女子トイレをリニューアルしたりとさまざまな施策を行っており、女子比率30%超をめざしています。


変わるポイント②
企業との共同エコ・プロジェクトから始まった
都心の学校屋上養蜂
園芸養蜂部は全国学生養蜂サミットやJRA次世代養蜂プログラムへの参加など、精力的に活動しています。園芸養蜂部は全国学生養蜂サミットやJRA次世代養蜂プログラムへの参加など、精力的に活動しています。

「日駒新教育ハニカム構想」を着想するきっかけとなった二ホンミツバチの巣箱は、屋上庭園の一角に設置されています。園芸養蜂部が飼育・行動観察を行う屋上養蜂は、鹿島建設と共同で取り組むエコ・プロジェクトから始まったもの。ミツバチが学校を中心に、半径1~2㎞の範囲にある花から集めてきた蜜の採取も行っています。


変わるポイント③
3行書評やポップ作りなどを通して
積極的に読書に親しむ生徒を育成
各学年向けの文学集。生徒の評価なども参考に、定期的に掲載作品の入れ替えが行われています。各学年向けの文学集。生徒の評価なども参考に、定期的に掲載作品の入れ替えが行われています。

“国語教育”の一環として、課題図書を読んで書評を提出する「能動的読書プログラム」を定期的に展開しています。また、各学年に向けて文学集を作っており、これらの作品の3行書評やポップ作りなども行っています。得意・不得意はありますが、生徒たちは楽しみながら取り組んでいて、読書に親しむきっかけとなっているようです。

難関大学受験をサポートする
支援システム「日駒光風塾」
「日駒光風塾」は、校舎から駒場東大前駅に移動(徒歩3分)する途中の駅近くにあり、移動に時間がかからないのも魅力です。「日駒光風塾」は、校舎から駒場東大前駅に移動(徒歩3分)する途中の駅近くにあり、移動に時間がかからないのも魅力です。

 国公立大学や難関私立大学への進学を支援するため、2015年にスタートした「日駒光風塾」。選抜試験に合格した各学年最大30名が、現役東大生を含む講師陣による学習サポートに授業料無料で参加できます。2022年からは中2・中3を対象に、「日駒光風塾ジュニア」を開講。選抜制で最大40名ほどが、「楽しく伸ばす」ことを基本コンセプトに、積極的かつ主体的に学んでいます。

115年の歴史を紡ぐ
根本精神が刻まれた「工業教育の碑」
学校の歴史と、世の中が変化しても変わらない根本精神について、柳澤章理事長の一文が刻まれた「工業教育の碑」。学校の歴史と、世の中が変化しても変わらない根本精神について、柳澤章理事長の一文が刻まれた「工業教育の碑」。

 2023年に工業科は終了しましたが、それまで紡いできた歴史を忘れず未来へ受け継いでいくために、「工業教育の碑」が敷地の一角に建てられています。熱い気持ちで生徒と向き合う教員に導かれ、“誠実・明朗・勤勉”の心で物事に向き合う生徒たちの伝統は、これからも変わることはないでしょう。

進学通信 2024年11月号
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